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この11月は何かと忙しく、なかなかブログの更新ができませんでした。

今日は最近、ご相談いただくことの多いハラスメントの問題です。

中小企業では令和4年4月1日から義務化されます!

 

まずは「パワーハラスメント」とは何か?定義から確認しましょう。

厚労省のリーフレットには次のように書かれています。

職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①~③までの要素を全て満たすものをいいます。

客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、該当しません。

 

ハラスメントの問題は具体例を見ていった方が理解しやすいです。特にここではパワーハラスメントを取り上げています。

・叩く、殴る、蹴るなどの暴⾏を受ける。丸めたポスターで頭を叩く。

・同僚の⽬の前で叱責される。他の職員を宛先に含めてメールで罵倒される。必要以上に⻑時間にわたり、繰り返し執拗に叱る。

・1⼈だけ別室に席をうつされる。強制的に⾃宅待機を命じられる。送別会に出席させない。

・新⼈で仕事のやり⽅もわからないのに、他の⼈の仕事まで押しつけられて、同僚は、皆先に帰ってしまった。

・運転⼿なのに営業所の草むしりだけを命じられる。事務職なのに倉庫業務だけを命じられる。

・交際相⼿について執拗に問われる。妻に対する悪⼝を⾔われる。

 

さて、中小企業の経営者としてこうしたハラスメント対応を具体的にどういう手順でどうしていったらいいのか、ということです。

実際、私の顧問先からもそのようなご相談がほとんどです。

 

これも厚労省のリーフレットを参考にしてみると、次のように書かれています。

個別の事案について、その該当性を判断するに当たっては、当該事案における様々な要素(※)を総合的に考慮して判断することが必要です。

※ 当該言動の目的、当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況、行為者の関係性、当該言動により労働者が受ける身体的又は精神的な苦痛の程度等

また、その判断に際しては、相談窓口の担当者等が相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも配慮しながら、相談者及び行為者の双方から丁寧に事実確認等を行うことも重要です。

 

上記のことを少しかみ砕いて実務的に言うと、ハラスメントを訴える相談があったらまずは事実関係を確認することです。これは、当事者だけではなく、できれば普段、その周辺にいる第三者にも話を聞いてみることです。一方の話だけでは正確な判断ができるとは限らないからです。

私がよく言うのは、事実と意見(主観)に分けて聞いたほうがいいということを言います。たとえば、「嫌な上司がいる」という社員がいたとします。その上司から仕事上の指導を受けることをハラスメントととらえるのは違うわけです。たとえば、指導の仕方が「こんなこともわからないんじゃ、やめてもらうしかないよね」というようなことを言えばハラスメントです。この「こんなことも~」という発言が事実なわけです。「嫌」という勘定に引っ張られると事実が見えなくなります。何を言ったのか、何をしたのか、できるだけ客観的な事実をとらえてそれをできれば紙に書いて時系列にまとめることが大事だと言っています。それをできれば、当事者だけでなく、第三者からも話を聞いてみるということです。

 

中小企業のこうした対応が令和4年4月1日から義務化されます。

具体的には次のようなことです。

◆ 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発

① 職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること

② 行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、労働者に周知・啓発すること

◆ 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

③ 相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること

④ 相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること

◆ 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応

➄ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること

⑥ 速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと(注1)

⑦ 事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと(注1)

⑧ 再発防止に向けた措置を講ずること(注2)

注1 事実確認ができた場合注2 事実確認ができなかった場合も同様

◆ そのほか併せて講ずべき措置

⑨ 相談者・行為者等のプライバシー(注3)を保護するために必要な措置を講じ、その旨労働者に周知すること注3 性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報も含む。

⑩ 相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること

 

相談できる窓口を設け、就業規則に規定するなどして周知し、実際にハラスメントの問題が起こったら即座に対応する。これらが義務化されるわけです。

 

こうしたハラスメント対応というのは、ある意味、企業としては当たり前なのかもしれませんが、これらが法律上、義務となるということに意味があるのだと思います。

中小企業の経営者の皆さん。早めに対応を考えましょう。

今日はハラスメントの話でした。


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