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さて、今日はちょっと視点を変えた論点の話をします。

商工会議所とか青色申告会、これらは入ったほうがいいのか、という話です。

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実は、商工会議所や青色申告会の話というのは以前から顧問先からも話のついでに聞かれることの多い論点でもあります。そもそもこうした組織は何をやっていて、加入するとどのようなことがあるのか、ご存知でしょうか。

まずは、今日は商工会議所について、書いていこうと思います。

商工会議所は地域ごとにある中小企業や個人事業主を支援する組織です。

会員は平成30年3月現在で約8万件近くもある巨大組織です。

地域によっては商工会議所ではなく、商工会と呼んだりしますが、中小企業の経営者にとっては同じ組織と考えていいのだろうと思います。

商工会議所の主な役割は、中小企業や個人事業の経営者の経営サポート業務です。では、どのようなサポートをしているのでしょうか。

その役割は、創業支援からはじまり、融資支援、経営相談など様々です。私なりにまとめれば、商工会議所を利用する利点は以下の3点に集約されると思います。

1.創業支援、事業承継支援などの経営サポート業務を受けられる

ある意味、これは商工会議所の業務の中核と言ってもいいと思います。税理士や中小企業診断士、弁護士などと連携し、税務や法律を始めとしたさまざまな経営支援をしています。

とりわけ、創業支援事業承継は力を入れている分野のようです。事業を始めるにあたって、相談できる相手がいない場合、商工会議所に相談に行くのは一つのやり方でしょう。

また、最近は事業承継にも力を入れているようです。事業承継というのは、今やっている事業を自分のお子さんやお孫さんに次いでもらうというものです。近年は、お子さんやお孫さんのような親族ではなく、親族でない人に引き継いでもらうケースもあるようです。

こうした事業承継をサポートしたりというのも商工会議所でやっています。

創業支援や事業承継の相談がある場合、商工会議所は利用価値があります。

2.マル経融資の活用ができる

商工会議所に入会している会員の中には、これを活用するために加入しているという人も少なからずいるはずです。

商工会議所では通称「マル経融資」、「小規模事業者経営改善資金融資」という日本政策金融公庫の融資が受けられます。この融資の特徴は主には二つです。一つは、「無担保・無保証」の融資であることです。商工会議所が融資についてある程度、保証することで「無担保・無保証」が可能になっています。もう一つは、融資利率が低利であることです。年利1.11%(平成30年4月現在です)で融資を受けられます。融資可能額は最大で2,000万円です。

この融資を受ける場合、商工会議所で中小企業診断士などの経営指導員から経営相談を受けることが要件とされています。この融資を受けたいがために会員になるケースもあるようです。

3.小規模事業者持続化補助金を活用できる

小規模事業者持続化補助金というのをうけるためには商工会議所での面談が必要となります。小規模事業者持続化補助金というのは、新たな販路を開拓するために、地道な方法での販路開拓を計画した事業者に対して、販路開拓のためにかかった費用の3分の2、最大で50万円補助金が出るというものです。(補助金の詳細は後日のブログでご紹介いたします)

この補助金を使う場合に、様式4号という商工会議所が発行する書類が必要となっています。そのために必ず、商工会議所に行かないといけないわけです。

ただ、この補助金を使うにあたっては、商工会議所に入会していなくてもいいことになっています。この補助金を使うために商工会議所に入会するというのは必ずしもそうしなくてもいいことでので知っておきましょう。

以上が、商工会議所に入会することのメリットです。

では、会費はいくらかかるのでしょうか?

まずは加入金という入会時にだけかかるのが3,000円あります。あとは、資本金の額によって年会費が決まります。一番年会費が安いのが資本金500万円以下の15,000円です。月額1,000円程度なので負担はそれほどでもないです。

さて、ここからは私見です。

商工会議所に入ったほうがいいのかというのはどう考えたらいいのでしょうか?

まず、小規模事業者持続化補助金を受給するために加入するというのはその必要はないとわかります。あとは経営相談とマル経融資です。マル経融資については、この融資を受けるために商工会議所に加入するというのも動機としてはあるのかもしれません。しかし、同じような融資制度は市区町村の制度融資にあったりしますし、必ずしもマル経融資にこだわる必要はないかなと思っています。

結局、商工会議所に入会する最大のメリットは「経営相談」です。特に、創業時や事業承継時です。アドバイスを受けたりするのにたとえば中小企業診断士や我々税理士に、別に相談すれば有料になります。それが会費を支払えばサービスが受けられるわけですから大きなメリットです。商工会議所に入会するのであれば、こうした経営相談を受けたり、経営に有用な情報提供を受けたりすることもできます。結局はこれが一番のメリットなわけです。

それから、こんなことを言ったら商工会議所の方に怒られるかもしれませんが、必要なアドバイスを受けられたら商工会議所自体は退会してもいいのではないかと私は考えています。会費負担がそれほど大きくないので、特に利用することがなくても加入したままにしてもいいのかもしれませんが、必要なければ退会していいのではないかと思います。自社にとって有用なサービスだけ活用していく。商工会議所はそうやって利用してはいかがかと思います。

自社にとって必要なサービスが何なのかをよく考えたうえで加入の検討をしてはいかがかと思います。


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