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さて、今週の月曜日から確定申告が始まりました。確定申告の時期はなるべく確定申告の話を書いていこうと思います。

たとえば、副業で得た収入が20万円以下だったら申告しなくてもいいというのはどこかで聞いたことはありますでしょうか?今日のブログのテーマはその話です。

給与所得者(サラリーマン)が報酬の支払調書をもらったりすることがあります。

最近も、ある会社経営者の方から支払調書をもらったがそれは申告したほうがいいのかというご相談を受けました。

給与所得者の場合、年末調整をしています。原則、それで確定申告はしなくていいことになります。ただ、給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超えると、確定申告が必要になります。逆に、20万円以下だったら確定申告はしなくてもいいことになります。

さて、問題はここからです。

たとえば、このようなケースではどうでしょうか。

「給与以外に報酬の支払調書があり、それは10万円でした。でも、医療費控除もあります。この場合、報酬の支払調書の分は申告しないといけないのでしょうか。」

つまり、この例の場合には、給与と医療費控除の申告のみで所得税の還付だけ受けるという申告の仕方はOKかということです。報酬の支払調書の分は20万円以下だから申告しないというわけです。

しかし、これはNGです。申告するのであれば、所得が20万円以下であっても申告が必要となります。

これは、考え方の原則を知っていればおのずと理解できる話です。原則は給与以外の収入が20万円以下であろうとなかろうと、収入があれば申告しないといけないわけです。ただ、給与所得者の場合、給与以外の所得があってもそれが20万円以下なのだったらいちいち申告するのは手間なわけです。税務署としても、20万円以下の所得のような小さいものまで追いかけることは面倒なわけです。だから申告しなくてもいいよ、としているだけです。逆にあえて申告してもいいわけです。

給与所得と合わせて医療費控除の申告もするのであれば、給与以外の所得、今回の場合には報酬の分も10万円であっても申告することになります

「給与所得者の副業の所得は雑所得ではなく、事業所得で申告してもいいのか?」

これもよくある質問の一つです。

サラリーマンという本業があって、副業をしている場合には原則的には雑所得です。

事業所得か雑所得かという論点は、何度も国税不服審判所という国税に関する裁判所のようなところで審議されている論点です。その中で、事業所得となる基準を次のように示しています。

ある所得が事業所得に当たるか否かは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得であるか否かによって判断すべきであり〔最高裁昭和52年(行ツ)第12号同56年4月24日第二小法廷・民集35巻3号672頁参照〕、より具体的にいえば、営利性及び有償性の有無、反復継続性の有無、自己の危険と計算においてする企画遂行性の有無、その者が費やした精神的及び肉体的労力の有無及び程度、人的及び物的設備の有無、その者の職業、経験及び社会的地位等を総合的に考慮し、所得税法等の趣旨及び目的に照らし、社会通念によって判断すべきであると解するのが相当である。

ちょっと読みづらいでしょうが、要するに、事業所得に該当するのは以下の基準に該当する場合とされています。

  • 自己の危険と計算において独立して行う業務か
  • 営利性と有償性を有しているか
  • 反復継続して遂行されて営まれているか
  • 社会的地位が客観的に認められているか

この基準、わかりますか?そうなんです。わかったようなわからないような感じなんです。

わかりやすく言えば、どの程度、収入があるのか?どのくらいの頻度で収入があるのか?その収入は継続して入ってくるものなのか?その収入は社会的にちゃんと認められたものなのか?とまとめられます。

サラリーマンの場合、本業は給与所得となるでしょうから、副業を事業所得とするのはハードルが高いと考えるのが自然でしょう。判断基準としては、①毎月、一定程度の収入がある ②収入の金額も給与と同等とは言わないまでもある程度ある というところがあれば、事業所得として申告してもいいのではないかと思います。

ちなみに、事業所得で申告したほうが税務上は有利です。たとえば、赤字であれば損益通算して税金の還付ができます。また、青色申告で申告すれば帳簿があれば65万円の控除はできますし、10万円を超えるものでも30万円未満だったら少額減価償却資産として一度に費用に計上できます。雑所得だと青色申告はできませんし、損が出ても損益通算できませんから何かと不利なわけです。

また、20万円以上の所得というのは、収入から経費を差し引いた残りが20万円を超えるということです。ですから、収入が30万円で経費が10万円だったら所得は20万円ちょうどになるので申告はしなくてもいいことになります。

事業所得か雑所得かという話はその論点だけでいろいろなものが出てきます。それはまた改めて書いていこうと思います。

ということで、今日は副業収入が20万円未満だったら申告しなくてもいいという話でした。


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