手技療法の治療院、介護事業の経営に役立つ最新情報や知って得する情報満載のブログです!

Category Archives: 税務関連

1 2 3 12

だいぶ久しぶりのブログ更新となってしまいました。

これからはちょくちょく更新していこうと思います。

 

さて、今日はインボイスがテーマです。

いよいよ10月1日からインボイス制度がスタートすることになりました。

私の顧問先からもインボイスがらみのいろいろなご質問をいただくようになりました。

 

さて、以前から言われていた「個人タクシー」についての取り扱いです。

個人タクシーの場合、免税事業者でインボイスの登録をしていないケースが多くあるのではないのか、タクシーを利用する際に利用者はそれを選別できないのではないか、といった懸念が示されていました。

 

それに対応するため、国土交通省では個人タクシー業界のインボイス対応についての指針等が示されました。

 

まず、現状で全国個人タクシー事業連合会と日個連事業協同組合の加盟事業者の97%以上がインボイス登録済み(登録予定の人も含む)という報告があったようです。

そのうえで、個人タクシーの事業者がインボイスの登録をしているのか否かをタクシーを見れば一目でわかるように表示するような表示をタクシーにするようにする方針が示されています

 

たとえば、タクシーに「インボイス登録済み」とか「このタクシーはインボイスを発行できません」とかを表示するとか、タクシーの表示灯にインボイスの登録が済んでいる表示をするといったことするようになそうです。

 

また、タクシーの領収書もインボイスに対応したレシートを発行するようにするということです。

 

大手のタクシー業者だとすでにインボイスが書かれている領収書が発行されたりするケースもあるようですが、個人タクシーの場合、しばらくはインボイス対応があるか否か、どのようにそれを見分けるのに注意が必要なようです。

 

以上、今日は個人タクシーのインボイスの話でした。



さて、今日は最新判例に基づいた話です。

中小企業が損金に算入できる交際費の範囲についての話です。

 

現行の制度では、法人が支出した交際費のうち「接待飲食費」の50%相当額を超えない範囲で損金算入が認められ、また中小法人の場合、50%損金算入をしない場合には支出した交際費等の額が定額控除限度額(年800万円)を超えない部分については損金算入できるとされています。

 

さて、上記の現状の取り扱いを頭に置きながらの話です。

法人が支出した飲食代」というのはどこまでが損金算入できるのかという部分の話です。令和5年5月12日の東京地裁での最新判例を踏まえたもので裁判所が考える基準を確認していきたいと思います。

 

まず、裁判所は交際費に計上される「飲食代」の基準についてどのように考えているのでしょうか。これは次のように示しています。

法人が支出した飲食等の代金が交際費等に該当するといえるためには、当該支出にかかる飲食等の日時が特定されていることを前提に、当該支出の相手方が事業に関係のある者等であること、当該支出の目的が相手方との親睦を密にして取引関係の円滑な進行を図ることにあること、当該支出の態様が租税特別措置法61条の4第4項に規定する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であることを要するというべきである

そして次のように示しています。

原告らにおいて、本件各支出が原告らの業務との関連で支出された交際費等に該当するものであることを立証することを要する

 

業務とどういう関係があって支出したのかは納税者側が立証しないといけないものだといっています。

 

さて、これをもとに、具体的にどのような判断がされたのか、見ていきましょう。

まず、認められた関係者というのをみていきます。

A氏はこの会社の代表者のほか複数の企業の広告作成業務に関与して、互いに仕事を受注しあう関係にあったということです。このA氏との飲食代は「交際費」と認められています。

また、B氏は飲食店の内装などのデザインをしており、この会社の代表者からも自社のロゴや名刺のデザインを依頼しているなどの関係にありました。このB氏との飲食代も「交際費」と認定されています。

 

一方で、認められなかったのはどういう関係の人たちだったのでしょうか。

 

C氏とは業務との直接的な関連性はなく、広くC氏の経営する飲食店で様々な経営者との交流を通じて人材を広げるという目的があって支出した飲食代という「交際費」でした。これは裁判所は認めませんでした

D氏は飲食を共にする仲間であったのですが、CDやDVD作成を依頼したとする陳述があったのですが、それらを示す具体的な証拠がありませんでした。

 

C氏・D氏のように単に「人脈を広げる」とか、仕事を依頼したといっても「具体的な証拠がない」ようなものは認められていません

 

つまり、「業務の関連性」をどこまで説明できるかで「交際費」と認められるか否かが判断されているというわけです。また、同時に、国側が「A氏・B氏との飲食についても、プライベートで飲食したもので、業務との関連性が立証されていない」と主張していましたが、裁判所は「明確に業務との関連性のないプライベートとして行ったものでない限りは、これにより親睦を密にして取引関係の円滑な進行を図るために必要なものであったということができ、明確にプライベートなものとして行ったものであることをうかがわせる証拠はない」として国側の主張を退けています。

 

ここから読み取れるのは、「実際に仕事を依頼する(される)関係にあれば『交際費』として経費計上が認められるが、「人脈を広げるためというような具体的な業務の関連性が説明できないものは『交際費』ではない」という基準です。

 

飲食代の経費計上については、古くからどのような線引きになっているのか、言われることです。今回の判例はそれをある程度、範囲がわかるように判事しており、参考になる事例かと思います。

以上、今日は交際費の話でした。



ブログの更新が久しぶりとなりましたが、今日は経営者の皆様にどうしてもお伝えしないといけないと思い、久しぶりに書きます。テーマは「税制改正」。退職金課税の話です。

 

政府の「新しい資本主義実現会議」というのが5月16日に開催されました。その中で「退職所得控除額」について、次のような言及がありました。

 

退職所得課税については、勤続 20 年を境に、勤続1年あたりの控除額が 40 万円から 70 万 円に増額されるところ、これが自らの選択による労働移動の円滑化を阻害しているとの指摘 がある。制度変更に伴う影響に留意しつつ、本税制の見直しを行う。

 

ここに書いてある通り、現状では20年までの勤務の場合、勤続1年あたり40万円である退職所得控除が21年目以降は70万円と増額されます。つまり、現状の税制は勤続年数が長ければ長いほど、税金が少なくなるような制度設計がされています。そのために、在籍し続けるインセンティブを税制が与えてしまっているということです。一言でいえば「人材の流動化」を目指した税制改正ということです。そこで、改正後の制度は退職所得控除額を勤続年数にかかわらず、1年〇万円と一律にしようとする改正が検討されているわけです。

 

では、退職所得控除額がいくらにされるのかということです。今のところ20年までの40万円と20年超の70万円という間を取って50万円とか55万円というのが検討されているという話です。勤続年数にかかわらず1年につき50万円もしくは55万円の控除とする改正案です。この改正は、来年、令和6年の税制改正で取り上げられることが検討されています。

なお、退職金の計算の際には「(退職金額-退職所得控除額)×1/2」となっていて、退職所得控除額を引いた後の金額を2分の1にして計算するのですが、この2分の1される現行の制度は維持されるということです。

 

さて、この改正で考えないといけないのは、たとえば生命保険の解約返戻金を使った形で長期に社長などの経営者に対して退職金を支給することを前提にプランニングしていたようなケースです。これらのケースでは、この退職所得控除額の改正が全体のスキームにどの程度の影響があるかを今一度、検証する必要があるでしょう。生命保険を使ったスキームは長期にわたって節税を考えたような設計になっているはずですから、全体のスキームにどの程度影響があるのか、今一度、検証してみてください。

 

また、これからこのような制度設計を考えるような場合についても、現行の制度だけではなく、改正の方向性を踏まえた退職金スキームを検討した方がいいでしょう。退職所得控除額が50万もしくは55万円になるというのを見越して退職金制度を考えていく必要もあろうかと思います。

 

ということで、今日は退職金課税の税制改正の話でした。



さて、かなり久しぶりのブログ更新となりました。業務が重なったこともあり、更新が滞っておりました。記事として書きたい案件はかなりありますので、ネタはたくさんあります!!順次、ブログ記事として書いていこうと思います。

 

さて、今日は実際に最近、ご相談があった案件です。

ご相談内容はこのようなものです。

昨年、新築マンションを購入し、年末に引っ越ししました。ところが、住宅ローン控除の申告をするのを忘れてしまいました。もう住宅ローン控除は受けられないのでしょうか?

 

さて、この場合ですが、まずは、サラリーマン(給与所得者)で他に所得がないのか、確定申告をした者なのか、によって変わってきます。

 

まずはサラリーマン(給与所得者)の場合です。

給与所得者で他に所得がない場合、通常、確定申告はしません。このような方の場合、その年の翌年から5年以内に申告書を出せば、住宅ローン控除は受けられます。確定申告書の期限の3月15日を過ぎても問題ないわけです。所得税の還付の申告になるので俗に「還付申告」といったりします。この「還付申告」の場合、5年以内に申告すればいいことになっています。

 

ということは、住宅ローン控除に限らず、たとえばふるさと納税や医療費控除も同様です。給与所得者の方がふるさと納税があったのに確定申告していなかったとか、医療費控除があるのに確定申告していなかったとかというご相談も受けることがありますが、同じことです。いわゆる「還付申告」なので、5年以内に申告すればOKです。

また、この5年以内というのはいつから5年以内かというと、翌年1月1日からです。ですから、令和4年の「還付申告」の申告書は令和5年1月1日から令和9年12月31日までに出せばいいことになります。

ということは、いつの申告書までさかのぼれるかというと、今時点ですと、平成29年以前の「還付申告」は出せないことになります。平成30年以降の「還付申告」はまだ出せます。

出していない「還付申告」があれば今からでも出せますから出して所得税の還付を受けておきましょう。

 

さて、問題はサラリーマン(給与所得者)でない人の場合です。

3月15日の申告に間に合わなくてまだ申告をしていなかったのでしたら、期限後申告になりますが、早めに出しましょう。住宅ローン控除に3月15日までに出さないと住宅ローン控除を受けられないといった要件はありませんから、期限後でも出して控除を受けることです。

一方で、給与所得者以外の方で申告してしまった方が住宅ローン控除を入れるのを忘れて申告してしまったらどうしたらいいのでしょうか。

この場合は、申告書は出しているので「更正の請求」というものを出して、税額の還付を受けます。税務署に出した申告書はいったん申告書を出してしまうと税額は確定します。それに間違いがあった場合の修正方法は主には2種類あります。一つは修正申告です。これは申告した税額が少なかった場合です。申告して差額の税金を納付します。もう一方が、申告した税額が多かった場合、税金を取り戻したいというときに「更正の請求」を行います。

そもそも「更正の請求」は書類の書式が全く違いますから、この点を注意してください。

「更正の請求」には住宅ローン控除を受ける際に添付する必要書類一式(住民票や売買契約書の写し、登記簿謄本などです)を添付します。税務署側はそれを受けて審査をし、問題ないようだったら住宅ローン控除の還付が受けられます。

また、この「更正の請求」ですが、こちらも出せる期間は期限があります。

この「更正の請求」の期限は法定申告期限から5年以内です。つまり、令和4年の確定申告でいえば、令和4年の確定申告期限は令和5年3月15日が申告期限です。この令和5年3月15日から5年以内、つまり、令和10年3月15日までとなります。

「還付申告」と期限が異なりますので注意が必要です。

 

以上、今日はこの時期くらいにたまにご相談のある住宅ローン控除等の申告漏れのお話でした。



さて、今日は久しぶりのブログ更新です。

2月16日から確定申告が始まりましたが、基礎控除の話です。

 

私も実際、確定申告をやっていて気づいたことではあるのですが、不動産の譲渡があると基礎控除が受けられないケースがあるということです。

 

そもそも基礎控除というのは、というお話からです。

基礎控除は所得が2500万円以下の人であれば適用されるもので、所得の金額2400万円以下であれば、控除額の満額、48万円が控除されます。

納税者本人の合計所得金額 控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円

 

上記のような所得額によって控除できない仕組みは2020年の税制改正で導入されたものです。とはいえ、所得2400万円だから、基本的にはほとんどの人が基礎控除は適用されるわけですが、通常であれば所得が2500万円を超えるということはないのに、適用できない人がいます。それが、不動産の譲渡があった場合です。

 

実はこの基礎控除の合計所得金額というのは特別控除前の金額です

 

ですから、たとえば、居住用財産を譲渡した場合、3000万円を控除できるのですが、この3000万円の特別控除をする前の金額で判定します。

そのために、通常であれば所得が2500万円を超えるようなことのないサラリーマンでも、自宅を譲渡したといったような不動産の譲渡があると、基礎控除が使えなくなる可能性があるわけです。

 

たとえば、年末調整だけをしたサラリーマンが自宅を売却したとします。今、不動産は割と高く売れる傾向にあるので、売却額と取得費(購入時の金額から償却費を控除した金額等)で利益が出るケースも多いと思います。この場合でも、居住用財産の譲渡は3000万円の特別控除があるため、税金が出ないことも多々あります。しかし、年末調整した給与所得と譲渡所得の3000万円の特別控除前の金額を足すと2500万円を超えた場合、基礎控除が適用できないケースがあるわけです。

 

実際、私もそういうケースがいくつかあり、「不動産の譲渡があると基礎控除が使えないケースがあるんだ」と思った次第です。

 

申告書は自動で計算させるケースが多いでしょうから、自動計算させれば基礎控除が出てこないことになるでしょう。ですが、なぜそうなっているのか、ご自身で申告される場合、わからないケースもあり、「これって間違えている!?」と思う方もいらっしゃるでしょう。基礎控除がゼロになっていたら実は上記のようなことが絡んでいるのではないかと確認してみていただければと思います。

 

以上、今日は基礎控除の話でした。



現在の朝ドラは「舞い上がれ」です。空へのあこがれからパイロットを目指し航空学校を卒業した主人公が、父が急死したとことで、父が経営していたネジ工場を向上を引き継いだ母とともに立て直すという展開になっています。この中で、ねじ工場を投資家の兄に売却し資金を得てその資金で会社の立て直しを図るという話が登場してきます。これはいわゆる「セールアンドリースバック取引」と呼ばれるものです。今日はその概要を見ていきたいと思います。

 

いわゆる「セールアンドリースバック取引」とは何なのでしょうか?

簡単に言えば、今持っている土地や建物などの不動産は、見た目には手放さないまま売却(もしくはリース)している形にして資金を得て、貸主には毎月返済していくという取引のことを言います。つまり、見た目は不動産を今まで通りに使っていても問題はないのに、資金は得ることができるという非常に便利な取引なわけです。

 

これに似たものとして「リバースモーゲージ」というのがあります。「リバースモゲージ」は「セールアンドリースバック」との違いに注目すれば何なのかが理解できます。

大きく違う点は「資産の売却をしているかどうか」です。資産自体は売却する(所有権は手放す)のが「セールアンドリースバック」であるのに対して、「リバースモゲージ」は資産の売却はせず、資産を担保にしてお金を借りるという点です。お金を借りるというのが「リバースモゲージ」の特徴であるため、そのことから資金使途は事業資金などに制限されます。一方で「セールアンドリースバック」取引は資金使途に制限はありません。

 

さて、今日はこのセールアンドリースバックはどのように経理処理されるのかという話をしたいと思います。

 

「セールアンドリースバック」というのは名前からしても「リース取引」の一形態です。資産はいったん売却するという取引と、それとは別にお金を借りるという取引と、二つの取引を同時に行うものになります。二つの取引を別々に処理していけば、それほど難しくはないと理解できるはずです。

 

問題なのはこの「セールアンドリースバック」は取引形態によって主に二つの会計処理に分かれるということです。実は会計基準と税務処理とで微妙に考え方が違うのですが、少し税務寄りにここでは解説していきます。今日はごく簡単にこの概要を以下で説明したいと思います。

 

まず、リース取引には主に「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の二つがあります。「ファイナンスリース」に該当するかは主に次の二つです。

①途中解約不能

②フルペイアウト

 

上記のうち①はいいと思います。リース契約の途中での解約はできない取引です。②のフルペイアウトというのは、たとえば固定資産税など、その物件にかかる経費負担をしているかどうかです。固定資産税を払っているのであればリースといっても実質的に所有権は残っているものだと判断されるわけで、それを「フルペイアウト」と呼びます

この①と②の要件を満たしていれば「ファイナンスリース」で、どちらか片方(もしくは両方)満たしていないのであれば、「オペレーティングリース」になります。

 

では、次にファイナンスリースとオペレーティングリースで取引がどう違うのか、簿記の仕訳で見ていきたいと思います。簿記がよくわからない方はここはざっと見ていただければ結構です。

 

ファイナンスリースの場合

<売却損の場合>

(預金)40000  (建物)50000

(売却損)10000

(長期前払費用)10000 (売却損)10000

<売却益の場合>

(預金)60000  (建物)50000

         (売却益)10000

〇オペレーティングリースの場合

<売却損の場合>

(預金)40000  (建物)50000

(売却損)10000

<売却益の場合)

(預金)60000  (建物)50000

         (売却益)10000

 

税務と会計が一致していないのですが、一応、ここでは税務上の考え方で処理していくこととします。

売却の場合に損が出たときは一度に経費計上はできません。リース期間で案分して費用に計上していくことになります。一方で、売却益が出た場合には、税務上は一括で収入に計上することになります。(会計の考え方だと、一度に収入に計上するわけでなく、いったん「長期前受収益」にしてリース期間に応じて収入計上することになります)

また、オペレーティングリースでは、売却時の差額は売却損か売却益かどちらかで処理することになります。

 

さて、上記は売却時ですが、次はそのあとはどうなるかです。

〇ファイナンスリースの場合

(リース資産)40000  (リース債務)40000

毎月の返済時

(リース債務)800  (預金)1000

(支払利息)200

〇オペレーティングリースの場合

毎月の返済時

(リース料)1000  (預金)1000

 

ということで、ごく簡単にしましたが、ご理解できましたでしょうか。

 

それから、消費税のことも少しふれておきます。消費税については売買取引と判定され場合には、売却価額が課税売上になります。一方で、金融取引とみなされた場合には、売却額は借入金と同じとみなされ、消費税は発生しないことになります。

売買取引か金融取引かについては、当事者間の関係やリース資産の内容等から総合的に判断されます(これは法人税基本通達12の5-2-1に載っている話となります)。

また、ファイナンスリースの場合には返済する際には、リース債務の返済や支払利息であるため消費税は関係しないのですが、ファイナンスリースの場合には支払額全体がリース料となるため、消費税は仕入れ税額控除できることになります。

 

ファイナンスリースなのか、オペレーティングリースなのかによって、会計処理や消費税の処理の仕方がガラッと変わります。これをお読みいただいているのが中小企業経営者の皆さんやその経理担当者だとしたら上記のような処理をするのだとざっくりとまずは理解しておいていただければと思います。

 

さて、朝ドラ「舞い上がれ」に出てくる工場をお兄ちゃんに売却するという話ですが、話の概要からすると、おそらくですが、セールアンドリースバック取引のうち、ファイナンスリース取引なのではないかと思います。お兄ちゃんが社長であるお母さんに「1度でも返済が滞ったらすぐに売りに出すからな」という趣旨の発言をしていることから、たぶん所有権自体はお兄ちゃんにわたっているのではないかと思われるからです。

ただ、このお兄ちゃんが将来的に社長になってこのねじ工場を継いだとすると社長個人に返済するという話になるわけです。その場合、例えば会社の状況が好転したら会社の資金でお兄ちゃんへの借入をいったん返済するというのもアリなのではないかと思ったりするわけです。お兄ちゃんがお父さんの遺志を継ぎ、ねじ工場を引き継ぐなんて話はどうなんでしょうか。

「舞い上がれ」は今後どのように展開していくのか見ものですが、このセールアンドリースバック取引をした工場はどうするのかも注目していくと面白いかもしれません。

 

以上、今日は朝ドラ「舞い上がれ」から見る「セールアンドリースバック取引」のお話でした。



今日はこの令和5年1月1日から改正のあった実務上の取り扱いの話です。

引っ越しなどの納税地の移動があった場合の話です。

 

従来、引っ越ししたりして納税地に変更が生じた場合、その異動前の納税地の所轄税務署長に対し、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出しなければならないこと とされていました。

 

これが、令和4年度税制改正に伴い、納税義務者が納税地を異動又は変更した場合の手続に関して見直しが行われ、異動後及び変更後の納税地については、国税当局において、提出された確定申告書等に記載された内容等から把握可能であることを踏まえ、令和5年1月1日以後は、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」について、その提出が不要とされました

 

令和5年1月1日以後に納税地の異動又は変更がある場合には、納税地の異動や変更がある場合は、異動後の納税地を所得税又は消費税の申告書に記載することでいいことになったのです。

我々納税者にとっては手間が一つ省けて少し楽になる改正といえます。

 

ちなみに、納税地の変更と異動は言葉の意味としては同じような意味ですが、税務上の届け出の際には違う意味として取り扱われています。

 

納税地の変更」は、主に所得税(個人の消費税)の場合、住所地を居所地に変更する場合や、 住所地又は居所地だった納税地を事業場等の所在地を納税地とする場合、あるいは、居所地又は事業場等の所在地だった納税地を住所地を納税地に変更する場合などに使われるものです

一方で、「納税地の異動」は、転居等により納税地に異動があった場合に納税地が変わることを言います。

つまり、引っ越しして納税地が変わるというのは「納税地の異動」になります。

 

また、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」について、提出することにまったく意味がないわけではありません。

たとえば、税務署から送付される書類は届け出を出しておけば原則としては届け出を出した納税地に送られてくることになります。

税務署からの書類の送付がされないと困る場合は届け出を出しておくというように考えていただければよろしいのかと思います。

 

ということで、今日は納税地の異動・変更の場合の届け出の話でした。



今日は私の顧問先からも何度かご質問いただいている出張に行った際の日当手当について書いていきたいと思います。

 

私の顧問先からときどき「出張に行った際の日当を会社からもらってもいいんですよね」「出張に行った場合の日当は1日いくらまでだったら計上していいのでしょうか」といったことを聞かれます。

こうしたご質問をされると私は多少の違和感を覚えるわけですが、そもそも「出張の日当」というのをこうしたご質問をされる中小企業の会社経営者はどのように理解されているのかを自分なりに整理してみました。だいたいこんな感じなのでしょうか。

 

〇出張旅費というのを規定すれば従業員であろうが役員であろうが1日当たり〇〇円で計上できる。

〇役員の場合には従業員よりも多く日当の計上が可能である。

〇1日当たりの日当の金額には税務上、認められる金額の範囲がある。

〇会社側は領収書もなく経費計上できて、もらう側の役員や従業員は非課税となる

〇認められうるぎりぎりの金額で計上して1年分を計上しても損金計上できる

 

だいたい、こんな感じで認識されているのだと思います。

要するに、出張の日当というのが中小企業経営者にとって都合のいいもので、節税に利用できるものだというような認識なわけです。

 

インターネットで「出張日当 相場」とか検索をすると複数のサイトで1日いくらくらいだったら認められるとか言ったことが細々と書かれているサイトも存在します。ですが、皆さんにくれぐれも認識していただきたいのはそもそもそのような金額に、税務上、法令の根拠となるものはないということです。

こうした金額はどこから算定しているものなのでしょうか。これは、一つは過去の出張の日当について争われたいくつかの税務訴訟が根拠になっています。あとは、いわゆる社会通念(世間一般の常識的な認識)から、だいたい国内だといくら、国外だったらいくらという一般的に旅費にかかるお金を判断基準としているようです。

 

世間一般の相場観というのも大事なのですが、ちょっとあいまいな部分もあるので、ここでは過去の税務判例の裁決事例というのを参考に「出張の日当」についての妥当性を考えていきたいと思います。

 

題材にするこの事例は期末に出張の日当を期末に一括で計上したことが否認された事例です。こんなことが裁決で書かれています。

「原告は、旅費支出につき従来実費支給制度をとっていたところ、係争事業年度末に旅費規程を制定してこれを定額支給制度に改め、原告代表者〇〇〇〇にかかる旅費につき遡及して新規程を適用し、期末に一括計算して右未払金を計上したものである。

しかし旅費というものは本来実費により支給されるべきものであり、(但し、旅費規程により定額制を定め、それによっている場合でもそれが本来の実費弁償に代るものとして社会通念上妥当な合理的基準に基づき算定されているならば、実費との間に多少の過不足があっても会社からみれば必要経費として認められるべき性質のものである。)右のように期末に一括計算して未払金処理をすること自体不自然なものであるのみならず、原告には出張命令簿、復命簿等証拠書類の備付もなく、右未払金の計上は期末において記憶等により旅費精算書用紙に一括記入したものに基づくものであり、出張事実の存在自体不確実なものである。」

 

この事例は、なんと昭和35年というかなり古い事例です。かなり以前から争いになるケースが多いということなのでしょう。

上記の裁決例の途中の文言に注意してほしいのですが、「旅費というものは本来実費により支給されるべきものであり、(但し、旅費規程により定額制を定め、それによっている場合でもそれが本来の実費弁償に代るものとして社会通念上妥当な合理的基準に基づき算定されているならば、実費との間に多少の過不足があっても会社からみれば必要経費として認められるべき性質のものである。)」とある点です。要するに、日当旅費が認められるのは実費精算したとしても違いがあまりないケースだと言っているわけです。

 

さらに、この裁決事例では、このあと公務員の出張旅費との比較に言及しています。

「そもそも旅費は職務を遂行するに通常必要な旅行をなした場合にその旅行実費を弁償するために受けるものである。

国はもちろん地方公共団体、企業等の旅費支給者の多くがいわゆる定額旅費制度を採っているのは、旅行経路、利用交通機関および宿泊施設等について個々にその実態を把握したりその実費費用を計算したりすることの困難煩累であるところから合理的な根基により社会通念上の実質に近い定額を予め規定して事務的手続を簡素化する趣旨によるものである。そこで税務の執行面においては、右定額が本来の実費弁償に代えて社会通念上妥当な合理的基準に基づき算定されているならばその定額と旅行実費との間に若干の過不足があってもそれは僅少の差に止まるであろうから社会通念および課税技術上敢えてその過剰分については課税を行わないわけである。

税法は、非課税所得としての旅費額の範囲あるいは損金として認められる限度については直接これを規定していないが、それは当該会社の規模、業態及び業績その他の諸状況からみて当該会社の業務遂行上通常且つ必要なものであると一般に観られる程度のものでなければならないのである。」

 

少し長いですが、引用したのは出張旅費が認められる根拠についてきちんと書かれているためです。要するに、出張した際にかかる様々な経費、たとえば食費であったり、電話代などの通信費、宿泊を伴えば宿泊費や朝食代など、様々なものがかかります。これらをいちいち計算して精算するのは煩雑であるために「日当」を認めると言っているわけです。こうした趣旨から実費精算した場合と日当の額に大きな差異がないことが条件だと言っているわけです。

 

また、公務員の日当手当が日帰りなのか、宿泊なのかとか、距離によって分けていたりといったことをしていることからこうした基準を設けて、代表者なら1日いくらまでなら認められるといったことを細かく書かれているサイトもあるようです。

しかし、上記のような裁決事例などからすると、いくらまでならいいと言い切れないと思います。つまりは、日当の金額の根拠もあいまいだということです。

 

これらのことから、私としては「日当旅費手当」ではなく実費精算をして、従業員であれば〇〇手当という形で給与にして支給するのが、まずは正攻法ですがいいのかなと思います。そのうえで「日当旅費手当」をどうしても計上したいということであれば、以下のような点に留意して取り扱う必要があるだろうと思います。

〇「日当手当」は通常かかる旅費や滞在費、食費等の実費を考慮し、その実費と大きな違いのない形で金額設定すること

〇宿泊の有無、距離、飛行機や新幹線などの公共交通機関のどれを使用したのかといった点を考慮した設定とし、たとえば宿泊費や交通費を実費精算を別にしている場合には、それらを控除した金額設定にする必要があること

〇可能ならば就業規則などで「出張旅費規程」を作成し、労基署に届け出をして受領印をもらえればなおよいであろうこと

〇旅費について、どこでどんな活動(業務)をしたのかというのを書いた滞在日誌のような記録をきちんと残しておくこと

〇日当手当の精算は決算時に年1回のような処理ではなく、随時処理をし、決算時に節税目的の調整のような行為が行われる余地がないようにするこ

 

思いつく範囲で書いてみると、上記のようなことがあげられるだろうと思います。

 

「日当手当」のすべてが否定されるわけではないとは思います。ですが、実費精算できるのであればまずは実費精算すべきと思います。そのうえで、日当を出す場合には、まずは規定を作り、その通りに運用すること、お金は後でまとめてではなくその都度精算していくこと、そしてできれば適宜、金額について見直しを加えることなどに気を付けてはいかがかと思います。

 

ということで、今日は「日当旅費手当」についての話でした。



さて、今日は昨日、マスコミにも報道されたインボイス制度の話です。

 

自民党の税制調査会というのが通例としてこの時期に政府に対しての意見の取りまとめを行います。通常、12月中には自民党の税制調査会の意見を政府に提言することになっています。

この自民党の税制調査会の意見というのがそのまま税制改正に反映されることが多いため、税理士など税務にかかわる実務家もこの自民党の税制調査会の意見がどんな意見が出るのかをこの時期は特に注意深く見守っているといった状況なわけです。

 

さて、その自民党の税制調査会から出てきたのがインボイスのいわゆる「激変緩和措置」といわれるものです。免税事業者がインボイス制度の導入にあわせて令和5年10月1日から課税事業者になる場合、売上高の税額の2割を納税する形の制度を導入しようという話が出ています。

 

私もこの話をNHKのニュースで聞いて知ったのですが、正直、椅子から落ちそうになるくらいびっくりしました。

売上の2割にするということは、売上が1000万円を超えない事業者の場合、例えば売り上げが800万円の事業者だと、80万円の消費税を預かるわけですが、その80万円の2割、つまり16万円を納税すればいいという話となります。

現在もある簡易課税を選択したとすると、サービス業の場合、売上の50%なので、このケースだと40万円の納税額になるものが16万円で済むわけです。この違いは大きいですよね?

 

インボイス制度に伴って、現在、免税事業者になっている方は課税事業者になった方がいいのか、免税事業者のままがいいのか、正直迷われている方も多いかと思います。

ですが、この制度があるのだとすると、少し緩和されることは間違いなさそうです。

 

ただ、この制度、報道によれば、3年程度の時限的な措置で検討しているということなので、いずれは通常の方法で納付していくことにはなりそうです。

 

この制度を使う場合、届け出はどうするのかとか、すでに簡易課税を出してしまっている場合には適用できないのかとか、いろいろと疑問点はあるわけですが、それらはこれから詰めていくという話なのだろうと思います。

 

いずれにしても、一つ言えるのは、インボイス制度に関しては導入することは決まっているものの制度の詳細はまだ動きはありそうです。そうした動きを注視しながら届け出を出していく形でも遅くないのかなと個人的には思います。

 

以上、今日はインボイス制度の話でした。



さて、今日は8月1日に国税庁から出された事業所得と雑所得についてのパブリックコメントについてです。

パブリックコメントというのは、法令などの解釈通達などを改正する際に、広く一般に意見を求める手続きのことをいいます。

今回のパブリックコメントについては、事業所得と雑所得の区分について、次のように取り扱うことについてです。

 

事業所得と業務に係る雑所得の判定について、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定すること、その所得がその者の主たる所得でなく、かつ、その所得に係る収入金額が 300 万円を超えない場合には、特に反証がない限り、業務に係る雑所得と取り扱う

 

上記のよう事業所得と雑所得の区分についての所得税の解釈を変えるようにしたいのですがどうでしょうかと意見を広く求めているということです。意見募集期限は「8月31日まで」となっています。

さて、今回の通達改正の特徴ですが、それは副業の収入の基準として年間300万円という金額の基準を設けたことです。これで今まで事業所得と雑所得の区分が不明確だったのがある程度、金額で明確化されるということです。

ただし、「社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定すること」という「総合的な判断」が前提としてあるという話なので、従来からの事業所得と雑所得の判定基準が全くなくなるわけではないのですが、基本的には、以下の3つで判定するとしています。

  • 主たる所得でない(副業である)
  • 収入金額が300万円以下
  • (納税者による)反証がない

この3つがそろったら、事業所得ではなく雑所得(業務)と判断しますという話です。

これまでも実務上、事業所得なのか雑所得なのかというのは実務上の悩ましい問題としてありました。たとえば、サラリーマンが副業をしたとします。このサラリーマンが趣味で副業をやっていたことを事業所得として申告したとします。事業所得は赤字だったりするとそれが給与所得と通算できます。そうなると、給与所得で出ていた税金を事業所得の赤字と通算して還付できるということになります。

事業所得が赤字だとほかの所得と通算ができるため、他に所得があれば税金が減らせます。ところが、雑所得と判断されるとそこで赤字になっても他の所得とは通算ができないことになります。サラリーマンの副業が年間収入300万円以下のため雑所得と認定されると毎年、赤字を通算していたのが通算できなくなるということになるわけです。

また、事業所得が赤字の場合だけでなく、事業所得が黒字であったとしても問題が出てくることがあります。たとえば、副業をしているサラリーマンが事業所得を青色申告でやっていたとします。毎年、この副業は黒字であったものの、青色申告特別控除を使っていたとします。仮に事業所得でないと判定されるとすると、青色申告特別控除が使えなくなるという問題が生じてきます。

 

つまり、サラリーマンの副業の年間収入300万円以下だとすると、赤字であれ、黒字であれ、雑所得と認定される可能性があり、影響が出てくるわけです。

 

同じようなことが例えば庭先で野菜を作っている農家にも当てはまります。この農家はたとえば不動産所得などの主たる所得があり、庭さきでやっている農業の所得は毎年、赤字となっていたとします。この赤字の農業所得は黒字の不動産所得と通算して税金を減らしていたりするわけです。こうしたケースも庭先で野菜を売っていたのが副業とみなされれば、上記のサラリーマンの副業と同様に雑所得と認定され、損益通算できないという問題が出てくる可能性があります。

このように、実務でも、事業所得なのか雑所得なのかは区分が曖昧で、たびたび議論となっていました。そのため、今回の通達の改正はここを明確にしようとする意図があるわけです。

 

なお、この通達案の取扱いは、「令和4年分以後の所得税について適用します。」とあることから、この案のとおりとなれば早速、来年の確定申告から影響が出る話となります。改正となれば関係する人も多いでしょうから、決して影響は小さくない話です。今後の動向に注意が必要といえます。

 

以上、今日は事業所得と雑所得の話でした。


1 2 3 12