手技療法の治療院、介護事業の経営に役立つ最新情報や知って得する情報満載のブログです!

顧問先から「マイナンバーを提出せずに社会保険や雇用保険の手続きができるのか」というようなご質問をいただきました。

結構、いただくことの多いご質問の一つです。そこで、マイナンバーを出さずに社会保険や雇用保険の手続きはできるのか、できるのだったらどのようにしたらいいのかということについて今日は書いていこうと思います。

その前にマイナンバーについて、厚生労働省が出しているリーフレットには次のように記載されています。

◆ 社会保障・税に関する手続書類へのマイナンバーの記載は、法令で定められた 事業主の義務となっており、事業主は、マイナンバー法に基づき、従業員に 対してマイナンバーの提供を求めることができます。
◆ 従業員も、事業主から、法律に基づく正当なマイナンバーの提供の求めがあった場合には、これに応じていただくようお願いいたします。

つまり、社会保険や雇用保険の書類、あるいは源泉徴収票などの税務関係の書類にマイナンバーを記載して各役所に提出するのは事業主の義務であって、従業員側は義務ではないと書かれています。
ということは、従業員側はマイナンバーを提出するのを拒むこともできるということになります。

では、マイナンバーの提出を拒まれたら、事業主側は社会保険や雇用保険の手続きをどう進めたらいいのでしょうか。

まず、社会保険についてです。
社会保険の手続きについて、マイナンバーを記載するとその後、その記載してもらったマイナンバーの情報をもとに年金事務所側では記載されたマイナンバーをもとに基礎年金番号などの情報と紐づけて管理しています。つまり、マイナンバーを軸にして情報管理しているわけです。

ということは、マイナンバーの記載がない場合、住所・氏名・生年月日などの基本情報を確認する必要があります。そのため、マイナンバーの記載がない場合、まずは基礎年金番号の記載は必須となります。そして、住所欄もきちんと記入しないといけません。そのうえで、住民票を添付しないといけません。扶養親族がある場合などでは場合によって、戸籍謄本も添付していただくことがあるようです。

マイナンバーの記載があれば、住所や生年月日などの基本情報をマイナンバーを通じて役所側は把握できるのですが、マイナンバーの記載がないとこれらの情報の確認が必要なためにこうした書類の添付が求められるわけです。
また、マイナンバーの記載がない手続きでは、こうした添付書類を求められるうえに、年金事務所側の確認作業があるため保険証の発行にも時間を要することにもなります。

マイナンバーと基礎年金番号の紐づきがなされていれば、原則、住所の変更などがあってもいちいち届け出しなくてもいいことになっています。そうした利便性の向上も図れるのでできればマイナンバーを記載して届け出をした方がいいです。事業主側としてはそのような説明もしつつ、それでもマイナンバーを出したくないといわれた場合には、基礎年金番号を出していただき、なおかつ住民票の提出していただく必要があるとなります。また場合によっては戸籍謄本も必要となります。

社会保険はこのようになりますが、雇用保険ではどうでしょうか?
厚生労働省の出しているリーフレットに次のような記載があります。

本人からマイナンバーの提供を拒否された場合の取扱いについて 雇用保険手続の届出に当たって個人番号を記載することは、事業主においては法令で定められた義務であることをご理解いただいた上で、従業員に個人番号の提供を求めていただくこととなりますが、仮にマイナンバーの提供を拒否された場合には、その旨を申し出ていただいた上で 受理することとしており、個人番号の記載がないことをもって、ハローワークが雇用保険手続の届出を受理しないということはありません。 なお、電子申請による届出等の場合は各届出等の備考欄(資格喪失届は備考欄がないため、社会保険労務士欄の直下のスペース)に「本人事由によりマイナンバー届出不可」の記載をお願いします。

つまり、マイナンバーの記載なしに届け出をする場合、備考欄に「本人事由によりマイナンバー届出不可」と記載して通常通り、届け出をするということになります。

また、雇用保険の手続きの場合、以前の届け出でマイナンバーを記載して書類を提出したことがあればそれ以降の届け出ではマイナンバーを記載しなくてもいいことになっています。
これも同じく、厚生労働省のリーフレットに次のように記載されています。

個人番号記載欄がある届出等については、届出等の都度、マイナンバーを記載いただくこととしておりますが、当該届出等に係る従業員につい て、既にその他の届出等の際にマイナンバーを届け出ている場合には、各届出等の欄外等に「マイナンバー届出済」と記載いただいた上で、マイナンバーの記載を省略することが可能です(事業所における最初の被保険者関係届出となる雇用保険被保険者資格取得届を除く)。
なお、「マイナンバ-届出済」の記載がなされている場合であっても、実際には届出がなされていない場合は返戻いたしますので、マイナンバーの届出をお願いします。

今日はマイナンバーの提出がない場合の社会保険や雇用保険の手続きを実務上、どう進めたらいいのかを書いていきました。参考にしていただければ幸いです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

免責事項

当ブログで記載されている情報においては、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めています。しかし、誤情報が入り込んだり、情報が古くなったりすることもあります。必ずしも正確性を保証するものではありません。また、合法性や安全性なども保証しません。

当ブログに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。