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さて、今日は私の顧問先からいただいた質問を元に書いていきます。

こんなご質問でした。

○○さん(傷病手当金受給中の方)が、他社でリハビリを兼ねてアルバイトをしたいといってきています。主治医の先生もそれはいい方法だといっているようです。傷病手当金受給中で働いていても問題はないのでしょうか?

健康保険法第99条によると「被保険者が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して三日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。」となっています。病気で働けないから給与の代わりに受給するのが傷病手当金です。

そもそも働いていると傷病手当金はもらえない。これが原則的な考え方です。さて、上記のご質問のケースを考えてみましょう。

このケースは精神疾患で会社を休職中の方であるという前提があります。この方がアルバイトをするのは主治医のアドバイスもあり、要は、病気療養という目的で働くわけです。しかも自社ではなく、他社で働いて少しずつ療養していこうという理由なわけです。果たしてこの状況で傷病手当金を受給しても傷病手当金の受給に影響はないのでしょうか?

これについては、平成15年2月25日に厚労省から出ている次のような通達(保保発第0225007号)があります。全文を引用してみましょう。

健康保険法第99条第1項に規定する「療養のため労務に服することができないとき」(労務不能)の解釈運用については、被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しないものであるが、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合には、通常なお労務不能に該当するものであること。

したがって、被保険者がその提供する労務に対する報酬を得ている場合に、そのことを理由に直ちに労務不能でない旨の認定をすることなく、労務内容、労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ労務不能に該当するかどうかの判断をされたいこと。

ちょっと長いですが、全文を引用しました。この通達は健康保険法99条の傷病手当金の要件にある「労務に服することができないとき」というものの解釈のことを言っています。「報酬を得ている≠病気で働けない」と考えて、傷病手当金がもらえないと考えるのは違うといっています。あくまでも病気療養、つまり、リハビリ的に働いてその結果、報酬を得ていたとしてもあくまでも病気療養の一環なのだから普通に「働けない」状態であることには変わりないと判断して下さいといっています。

また、この「報酬を得ている」というのは自社で働いて報酬を得ているのか、他社で働いて報酬を得るのか、それは問わないともいっています。

通達なので、厚労省が実際に事務処理をする協会けんぽなどにあてて書いている文書ですが、この通達の解釈が実際にはそのまま実務上の解釈となります。

さて、では、病気療養的に働いて報酬を得ていても問題ないとされるのは、どの程度までを言うのかという点です。

解釈通達には、「軽微な労働」であることや本来の職場とは違う仕事であることなどと書かれています。

ここからは私見となります。判断の基準として、まず、本来の仕事とは違う簡単な仕事であることがあります。また、雇用保険に加入するのは週の労働時間が20時間以上である場合です。その辺から考えると、例えば、20時間以上労働時間があるような場合には病気療養の働き方とは言えないのだろうと思います。それから、この通達の想定しているのはあくまでも「一時的」なものです。何カ月も継続して報酬を得ているのであれば、これもこの通達からは外れてくるといえるだろうと思います。具体的に何カ月からだと「一時的」といえないのかまでは何とも言えませんが、あくまでも「病気療養」のための一時的なものというのが基本だということです。

加えて、報酬を得ている場合、傷病手当金の受給額に調整が加わる可能性があります。協会けんぽのHPによると「休んだ期間について、給与の支払いがある場合、傷病手当金は支給されません。ただし、休んだ期間についての給与の支払いがあってもその給与の日額が、傷病手当金の 日額より少ない場合、傷病手当金と給与の差額が支給されます。 」とあります。ただ、これは傷病手当金の受給中に有給の給与が出ている場合です。病気療養の一環で少し働いていてもやはり傷病手当金はその分、減額されるのかは書いていません。

そこで、協会けんぽにもこの点を電話で問い合わせてみました。その回答としては、自社で働いて一部、報酬が出ている場合、その分は傷病手当金は減額されるという話でした。ついでに、その傷病手当金受給中に他社でアルバイトしていても減額されるのか、というのも聞いてみました。回答としては「協会けんぽとしては4枚の傷病手当金の用紙からしか判断できないです。他社で勤務していることが問題になるのは、社会保険の調査があったりして、その際に他社で問題になる可能性はあります。」というような話でした。つまり、傷病手当金受給中の他社での勤務の場合、傷病手当金の申請ではわからないかもしれないが、勤務時間が多いとそれが原因で問題になる可能性があるという話です。

傷病手当金の受給中に報酬があるようなケースがある場合、注意してみてください。以上 、傷病手当金受給中に報酬を得ていた場合という話でした。


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