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前回に引き続き、新年度から導入される介護職員処遇改善加算の話です。

新加算Ⅰを取るために必要なキャリアパス要件Ⅲとは何かについて、説明していこうと思います。

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キャリアパス要件Ⅲとは

経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準にもとづき定期に昇給を判定する仕組みを設けること

となっています。

つまり、①経験②資格③その他の基準 に基づいて昇給する仕組みを導入するということです。

 

どういうことか?

 

まず、経験。これは簡単です。

たとえば、まず次のような賃金テーブルを導入します。

 

A B C
1号棒 160,000 180,000 200,000
2号棒 161,000 182,000 202,500
3号棒 162,000 184,000 205,000
4号棒 163,000 186,000 207,500
5号棒 164,000 188,000 210,000
6号棒 165,000 190,000 212,500
7号棒 166,000 192,000 215,000
8号棒 167,000 194,000 217,500
9号棒 168,000 196,000 220,000
10号棒 169,000 198,000 222,500

 

横軸のA,B,Cというのはその職員のランクです。

たとえば、Aランクは未経験者、Bランクは一般職員、Cランクは他の職員を指導できる職員といった形で分類します。Aランクの職員は介護の仕事が全く初めての職員です。全く初めての職員がある一定程度、技能が習得できたと判断した場合、Bランクに、さらにその職員が他の職員を指導する地位にある場合にはCランクといった具合で分けます。

そして、縦軸の号俸は、毎年、これを一つずつ上げていくというものです。

つまりは、勤続年数によって昇給していく仕組みということです

働いた年数によって昇給していくわけですから、単純でわかりやすいというのが特長です。

 

では、資格に基づく昇給の仕組みとはどういうものか

今度は上記の表を経験(勤続年数)ではなく、資格によって分けるということです

 

無資格 ヘルパー2級・初任者研修 介護福祉士 PT/OT(機能訓練士) 看護師
1号棒 160,000 180,000 200,000 210,000 220,000
2号棒 161,000 182,000 202,500 213,000 225,000
3号棒 162,000 184,000 205,000 216,000 230,000
4号棒 163,000 186,000 207,500 219,000 235,000
5号棒 164,000 188,000 210,000 222,000 240,000
6号棒 165,000 190,000 212,500 225,000 245,000
7号棒 166,000 192,000 215,000 228,000 250,000
8号棒 167,000 194,000 217,500 231,000 255,000
9号棒 168,000 196,000 220,000 234,000 260,000
10号棒 169,000 198,000 222,500 237,000 265,000

 

上記のような号俸を、一号俸ずつ、毎年、昇給していくというようなものです。

これも資格に紐づいているので割とわかりやすいやり方です。

 

このように、キャリアパス要件Ⅲというのはどのように昇給していくのかという仕組みを導入するようにすることです。これまでのキャリアパス要件ⅠやⅡにはこのように定期的に昇給することは必ずしも約束されていなかったわけです。

それを勤続年数や資格といった基準によって、昇給する仕組みを導入するという話、これがキャリアパス要件Ⅲです。

 

ちなみに、「または一定の基準にもとづき」昇給する仕組み、とあることから、勤続年数や資格以外の物差しを使って昇給する仕組みを導入することもOKです

「能力」、つまり、仕事の出来具合ということですが、これは客観的に評価するのが難しいです。難しいですが、何か物差しを作れば、能力で昇給するというのも“アリ”ではあります。

 

さて、ここまで読んできて疑問に思う方もいらっしゃるでしょうね。

つまり、「介護報酬は毎年、上がるんだったら毎年、定期昇給するのもわかるけど、平成30年改訂ではデイサービスや訪問介護は基本報酬は下がる予定だという話なのに、『毎年定期昇給』なんてできない」というような話です。

 

もっともな話です。

 

解決策になるかどうかはわかりませんが、たとえば、上記の号俸のピッチ(刻み)を小さくするのも一つです。

毎年、昇給はするけど、基本給の部分は500円ずつにするとか、そういうことです。ただ、それだけだと、やる気があって能力の高い職員に不満が出てしまいます。もしピッチを小さくするのであれば、並行して、能力給の制度を設け、そこで評価が高い職員に手当を多くつけるとか、そういった方法を同時に検討することが必要だろうと思います。

 

また、処遇改善加算の新加算Ⅰを選択しないといけないということでもないわけで、新加算Ⅰは採らないということもありうるかもしれません。

しかし、この場合、処遇改善加算の新加算Ⅰを選択している他の事業所にいい職員が集まってしまうということもあり得ます。ただでさえ、人材が不足している介護業界なのに、処遇改善加算の新加算Ⅰを選択しないことが原因で能力の高い職員の人材流出につながってしまうことにもなりかねません。

(私は個人的には、そういった事情を考えれば処遇改善加算の新加算Ⅰを選択しないという選択はないのではないかと思っています。)

 

いずれにしても、まだ処遇改善加算の計画書の具体的な話が出てきていない現状では、まずは就業規則の改定(特に賃金規定の改定)の検討をすることが、今、事業所のやるべきことでしょう。

また、どこをどう変えたらいいのかわからない事業所は、やはり社労士などの専門家を交えて考えていくべきだろうと思います。

 

処遇改善加算の新加算Ⅰ。

どう対処していくのかは、大げさに言えば、あなたの介護事業所の経営を左右しうることにもなると思いますので、よくよく考えてみてください。


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