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Category Archives: 介護事業


久しぶりの更新となりました。

今日は先日発表された介護保険法の改正がらみの情報提供をどうしてもしておいた方がいいと思い、久しぶりにブログ更新です。

 

介護事業所の経営者は「BCP」というのは当然、ご存じでしょう。

コロナ禍において、介護や福祉の事業所はそうした事態に直面しても事業を継続的に行うことの重要性が再認識されました。もっともコロナのような感染症だけでなく、近年は、害や地震といった自然災害が発生した場合であっても、介護サービスが安定的・継続的に提供されるための前述のような業務継続続計画が不可欠となっています。

2021年の介護報酬改定において行われました。その際に、介護施設における事業継続計画(BCP)の策定が義務づけられました。2024年3月までに全ての介護や福祉の事業所について、BCPを作成するこが義務付けられました。この義務化に対応するため、また自然災害や感染症などが発生しても介護サービスの提供を続けるためにも、介護施設におけるBCPの策定は急務といえる状況となっています。

 

それに加えて今回の介護保険法改正で、BCPを作成していない事業所については介護や福祉の報酬について減算処理をしないといけなくりました。BCP未作成減算の猶予期間は、令和7年3月31日までです。この期限までにBCPが作成できていない場合、一定の割合で減算処理されることになりました。

ただし、デイサービスや施設は感染対策の指針かつ被災時の具体的な施策を作っていることが通常です。もしお手元に揚場その写しをいご用意いただく必要があります。

 

また、令和6年4月以降はBCPを作っていなければ運営基準違反にはなるため行政指導は受けることになります。

それから、

それから、BCPは作って終わりではありません。そのあと、研修をやって、避難訓練等をやる必要があります。また、一定の研修棟を実施し、BCP作成責任者を据える必要があります。

今回は期限が来年の3月と迫っていたのですが、事業者の対応は変わることもあり得ます。終わっている項目があればすぐに教えてください。

以上でした。

 

では、よろしくお願いいたします。

 

 

 

様々な改正がありまずが、まずは現状のドジャース(新処遇改善加算)についてです。

 

BCPは意外と進めていけば、会社も営業をしていないため、当面はこうした状況を遺棄する可能性も調べていく必要があります。

いずれにしても、BCP減債については今後も変化はないでしょう。

今年もあとわずかになりました。皆様の健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

ありがとうございました。

 

 



あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

久しぶりのブログ更新となりました。今日のテーマは介護事業所の財務状況を開示が義務化されるという話です。

 

年末に社会保障審議会の介護部会での意見がまとまり、令和6年度の改正の概要がまとまりました。その中で私が注目しているのがこの「財務状況の開示」です。

 

これまでも、障害福祉サービス事業所には情報公表システムを通じた財務諸表などの公表が求められていて、また社会福祉法人には、財務諸表などの作成・公表・届け出が既に義務付けられています。こうした財務状況の開示が一般の介護事業所にも広がるという話なわけです。

しかもこの財務状況は全ての介護事業者に対して行われ、また、財務諸表など経営に関する情報を定期的に都道府県へ届け出るよう求めていく方向となっています。

 

建設業などの他業種ではもともと都道府県などへの財務諸表の提出が義務付けられており、その辺からしても私は違和感はないのですが、この話をすると驚かれる介護事業所の経営者は多いようです。

 

また、同時に介護サービス情報公表制度において、各施設・事業所の従事者1人当たりの賃金なども公表の対象とするとしています。これらの公表制度は何の狙いがあっても受けられようとしているのでしょう。ある意味、そこを知るのが重要なのかもしれません。

 

これは大きく二つあるのではないかと思います。

一つは「利用者のため」です。施設などの介護サービスを利用する利用者にとっては運営する介護事業所が長期的に経営が成り立つ会社なのかというのは、重要なことです。現状では長期的に運営が可能な経営状態にある財務状況なのかというのは、決算書を公表していない限り、難しいことです。それを決まった方法で開示されるのであれば、利用者にとっては有意義な情報といえると思います。

 

もう一つは「介護職員のため」です。施設に働く介護職員にとってはその会社の経営状況も重要だというのもありますが、今回の開示する情報に1人当たりの賃金額も対象にしていることがあります。これは処遇改善加算などの加算をきちんととってそれを介護職員にきちんと還元している会社なのかをチェックできるというわけです。

また、この財務状況の開示というのはサービスごとの開示となるのではないかと思っています。もともと介護事業所は、たとえば、デイサービスと居宅介護支援事業所や訪問介護を併設している場合、それぞれのサービスごとに売り上げと経費を分けないといけません。

人件費についてもわけて計上する必要があります。1人の職員がデイサービスと訪問介護に入っているのであれば、それぞれのサービスごとに給与を配分しないといけません。こうした処理は会計上は部門別会計といったり、本支店会計といったりします。このサービスの種類ごとに会計処理を分けるということをまだやっていない事業所はすぐにやらないといけません。介護の会計処理についてよく知らない税理士や会計士が関与している場合、このような部門別会計や本支店会計を導入していないかもしれません。というのも、そもそも税務署に提出する書類は部門別会計や本支店会計のように分けて計上する必要がないからです。財務状況の開示といわれて初めて分けていないと気付いてもそこから分けて経理処理をしていくのはなかなか難しい話になります。

いずれにせよ複数の介護サービスの提供を行っている事業所は部門別会計もしくは本支店会計によって経理処理をしないといけません。

その意味でも、税理士や会計士に丸投げという形でやっている場合、その税理士や会計士が介護の会計処理のルールを知らなければ、あとで大変なことになる可能性があるというわけです。

 

今日は介護事業所の財務状況開示という話でした。



10月1日からは社会保険・雇用保険などが法改正でいろいろと変わります。10月1日という日付でここまでいろいろと変わるというのも珍しいかもしれません。今日は経営にかかわるという視点から10月1日から変わるものを見ていきたいと思います。

 

〇雇用保険料率の改正

10月1日から雇用保険料率に改正があります。給与計算にも影響がありますから注意が必要です。

 

4月1日~9月30日についても改正がありましたが、労働者負担分には変更がありませんでした。

労働者負担分は、一般の事業の場合、3/1000、農林水産・清酒製造の事業・建設の事業の場合、4/1000でした。

これが、10月1日からは一般の事業の場合、5/1000、農林水産・清酒製造の事業・建設の事業の場合、6/1000に改正になります。

 

ちなみに、労働者負担分も含めた雇用保険料率は4月1日から9月30日では一般の事業は9.5/1000、農林水産・清酒製造の事業では11.5/1000、建設の事業は12.5/1000でしたが、10月1日以降は一般の事業は13.5/1000、農林水産・清酒製造の事業では15.5/1000、建設の事業は16.5/1000と変わります。

 

労働者負担分の変更があるため、給与計算に影響がありますので、10月以降に支給する給与では注意が必要です。特に給与の締め日が9月末で支給日が10月以降になるような場合です。この場合、支給しているのが10月でもあくまでも9月分の給与なので、9月分の給与(10月支払い分)は従前の雇用保険料率で、改正後の雇用保険料率で給与計算するのは10月分の給与(11月支払い分の給与)となりますので注意が必要でしょう。

 

〇最低賃金の変更

 

都道府県ごとにことなりますが、10月1日から変わります。

首都圏が一番高い時給となり、東京都は1041円が1072円に、神奈川県は1040円が1071円にそれぞれ変わります。変更するのは10月1日からですが、たとえば給与の締め日が15日締めの場合、9月16日から9月30日の時給と10月1日から10月15日の時給を変更しないといけないかというとそこまで厳密に考える必要はありません。この場合、10月16日~11月15日締めの給与から改定すればいいとされています。あわせて確認してみてください。

 

〇出生時育児休業の新設と育児休業分割取得、育休開始時期の柔軟化

育児休業制度が改正され、パパ休暇が出生時育児休業と育児休業分割取得に見直され、施行されます。新しくできる出生時育児休業の対象となるのは、産後休業をしていない労働者(日雇い労働者を除く)です。男性は産前産後休業がないので、この「出生時育児休業」の対象となるのは、原則的には男性になるはずですが、一定の場合(養子縁組している場合や、専業主婦【主夫】の場合)には女性が対象になる場合もあります。

対象期間は子の出生後8週間以内に4週間(28日)までです。休暇の取得回数分割して2回までで、分割して取得したい場合には初回申請時にまとめて申出をする必要があります。

また、1歳以降の育児休業開始時期が柔軟化され、夫婦交代での取得が可能となります。配偶者が1歳以降の育児休業を原則の育休開始日から取得する場合、もう一人は配偶者の育児休業終了予定日の翌日以前を育児休業開始日とできるというものです。原則として、この1歳以降の育児休業は、1歳到達日の翌日から1歳6ヶ月到達日まで、1歳6カ月から2歳までの育児休業は1歳6カ月に到達した日の翌日から2歳までとなります。

これら改正に合わせて、企業側は就業規則の改正等の措置をして、対応する必要があります。

 

〇雇用保険に出生時育児休業給付金が創設

上記の育児休業の改正に伴い、雇用保険の育児休業給付も改正され、新しく「出生時育児休業給付金」が創設されます。この「出生時育児休業給付金」は、雇用保険の被保険者の方が、子の出生後8週間の期間内に合計4週間分(28日)を限度として、出生時育児休業を取得した場合、一定の要件を満たすと支給を受けることができるというものです。

主な支給要件は次の通りです。

  1. 子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、当該子を養育するため出生時育児休業を取得した被保険者であること(2回まで分割取得可)。
  2. 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は就業した時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること。
  3. 休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下であること。
  4. (期間を定めて雇用される方の場合)子の出生日(出産予定日前に子が出生した場合は、出産予定日)から8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと。

 

また、出生時育児休業給付金の支給対象期間中は最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)まで就業することが可能です。休業期間が28日間より短い場合は、その日数に比例して短くなります。たとえば、14日間の休業の場合には、最大で5日(5日を超える場合は40時間)が就業可能日数となります。

 

〇育児休業期間中の社会保険料の免除要件の見直し

育児休業期間中の社会保険料の規定が10月1日から変わります。従来は月末時点に育児休業期間がかかっていれば社会保険料が免除される規定でした。そのため、月の途中から育児休業を開始し、月の途中で育児休業が終了する場合、社会保険料が免除される対象にはなりませんでした。これが10月1日以降は育児休業期間が同月中に14日以上ある場合、社会保険料が免除されることになります。

また、賞与の社会保険料についても、従来は育児休業期間に月末が含まれる月に支給された賞与に係る社会保険料は免除されていました。これが、賞与の社会保険料の場合、1か月を超える育児休業を取得したときに限り、育児休業期間に月末が含まれる月に支給された賞与の社会保険料が免除される形に規定が改正されます。

 

この論点は前回の私のブログを参照してみてください。

育児休業期間中の社会保険料免除制度が10月1日から変わります!

〇社会保険の適用拡大

社会保険の適用対象が拡大されます。

従来は事業所の規模が常時500人超の事業所について、賃金要件(月額8.8万円)、労働時間要件(週労働時間20時間以上)、勤務期間要件(1年以上継続して使用される見込み)であり、かつ学生でない場合、という要件に該当する場合、健康保険・厚生年金への加入義務が生じる形でした。

これが、事業所の規模が常時100人超に変更され、また、勤務期間要件が1年以上継続して使用される見込みというのが2か月を超えて継続して使用される見込みに改正されます。

 

また、2か月を超えて継続して雇用されるというのも、細かく要件が見直され、「2か月以内の期間を定めて使用され、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれない方」のみが社会保険の加入義務がない形となっています。したがって、たとえば2か月の雇用契約を更新していくような場合は加入義務があるということになっていますのであわせて注意が必要でしょう。

 

なお、社会保険の適用拡大は令和6年10月からは、常時100人超の事業所から常時50人超の事業所に変更となります。該当する中小企業の数が大幅に増えることが予想されますので今から確認しておく必要があります。

 

〇個人経営の士業も社会保険の適用対象

これはいわゆる士業の個人事業所の話です。

護士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士、弁理士など士業の事務所で個人事業としてやっている場合、これまでは社会保険の適用対象ではありませんでした。それが常時5人以上を雇っている士業の事務所も社会保険の適用対象となります。

 

税理士向けの新聞などを私も読んでいますと、この点について書かれていることが多いので税理士はご存じの方が多いようですが、該当する場合には注意が必要です。

 

〇安全運転管理者によるアルコールチェック義務化等

従来、緑ナンバーの自動車に課されていたアルコールチェックが、乗車定員11人以上の車を1台以上、または、その他の自動車を5台以上使用する事業所の白ナンバー自動車を使用する企業にも適用されることとなりました。運転前後のアルコールチェックでアルコール検知器を用いなければならないこととされています。該当する場合には、早急に対応が必要でしょう。

 

〇  「介護職員等ベースアップ等支援加算」がスタート

介護事業所特有のもので、処遇改善のための加算はこれによって3本立てとなります。

新設されたベースアップ等加算は、今年2~9月に実施された介護職員処遇改善支援補助金の目的を引き継ぐ施策です。既存の介護職員処遇改善加算を手厚くする位置づけで設定された介護報酬になります。

加算はこの他に、経験・技能のある介護職員にフォーカスした介護職員等特定処遇改善加算があります。ベースアップ等加算は、処遇改善加算を算定している事業所であれば申請でき、加算額の3分の2を介護職員等のベースアップ等に使用することが要件となります。

 

10月からの改正項目を列挙してみましたが、ご覧にように改正される項目が多いことがわかります。このほかにも後期高齢者のうち一定所得以上の者の窓口負担の割合が2割になったり、企業型DC加入者のiDeCo加入要件の緩和などもあります。ほかにも、職業安定法の改正などもあります。求人の際の情報を的確な表示が義務付けられるなどすることから、求人の際にも影響が少なくないでしょう。

4月1日ではなく10月1日という年度の途中での改正でこれだけ多いのも珍しいのではないかと思っています。

上記の改正項目について、ご存じなくてまだ対応していないものがあればこれからでも遅くないです。早めに対応していきましょう!



さて、この2月から介護事業所は新たな処遇改善加算の対応を迫られることになります。

介護職員処遇改善支援補助金」です。

昨日、1月31日付で厚労省からこの新たな処遇改善加算について、Q&Aが出ました。これによって概要がようやくわかりました。今日はそれについて要点のみをかいつまんで書いていこうと思います。

 

この「介護職員処遇改善支援補助金」とは、令和4年2月から9月までの間、介護職員の処遇改善を図るために交付されるものです。介護職員1人当たり9000円を昇給の目安としたものとしています。あたり前の話ですが、これは事業所に対して交付されるわけではなく、事業所を通じて介護職員に交付されるものです。

目的は介護職員の処遇改善です。ですから、たとえばこの補助金を使って社員の福利厚生目的の旅行に行くとか、研修費用に充てるとかといったことは許されません。あくまでも職員の給与として渡す必要があります。

 

さて、1月31日に発出されたQ&Aから次のようなことがわかります。

まず、この補助金は支給額の3分の2以上は基本給や毎月変わらない手当で支給することを要求しています。逆に言えば、3分の1までは毎月の給与ではなく、賞与で支給してもいいという話です。

毎月の基本給や手当で支給するということは、賃金規定などの改定をする必要があることになります。この賃金規定の改定は3月までに行う必要があるので、介護事業所としてはすぐに取り組む必要があるということになります。

 

また、基本給や毎月変わらない手当で支払う必要があるという点は、逆に言えば、毎月変動のある手当として支払う形はとれないということになります。

介護職員の給与のベースアップが目的にあるということです。

 

そして、支給対象者です。原則的には介護職員である必要があるでしょうが、特に、介護職員に限定しているということではなさそうです。ということは、事務職員だったり、ドライバーや看護師などであっても支給対象としてもいいことになりそうです。

この点は、特定処遇改善加算の場合には、介護福祉士の資格のある介護職員、それ以外の介護職員、介護職員以外という3つの区分に分けて支給額を傾斜配分していくのと異なります。ただし、名称からして「介護職員処遇改善支援補助金」なので、介護職員以外への配分は大きくなりすぎないように注意が必要でしょう。

 

次にいくら交付されるのかです。

ある月の総報酬額×交付率」で計算されて補助金が交付されます。

交付率はサービスの内容によって異なりますが、訪問介護だと2.1%、デイサービスだと1%・・・などとなっています。総報酬額にサービスごとの交付率を掛けるだけなので、計算自体は単純です。また、2月のサービス提供分から交付されるということなので、2月と3月の分はまとめて賃金改善分を職員に支給する必要があります。賃金規定を改定し、すぐに交付する形にしないといけません。

 

そして、今年に関しては、この補助金があるために処遇改善加算計画書は提出期限が4月15日となっています。つまり、4月15日までに、処遇改善加算・特定処遇改善加算とともに、今回の「介護職員処遇改善支援補助金」の計画書を提出することになります。

またこの補助金に対しての実績報告書は令和5年1月に提出する必要があります。

 

最後に、この「介護職員処遇改善支援補助金」ですが、令和4年9月分までとなっています。では、10月以降は補助金がなくなってしまうのかという疑問があると思います。基本給や毎月の手当は上げておいて、補助金が9月まででなくなってしまったのでは、いってみればはしごを外される形になりはしないのかという疑問です。

これについては、10月以降はこの「介護職員処遇改善支援補助金」は加算に変わって支給されるということになるようです。

9月までは補助金として支給され、10月以降は加算として支給されるということは、9月までは利用者さんの負担金に変化はないわけですが、10月以降は利用者さんの負担金が増えるということにもなります。

また、10月以降加算に変更するということは、8月までに加算の届け出を出す必要があるということにもなります。この辺については、時期が近くなったらなんらかの案内があると思いますので、その情報に注意する必要があるでしょう。

 

介護職員の人材確保は年々、困難になってきています。そうした状況の中、介護職員の人材確保には処遇改善金を上手に使っていくことは必須です。この2月から始まる処遇改善支援補助金も上手に使うことは介護事業所にとっては重要な案件となります。そのためにまずは賃金規定の改定の検討を早急に行う必要があります。介護事業所の経営者の皆さん、早速、検討してみてください。

 

ということで、今日は処遇改善支援補助金の話でした。

 



3月に厚生労働省から職種別の賃金に関する調査結果が発表されました。今日はその中から介護職員の給与についてみていこうと思います。

厚生労働省の出している「賃金構造基本統計調査」によると、介護職員の男性の給与は月額23.6万円が平均値で、年間賞与等は55.2万円が平均値になっています。

一方で、女性は給与額が月額21.7 万円、年間賞与等は45.5 万円が平均値でした。

介護職員の場合、勤務年数によって給与の差異があります。そこで、経験年数別にみてみると、男性の場合、勤続15 年以上の方で給与が月額27.3 万円が、年間賞与等は76.5 万円が最も高い状況です。

一方で女性の場合は、勤続15 年以上で月額23.5 万円が、年間賞与等は59.9 万円となっています。

男女別にみても男性の方が少し高いようです。これは男性の方が管理職が多かったり、正規雇用として働いている職員が多いことが関係しているかもしれません。ただ、いずれにしても、ほかの業界と比べればまだまだ給与が低い状況に変わりはないようです。

介護事業所の経営者の皆様は、自身の介護施設と比較してみてはいかがかと思います。



医療や介護の従事者に向けて1人当たり5万円(新型コロナウィルスの濃厚接触者の場合には20万円等)の慰労金の支給が始まっています。

この慰労金は7月の終わりから申請ができましたが、7月の申請はあまり日数がなかったため、実際には8月15日~8月末までで申請し始めている事業者が多いと思います。その場合、入金になるのは9月末、つまり、今月末となります。私の顧問先からも、「どうやって経理処理すべきなのか」「給与明細のような明細は必要なのか」といったご質問をいただくことが多くなっています。この慰労金について、どう経理処理をしていったらいいのか、見ていきましょう。

医療・介護従事者に向けた慰労金ですが、そもそもこれは本人が請求するのに変わって事業所が国保連に請求するという関係になっています。つまり、事業所はあくまでも代理で申請するだけです。事業所としては代わりに申請しているだけなので、当然、事業所の収入にはなりません。預かっているお金を渡しているだけなので、経理処理としては以下のようになります。

入金時:(普通預金)/(預り金)もしくは(仮受金) ×××

支払時:(預り金)もしくは(仮受金)/(普通預金) ×××

過不足なく全員にお渡しする必要がありますから、預り金勘定もしくは仮受金勘定はゼロにならないといけません

また受け取った従業員さんも非課税となります。所得税や住民税はかかりません

税務のみを扱っている税理士の先生だとこの点を知らない方もいらっしゃると思います。この非課税の取り扱いについては、国税庁から出ているわけではなく、厚労省から出ているからです。

所得税や住民税がかからないということは、たとえば扶養親族になっている場合、この慰労金は除いて考えていいことになります。また、社会保険の扶養の判定についても除いて考えていいでしょう。

また、非課税ですから、この慰労金も給与の支給時にあわせて支給するような場合、注意が必要です。給与と一緒に支給するのであれば、課税されない形になるように給与明細の表示をしないといけません。通常の給与計算は事業所でやって、年末調整だけは税理士の先生にやってもらっているような場合も注意が必要です。単に給与明細を渡すだけで税理士の先生もよく理解していないと、課税して計算してしまう可能性があります。この点、よく注意しましょう。

それから、私の顧問先にお聞きすると結構多いのが、この慰労金は給与とは別に現金で支給するというものです。もちろん、現金で渡しても構わないのですが、その場合には受領書や領収書など、受け取ったということがわかるものを必ず取ってください。現金で渡す場合、たとえば、「まだもらっていない」とか「もらったが金額が足らない」とかといったことでトラブルになることもあり得ます。必ず渡したその場で金額を確認してもらって確かに受け取ったという受領書をもらうようにしましょう。

慰労金事業の詳細については、以下の以前私が書いたブログを参考にしてみてください↓

ということで、今日は慰労金の経理処理の話でした。



さて、今日は最近、医療・介護の分野で関心が高く、質問も多くなってきた医療・介護・障害福祉に従事する職員に対する「慰労金」事業について、解説していこうと思います。

この事業は「新型コロナウィルス感染症緊急包括支援交付金」というものの一環として医療や介護に従事した職員に交付されるものです。基本的には本ブログでは介護事業所向けに書いていきますが、内容的には医療分野も同じとなりますので、医療の方がご覧になる場合も参考にしていただければ幸いです。

まず、この慰労金事業は職員に対して支給されるものです。利用者と接触する機会のある職員であれば、事務員、ドライバーなどの職種を問わず、支給対象となります。これについては、厚労省のQ&Aにもどこまでの職員が範囲に含まれるのかについて、次のように書かれています。

病棟や外来などの診療部門で患者の診療に従事したり、受付、会計等窓口対応を行う職員は通常該当します。また、診療には直接携わらないものの、医療機関内の様々な部門で患者に何らかの応対を行う職員等は医療機関における勤務実態等に応じて該当するものと考えられます。一方、対象期間中はテレワークのみによる勤務であったり、医療を提供する施設とは区分された当該法人の本部等での勤務のみであったなどの場合は該当しないと考えられます。

さて、この慰労金ですが、大きくポイントは5つあります。

まずは一つ目のポイントです。利用者や事業所にコロナウィルスの感染者がいるかいないかは問わないという点です。趣旨としては、「介護施設・事業所での集団感染の発生状況を踏まえ、相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感を持って、業務に従事していることに対し、慰労金を給付する」となっていることから、コロナの感染の有無は問わないわけです。ただ、コロナの感染が利用者や事業所にあったかどうかによって給付額が変わるわけです。「感染者が発生・濃厚接触者に対応した施設・事業所に勤務し利用者と接触する職員感染者と接触した」場合には20万円となっており、それ以外は5万円となっています。特に新型コロナウィルス感染症の患者さんと接触がなくても受け取れる対象となります。

ポイントの二つ目は非常勤職員などでも給付金を受け取れるということです。対象期間とされているのが各都道府県で新型コロナウィルス感染症患者の1例目が出た発生日から6月30日までの期間に10日以上の勤務があれば給付金を受け取れる対象者となります。10日以上というのは勤務時間は問いませんので、たとえば1日1時間程度であっても対象期間中に10日の勤務日数があれば対象となります。また、夜勤者の場合、たとえば19時からの勤務で翌朝の8時までの勤務だったとします。この場合、日をまたぐので2日とカウントされます。

それから、たとえば岩手県のように新型コロナウィルス感染症の感染者がいない地域であっても緊急事態宣言の対象とされた4月16日が始期となり、6月30日までの期間が対象期間となります。この期間に10日以上、勤務があれば岩手県の事業所も対象となります。

ポイントの三つめはあくまでも受け取れるのは職員本人で、事業所は取りまとめるに過ぎないという点です。この慰労金の支給に際しては、個々の職員から委任状を取って、事業所で取りまとめるということになっています。事業所にいったん入金はされますが、会計処理上は要するに「預り金」なわけです。処遇改善加算は入金があった金額は売上金の一部ですが、この慰労金は事業所に入金があっても「売上」ではありません。単に預かっているお金です。職員に必ず渡さないといけません。ちなみに、この慰労金は所得税や住民税は非課税となります。税金はかかりませんから年末調整などの際に慰労金の分は入れる必要はありません。介護事業所で働くパートさんなどの非常勤職員の場合、扶養の範囲で働く職員も多いはずです。慰労金は非課税ですからこの点は気にしなくていいことになります。

ポイントの四つ目は、この慰労金の請求は国保連を通じて行うということです。レセプトの請求は通常、翌月1日から10日です。慰労金の請求はそれとは別に、15日から月末となっています。(7月については7月20日から7月末までとなっています)たとえば、8月15日から8月末までに慰労金の請求をしたとすると、9月末までに入金されます。職員にはその後に支給という形になるわけです。通常のレセプト同様、伝送請求が基本となります。

それから、ポイントの5つ目はこの慰労金は受け取れるのは1事業所のみ、1回だけということです。特に訪問介護の職員の場合、複数の事業所で働いていることはよくあります。ですが、受け取れるのはあくまでもそのうちどこか一つの事業所です。

また、現状で勤めていた介護事業所を退職していたとしても事業所を通じて慰労金の請求ができます。ただし、何らかの理由で退職者が事業所を通じて受け取れない場合には、勤務証明書などを添付して、個人で請求することも可能となっています。

また、仮に1人の者が複数の事業所で受け取った場合、これは不当利得として返還することとなりますので注意しましょう。

この慰労金の制度を受けて、積極的に慰労金を賞与的に早めに支給したいとする事業所もある一方で、まだ詳細を把握しておらず、そもそも職員への周知もしていない事業所も多いようです。

是非この機会に概要を把握していただいて、是非、職員の皆さんへの慰労金の支給をしていただければと思います。



介護事業所向けのコロナ関係の情報提供がいくつかあります。

まずは処遇改善加算の実績報告の提出期限は本来は7月31日ですが、今年に限って提出期限が令和2年8月31日になっています

また「新型コロナウィルス感染症緊急包括支援交付金」というのができました。

職員1名あたり5万円の交付金やマスクなどのコロナ対策費用の補助金制度です。

これらの最新情報はまたお知らせいたします。



今日は介護事業者向けの最新情報の提供です。

今日(2月3日)に厚労省から出されたものです。

従来の処遇改善加算と特定処遇改善加算とをまとめた様式が今月末をめどに統合された様式が出されます。そのため、通常、2月末となっている処遇改善加算計画書の提出期限が今年に限り、4月15日となります

介護保険最新情報vol.758

「令和2年度『介護職員処遇改善加算』及び『介護職員等特定処遇改善加算』算定のための処遇改善計画書様式例の提示及び提出期限について」

https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2020/02031133382/ksvol758.pdf?from=mail

様式は今月中に発表されるそうです。

最新情報が出たらまた情報発信したいと思います。



今日はこの10月から導入された軽減税率制度で、有料老人ホームの軽減税率について書いていこうと思います。

まず、有料老人ホームでの食事の提供は軽減税率の対象になります。 このことは以前に本ブログでも取り上げました。↴

 

以前のブログでも書いたように、「1食640円、1日1,920円(1食640円×3食)」以下の部分の食事の提供が軽減税率の8%になります。問題は有料老人ホームでの食事の提供を業者に依頼していた場合、どのように計算すれば軽減税率の対象になるのか、という点です。

この点は以前のブログで書いた国税庁のQ&Aからは明らかでなかったのですが、業務委託費がある場合の軽減税率の取り扱いについて、国税庁は納税者に対しての回答文書という形で回答しています。

この老人ホームにおいては、入居契約書で「食材費が1日3食800円(1日3食とも食べない【欠食】場合に限り食材費はなし)で、食材費は800円×喫食日数としている場合で、なおかつ、業務委託費が食材費とは別に、欠食の有無にかかわらず、月額31,000円としている」という例が出ています 上記の場合、たとえば、1か月の日数が31日の月の場合、1日当たりの食費は次のように計算していいのかというのが質問の要点です。

800円+31,000円÷31日=1,800円 1日1,800円ということは、1日1,920円以下になるため、業務委託費部分も含めた全額を軽減税率の対象としていいのかというのが質問の要点です。

結論としては、このケースのように、合理的に算定できている限り業務委託費部分も含め、軽減税率の対象としていいとしています

ちなみに、1か月30日の場合には、「800円+31,000円÷30日=1,833円」なので1,920円以下となり、1か月28日の場合でも、「800円+31,000円÷28日=1,907円」で1,920円以下となり、いずれにしても軽減税率の適用で問題ないことになります。 有料老人ホームでの業務委託費がある場合の食費の取り扱い国税庁からの文書回答なので問題ないと考えていいです。

なお、この金額は税抜きの金額です。1食640円は税抜き価格ですから、税込価格だと、640円×1.08=691円となります。(1日は税抜きで1,920円なので、税込は1日当たり1,920円×1.08=2,073円となります)

参考にしてみてください。