さて、今日は久しぶりにマイナンバーの手続きの話です。
平成30年5月以降は雇用保険の資格取得(入社の手続き)、資格喪失や離職票発行(退社の手続き)は原則、マイナンバーの記入をしないと原則、手続きできないこととなりました。
では、本当にマイナンバーがないと手続きできないのでしょうか?
5月以降、私も実務上、対応していると、確かにマイナンバーの記載のない書類は、原則、書類を返却されるようになりました。しかし同時に、窓口の職員から「マイナンバーの記載がないですが、何か理由があるのでしょうか?」とか「マイナンバーの記載がないままですと手続きできないのですが、どうされますか?」と言った形で聞かれるようになりました。
私の事務所では、基本的に手続きは電子申請で行っています。電子申請の場合マイナンバーの記載がないと、「マイナンバーの記載がないので連絡をください」とコメントを付されて返されるようになりました。
さて、実務上、このようにマイナンバーがない場合、どうするかです。たとえば、「マイナンバーは出したくない」と従業員さんに言われたら手続きができないままです。このような場合、どうしたらいいのでしょうか?
原則は、やはりその従業員さんに言ってマイナンバーをもらうことです。
そうなのですが、いろんな理由でマイナンバーをもらえない場合、そんなときは、まず、備考欄に「マイナンバーの提出を拒否された」といった理由を記載することが求められます。その上で、再度、書類を出します。そうすると、手続きしてもらえます。
言い方を変えれば、マイナンバーがない場合、備考欄にマイナンバーの記載がない理由を記載すれば手続きはできるということです。
ちなみに、なぜマイナンバーを記載していないかの理由ですが、単に「マイナンバーをもらっていない」とか「マイナンバーをもらい忘れた」いうことではダメでしょう。本人が提出を拒否したとかいう積極的に出せない理由がないとダメだと思われます。
また、雇用保険はマイナンバーの記載がないと原則手続きができませんが、健康保険や厚生年金はどうかというと、マイナンバーの記載がなくても原則、手続きは出来ます。
ただ、マイナンバーの記載があると、住所や基礎年金番号の記載をしなくても手続きができます。これは結構、楽です。住所とかがわからなくても、①氏名②生年月日③社会保険加入年月日④1か月の給与の額と⑤マイナンバーを記載すれば、手続きができるわけです。書類の記載が楽になりました。
また、マイナンバーの登録が年金事務所でされていれば、原則、住所変更届の提出も不要になりました。この点も手続きが簡素化されている点です。
いずれにしても、社会保険や雇用保険はマイナンバーの記載があった方が手続きが簡単になってきています。おそらく、こうした傾向は今後も続くものと思います。これまでマイナンバーを積極的にもらってこなかった事業所も多いと思います。ですが、今後は入社時からマイナンバーを原則もらうようにした方が、手続き自体が楽ですから、やはりマイナンバーをもらうようにした方がいいように思います。
ということで、今日は久しぶりにマイナンバーの話でした。