7月は算定基礎届、労働保険の申告、源泉所得税の納期の特例など、事務手続きが多い時期でした。8月に入り、総務経理の担当者は一息ついている頃かもしれません。
さてそんな今になって、「労働保険の申告を間違えていた・・・」なんて気づくことはないでしょうか?
ヒトのやることです。間違えることもあります。
さて、では労働保険の修正というのはどのようにやっていったらいいのでしょうか?
労働保険の確定保険料の修正はいろんなケースがあると思います。
こんなケースがうかびます。
・雇用保険に加入していた者がいたのに計算に加えていなかった
・雇用保険にすでに加入していない者を加入したままにして計算していた
・労働保険の適用にならない者(たとえば、事業主・役員・同居の親族など)をあやまって計算に入れていた
・労働保険適用対象になる労働者を計算から外していた
・賃金の集計誤り
さて、これらのケースで、労働保険の修正をするにあたっては、まず、労働保険の修正は納付が終わっているのかどうかで処理が変わってきます。
また、今回のこのブログでは、今回(平成29年確定・平成30年概算)の労働保険の申告の修正について書いていきます。2年以上さかのぼる場合は、説明の都合上、またの機会で説明します。
まず、労働保険の申告は終わっていて、納付がまだ終わっていない場合です。これは処理自体は難しくありません。
まず、今回申告した申告書の控えはありますか?その控えを手元に置き、まっさらな労働保険の申告書に正しい金額を書いてみてください。前年の概算保険料(平成29年の概算保険料)の欄はもちろん、申告したものと同じ数字を記入します。それ以外は全て正しい金額を記入していってください。すべて申告書の記入が終わったら、申告書の上の方に赤いペンで「修正申告」と書いてください。これで完了です。あとは、「修正申告」で計算した労働保険料を納付してください。
さて、問題は納付が済んでしまっている場合です。ほとんどがこのケースでしょう。
労働保険の納付が済んでいる場合、まず修正するのは「確定労働保険料」です。概算保険料については、納付が済んでいるのなら、来年の労働保険の申告の際に調整すればいいので、そのままにしておきます。
その上で、まずはまっさらな何も書いていない労働保険の申告書を用意します。そして、やはり今回申告した労働保険の申告書の控えも用意します。
その上で、下の「概算保険料」については使いませんから、斜線を引いてしまいます。
その上で、確定保険料の方に正しい金額を記入します。そして、正しい確定保険料を書いた申告書の方の上部に赤色のペンで「再確定申告」と書きます。
労働保険の申告書はこれで終わりです。それに添付書類が必要になります。
まずは「労働保険再確定申告理由書」というのを添付します。この書類はどういう理由で修正するのかを記入するものです。該当する欄に☑をします。
この書類には「算定基礎賃金集計表」の修正前と修正後のものも提出します。
また、仮に、雇用保険に加入していない者について遡及して雇用保険に加入したために修正したのであれば、雇用保険に加入した後の「雇用保険資格取得確認通知書」の写し添付が必要です。
逆に、雇用保険の資格喪失をしていたのに手続きしていなかった場合、「雇用保険資格喪失確認通知書」の写しの添付が必要です。
いずれにしても、修正前と修正後の両方の「算定基礎賃金集計表」に、修正後の内容に関わる添付書類を添付して提出します。
また、労働保険の再計算をしたところ、すでに納付してしまった労働保険料が多すぎて還付を受けたい場合、「労働保険還付請求書」も一緒に添付して提出します。
労働保険の申告の間違えに気づいた場合、まずは焦らなくても大丈夫です。足らなくて納付するにしても、納付しすぎて還付するにしても、適正な手続き方法があります。このブログを参考に一つ一つ、やってみましょう。