手技療法の治療院、介護事業の経営に役立つ最新情報や知って得する情報満載のブログです!

スズキ自動車の会長 鈴木修氏が燃費偽装の問題の責任を取るため、CEO(最高経営責任者)を辞任すると発表されました。ただ、引き続き会長職にはとどまるようです。

私的には???という感じがして、正直、やや違和感を感じます。CEOはやめるけど、会長職にはとどまるっていうのは・・・なんか違いがあるの?と思います。

yjimage

中小企業にとって、社長がいつ社長を辞めるのか、事業を引き継ぐのであればどういう形で引き継ぐのか、そして誰に引き継いでいくのかというのは、大変大きな問題です。

しかも、これは社長がまだまだやれるという元気な時に考えないといけないテーマです。

さらに難しいのは、仮にバトンタッチする後継ぎがいるにしても多額な相続税が発生してしまっては、残された跡継ぎが困ってしまいます。ですから、相続税対策も含めて、時間をかけてじっくりと取り組む必要がある大変、重たいテーマなわけです。

事業承継していくのであれば、そのポイントは大きくは次の三つだと思います。

1.跡継ぎに引き継いだら旧経営者はスパッと辞めること

2.跡継ぎの経営者の意思を尊重すること

3.相続税対策も十分に考えておくこと

一般的に、二代目はたたき上げの初代より難しいとされています。

どうしたって、先代と比較されてしまいますし、先代の古いつながりも引き継がないといけない。ですが、たいていの場合、先代のやってきたやり方を踏襲するだけでは時代の流れからは外れているから、新しいやり方を模索しないといけない。

私は、大企業であろうが、中小企業であろうが、本質的にはそんなに変わらないと思っています。そこで、他山の石で、大企業ではどうなのか、参考にしてみましょう。

「大塚家具」の問題は、私はいろいろな意味で中小企業にも「いい教材」だったと思っています。「いい教材」というのは当事者の方々には大変失礼ですが・・・

大塚久美子

大塚家具の問題は、マスコミから「親子喧嘩」と捉えられる向きが多く、実は企業経営に潜む様々な問題提起があることがあまり取り上げられていないように感じます。

「コーポレートガバナンス」だったり、「事業承継」だったり、「相続対策」だったり。

企業経営には起こり得る問題について、実はいろいろと問題提起されているのが「大塚家具」だと思います。

大塚家具をめぐる問題を簡単にいえば、お客さんが来たら囲い込む「会員制」という従来のやり方を継続することを主張する会長(父)と、だれでも入りやすい店舗という新しい形を模索する社長(娘)の対立でした。

どちらの意見を採用するのか。結局、この対立は株主総会に持ち込まれ、多数を取るため、すさまじい委任状争奪戦があり、結果、社長である娘に軍配が上がりました。

この問題について、株主は大変冷静だったと思います。結局、会長(父)と社長(娘)の経営方針の対立という軸ではなく、社長(娘)の久美子氏の出した中長期計画とそれに対抗する形で出された会長(父)の出した中長期計画とを比較して、どちらがより現実に即したものなのかを判断し、その結果、久美子氏が支持されたのだと私は思っています。

さて、この問題をめぐって、私はいくつもの気づきがあったのですが、その一つが「事業承継」の難しさです。

会長側には長男の勝之氏が跡継ぎにいました。一方で、長女の久美子社長はいわゆる第一子で、長男の勝之氏よりも年長者です。一橋大学を出て、みずほ銀行に入行。その後、大塚家具の役員となった才女です。

昔だったら、長男が跡継ぎになることは暗黙の了解だったのでしょうが、能力のある第一子の長女と年下の長男がいる場合、今の時代、跡継ぎ問題をどう考えるのかという問題もあるわけです。

結果としては、社長である娘が大塚家具の事業を承継したわけですが、いい形での事業承継とは言いかねるところです。

スズキ自動車にしても、大塚家具にしても、事業承継をする場合の現経営者の心構えの三原則(と私は呼んでいますが)に反していることは間違いないと私は思うわけです

ということで、中小企業にとっても頭の痛い話、「事業承継」の話でした。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

免責事項

当ブログで記載されている情報においては、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めています。しかし、誤情報が入り込んだり、情報が古くなったりすることもあります。必ずしも正確性を保証するものではありません。また、合法性や安全性なども保証しません。

当ブログに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。