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あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

久しぶりのブログ更新となりました。今日のテーマは介護事業所の財務状況を開示が義務化されるという話です。

 

年末に社会保障審議会の介護部会での意見がまとまり、令和6年度の改正の概要がまとまりました。その中で私が注目しているのがこの「財務状況の開示」です。

 

これまでも、障害福祉サービス事業所には情報公表システムを通じた財務諸表などの公表が求められていて、また社会福祉法人には、財務諸表などの作成・公表・届け出が既に義務付けられています。こうした財務状況の開示が一般の介護事業所にも広がるという話なわけです。

しかもこの財務状況は全ての介護事業者に対して行われ、また、財務諸表など経営に関する情報を定期的に都道府県へ届け出るよう求めていく方向となっています。

 

建設業などの他業種ではもともと都道府県などへの財務諸表の提出が義務付けられており、その辺からしても私は違和感はないのですが、この話をすると驚かれる介護事業所の経営者は多いようです。

 

また、同時に介護サービス情報公表制度において、各施設・事業所の従事者1人当たりの賃金なども公表の対象とするとしています。これらの公表制度は何の狙いがあっても受けられようとしているのでしょう。ある意味、そこを知るのが重要なのかもしれません。

 

これは大きく二つあるのではないかと思います。

一つは「利用者のため」です。施設などの介護サービスを利用する利用者にとっては運営する介護事業所が長期的に経営が成り立つ会社なのかというのは、重要なことです。現状では長期的に運営が可能な経営状態にある財務状況なのかというのは、決算書を公表していない限り、難しいことです。それを決まった方法で開示されるのであれば、利用者にとっては有意義な情報といえると思います。

 

もう一つは「介護職員のため」です。施設に働く介護職員にとってはその会社の経営状況も重要だというのもありますが、今回の開示する情報に1人当たりの賃金額も対象にしていることがあります。これは処遇改善加算などの加算をきちんととってそれを介護職員にきちんと還元している会社なのかをチェックできるというわけです。

また、この財務状況の開示というのはサービスごとの開示となるのではないかと思っています。もともと介護事業所は、たとえば、デイサービスと居宅介護支援事業所や訪問介護を併設している場合、それぞれのサービスごとに売り上げと経費を分けないといけません。

人件費についてもわけて計上する必要があります。1人の職員がデイサービスと訪問介護に入っているのであれば、それぞれのサービスごとに給与を配分しないといけません。こうした処理は会計上は部門別会計といったり、本支店会計といったりします。このサービスの種類ごとに会計処理を分けるということをまだやっていない事業所はすぐにやらないといけません。介護の会計処理についてよく知らない税理士や会計士が関与している場合、このような部門別会計や本支店会計を導入していないかもしれません。というのも、そもそも税務署に提出する書類は部門別会計や本支店会計のように分けて計上する必要がないからです。財務状況の開示といわれて初めて分けていないと気付いてもそこから分けて経理処理をしていくのはなかなか難しい話になります。

いずれにせよ複数の介護サービスの提供を行っている事業所は部門別会計もしくは本支店会計によって経理処理をしないといけません。

その意味でも、税理士や会計士に丸投げという形でやっている場合、その税理士や会計士が介護の会計処理のルールを知らなければ、あとで大変なことになる可能性があるというわけです。

 

今日は介護事業所の財務状況開示という話でした。


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