ブログの更新がご無沙汰してしまいました。また、以前のように、更新していこうと思います。
さて、今日は、最近、顧問先からも質問を受けた「兼職禁止」の話です。
「兼職禁止」というのは「二重就業禁止」なんて言ったりします。
「兼職」や「二重就業」。つまり、「他で働いてはいけない」という話です。
通常は、就業規則でこうしたことを規定します。
さて、ここで質問です。「兼職禁止」や「二重就業禁止」。つまり、ほかで働いてはいけない、ってそもそもなぜこうした規定が必要なのでしょうか?
これは、主に二つの理由があると思います。
一つは、労基法の観点です。
労働基準法では、週の所定労働時間を40時間としています。1日の労働時間は8時間です。
さらに、1週間に40時間や、1日8時間を超える労働をさせる場合には「36協定」というのを労働基準監督署に届け出ないといけません。逆にいえば、36協定を監督署に届出をして初めて、残業してもらえるわけです。
なぜこんなことをしているのかというと、これは「労働者保護」の観点からです。
働かせすぎることを未然に防止しているわけです。
「過労」になると体を壊したり、精神疾患にかかりやすくなったり、そうしたことを法律が未然に防止しようとしているわけです。
さて、先ほどの「兼業」です。
この1週40時間、1日8時間というのは、「兼業」していた場合の他の仕事にも及びます。つまり、二つ働いている場所があるのであれば、それを通算して考えるわけです。これは、趣旨が「労働者保護」という観点であることから考えればわかりますよね。2か所で働いているのであれば、その2か所の労働時間を通算するということです。
ということで、就業規則などで「兼職禁止」や「二重就業禁止」にするのはある意味、従業員さんの健康を考えてのことだという話です。
「兼職禁止」「二重就業禁止」のもう一つの理由は、「会社の保護」です。
たとえば、9時~17時で働いていたとします。その後、コンビニで18時から21時くらいまで働いていたとします。それが毎日です。
本人は「会社に影響がないようにコンビニでの仕事はする」といくら言っても、それは、本業の会社に仕事に少なからず影響はあるのが通常でしょう。
毎日、コンビニで副業をしていれば当然、疲れもたまりますし、そもそも17時で帰れればいいですが、かならずしもそうもいかないでしょう。残業が必要な日もあるでしょう。そういう場合でも、残業をさせられない。
そう考えると、「兼業」をすることは少なからず「本業」の仕事に影響が出るわけです。
「兼業禁止」や「二重就業禁止」というのはこうした観点から定められている規定なんだということは知っておいていいでしょうね。