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さて、今日は制度融資のお話です。

銀行から借り入れをする際に市区町村や都道府県、もしくは商工会議所や商工会を通じた制度融資というものを勧められることがあります。この制度融資とは何のことでしょうか

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制度融資のほとんどは、信用保証協会の保証のある融資制度ですので、保証協会の制度融資について説明していきます。

 

この制度融資というのは市区町村などに「あっせんの申し込み」というのをします。決算書などを見せて、要するに1次審査です。だいたいが簡単な面談などを行い、市区町村のお墨付きという意味の印鑑をもらいます。

次に、銀行に融資の申し込みをします。銀行の融資には、銀行から直接借りる『プロパー融資』と信用保証協会が融資の保証を行う『信用保証協会融資』がありますが、この制度融資はこのうち、信用保証協会が保証を行う信用保証協会の融資制度になります。

信用保証協会というのは都道府県ごとにあるもので、信用保証協会が保証人となって銀行融資をするというものです。信用保証協会には一定の保証料を支払います。

銀行からすれば、保証協会の保証がついているため、お金を貸しやすいわけです。

その保証協会の審査が2次審査です。

信用保証協会の審査が無事通過すると、今度は銀行で審査されます。これが3次審査です。

3次審査が終わると、無事、融資が実行されます。

 

流れとしては次のような手順を踏みます。

 

融資のあっせん申し込み

(市区町村の産業振興課などの窓口に行く)

     ↓

市区町村の産業振興課などで面談

(中小企業診断士などが面談する場合もあります)

     ↓

市区町村から「あっせん状」が発行される

     ↓

「あっせん状」をもって銀行で融資の申し込み

(保証協会の融資の申し込み)

     ↓

信用保証協会による審査

     ↓

 銀行による審査

     ↓

   融資の実行

 

要するに、市区町村や都道府県の制度融資というのは、保証協会の融資制度を利用し、銀行が貸しやすい環境を整えているわけです。市区町村や都道府県が融資のあっせんを行うため、保証協会の保証も付きやすく、信用保証協会の保証が付けば銀行も融資もしやすくなるということです。

 

また、融資の利子や保証協会に支払う保証料の一部を市区町村や都道府県が負担するというのもこれらの制度融資の特徴です。利子や保証料が安く借りられることから、制度融資の利用が銀行でも勧められるわけです。

 

さて、この制度融資ですが、どのような種類があるのでしょうか?

市区町村や都道府県によって異なりますが、一般的には次のようなものがあります。

 

・小規模企業小口資金

・経営基盤強化資金

・一般的な制度融資

 

市区町村や都道府県によりますが、だいたいこの3つがあるようです。

 

順に簡単に解説しましょう。

 

・小規模企業小口資金

市区町村や都道府県によっては「小規模企業振興資金」と呼んでいたりします。内容はほぼ、同じものです。

これは従業員数が20名以下(卸売業や小売業、サービス業は5人以下)の企業が対象です。他に保証協会の融資があればそれを合算して、最大で2000万円まで借りることができます。

 

・経営基盤強化資金

一般的には「セーフティネット保証5号融資」とか「5号融資」と呼ばれることが多いです。これは、中小企業信用保証法第2条第5項第5号に該当する融資のためそのように呼ばれます。

この制度融資の特徴は、前年比で売り上げが5%以上下がっていることが条件であることです。前年の同月と比べて3か月間で見ると、売上が5%以上下がっていると適用になります。「売り上げが下がる」と融資が受けられるというのはこの制度融資くらいのものでしょう。

一般的には、銀行は売り上げが前年比で下がっていたり、利益が少ない(もしくは赤字である)と貸しづらいわけです。それを市区町村や都道府県がサポートすることで融資を促そうとしているわけです。

 

この制度融資の特徴は業種が限定されているということです。景気の動向などを踏まえ、中小企業庁が対象業種を決めますので、そもそも対象外の業種になってしまうとこの制度融資は使えません。

 

ちなみに、私の関与することの多い「治療院」や「介護事業所」は残念ながら、対象業種に含まれていません。以前は対象業種に含まれていましたが、現在は対象業種が絞られ、対象外になっています。

 

・一般的な制度融資

小規模の中小企業でもなく、5号融資の対象でもない場合に、それ以外の一般的な制度融資を使います

 

この3つの制度融資は、中小企業経営者は是非、知っておきたいところです。もし制度融資が使えるのなら、使ったほうがいいでしょう。保証協会の保証を取り付けやすいですし、銀行は融資しやすくなります。また、利率や保証料も一部、市区町村や都道府県が持ってくれますから、普通に保証協会付き融資を受けるのなら、制度融資を是非、利用したいところです。

 

ちなみに、これらの制度融資の欠点はというと、普通の融資よりも時間がかかることです。市区町村のあっせんを受けてからになります。また保証協会での融資の審査もあります。そのあと銀行の審査もあるわけですから、通常の融資よりもチェックポイントが多いわけです。通常であれば、あっせんの申し込みをしてから融資が実行されるまで約1ヶ月ちょっとかかるものと思っていいです。

もし急いでいるのであれば制度融資は不向きかもしれません。

 

1ヶ月くらいなら時間がかかっても大丈夫であれば、制度融資を検討してみてはいかがかと思います。

今日は、市区町村や都道府県で行っている制度融資の話でした。


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