最近のニュースをみていると、「う~ん」と首をかしげたくなるような話が多いです。
いくつか挙げてみましょう。
・財務省の公文書改ざん問題
・防衛省のイラク日報隠ぺい問題
・厚労省の裁量労働制をめぐるデータ問題
私は結構、国会中継をテレビで見る(一応、政治学科出身なので)のですが、これらの問題はどの問題も釈然としない感じがあります。
今日はそうした最近のニュースの中で、「人命救助の際に土俵上は女人禁制だから人命救助中の女性に土俵から降りるように促した」というニュースがありました。当然というか、かなりの批判があるようです。
いまだに女人禁制というのは結構あります。昔は(江戸時代くらいまでは)確か、富士山も女人禁制だったと思います。女人禁制となっている世界遺産の地域とかも確かあったはずです。甲子園も女子マネージャーはグラウンドには入れないのではなかったかと思います。
守らないといけない文化もあるのでしょうし、時代とかいう言葉では片づけられない部分もあるのでしょう。女人禁制を必ずしも否定はしません。しかし、さすがに今回のケースは人命救助という事態でそれはないだろうということです。
さて、今日のブログはこうしたニュースの感想を述べたいわけではありません。経営に関することを書くブログです。
女人禁制のこの話を聞いて思ったのは、場面に応じた対応というのは難しいという話です。土俵に上がった女性をみて土俵から降りるように促したのは若い行事だったとか言う話です。その若い行事からしたらマニュアルに沿った対応をしただけでしょう。こんな非難にあうとは夢にも思っていないことだったと思います。
要するに、言いたいのは、臨機応変に対応するというのは難しいという話です。経営にはマニュアルがないです。その都度、臨機応変に対応しないといけません。では、臨機応変に対応するというのはどういうことを言うのでしょうか?
「君たちはどう生きるか」(岩波文庫、吉野源三郎著)という最近、とても話題になっている本があります。
この本の主題は「世間の目よりも何よりも、君自身が、まず人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ。」ということです。主人公は中学生の「コぺル君」です。学校で起こる様々な出来事に悩み、近所に住む叔父さんのノートにその解決を求めます。主人公は中学生ですが、大人でも答えを出すことが難しいものもあります。むしろ、大人の場合、組織のしがらみなどから、道徳とは反する回答を出してしまうことがあります。
「財務省の公文書改ざん問題」「防衛省のイラク日報隠ぺい問題」「厚労省の裁量労働制をめぐるデータ問題」そして、女人禁制と土俵をめぐる問題。何かすべてに共通してあるのは、「人としてどうあるべきか」のように思います。官僚のようなエリートでも「人として」から外れてしまいます。「人としてどうあるべきか」これは、すべての経営者にも共通した課題であるように思います。
もし読んでいらっしゃらない方がいれば、是非、読んでいただきたい本だと思い、今日はご紹介いたしました。(ちなみに、漫画にもなっているようです。漫画版で読んでみてもいいと思います)