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さて、今日は多くの業種で最近多い在宅勤務の経費精算の話です。たとえば、電気代やスマホなどの通信費、インターネット料金などを負担した場合、どうやって計算して会社との間で精算していくのかという話です。

私の顧問先からも最近、在宅勤務の際に自宅でかかった電気代やインターネット使用料について、どう取り扱ったらいいのかというご質問をいただくことがしばしばあります。

今日はそのことについてみていこうと思います。

たとえば、会社によってはこうした在宅勤務の電気代や通信費といった諸費用については、○○手当という形で支払って、特にかかった費用の精算はしていないという場合はそれでもいいと思います。一方で、会社によってはかかった実費を計算してその分を精算するということもあるだろうと思います。

その辺は会社によって違うわけですが、この度、国税庁がその在宅勤務の際の費用についての課税関係について、一定の基準を示してくれました。

今年の1月15日に公表したばかりなのですが、「在宅勤務に係る費用負担等の関するFAQ」という中に書かれていますので一部、抜粋します。

従業員が負担した通信費について、在宅勤務に要した部分を支給する場合、業務のため に使用した部分はどのように計算すればよいですか。」

通話料(下記ロの基本使用料を除きます。)については、通話明細書等により業務のための通話に係る料金が確認できますので、その金額を企業が従業員に支給する場合には、従業員に対する給与として課税する必要はありません。(途中略)

インターネット接続に係る通信料については、業務のために使用した部分を合理的に計算する必要があります。 例えば、次の【算式】により算出したものを企業が従業員に支給する場合には、従業 員に対する給与として課税しなくて差し支えありません。

【算式】

業務のために使用した基本使用料や通信料等 =

 従業員が負担した1か月の基本使用料や通信料等 ×

その従業員の1か月の在宅勤務日数 / 該当月の日数×1/2

算式の最後で2分の1をしています。睡眠時間等を考慮して計算するためのようです。

この算式の金額を超える金額を手当としてもらっている場合にその金額を課税することになりますし、また、上記の算式の金額を精算している場合にはその従業員に給与として課税はしないとしています。

上記は通信費ですが、電気代はどうなっているのでしょうか。これについても国税庁のFAQに出ています。

従業員が負担した電気料金について、在宅勤務に要した部分を支給する場合、業務のために使用した部分はどのように計算すればよいですか。

基本料金や電気使用料については、業務のために使用した部分を合理的に計算する必要があります。 例えば、次の【算式】により算出したものを従業員に支給した場合には、従業員に対する給与として課税しなくて差し支えありません。

【算式】

業 務 の た め に 使 用 し た 基 本 料 金 や 電気使用料 =

従業員が負担した1か月の基本料金や電気使用料×

業務のために使用した部屋の床面積/自宅の床面積×

その従業員の1か月の在宅勤務日数/該当月の日数×1/2

さらに、国税庁のFAQから具体例が載っていますので抜粋します。

企業が、従業員に対して、次のとおり従業員本人が所有するスマートフォンに係る料金 4,800 円(令和2年9月分)を支給し、業務使用部分の計算をすることとした場合の課税関係について教えてください。

・ 基本使用料:3,000 円(3GBまで無料)

・ データ通信料:1,000 円(3GB超過分)

・ 業務使用に係る通話料(通話明細書より):800 円

・ 在宅勤務日数:15 日

 ※ 上記金額は全て消費税等込みの価格。

ご質問の場合、次のとおり、基本使用料とデータ通信料のうち業務のために使用した部分の金額を除いた金額 3,000 円について、従業員に対する給与として課税する必要があります。 ① 通話明細書より確認した業務使用に係る通話料(800 円)については、課税する必要は ありません。

② 基本使用料やデータ通信料については、次の算式により算出した金額(3,000 円)を、 従業員に対する給与として課税する必要があります。

 業務のために使用した通信費 = 4,000 円 × 15 日/30日× 1/2= 1,000 円(1円未満切上げ)

 給与として課税 すべき金額 = 4,000 円 ― 1,000 円 = 3,000 円

この国税庁のFAQは在宅勤務の際の経費精算をどうするかとか、課税関係がどうなるのかといったことに対して一定の回答を出してくれていると思います。これらを参考にして在宅勤務の場合の電気代や通信費についてどうするのかを検討してみてはいかがかと思います。


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