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外国人を雇って社会保険に入れる場合に、厚生年金のことを聞かれることは多いです。

「厚生年金に加入しても年金はもらえない。掛け捨てになってしまう。」

このような話をされることが多いです。

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外国人の年金はいくつか類型があります。

実務上は大きく3つあると理解しておけばいいと私はお話します。

 

外国人であれば、当然、本国に帰ってしまうことが想定されます。そうすると、せっかくかけた厚生年金はどうなってしまうのか?この疑問があると思います。10年かければ日本の厚生年金がもらえます。しかし、10年かける以前に本国へ帰ってしまったらどうなるのかという話です。

 

まずは「脱退一時金」というのがあります。

これは、本国へ帰国する前にかけた厚生年金の一部を一時金としてもらってしまうというものです。将来、厚生年金はもらわずに一時金でもらってしまって終わりにしてしまうというものです。

6か月以上厚生年金に加入していれば、脱退一時金をもらうことができます。ただ、10年以上加入している場合、そもそも年金の受給権が発生するため、脱退一時金は受給できません。また、脱退一時金をもらう場合には、外国へ出国後2年以内に請求しないといけません。

 

では、いくらもらえるのでしょうか?

日本年金機構のHPから以下は抜粋します。

 

次の式で計算されます。

(1)被保険者であった期間の平均標準報酬額 × (2)支給率

(1)被保険者期間であった期間における平均標準報酬額は以下の A+Bを合算した額を、全体の被保険者期間の月数で除して得た額をいいます。

A 平成15年4月より前の被保険者期間の標準報酬月額に1.3を乗じた額  B 平成15年4月以後の被保険者期間の標準報酬月額および標準賞与額を合算した額

(2)支給率とは、最終月(資格喪失した日の属する月の前月)の属する年の前年10月の(最終月が1~8月であれば、前々年10月の保険料率)保険料率に2分の1を乗じた保険料率に以下の表の数を掛けたものをいいます。

被保険者期間 掛ける数
6月以上12月未満 6
12月以上18月未満 12
18月以上24月未満 18
24月以上30月未満 24
30月以上36月未満 30
36月以上 36

 

上記の年金機構のHPを参考に、具体的に計算してみましょう。たとえば、

毎月給与が25万円で、賞与を2回で合計20万円もらったとします。24ヶ月加入して脱退一時金をもらう場合、どうなるのか計算してみましょう。

 

(250,000円×24月+200,000)÷24か月=258,333円(標準報酬月額)

258,333×18.3%【便宜上、今の保険料率を使用】×1/2×24=567,299円

 

ということで、脱退一時金の金額としては567,299円となります。

ただ、実際には、所得税が20.42%源泉徴収(115,842円)されるため、実際に支給されるのは451,457円となります。

 

ちなみにこの脱退一時金は税務上、「退職所得」という扱いになり、確定申告すれば税額が還付されます。(納税管理人の選出をするなどが必要です)

 

外国人の年金について、脱退一時金について書きましたが、次回は残りの二つの類型についてみていきましょう。

 


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