今年の4月から入国管理法が改正され、4月から新たな在留資格が付与されることとなりました。これに伴い、ますます外国人が入国し、外国人が日本国内で仕事をすることとなってくることが予想されます。それにあわせて、来年の4月から健康保険の扶養の認定基準が変わろうとしています。
その前に、現在の健康保険の要件の中に「日本国内に居住していること」という要件がないことをご存知でしたでしょうか?扶養にする要件としては年収130万円未満であることなどの要件はありますが、実は、日本国内に居住していなくても扶養になれます。そのため、外国人が日本で社会保険に加入した場合、たとえば、その外国人の本国にご家族を残しているようなとき、その親族は外国に居住していても扶養になることが出来るわけです。
この外国人が社会保険に入った場合、本国のご家族も扶養にできるという話は、以前に私のブログでもご紹介しています。↴
その扶養親族が配偶者の場合、健康保険だけではなく厚生年金の扶養にもなります。つまり、第3号被保険者にもなってしまいます。外国人の扶養親族が日本に来ていなくても日本の年金を受け取ることが出来る可能性が発生するわけです。
ちょっと違和感がありますよね?
これは、健康保険は国民健康保険、年金は国民年金の自営業者と比較するとよくわかります。実は、国民健康保険や国民年金には国内居住要件というのがあります。つまり、国民健康保険や国民年金に加入するには日本国内に住んでいないといけないわけです。それと比べてみると違いが良くわかりますよね。
自営業者の加入する国民健康保険や国民年金は日本国内に居住していないといけない一方で、会社員の加入する健康保険や厚生年金には国内居住要件がないというのはなんだかおかしな話のように思えます。ですが、被保険者本人に関しては、たとえば、社命で海外赴任するような場合、健康保険や厚生年金に入れないと不利益になる可能性があります。ですから、被保険者本人については国内居住要件がないことは仕方のないことだと言えます。しかし、被扶養者が日本国内に居住していなくても日本の健康保険や厚生年金に加入できてしまうのは少し違和感を感じてしまいますよね。
冒頭の入管法の改正を受け、日本で働く外国人に扶養親族がいる場合、特に、その扶養親族が配偶者の場合、日本国内に住んでいないと扶養親族として健康保険や厚生年金(第3号被保険者)とならないという要件を付け加えた、というのが今回の改正ということです。
ちなみに、この改正は来年の4月から適用となります。
外国人が働く機会の多くなってきた昨今、このような話もよくある話ですから、この機会に知っておいてもいい話だと思います。