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先日、日本政策金融公庫の税理士向けのセミナーに参加してきました。

皆さんにも参考になりそうな話もありましたので、その辺の話を今日はしていこうと思います。

 

公庫の融資は融資件数にすると87万件あるそうです。1件当たりの平均融資額が703万円となっています。比較したデータがないとなかなかイメージしづらいので、信用金庫と比較してみましょう。信用金庫は全体で融資先が113万件で、1件当たりの平均融資額は3,971万円だそうです。また、銀行は融資先が202万件で、1件当たりの平均融資額が9,873万円だそうです。

ここからわかるのは、公庫の融資というのは中小企業向けの比較的小規模な融資が多いということです。また、公庫の融資の85.5%は無担保融資です。

つまり、公庫の融資は「1,000万円以内の少額で無担保融資」が特徴なわけです。

 

さて、この公庫の融資ですが、その約20%は税理士事務所からの紹介だそうです。平成29年の1年間で、税理士事務所からの紹介の融資は46,698件、金額で4,066億円に上ります。単純に1件当たりを平均すれば約870万円程度の融資となります。つまり、税理士事務所を通じて公庫の融資の申し込みをする場合もやはり、融資額が1,000万円以下の融資が多いというのがわかります。

 

さて、この公庫の融資ですが、税理士事務所からの紹介が多いのは理由があります。

一つは、税理士事務所の場合、公庫の特定の担当者がつきます。基本的にはその企業がどの所在地にあっても、一つの税理士事務所に一人の担当者がつきます。その事務所の公庫の案件を担当者が一手に引き受けてくれるわけです。税理士事務所は経理面の情報をすべて把握していますから、顧問先の会社さんが改めて書類を用意する手間も省けるというメリットもあります。

また、こうした公庫の融資を税理士事務所を窓口として融資する場合、民間の金融機関との連携もしていることも大きなポイントです。たとえば、2000万円の融資が必要な案件で、公庫から10,000千円、民間の金融機関から10,000千円という形の融資も可能です。公庫が民間の金融機関とのやり取りをして、公庫単独では出せない金額の部分を民間の金融機関との連携で出す形にもっていくわけです。これも税理士事務所を窓口とした公庫の融資の特徴といえます。

また、税理士事務所を窓口とした公庫の融資の特徴として、どうしても数字の面からの説明が苦手な経営者や自分の事業について説明するのが難しい経営者をサポートすることができるという点もあります。融資に必要な部分の説明を税理士側からすることで、融資をサポートすることもできます。会社の内情をよく知っている税理士側から、公庫が必要としている情報提供をすることで融資がスムーズに進むという点もあります。

 

このように、税理士事務所を窓口にした融資は、顧問先の中小企業の皆さんにとっても非常にメリットが大きいわけです。

 

また、公庫の融資の特徴が最も現れるのが私は「創業融資」にあると考えています。創業融資というのはこれから事業を始める融資なので、財務データがないため評価が難しい融資でもあります。この創業融資でも税理士事務所を窓口とした融資は有利に働いてきます。創業融資というのは、まだ事業を始めていない段階での融資ですから、不確実性の高い融資です。ですが、公庫は古くから創業融資に取り組んでいるので、一定の方法論をもっています。公庫の創業融資は、私は三つの論点があると思っています。

 

① 必要資金のうち自己資金をできれば3割程度用意しているか

② やろうとしている事業のこれまでの経験がどの程度あるのか

③ 経営者としての計数観念があるか?

 

特に③は重要です。「計数観念」というと数字に強くないといけないというイメージを持ちますが、そうではなく、経営者として売上や経費についてシビアにきちんと考えているかという点です。楽観的ではなく、根拠をもってどのくらいの売上が上がり、どの程度の経費が掛かり、どのくらい利益が上がるのか、きちんと計算しているかという話です。また、これを他人任せにせず、経営者自身が考えているのか、それも見ています。

創業融資について私もサポートする機会も多いのですが、やはりこの経営者としての自覚のようなものは経営者自身の問題ですので、非常に難しい点です。よく事業計画も私に作ってほしいという話もあるのですが、それでは意味がないです。売り上げ計画や経費の予測など、自分自身でいろいろと考えてみることが重要です。まずは自分で事業計画を作ってみて、作った後に税理士にも見せて相談してみるという形でやってみてはどうかと思います。公庫もそうした経営者の姿勢のようなものを見ているわけです。

 

いずれにしても、今回、日本政策金融公庫のセミナーに参加してみて、創業融資からその後の融資も公庫の融資を税理士事務所を窓口としてやっていくことは中小企業の経営にとっては不可欠なものだと改めて感じました。

税理士事務所を窓口にした公庫の融資、是非、利用してみてはいかがでしょうか?


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