先週は私の事務所は夏休みでした。久しぶりのブログ更新です!
今日はこの10月1日から変更になる「任意継続被保険者」の届け出方法について、情報発信しようと思います。
その前に「任意継続被保険者」とは何か、ご存知でしょうか。
任意継続被保険者(略して「任継」と呼びます)とは、退職した後、退職前の健康保険を継続して加入することができる制度です。国民健康保険に加入してもいいのですが、任継という制度も選択できるわけです。
以下は協会けんぽの「任継」の説明をそのまま抜粋しました。
会社などを退職して被保険者の資格を喪失したときは、次の1、2の要件を満たしている場合、ご本人の希望により継続して被保険者となることができます。
1. 資格喪失日の前日(退職日)までに継続して2ヵ月以上の被保険者期間があること
※退職せず、勤務時間・日数の減少により健康保険の資格を喪失した場合も該当します。
2. 資格喪失日から20日以内に、「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること
※お住まいの住所地を管轄する協会けんぽ支部へご提出ください。
※健康保険組合に加入していた方は、健康保険組合にて手続きをします。
任意継続被保険者になった場合は、原則として、在職中と同様の保険給付が受けられます。ただし、退職日まで継続して1年以上被保険者であった方が、退職日時点で傷病手当金や出産手当金を受けているか、受ける条件を満たしている場合を除き、傷病手当金や出産手当金を受けることはできません。
上記のうち、ただし書きの部分の退職後も傷病手当金を受給できるという話については、私の以下のブログをご参照ください。
さて、この「任継」ですが、10月1日から手続き方法が変わります。
現在は「任継」になるためには退職して資格喪失の手続きがされた後でないと手続きできません。何らかの理由で、退職した会社での社会保険の手続きが滞っていると「任継」の手続きができなかったわけです。
「任継」になるためには資格喪失後20日以内に手続きしないといけませんから、この手続きには期限があるわけです。もし仮に退職した会社で資格喪失日から20日以内に資格喪失の手続きがされない場合には、「任継」になることが出来ないという問題があったわけです。
これが10月1日から以下のように変更になります。
「任意継続資格取得申出書に添付された証明書類により、資格喪失の事実を確認できる場合は、日本年金機構から提供される資格喪失の情報を待たずに、任意継続被保険者証を交付します。
【証明書類】
退職証明書写し、雇用保険被保険者離職票写し、資格喪失届写し、資格喪失の事実が確認できる事業主または公的機関の証明印が押された書類」 (全国健康保険協会より)
この取り扱いは「10月1日から処理される分」とあることから、資格喪失日が10月1日以降ということではなく、処理が10月1日以降になる分ということになります。
これは、現状では、退職後に国民健康保険に加入する場合と同じです。退職後に国保に加入する場合、現状だと、離職票の写しを出したりします。離職票の写しでもいいのですが、上記にある「資格喪失の事実が確認できる事業主または公的機関の証明印が押された書類」というのはよく使います。「○月×日に△△様は資格喪失しました。」と書いて事業主の印鑑を押した書類をお作りしてお渡しするだけでいいんです。私も顧問先にすることがたびたびあります。「資格喪失しました」というのを退職した会社の事業主が証明するもので、離職票を待つより早いので使うわけです。この書類で「任継」も手続きができるようになるわけですから、今よりもだいぶ楽になります。
ただ、現状では「任継」になる場合、これが使えません。「任継」になるにはあくまでも資格喪失の手続きがされ、これが受理されてからとなっているからです。
また、上記を見ると「資格喪失届写し」というのがあるので、資格喪失届を窓口で出す(電子申請ではなくということです)場合に、控えを作っておいてその控えに受領印をもらうようなものです。その受領印のある「資格喪失届の写し」を出しても「任継」の手続きができるというわけです。
「任継」の場合、資格喪失から20日以内という制限があるので、早めに手続きしないといけません。その意味でも、この手続きの改正は事業主にとっては手続き上、手間が省ける改正です。この機会に是非、知っておきましょう!