地方銀行が人材派遣業に進出するよう金融庁に申請を出しているようです。どうやら認められる方向らしいです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180123-00000139-jij-pol
記事によると、銀行業務は低金利の時代ということもあり、従来のようにお金を貸しだすだけでは利益が上がらないから、人材派遣業に進出して、銀行の本業以外で利益が出る仕組みを作る、というような趣旨が書いてあります。人材派遣もやってそれで利益を稼いでいこうという趣旨はよくわかります。この低金利の時代ですから無理もない話でしょう。
私が関心があるのはそうした銀行側の事情というよりは、こうした銀行側の事情も受け、中小企業側はどう銀行の活用方法が今後、ますます変わってくるだろうということです。
皆さんにとって「いい銀行」とは何でしょうか?
金利が安いとか、貸してほしい時に貸してくれるとか、いろいろあるでしょう。私は、中小企業にとっての「いい銀行」というのは、単なる「金貸し」でないというところだと思っています。
従来から銀行はいろいろな情報を持っています。生命保険や金融商品の情報なんかも、金融機関でないと知り得ないようなことも情報として持っていたりします。「この会社が危ない」なんていう情報も、銀行がいち早くつかみます。私も会計事務所で勤務していた頃(まだ駆け出しの20代のころ)、マスコミが公表する直前に、ある金融機関の経営破たんの情報が入りました。その情報は銀行からの情報で知り得ました。
要するに、現代の企業経営にとって、最も必要な「情報」をいち早くつかむことができるのが銀行なんです。銀行との付き合いをしていく必要がある(つまり、銀行に借入をする)理由がここにもあるわけです。
さて、中小企業にとって最も大事な情報は何でしょうか?
それは「ヒト」に関する情報だと思います。
銀行はいろいろな取引先があります。いろいろなところにいろいろな人を紹介できる「ヒト」に関する情報を持っています。
実際、私も銀行に「士業」の方を紹介してもらったりしたこともあります。
もともと銀行はいろいろな業種の取引先があり、「ヒト」を紹介する窓口には適しています。その意味からしても「人材派遣業」に進出するのは、ある意味自然の流れと言えます。
銀行が「派遣業」もやるとなれば、銀行との取引は、困った時の「ヒト」の紹介というのも今後は出てくるということです。
もっと言えば、「ヒト」の紹介もできる銀行と取引していくべきです。
「〇〇というような分野に詳しい人、知りませんか」とか「社員の〇〇が辞めてしまうのでヒトが足らなくて紹介してほしい」とか、そういった相談は銀行にする時代になるのかもしれません。
銀行を選ぶ選択肢として「ヒト」を紹介してくれる銀行を選ぶという時代が到来するのかもしれません。