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3月決算法人(5月申告)の対応に追われ、ブログの更新ができませんでした。

ようやく、月末の最終日に落ち着いたところです。

さて、今日は私が銀行との関係について顧問先によくする話です。3月決算法人の私の顧問先の会社さんにもこの話をずいぶんとしました。

決算が出て税理士から申告書が送られてきたらみなさんはどうされますか?送られてきた決算書はそのまま棚に入れてしまって終わりでしょうか?それとも、じっくりといろいろとみてみるでしょうか?

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もちろん、自社の経営状況の確認のため、送られてきた決算書を隅々までよく確認するのも大事でしょう。というよりかは、そういう経営者は経営者として大変立派です。

たいていの会社はなにかしら銀行融資があるはずです。(全くないという会社さんは逆に潜在的にリスクを抱えているとも言えます。この辺の話は私の以前のブログ [https://vanguardwan.com/blog/%e5%80%9f%e5%85%a5%e9%87%91%e3%81%aa%e3%81%97%e3%81%ae%e7%b5%8c%e5%96%b6%e3%81%af%e5%8d%b1%e9%99%ba%ef%bc%81%e6%89%8b%e5%85%83%e8%b3%87%e9%87%91%e3%81%ab%e4%b8%8d%e5%ae%89%e3%81%8c%e3%81%aa%e3%81%8f ]をご参照ください)

私は顧問先に「取引のある銀行に決算書のコピーを言われなくても出してくださいね」と一言添えています。私が忘れていなければ、お伝えしていることです。

 

この「銀行に言われなくても」という点が大事です。

銀行というのは経営者の皆さんはどう考えていらっしゃるか、様々でしょうが、私は「最も大事な取引先の一つ」と定義しています。

もちろん、直接的なお客様(治療院であれば「患者さん」介護施設であれば「利用者さん」)は大事です。目の前の「お客様」ですよね。

ですが、銀行というのはそれと同じくらい大事な「お客様」です。

その銀行の視点に立って考えればなぜ「言われなくても決算書を出すこと」が大事なのかがわかります。

 

銀行はお金を貸した後、何に一番関心があると思いますか?

「また融資できないかな?」

それもあるでしょうね。

ですが、銀行的には「貸したお金がきちんと返ってくるのか」これが貸した後の一番の関心事です。 「保全」なんて言ったりします。もっとわかりやすく言えば、「貸した金はちゃんと返してくれるんでしょうね」という話です。ご自身が誰かにお金を貸したことを考えれば容易にそれがわかるはずです。

 

銀行が「貸した金は返ってくるのか」のチェックをするのに一番役に立つのは「決算書」です。 「決算書」というのは経営状況のだいたいが把握できる書類です。なかには粉飾決算していて決算書の数字よりも実態の経営状態が悪い会社もあります。しかし、そういったものも実は決算書をわかっている人がみればわかります。見る人が見ればわかる。これが決算書です。だいたい、経営状態の8割が決算書で分かると言っても過言ではないでしょう。

ちなみに、ここでいう「決算書」というのは「貸借対照表」や「損益計算書」の決算書だけではなく、法人税の申告書一式を指します。つまり、「法人税別表」だったり「勘定科目内訳書」だったり、そういったものも含めて「決算書」といいます。銀行から「決算書を出してください」と言われたら、要するに「税務署に提出した申告書一式」と思っていただればいいと思います。たまに「銀行から決算書がほしいと言われた」と言って、「貸借対照表」や「損益計算書」だけを提出する経営者がいらっしゃいますが、銀行が「決算書」と言ったらそれ以外の法人税申告書の別表や勘定科目内訳書を含めた申告書一式ですのでご注意を。

 

さて、本題です。銀行から言われなくてもなぜこの決算書を出したほうがいいのかという話です。ここまで読み進めた方はお分かりかと思いますが、要するに「信頼関係」の問題です。お金を貸した後、銀行が一番気になるのは「貸したお金は回収できるのか」です。それを確認するには「決算書」が一番です。要は、「うちの会社は大丈夫。ちゃんと借りたものは返します。決算書を見ればわかりますよね」というアピールでもあります。

じゃあ、決算の内容が悪ければ見せないほうがいいとも思うかもしれません。

これはむしろ逆です。悪いのであれば、それを早めに見せたほうがいいです。その上で、「昨年は×××円の赤字決算でしたが、来期(進行年度)は××という新規事業も立ち上げて挽回します」とか説明を加えます。それだけでいいのです。

逆に、赤字決算だった時に決算書をなるべく見せまいとして銀行に言われるまで決算書を開示しなかったらどうでしょうか。仮に上記のような説明を聞いても言い訳のように聞こえないでしょうか?

経営をしていたらいい年もあれば悪い年もあります。毎年、黒字決算なんて言うのはなかなか難しいです。(無理とは言いませんが、難しい話ですよね)問題は、悪い時に悪い情報を隠す方が銀行はあまりいい印象を持たないということです。 

また、銀行に言われなくても決算書を出す会社は信頼度が高くなることは間違いないです。それが融資の審査にいい影響はあっても悪い影響があるはずはありません。銀行は大事な「取引先」だからこそ銀行の一番欲している資料を先に出すのは「いい信頼関係」を構築する上でも当然だと思います。

 

ついでにもう一つ付け加えますと、毎月でないにしても例えば、決算から半年たった時点(決算までの中間の時)に試算表(半年の途中経過の「貸借対照表」と「損益計算書」)も出せたら出したほうがいいと思います。決算までの途中の状況を報告をすることはより信頼関係を構築するのにはプラスに働くはずです。なにか銀行に支払いに来たついでといって試算表を渡せばいい話です。税理士が関与していれば(1年に1回の関与でなければ)試算表は定期的に出してくれるはずです。それを渡せばいいだけの話です。そんなに難しいことではないはずです。

 

銀行は会社経営を円滑に進めるために必要不可欠な存在です。銀行という「取引先」とううまくやっていくのは「コツ」などというものはなく、一にも二にもそうしたちょっとしたことをやってこつこつ積み重ねていく「信頼関係」だということを経営者の方には是非、肝に銘じていただきたいと思うところです。


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