さて、今日は登記の話です。
10月13日付で法務局から次のような通知が出されました。
〇最後の登記から12年を経過している株式会社、又は最後の登記から5年を経過している一般社団法人もしくは一般財団法人は、事業を廃止していない場合、「まだ事業を廃止していない」旨の届出を管轄登記所にする必要があります。
〇公告の日から2か月以内(令和4年12月13日㈫まで)に、「まだ事業を廃止していない」旨の届け出がなく、また、必要な登記申請もなされないときは、令和4年12月14日㈬付で解散したものとみなされます
対象となるのは、12年以上登記がされていない株式会社または5年以上登記されていない一般社団法人や一般財団法人です。これらの法人には法務局から通知が発せられています。この通知が届いた場合には速やかに登記をするか、もしくは「まだ事業を廃止していない」旨の届出をする必要があります。 期限は令和4年12月13日です。そしてこの令和4年12月13日までにこれらの手続きがなかった場合、その会社は「みなし解散の登記」が行われ、12月14日付けで解散したものとみなされてしまいます。なんといつの間にか会社がなくなってしまうんです!
みなし解散の登記が行われた後は、その法人は存在しないことになりますから、印鑑証明書の発行を受けることができません。税務申告もできなくなります。当然、新たな借り入れやリースを組んだりすることもできません。
この「まだ事業を廃止していない」旨の届出をした場合にはとりあえず、令和4年度には解散されてしまうことはないのですが、必要な登記(役員重任登記など)の申請を行わない限り、令和5年度に再び解散登記の対象となります。「まだ事業を廃止していない」旨の届出というのはとりあえずみなし解散を免れるだけで、いずれにしても登記する必要はあるわけです。
「まだ事業を廃止していない」旨の届出書は次の事項を記載することとされています。
①商号、本店並びに代表者の氏名及び住所 ②代理人の場合は、その氏名及び住所 ③まだ事業を廃止していない旨 ④届出の年月日 ⑤登記所の表示を記載する(会社法施行規則139条)
また、みなし解散の登記が仮に行われてしまった場合はどうなるのでしょうか。
この場合、登記を元の状態に戻したい場合は、3年以内に限って戻すことはできます。その場合、株式会社の場合には、株主総会の特別決議によって、一般社団法人又は一般財団法人の場合には、社員総会の特別決議又は評議員会の特別決議があれば、会社・法人を継続することができます。 この継続の決議をしたときには2週間以内に継続の登記の申請をする必要があります。
ただし、登記は元の状態に戻すことはできますが、登録免許税が新たにかかりますから、やはり通知が届いたら、速やかに手続きを済ませるようにしましょう。
また、そもそも株式会社の取締役の任期は原則2年(最長10年)、一般社団法人と一般財団法人の理事の任期は2年で、それぞれ任期ごとに登記が必要です。これらの登記をお忘れの場合は、早めに登記の手続きをしましょう。一応、本来申請すべき時期に登記を怠っていた場合には100万円以下の過料という罰金が科されることになっていますのでご注意を。
登記については、普段意識していない中小企業の経営者も多いと思います。
この機会に「うちの会社はどうなっているんだろう」と確認してみてもいいかもしれません。
ということで、今日は登記の話でした。