今日のテーマは「経営力向上計画」です。まずは、「経営力向上計画」とは何かご存知でしょうか?この「経営力向上計画」は今後の中小企業の経営にとっては必要不可欠な重要なものになっていくと私は考えています。
では、そもそも「経営力向上計画」というのは何でしょうか?
これはざっくり言えば、「こういうことをこれからやって生産性を向上させるので、承認してください」というような内容のものをその事業を管轄する役所に提出します。その承認を受けると、大きくは「税制優遇」と「金融優遇」の二つが受けられるものと理解していただければいいでしょう。
「金融優遇」は主に日本政策金融公庫の融資で、金利優遇が受けられるというものです。これについては、また別の回に説明します。
「税制優遇」のメインは「固定資産税の軽減」です。そして、もう一つあるのが「所得拡大促進税制」という法人税や所得税が安くなる制度が適用できるという点です。
今日はこの「税制優遇」の「所得拡大促進税制」の部分のお話をしていきます。
この話は改正になる「所得拡大税制」の話です。対象になるのは、平成30年4月1日以降に開始する事業年度、つまり、3月決算法人の来年の申告がスタートです。また、中小企業が対象になる部分のみをこのブログでは解説します。その点、ご了解ください。
この所得拡大促進税制というのはざっくりいうと、給与を増やすと法人税が安くなるというものです。現在もありますが、平成30年4月1日以降に開始する事業年度からは大きく制度が変わります。この新制度の方の所得拡大促進税制について、どのくらい安くなるのか、そしてどのくらい安くなるのか。これをこのブログで要点を解説してこうと思います。
この新しい「所得拡大促進税制」を理解するには、以下のような流れで、順に要件に当てはめていけばわかります。
継続雇用者給与等支給額が前年の継続雇用者給与等支給額よりも1.5%以上増加している
↓
給与等の増加した額の15%を法人税額から控除できる(上限は法人税の20%)
↓
継続雇用者給与等支給額が前年の継続雇用者給与等支給額よりも2.5%以上増加している
↓
次の二つのいずれか一つをクリアしていたら、給与等の増加した額の15%ではなく25%を法人税額から控除できる(上限は法人税額の20%)
- 前年の教育訓練費よりも10%以上教育訓練費が増加している
- 事業年度終了までに「経営力向上計画」の認定を受けている
まず、基礎用語について理解が必要なものが一つあります。それが、「継続雇用給与等支給額」というものです。この「継続雇用者給与等支給額」というのは「雇用保険法第60条の2第1項に規定する一般被保険者に該当するもの」となっているので、要するに、雇用保険に加入している人を数えていきます。さらにこの「継続雇用給与等支給額」というのは前年と本年で24か月間、フルに在籍していた者が対象となっています。
そうすると何となく理解できてきましたでしょうか?
前年と本年で2年間、フルに在籍している雇用保険に加入している社員の給与が、前年よりも1.5%増えていれば、増えた給与の額の15%が税額控除され、さらに、増加額が2.5%以上であれば、教育訓練費が前年よりも10%増加しているか、経営力向上計画を出してあるかすれば、法人税額から25%増加できるという流れです。
さて、ここで最初の話に戻ります。
「経営力向上計画」というのがなぜ重要なのかということです。
要するに、法人税(もしくは所得税)が安くなる制度の適用の可能性があるからということになります。
ちなみに、この所得拡大促進税制は適用が、平成30年4月1日以降に始まる事業年度です。個人にも適用されますが、個人の場合には、平成31年の確定申告からの適用です。
現在の所得拡大促進税制については、以前のブログをご参照下さい。↴
なお、経営力向上計画の詳細については、下記を参照してみてください。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/
「経営力向上計画」というのは、税制や融資などの際に有利になる中小企業にとっては大きな味方になってくれる制度です。今後、ますます重要性を増してきます。このブログでも折に触れて、ご紹介していきたいと思います。
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