さて、今日は久しぶりのブログ更新です。
2月16日から確定申告が始まりましたが、基礎控除の話です。
私も実際、確定申告をやっていて気づいたことではあるのですが、不動産の譲渡があると基礎控除が受けられないケースがあるということです。
そもそも基礎控除というのは、というお話からです。
基礎控除は所得が2500万円以下の人であれば適用されるもので、所得の金額2400万円以下であれば、控除額の満額、48万円が控除されます。
納税者本人の合計所得金額 | 控除額 |
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
上記のような所得額によって控除できない仕組みは2020年の税制改正で導入されたものです。とはいえ、所得2400万円だから、基本的にはほとんどの人が基礎控除は適用されるわけですが、通常であれば所得が2500万円を超えるということはないのに、適用できない人がいます。それが、不動産の譲渡があった場合です。
実はこの基礎控除の合計所得金額というのは特別控除前の金額です。
ですから、たとえば、居住用財産を譲渡した場合、3000万円を控除できるのですが、この3000万円の特別控除をする前の金額で判定します。
そのために、通常であれば所得が2500万円を超えるようなことのないサラリーマンでも、自宅を譲渡したといったような不動産の譲渡があると、基礎控除が使えなくなる可能性があるわけです。
たとえば、年末調整だけをしたサラリーマンが自宅を売却したとします。今、不動産は割と高く売れる傾向にあるので、売却額と取得費(購入時の金額から償却費を控除した金額等)で利益が出るケースも多いと思います。この場合でも、居住用財産の譲渡は3000万円の特別控除があるため、税金が出ないことも多々あります。しかし、年末調整した給与所得と譲渡所得の3000万円の特別控除前の金額を足すと2500万円を超えた場合、基礎控除が適用できないケースがあるわけです。
実際、私もそういうケースがいくつかあり、「不動産の譲渡があると基礎控除が使えないケースがあるんだ」と思った次第です。
申告書は自動で計算させるケースが多いでしょうから、自動計算させれば基礎控除が出てこないことになるでしょう。ですが、なぜそうなっているのか、ご自身で申告される場合、わからないケースもあり、「これって間違えている!?」と思う方もいらっしゃるでしょう。基礎控除がゼロになっていたら実は上記のようなことが絡んでいるのではないかと確認してみていただければと思います。
以上、今日は基礎控除の話でした。