さて、今日はちょっと早いですが、確定申告の話を一つしたいと思います。今年から確定申告書の記載が一部変更になるという話です。

税制改正で今年の確定申告から変わる点というのは結構あります。
基礎控除が48万円になったり、給与所得控除額や公的年金控除額の変更や、青色申告特別控除の変更、ひとり親控除の創設などその他にも多岐にわたり改正があります。
その中で確定申告書の書式が変わっている点があります。それが「雑所得」です。
雑所得は従来「公的年金等」と「公的年金等以外」の二つの欄だけでした。これは実にシンプルで、年金か年金以外かでわけて記載すればそれでよかったわけです。それが今回の令和2年の確定申告書から「公的年金等」と「その他」のほかに「業務」という欄が追加されます。これはどういうことでしょうか。
雑所得に入るものとしては年金以外に、たとえば原稿料をもらったり、何かの報酬をもらったりというものを載せることがあります。サラリーマンのような給与所得者の場合には、いわゆる「副業」がこの雑所得の「業務」にあたるわけです。
2020年はコロナ禍の1年でしたが、同時に「副業」を始める人が多かった1年でもあったと思います。この「副業」にあたる部分を雑所得の「業務」の欄に記載することになったわけです。
では、なぜこのような改正が入ったのでしょうか。
これは、令和4年に予定されている税制改正の影響のようです。
令和4年の税制改正では、「雑所得」に関して次のような改正が入ることになっています。
■前々年の雑所得の収入金額が300万以下の場合、当年は現金主義で計上できる
■前々年の雑所得の収入金額が300万超の場合、当年の領収書等は5年間保存義務がある
■前々年の雑所得の収入金額が1000万超の場合、当年の確定申告書には収入・経費の内容を記載した書類の添付義務がある
従来は雑所得の場合、特に帳簿の作成義務がなく、領収書等の保存義務もありませんでした。これが、令和4年から適用される確定申告で上記のように、一定の所得の場合、領収書の保存義務や帳簿の記載が必要となってくるという内容の改正が入ります。
ただ、このいくら以上の所得なら領収書の保存が必要なのかという基準が「前々年の収入金額」が判断基準になっています。令和4年の前々年は令和2年です。つまり、今回の確定申告なわけです。そのため、今回の令和2年の確定申告から「業務」の欄を追加しているわけです。
税務署としてはこの雑所得の「業務」の欄の収入金額を見て、現金主義の適用なのか、領収書の保存義務があるのか、収入・経費の記載のある帳簿の添付が必要なのか、といったことを判断していくわけです。
ちなみに、現金主義というのは、現に入金があったものを「収入」、現に支出があったものを「経費」として収入と経費を計上していくというかなり簡易なやり方です。今は公的年金以外の雑所得であれば収入金額に関係なく、すべてこの「現金主義」で計上していけばいいわけですが、これができる雑所得が「収入が300万円以下」の場合に限られることになったわけです。
この雑所得の「業務」欄の追加は、国が副業を認めているという見方もできます。
これからはサラリーマンもいわゆる「副業」が当たり前の時代になってくるのだと思います。確定申告書の雑所得の「業務」欄の追加は、それにあわせた改正ともいえるのでしょうね。
以上、今日は確定申告の雑所得の話でした。