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コロナの影響で雇用調整助成金を使って休業手当を支払った(もしくは現在も支払っている)会社は多いと思います。さて、このように休業手当を支払っていた従業員が退職した場合、離職票はどのように書いていったらいいかを今日はみていきましょう。

その前に、「休業手当」というのは労働法上、どのようにとらえられているのでしょうか?

「休業手当」は労働法上の賃金ととらえています。ですから、離職票には記載しないといけない手当になります。通常賃金と同様に離職票に記載していきます。

ですが、休業手当の支払いが含まれる月で離職後のいわゆる失業手当の給付金などが計算されてしまうと、著しく低く算定される場合があります。
そこで、休業手当の支払いがある場合には、通常と異なる計算が採用されます。

通常、賃金日額は、「休業もしくは離職前6か月間の賃金総額/180」で計算されます。

ですが、休業手当が当該期間に含まれる場合には次のいずれか高いほうの金額を1日の金額として計算されます。

  • 休業もしくは離職前6か月間の賃金総額/180
  • (6ヶ月の賃金-休業手当)/(180-休業日数)

これは月給者を対象とした場合になります。日給・時給者の場合は上記の算式のうちの180とある部分は労働日数を入れて計算した金額を最低保障額としてその金額との比較となります。

このように休業手当がある場合、雇用保険の賃金日額というのが計算の仕方が変わってきます。ということは、通常の退職時の処理とは異なるので、休業手当のことも離職票に記載していかないといけないわけです。

では、実際に離職票にどのように記載していったらいいのでしょうか。

たとえば、コロナの影響で事業主の都合で休業し、休業手当が支払われた場合を前提として、離職票は次のように記載していきます。

・「休業手当が支払われた日数も含めた基礎日数」を⑪欄の基礎日数に記載
・「休業手当も含めた賃金額」を⑫の賃金額の欄に記載
・「休業日数、休業手当の金額」を⑬の備考欄記載

また、休業となるのは1日のうちの全部が休業になるとは限りません。1日のうちの一部の時間が休業になるケースもあります。そのような1日のうち、一部の時間を休業した場合で、休業した部分について休業手当が支給された場合には、どのように離職票を記載していくのでしょうか。

これは、休業手当の金額が平均賃金の60%以上の場合と、60%未満の場合で次のようになっています。

休業手当を除いた賃金額が平均賃金の60%以上の場合・・・備考欄(⑬欄)に休業日数を記載する必要はありません。
休業手当を除いた賃金額が平均賃金の60%未満の場合・・・休業手当金額・休業日数(〇/〇 ~ 〇/〇 〇日間休業)・所定休日日数を備考欄(⑬欄)に記載します。

また、雇用調整助成金の受給を受けている場合には、備考欄(⑬欄)に、「雇調金」と記入したうえで、雇用調整助成金の支給決定日を記入する必要があります。支給決定日は雇用調整助成金の決定通知書に記載されていますから、それを見ながら書いていきましょう。

コロナの影響で雇用調整助成金を受給している会社は多いと思います。その後、その従業員さんが退職した場合の離職票の書き方までは把握していないことも多いことと思います。このブログを参考にしていただければ幸いです。

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