さて、ブログ更新が久しぶりとなりました。今日は国民健康保険の話です。
解雇や雇止めなど、本人が退職を申し出たわけでない理由で退職し、その後、市区町村の国民健康保険に加入した場合、国民健康保険が安くなるという話です。
会社を離職したかたのうち非自発的失業者(雇用保険の特定受給資格者及び特定理由離職者のかたのことをいいます。これについては後で説明します。)の国民健康保険税は申請により最大2年間軽減されます。
具体的には、雇用保険の離職票の離職理由がどうなっているかが問題となるわけです。
離職理由が次のコードになっている方が国民健康保険の軽減対象となります。
特定受給資格者(理由11,12,21,22,31,32)特定理由離職者(理由23,33,34)
特定受給資格者というのは、倒産・解雇等の事業主の都合により離職した人を言います。また、特定理由離職者というのは、雇用期間満了などにより離職した者をいいます。
この離職理由が何番になるのかというのは、「雇用保険受給資格者証」で確認します。失業したあと、会社で手続きしてもらった「離職票」をもって本人がハローワークに行きます。ハローワークで失業給付の受給手続きをした後、あらためて開催される受給説明会で渡されるのが「雇用保険受給資格者証」です。失業手当を受け取る資格(受給資格)を証明するもので、失業給付の認定日には必ず必要なものになります。
その「雇用保険受給資格者証」の「離職理由」の欄に何番と書いてあるのかが問題になるわけです。
また、この国民健康保険の軽減の特例を受けるには、離職した時点で65歳未満の方に限ります。加えて「特定受給資格者」や「高年齢受給資格者」という区分の方は対象外となりますので注意しましょう。
さて、では、国民健康保険の軽減はいつまであるのでしょうか。対象となる期間は「離職日の翌日から翌年度末まで」で、国民健康保険の加入期間に限ります。ですから、たとえば、再就職して会社の健康保険に加入した場合など、国民健康保険を脱退すると終了します。また、仮に、いったん国民健康保険を脱退した後、再度国民健康保険に加入した場合には、また改めて申請することが必要です。
そして、問題なのは国民健康保険料が実際、いくらになるかです。
国民健康保険税は、加入者全員の前年の所得により算定しますが、前年の所得のうち、離職者本人の給与所得を100分の30とみなして保険税を算定されます。
つまり、前年の所得の3割(70%マイナス)で計算されます。
前年の所得の3割で計算されるのでかなり軽減されるはずです。
また、国民健康保険料で注意が必要なのは、給与以外の所得がある場合、その所得については軽減されず、100/100で計算されます。また、国民健康保険の計算は、世帯に属する他の被保険者の所得も計算しますが、軽減対象になる方以外の保険料は、通常の計算方法となります。
この軽減制度を受けるためには、黙っていても保険料が安くなるわけではありません。市区町村の国民健康保険課の窓口へ行って手続きすることが必要となります。あくまでも申請が必要なわけです。
その手続きをするには、すでに国民健康保険に加入していたら国民健康保険証を持参するのはもちろんのこと、その他に雇用保険受給資格者証(原本)、あとはマイナンバーカードなどのマイナンバーを確認できるものも必要となってきます。これらを持参して手続きしてください。
事業主の皆さんもこれらの制度の概要くらいは知っておいた方がよろしいのかと思います。
ということで、今日は国民健康保険の軽減の話でした。