さて、賞与の支給が7月にあった会社も多かったと思います。その賞与の社会保険料の話です。賞与の社会保険料はどのように計算するのか、正確に把握しているでしょうか?
通常は賞与の社会保険料は、賞与の額に賞与の料率をかけて計算します。
健康保険は都道府県によって料率が異なります。(東京都は健康保険は9.90%、介護保険料がある場合には11.47%)その料率の半分が本人負担分です。
一方で、厚生年金は料率が全国一律です。どこの都道府県でも料率が18.3%です。
具体例で計算を出してみましょう。
健康保険 500,000円×9.90%=49,500円×1/2=24,750円
介護保険料のある方(40歳以上)の健康保険 500,000円×11.47%=57,350円×1/2=28,675円
厚生年金 500,000円×18.3%=91,500円×1/2=45,750円
さて、通常はこれでおしまいです。
今日のテーマはここからです。
まず、賞与の社会保険料を計算する際には、千円未満は切り捨てしてから料率を乗じます。
千円未満を切り捨てするというのは忘れがちなポイントです。
さらに、健康保険の上限額は「年間」です。年間で573万円が上限です。この年間というのは毎年4月1日から翌年3月31日までの累計額です。一方で、厚生年金の上限額は「月間」です。月で150万円が上限額です。ちなみに、厚生年金には「子ども・子育て拠出金」というのがあります。これは、被保険者負担分はなく、全額会社負担なので給与計算の際には関係ありませんが、この「子ども・子育て拠出金」も月間上限が150万円です。
さて、では、今回、賞与の支払額が200万円だったとします。そうすると計算は次のようになります。
健康保険 2,000,000円×9.90%×1/2=99,000円
※40歳未満だった場合
厚生年金 1,500,000円×18.3%×1/2=137,250円
ちなみに、雇用保険料があります。これも控除します。これは上限額とかがあるわけではないので、3/1000を掛けて終わりです。
雇用保険 2,000,000円×3/1000=6,000円
それから、今回は社会保険料の話なので源泉所得税は関係ないのですが、賞与の計算をするにあたっては源泉所得税も計算します。
源泉所得税はこれは前月の給与の額と扶養親族の数によって掛ける%が変わります。
%を掛け算するというのも毎月の給与の源泉所得税との違いです。
また、掛け算するのは社会保険料を控除した後ですから気をつけましょう。
実は賞与の計算というのは正確に計算するにはいろいろな知識が必要です。上記を参考に賞与の計算をしてみましょう。