今日は前回に続いて、銀行との付き合い方の話です。
こんなことをよく聞かれます。
「銀行に定期をしませんかとか、定期積金とかやりませんかとか言われるんですが、やったほうがいいんでしょうか」
銀行との付き合い方で大事なのは「必要な時に必要な資金をお願いできる環境を作っておく」ことです。
その意味でもこの銀行からの申し出はできる限り、受けたほうがいいです。
つまり、定期預金や定期積金はやれるのであればやったほうがいいです。
ですが、ここで理解しておきたいのは、実は銀行にとってはもう一つ別の意味があるということです。
「実効金利」って、ご存知でしょうか?
定期を組んでもらうと、この「実効金利」が銀行にとっては上がる効果があるんです。
たとえば、預金500万で、借入金が1000万あったとします。
金利が2%で、1年で20万円払っていたとしますね。
銀行から見ると、1000万は返してもらえるお金である一方で、500万の預金は、「返してほしい」と言われたら返さないといけないお金です。500万円の預金利息と言っても今は0.002%くらいなので、100円くらいでしょう。
次のような計算式で銀行は実効金利を計算しています。
実効金利 = | 支払利息-預金利息 | ||
借入金-預金 |
つまり、上記の例ですと、
0.03998 = | 200,000-100 |
10,000,000-5,000,000 |
つまり、銀行にとっては、金利2%というのは表面的な話で、実質的には3.9%くらいの金利だと考えているわけです。
さらに、定期を別に200万円組んだとします。そうすると、上記の算式が次のようになります。
0.0666 = | 200,000-200 |
10,000,000-(5,000,000+2,000,000) |
2%で貸していたお金が、定期を200万組んでもらうと、6.6%になるんです。
こんなからくりがあって、銀行はこれを狙って、定期を組ませようとするわけです。
銀行のこうしたものの考え方も分かったうえで、その時の経営状況もよーく踏まえて、銀行の要求する「定期を組む」という誘いにどう対処するか、考えるようにしましょうね。