6月はコロナ対応の業務が多く、なかなかブログ更新ができませんでした。 ご質問いただく内容もブログ記事にすれば面白そうな(特異な)内容も多く、それらをできる限りご紹介していき、皆様のお役に立てていただければと思います。
今日は持続化給付金の特例についてのお話です。
6月29日から持続化給付金は個人の場合、「事業所得」だけでなく「雑所得」や「給与所得」を使っても申告できるようになりました。その他にも2020年から開業した場合にも持続化給付金の申請ができるようにもなりました。 そして、同時に、これらの特例を使う場合、一部のケースで「税理士の証明」が必要なケースがあります。今日はどんな場合に「税理士の証明」が必要となるのかを見ていこうと思います 。
まず「雑所得」や「給与所得」で申告している場合も持続化給付金が使えるようになりましたが、要件があります。
下記の①から③のうちの二つの組み合わせが必要とされています。
① 業務委託契約書等 ・報酬支払者との業務委託等の契約書・ ・・報酬支払者と契約があったことを証する書類
② 支払調書(2019(令和元)年分)
源泉徴収票(2019(令和元)年分)・・・支払者が発行したもの。①との組み合わせが必須
支払明細書 ・・・支払者の署名又は記名押印のあるもの
③ 通帳の写し・・・・申請者本人名義の通帳であることがわかる部分 ・報酬が支払われたことがわかる部分
さて、二つの組み合わせが必要ということで、結構これが大変です。
①を利用する場合、持続化給付金で使用する専用書式というのもあるのでそれらを使って勤務先に印鑑をもらうのも一つの方法です。
そして、税理士の証明が必要なケースというのがあります。
一つは2020年1月~3月に開業した場合です。
この場合、1月から3月の収入の合計を3で割った金額を1か月の収入として、その半分以下になる月があったら持続化給付金の申請ができるというのがあります。「2020年新規開業の特例」というものです。
これを使うには2020年5月1日までに開業届を出していないといけませんからまずその点は注意点です。
そして、この2020年開業の場合には税理士の証明が必要になります。 1月から3月の収入について、税理士に証明してもらうわけです。
「持続化給付金に係る収入等申立書」に税理士の証明の欄がありますのでそこに税理士に記載してもらって持続化給付金の申請をするわけです。
もう一つですが、これは雑所得や給与所得で申告する場合にも持続化給付金の申請ができるようになったためにできたものです。それは、確定申告義務がないというケースの話です。
たとえば、「業務委託契約」で契約していた人で、もらっている名目が「給与所得」だったとします。「給与所得」だと従来は持続化給付金の申請の対象外でしたが、今回、6月29日からこうした人も申請できるようになりました。ですが、そもそもが「給与所得」であるため、勤務先で年末調整して確定申告はせずにおしまいになるケースがあります。このように契約は「業務委託契約」でも税務上は「給与所得」になっている人はそもそも確定申告する必要がありません。こうした「確定申告義務のない人」について「確定申告を要しないこと及び収入金額に係る申立書」に税理士に記載してもらって提出することで持続化給付金の申請ができるようにしたわけです。
また、たとえば、2か所から給与を得ていて、従たるところの給与とその他にある雑所得の金額が20万円以下である場合も主たる給与で年末調整されていれば確定申告が必要ないケースになります。
こうしたケースもこの税理士の証明をもらえば持続化給付金の申請ができることになります。
つまり、いずれも「給与所得」の場合、確定申告しなくても問題ないケースがあってこれを税理士に証明してもらうというものだということです。
いずれにしても、税理士の証明が必要というケースを使う場合、事前に税理士にお願いしてやってもらえるかどうかという点があります。おそらく、税理士の証明が必要というケースを使う方は普段、税理士を使っていない方が多いのではないかと思います。 持続化給付金の申請は今回、改正があったことで申請の仕方が複数あることが考えられます。その意味でも、少しハードルが高く感じるかもしれませんが、税理士に相談したほうがより多く持続化給付金を受給できる方法を見つけられるきっかけになることもあり得るので是非、相談していただければと思います。
以上、今日は持続化給付金の申請で税理士の証明が必要なケースという話でした。