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朝ドラ「ひよっこ」ですが、最終盤に差しかかっていています。

もちろん、ヒロインの「みね子」を演じる有村架純さんがどうなるのかも気にかかりますが、このブログは経営についての様々な問題をテーマにしたブログです。その観点から私が注目したいのは、そのみね子の茨城の実家で新事業を立ち上げる という話が参考になる話ですので取り上げたいと思います。

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朝ドラを見ていない人もいらっしゃると思いますので、「ひよっこ」のドラマのあらすじを簡単に説明しておきます。

物語の舞台は、前回の東京オリンピックがあった1964年(昭和39年)頃から始まります。茨城の山奥の村(奥茨城村という村)で高校生3年生になっていたみね子ですが、ある日、東京に出稼ぎに行っていたお父さんが突然、失踪します。突然のお父さんの失踪に、矢田部家の生活はひっ迫します。そんな状況の中、お父さんに代わって矢田部家を支えて実家に仕送りをするため、みね子は上京します。この時代にあったいわゆる「集団就職」です。その後の東京で働いていた会社が倒産し、失踪したお父さんが行ったことのある洋食店で働き始めていたところ、失踪したお父さんが見つかり・・・といった話が朝ドラ「ひよっこ」のだいたいの話の筋です。

 

さて、そのヒロインみね子の実家の矢田部家では、「そもそもこうやってみね子が東京に行って仕送りをしないといけない状況を改善しないといつまでたっても豊かな生活ができない」とみね子のおじさん(お父さんの弟)の宗男が新しい事業の立ち上げを提案します。

そして、新しい事業として提案するのが「花」の栽培ビジネスです。「花き」ビジネスといいます。

「花き」というのは、観賞用の植物と定義されています。現在においては、年間1兆円もの市場規模のあるビジネスです。

数字が大きくなると、わかりづらいので、同じ1兆円規模のビジネスを探してみると、野球やサッカー、ゴルフ、相撲などのプロスポーツがほぼ1兆円のようです。

 

ちなみに、私の関与することの多い治療院ビジネス(整骨院の他、リラクゼーションサロンなども含める)は4兆円規模だそうで、介護サービス事業はその倍以上のなんと9兆円にも上るビジネスだそうです。どちらの産業も市場規模が拡大傾向で、特に介護サービス関連産業は2025年には15兆円規模になるとの民間シンクタンクの試算もあるようです。

 

さて、オリンピックの後、この花きビジネスに参入しようというのはなかなか目の付け所が良かったと思います。まずは、全体を俯瞰してみた時に成長が見込める産業であった点です。このドラマでも語られていますが、昭和40年代というとみんなが豊かになってきて、「モノ」が足りてきている頃です。「花」を鑑賞したりという「ココロ」を満たす産業というのはこの時代の成長産業と言えます。

新しいビジネスを始めるにあたっては、こうした大きな視点からのものの見方というのは非常に重要です。日本全体、場合によっては世界経済の視点からの経済の動向から物事を判断していく物の考え方が必要です。

また、コストの面からもプラス面が多いと言えます。花は最初の苗木や種などはコストがかかりますが、最初、きちんと育てられればその後のコストは抑えられます。また、地理的に見ても茨城から大消費地の東京へは遠いわけでもなく、輸送コストが比較的かかりません。コストが低く抑えられれば、仮に少ない売り上げであっても利益を出すことがより容易になります。同じ100万円の売上でも、原価が10万円しかかからない場合と50万円も原価がかかる場合とを比べてみればわかります。人件費が同じようにかかるのであれば、原価がかからないビジネスはそれだけ利益が上がりやすくなるだけでなく、リスクも少ないということが言えます。

 

また、もともと農家ですから、「植物を育てる」という意味では比較的今までやっていたことに近いビジネスです。これも重要な要素だと言えます。これからやる産業が全く新しい分野だとなかなかとっつきづらいです。いくら成長産業と言っても全く経験のない分野のビジネスを始めるとなると一から学びなおすことになります。

たとえば、治療院の先生がまったく経験のない農業を始めるというのを想像してみればわかります。軌道に乗せるまでに時間がかかりますし、コストもかかることが容易に想像つきます。すでにそのビジネスに参入している人に追いつくのに時間がかかるだけでなく、後から参入した人に追いつかれてしまうこともあるかもしれません。

 

朝ドラ「ひよっこ」では、この全体を俯瞰した考えを、ヒロインみね子のおじさんがやっています。そして、素人がいきなり全く知らない分野のビジネスを始めても上手くいきません。それを習う師匠もきちんと調べて、そこもケアしています。

治療院の場合、リラクゼーションサロンなどのビジネスが近いのと同じです。介護事業であれば家事代行サービスなどが近接ビジネスであるのと同じ関係と言っていいでしょう。つまり、今あるノウハウやマンパワー、場合によっては設備なども現状のものを使えることもあるでしょう。仮にそのビジネスがうまくいかなくなったとしても、全く違う産業に進出したのと違い、その設備やマンパワー、ノウハウは本業に使うことも可能です。また、違う近接ビジネスに使うこともできます。

 

新規事業に進出する場合のポイントをまとめるとこんな感じでしょうか。

  1. ビジネス全体を俯瞰して、成長が見込める分野であるかどうか
  2. 売上とコストを比較して、利益が上がることが見込めるか
  3. 現状のビジネスでのノウハウ、設備、ヒトを使える分野であるかどうか

 

これに加えていえば、資金が潤沢にあるかということを挙げてもいいと思います。銀行から借り入れをして資金準備をしてもいいと思いますが、とにかく何か始めるにあたっては、思ったよりもお金がかかるものです。資金が十分に用意されているのかというのも重要な要素です。

 

治療院でも介護でも、昨今医療保険や介護保険という国の「保険」が低調気味です。

しかし、これらの産業全体としては、先ほど書いたように拡大基調にあるビジネスです。

視野を広げて、自分の今あるノウハウに少しだけプラスアルファすることで何ができるのかを考えるという視点は朝ドラ「ひよっこ」からも学べる点だと思います。


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