2017年度の税制改正の大きな話として、配偶者控除の改正があります。
現在、配偶者控除を受けられるのが103万円であるのが150万円に変わるというものです。ニュースでも話題になっているのでご存知の方も多いことだと思います。3月27日の参議院本会議で賛成多数で可決され、正式に成立しました。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170327/k10010926701000.html
改正でますます複雑な印象を持たれる方も多いでしょう。
どこが改正されるのか、今後はどうなるのかを整理してみたいと思います。
まず、その前に、今回の改正は、平成30年から適用開始です。
平成29年は今まで通りです。いつから適用なのかは大事な点ですからまずはそこを確認しましょう。
その上で、配偶者控除は今は給与でいうと年間103万円です。それが年間150万円に拡大されます。これに伴い、配偶者特別控除も変わります。現在、配偶者控除がぎりぎり受けられない人、具体的には給与でいうと年間103万円以上141万円未満の方は、配偶者控除ではなく、配偶者特別控除が受けられます。103万円から控除額が徐々に少なくなり、141万円を超えたところで控除額がなくなります。
この配偶者特別控除の範囲は103万円を超え201万円までになります。
ただ、これは税法の改正であって、社会保険の扶養の基準に変更はありません。従来通り、130万です。また、今回の改正は所得税法の改正であって、住民税は変わりません。
こんな感じに書くと、どこがどう変わったの?と余計?がたくさんついてしまいますよね。
年間の給与の金額がいくらだったらどうなるのかを並べてみてみましょう。
<年間給与100万円未満>
住民税がかかりません。もちろん、所得税もかかりませんし、社会保険の扶養にもなれます。
<年間給与100万円以上130万円未満>
住民税はかかります。ただ、所得税の配偶者控除は受けられます。社会保険の扶養にはなれます。
<年間給与130万円以上150万円未満>
所得税の配偶者控除は受けられます。ただし、社会保険の扶養にはなれません。
<年間給与150万円以上201万円未満>
所得税の配偶者控除は受けられず、配偶者特別控除は受けられます。
従来と同じですが、配偶者特別控除は配偶者の所得が1000万円を超えると受けられません。また、社会保険の扶養についても、ご主人がお勤めの会社が社会保険加入者が501人を超えるような大企業の場合には、社会保険の扶養は年間給与が130万ではなく106万になります。
また、配偶者(夫)の所得が1000万円を超えると配偶者控除は受けられなくなりました。従来は配偶者控除については特に所得の制限はありませんでしたので、この点も変わります。
ちょっとは整理がつきましたか?
繰り返しですが、この規定の適用は平成30年からになります。
来年の改正を踏まえ、今から対策が必要な方、よく考えておきましょう!