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以前に法人の代表者変更をした時の届け出の話をしました。

今回は法人の所在地の変更があった場合の税務、社会保険、労働保険などの届け出について書いていこうと思います。

法人の所在地変更の届け出関係は実は少し複雑です。

所在地の変更がどこからどこに変更したかによって、どこに届け出をするのかが変わってくるからです。税務署、年金事務所、労働保険など、統一性はないためちょっと、やっかいです。順番に見ていきましょう。

まず、代表者の変更と同じ点があります。それは、登記所への届け出を一番最初にすべきということです。登記所に届け出をして、本店所在地変更後の謄本を添付して様々な手続きをしていくという流れになります。

まず、登記の変更についてです。

本店所在地の登記の変更は登記所の管轄内の届け出か、管轄外への届け出かによって手続きの仕方が異なります。登記所にはそれぞれ管轄区域があります。管轄登記所の変更がない所在地変更と登記所をまたがって別の登記所への所在地の変更とで手続きの仕方が違ってくるわけです。管轄が変わると手続きが変わるというのは役所側の発想といえばそうなのですが、この管轄内の移転か管轄外の移転かという点は、本店移転の手続きを通して気にしないと手続きができない点ですから、まずはそこを気にするという点を頭に入れておきましょう。

登記所の管轄内の移転であれば手続きはそれほど難しくはありません。議事録等を添付して所在地の変更の手続きすればいいだけなので、以前に解説した代表者の変更とそれほど大きな違いはありません。もし管轄区域内の移転であれば、法務局の出している記載例などを参考にして議事録を作ってみてください。

ちょっと面倒なのが、管轄外への移転の場合です。管轄区域外への移転の場合、流れとしてはまずは移転前の登記所に移転する旨の議事録を添付して移転する登記をします。いったん移転前の登記所で登記をするわけです。そのうえで、移転した後の登記所に改めて登記されている内容の届け出をするという流れになります。登記されている内容というのは、「商号」(会社名のことです)「所在地」「目的」「資本金」「取締役の名前」・・・といった登記されている事項のすべてを新しい登記所で改めて登記しなおすわけです。

これだけでもなんだか面倒な感じがするかもしれません。

移転前の登記所に移転する議事録を添付し、移転しておいてから、新しい登記所登記事項のすべてを登記しなおす。その流れをまずは知っておきましょう。

そのうえで、この移転前と移転後の書類のすべてを移転前の登記所に出します。移転前・移転後、それぞれの登記所に書類を出すわけではないという点も注意点です。

新しい登記所では印鑑の登録もされていませんから、印鑑届も移転後の登記所への書類に添付が必要です。

移転前の登記所でこれらの書類をチェックして移転後の登記所へ書類を送付するようです。そのため、管轄外への移転の場合、登記完了までが通常よりも少し時間がかかります。

時間がかかるという点も知っておいたほうがいいでしょう。

さて、登記所の手続きが終わったとします。その後は税務署、都道府県税事務所、市町村、年金事務所、労働保険、雇用保険とそれぞれ手続きしていきます。

まず、税務署ですが、これは税務署の場合も管轄をまずは確認してください。管轄の税務署が変わらないのだったら同じ税務署ですから「異動届」をその税務署に出せば終わりです。問題なのは税務署の管轄が変わる場合です。

この場合には、異動前の税務署に「異動届出書」を提出します。異動後の税務署には提出しなくてもいいです。この際に、登記簿謄本の提出は不要です。税務署への届け出は添付書類がいらないという点は、本店移転の手続きを通じて特徴点かもしれません。

次に、都道府県税事務所と市町村への届け出です。こちらは異動前・異動後の両方の都道府県税事務所・市町村に「異動届出書」を提出します。

ただし、東京都の場合、異動前の納税地に異動届を出せばそれでいいことになっています。また、都のHPによると異動後の納税地に出しても問題はないということです。

東京都の都税事務所の場合には異動前か異動後かどちらかの都税事務所に異動届を出すようにします。

税務署と異なり、都道府県税事務所や市町村への異動届は移転後の登記簿謄本の写しの添付が必要となります。忘れずに添付しましょう。

そして、社会保険の手続きです。

税務署や都道府県税事務所などと同じく、まずは年金事務所の管轄を確認しましょう。管轄内での移転だったら簡単です。「適⽤事業所 名称/所在地 変更(訂正)届」を出せばそれで終わりです。

では、管轄外の移転だったら移転前と移転後のどちらの年金事務所に届け出をしたらいいのでしょうか。

これは移転前の所在地の管轄の年金事務所へ「適⽤事業所 名称/所在地 変更(訂正)届」を出すことになります。

年金事務所への本店移転の届け出は「事実発生から5日以内」となっています。しかし、登記簿謄本を添付しなければならないことから5日以内というのは実質的には難しいでしょう。実務上は登記が完了したら早めに届け出を出すということになるだろうと思います。

最後に労働保険(労災保険・雇用保険)の手続きです。

労災保険と雇用保険の手続きは労災保険の手続きが先になります

まず、同一の都道府県内の移転の場合です。

同一都道府県内の移転の場合、管轄の労働基準監督署が変わるか、変わらないかで分かれます。管轄の労働基準監督署が変わらなければ簡単です。「労働保険名称・所在地等変更届」を移転後10日以内に提出します。ただし、登記簿謄本かもしくは賃貸借契約書など、事業実態のわかるものを添付する形です。登記簿謄本でなくてもいいことから、他に所在地移転のわかる書類があればそれで手続きしてもいいでしょう。登記簿謄本を添付するのなら、登記が完了した後の手続きになります。10日以内だと間に合わない可能性がありますが、その場合にはなるべく早めに出すようにすればいいでしょう。

同一都道府県で労働基準監督署が管轄外の移転の場合には、移転後の労働基準監督署に労働保険名称・所在地等変更届」を出します。

この場合も変更後の登記簿謄本もしくは賃貸借契約書を添付して提出します。労働基準監督署の管轄の変わる本店移転の場合、新しく労働保険番号が振られます。労働保険番号は以前のものは使えませんのでその点は注意しましょう。

そして、意外と面倒なのが都道府県をまたいだ移転の場合です。

前提として、営業所は本店所在地のみだったとします。

都道府県が変わると管轄の労働基準監督署はもちろんですが、監督署の一つ上の役所である労働局も変わります。管轄の労働局が変わる場合、手続きとしては旧本店所在地の都道府県の労働保険関係をいったん廃止して、新しい都道府県で新たに労働保険に加入するという流れになります。つまり、移転前の都道府県では労働保険料精算をして廃止をするわけです。移転後の都道府県では、「労働保険名称・所在地等変更届」で対応するのではなく、「労働保険関係成立届」と「概算労働保険料」の申告という形でまったく新しく事業を始めるのと同じ手順で手続きします。労働保険の場合、都道府県が変わる移転は意外と面倒なんです。

さて、労働保険の手続きが終わったら今度は雇用保険です。雇用保険の本店移転は、変更のあった日の翌日か10日以内に「雇用保険事業主事業所各種変更届」を、事業所の所在地を管轄するハローワークに提出します。これも雇用保険の管轄を確認して管轄に変更がなければこの届け出を出せばそれで終わりです。

ハローワークの管轄が変わる場合、これは移転後の所在地を管轄するハローワークへ「雇用保険事業主事業所各種変更届」を出します。この際に、「労働保険名称所在地等変更届」の控と本店所在地の確認書類を添えて、事業所の所在地を管轄するハローワークに提出します。労働基準監督署と同じく、賃貸借契約書であれば登記が終わってからということはないのですが、登記簿謄本を添付して本店の所在地変更の届け出をする場合、やはり登記が完了してからの手続きとなります。

また、労働保険の「労働保険名称所在地等変更届」の控えを添付することが必要なことから、労働保険の手続きも終わらないと手続きできません

それから、上記の労働保険は雇用保険の手続きは一元適用事業(労災と雇用保険が一体となっている場合)を前提としています。建設業などの二元適用事業の場合には、労災保険については、移転後の所在地を管轄する労働基準監督署に「労働保険名称、所在地等変更届」を提出し、雇用保険については、移転後の所在地を管轄する公共職業安定所に「労働保険名称、所在地等変更届」及び、「雇用保険事業主事業所各種変更届」を提出することになります。

いかがでしたでしょうか。

本店移転した場合の手続きはなかなか複雑だと思います。

ちなみに、このブログでは支店等の複数の営業所があることを前提とせず、本店所在地のみに営業所がある場合を前提に進めましたので、その点、ご承知いただければと思います。

ということで、今日は本店移転をした場合の手続きについての話でした。


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