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もうこの2ヶ月近く、仕事の中心はコロナの関係の話です。このブログもここ2カ月はコロナ関係の話を書いています。

コロナ関係で私のところへのお問い合わせが多いベストスリーは、①雇用調整助成金 ②持続化給付金 そして、③無利子無担保融資です。

実質無利子無担保融資として日本政策金融公庫の融資制度があり、先行して運用しています。この4月30日に補正予算が通り、民間金融機関でも実質無利子無担保融資ができるようになったことはご存知でしょうか。今日はその制度の概要についておさらいしていきたいと思います。

まず、日本政策金融公庫の実質無利子無担保融資はどんなものだったかというと、以下の私のブログを参照してみてください。

実は国が進める民間金融機関の無利子の融資制度とは別に、自治体によっては無利子で保証料なしの融資制度を設けているところがあります。東京都内でも世田谷区や新宿区などでもそうした民間金融機関の無利子・保証料負担なしの融資が4月1日から始まっています。今回は、それを住んでいるもしくは事業をやっている地域にかかわらず全国的にできるように整備されたという話です。

民間金融機関の融資制度は都道府県ごとにある信用保証協会を通した融資となります。信用保証協会の融資とは、信用保証協会に保証料を支払い保証人の代わりになってもらうものです。信用保証協会に保証人の代わりをやってくれることで銀行は融資をすることができます。通常、銀行は今までまったく取引のない会社とはこの信用保証協会の融資を進めてきます。銀行としては保証協会があることで円滑に融資ができているわけです。

信用保証協会の絡む融資制度には「一般枠」と「セーフティネット保証」といわれるものがあります。通常の銀行融資は「一般枠」という枠を使って融資をします。「セーフティネット保証」というのは景気が悪くなったり、災害があったりという通常ではない状態があると使われる制度です。この「セーフティネット保証」には従来から4号5号という制度があります。

まず、「セーフティネット保証4号」とは、1年以上その地域で事業を行っている事業者が対象となります。直近1か月の売り上げが前年と比較して20%以上減少している場合に受けられるものです。その特徴は信用保証協会が100%保証することです。つまり、仮に借入金が返せなくなった場合、信用保証協会が100%肩代わりする融資です。金融機関的には4号融資は仮に返せなくなっても信用保証協会が100%肩代わりしてもらえるノーリスクの融資であるわけです。そのため、できればこの4号の融資を使いたいわけです。

そして、「セーフティネット保証5号」ですが、これはまず指定業種があります。今回のコロナ対応でほとんどの業種が対象となっていますが、まずは対象業種かの確認が必要です。また、最近3カ月の売上が5%以上減少した場合に受けられるものです。4号と比較するとわかりやすいのですが、5号の方は信用保証協会が保証するのは80%までです。つまり、仮に借入金が返せなくなった場合、信用保証協会は80%部分を肩代わりする融資です。売り上げの減少割合が5%と低くなる分、金融機関の負担割合も少し上昇します。

これらの4号・5号の「セーフティネット保証」のほかに、今回、「危機関連保証」というのが新たに加わりました。

この「危機関連保証」は前年同月比で売り上げが15%以上減少している場合が対象となります。保証の割合は100%です。つまり、借入金が返せなくなったとしても100%信用保証協会が負担する融資なわけです。また、この「危機関連保証」というのは、業種の縛りがありません。その意味では、4号に近いものです。

さて、ここからが民間金融機関の無利子融資の話になります。

まずは、上記の「4号」「5号」「危機関連保証」のいずれかを受けたうえで、以下に該当すると、金融機関に支払う利子や信用保証協会に支払う保証料が実質的な負担なしで受けられることになります。

個人事業主・・・売上5%以上減だったら、保証料・金利が実質ゼロ

法人・・・売上5%減だと保証料の1/2

     売上15%以上減だと保証料・金利がゼロ

【融資額】3000万円が上限

【据置期間】5年以内

【融資期間】10年以内

当初3年間は国から利子部分と保証料を利子補給されます。つまり、いったん利子の負担をしておいてあとから利子や保証料の分のお金をもらえるということです。4年目以降は通常の利子となります。日本政策金融公庫の無利子・無担保融資とこの辺は同じです。

さて、今回の民間金融機関の実質無利子を含むこれらの制度ですが、最大の特徴は、私は「既往債務の借り換え」にあると思っています。「信用保証付き既往債務も対象要件を満たせば、制度融資を活用した実質 無利子融資への借換が可能」だといっているのですが、これは、言い換えると、信用保証協会の融資がすでにある場合、それを借り換えして今回の融資に一本化し、返済期間を延ばした形で実質無利子の融資に組み替えることができるというものです。

たとえば、従来から保証協会の融資が2つあって合計で2,000万円の残高だったとします。一方で、今回、1,000万円の融資を受けたいとします。複数ある借入金を一本化して返済期間を10年に延ばすことで月の返済額を減らすことができ、なおかつ、当初3年間は実質無利子にできるというわけです。

今回の制度を上手に使えば、新規の融資も受けつつ、資金繰りを大幅に改善することにも役立ちます。

ただ、保証協会の融資でも一本化できないものがあります。

信用保証協会の保証割合が違うものは一本化できないというルールがあります。4号融資は100%信用保証協会が負担します。一方で、従来、「一般枠」で借りた信用保証協会の融資はほとんどが信用保証協会の負担割合は80%のはずです。この負担割合が違う融資は一本化できないというルールがあります。(保証協会の負担が100%のものと80%のものとで銀行側の入る保険の種類が違うためだそうです)

ですから、たとえば、既往債務の借り換えを同時に進めたいのであれば、あえて4号融資ではなく5号融資(保証割合80%)を受けておいて、既往債務との一本化は5号融資で進めるという手はあります。先ほどの例でいえば、2000万円の既往債務は5号融資で一本化しておいて、1000万円の方は「危機関連保証」の枠で融資を受けるという組み合わせも可能なわけです。

すでに信用保証協会の融資を受けている場合には、どういう組み合わせにしたらいいのかということもよく考えたほうがいいでしょう。

さて、では、これらの「4号」「5号」「危機関連保証」の融資を受けるにはどうしたらいいのでしょうか?まずは、各市区町村の産業振興課などで「認定申請書」に印鑑をついてもらわないといけません。この「認定申請書」をもらうためには月の売上高の確認できる資料をもっていかないといけません。通常は「月次損益計算書」といわれるものです。売上高や経費が月ごとに記載されている書類です。会計ソフトに入力すればそのソフトで出力可能な書類になります。結構、きちんとこの部分はチェックされますから、変に調整したりするようなことはしないほうがいいです。顧問税理士や会計士がいるのであればまずはご相談が必要です。

また、これはよく聞かれるのですが、日本政策金融公庫から融資を受けていても民間金融機関の無利子制度を使ってもいいのかということです。これらは別の制度であり、問題はありません。私の顧問先もほとんどの方が日本政策金融公庫の融資と民間金融機関の無利子制度と両方を申請する形になさっているところがほとんどです。審査の過程で両方で借り入れの申請を出していることが考慮されることはあるとは思いますが、そのために融資が受けられないということでもないと思います。私見ですが、今回は公庫と民間銀行の両方に同時に申請しておいたほうがよろしいかと思います

それから、今回ご紹介した民間金融機関の融資制度はすべて「前年」との比較で〇%の売り上げ減少としています。一方で、日本政策金融公庫の「新型コロナウィルス感染症特別貸付」は「前年」だけでなく、「前々年」と比較してもいいことになっています。昨年の同月がたまたま売り上げが低かった場合、さらにその前の年を見て前々年との比較で売り上げ減少がある場合には、民間金融機関の融資ではなく、日本政策金融公庫の融資を検討するということも可能性としてあります。

また、事業を始めて1年未満の場合には、今回のコロナ関係の貸し付けを受ける場合、4号融資は受けられません。1年以上事業を行っていることが要件にあるためです。この場合もやはり、日本政策金融公庫の融資をまずは検討していくことになります。

現在、日本政策金融公庫の融資、民間金融機関の融資、いずれも時間がかなりかかってしまっているようです。融資の申し込みをしてから1か月以上たってしまうケースも多いです。上記を参考にして早め早めの対応をなさってはいかがかと思います。

VMO新型コロナウイルス対策支援

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