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さて、前々回まで、治療院の消費税に絞っていくつか書いていきました。

治療院が「保険診療から自費に移行する」と起こる税金の問題として、消費税のことがあることは書きました。その消費税の納税義務は法人化することで最大、2年間、納付を逃れることができるということを聞いたことのある方も多いと思います。

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これは、消費税の判定の仕組みに由来します。

消費税を納める事業者であるかどうかは、2年前の課税売上が1000万円を超えるかどうかによって判定します。たとえば、平成29年1月から12月の期が課税事業者かどうかは、平成27年1月から12月の期の課税売上が1000万円を超えているかどうかで判断します。この辺の話は以前のブログを再度、ご参照ください。↴

自費中心診療の問題点 治療院の消費税について考えてみよう!

たとえば、平成27年の1月から12月の期の課税売上が1000万を超えたとします。普通にやれば、平成29年1月以降の期で消費税を納付することになります。それを、たとえば、平成29年1月に法人化したとします。12月決算の法人だったとすると、平成29年、平成30年まで消費税を納めなくてよくなる、ということです。

これは、法人化した場合、平成29年・平成30年は2年前がないことになるため、そもそも2年前の課税売上が1000万という判定自体ができないためです。

結果、最大2年間、消費税の納付を逃れることができるわけです。

ここまでの話は、少し勉強されていたり、どこかで聞いたことのある方も多いと思います。

治療院の場合、さらにもう一点踏み込んで知っておく必要があります。

それが、「特定期間の課税売上高の判定」というものです。

 

先ほどの例ですと、平成29年1月に法人化しています。この場合、平成29年1月~平成29年6月までの半年間で売り上げが1000万円を超えている場合、平成30年1月から消費税は課税事業者になるというものです。これが、「特定期間の課税売上高の判定」の話です。

この場合、免税となる期間は平成29年の1年のみとなります。

ただし、仮に平成29年1月から6月までの売上が1000万円を超えていても、平成29年1月から6月の給与等の金額が1000万円を超えていない場合には、平成30年1月から課税事業者になることはありません。

給与等の支給額というのは、特定期間中に支払った源泉所得税の対象となる給与等の金額のことをいいます。源泉徴収簿などから算出するため、金額の計算はすぐに出るはずですよね。

 

結局、この特定期間の判定を使うのは、売上と給与等の両方が法人設立から6か月で1000万円を超える場合だと押さえておいていただければいいかと思います。

 

また、たとえば、半年で消費税の課税売上が1000万円を超えるし、半年の給与の金額も1000万円を超えることが明らかな場合、どうするのかという問題があります。

 

消費税が免税事業者になる期間をなるべく多くとりたいということであれば、たとえば、上記の例の場合、1期目の決算を平成29年7月とした場合、1期目は平成29年1月から7月となり、特定期間自体がないことになります。1期目が7ヶ月の場合、この特定期間の消費税の判定を行わないというルールがあるためです。つまり、1期目を平成29年7月で終わる7月決算法人とすると、2期目の平成29年8月から平成30年7月までの期も免税事業者となり、結果として、平成29年1月から平成30年7月までは消費税が免税になることになります。

 

この辺の話はちょっと複雑な部分もあるため、もし半年で課税売上が1000万円を超え、なおかつ、給与等の金額も1000万円も超える場合、決算期をいつにするのか、給与の設定をどうするのかについて、税理士などの専門家の意見を聞きながら決めていただいたらいいのではないかと思います。

 

法人化すると、最大2年間、消費税が免税になるという話、おおよそ理解できたでしょうか?


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