介護事業所で「特定処遇改善加算」について、具体的にどうしたらいいのかわからない、という話をよく聞きます。この加算について、今日は「じゃあ、いくらくらいもらえるの?」という話を進めてみたいと思います。
この加算は二段階の加算率が採用されます。
加算率の高いⅠという加算は、「サービス提供体制加算(区分1(イ)のみ)、特定事業所加算(区分1及び2のみ)、日常性格継続支援加算、入居継続支援加算」を算定している場合に算定されます。それ以外の場合には、加算Ⅱで算定されます。
これらの加算はかなり大きな事業所で算定されるものであるため、ほとんどの事業所が新加算Ⅱで算定されるものと思います。
ちなみに、この加算Ⅰの算定ができる「サービス提供体制加算(区分1(イ)のみ)、特定事業所加算(区分1及び2のみ)、日常性格継続支援加算、入居継続支援加算」の加算を今現在算定していなくて、これから算定しようとする場合で、10月1日から算定したい場合には7/15までに届け出をしていないといけないものです。それ以降に算定する場合には、11月以降にずれ込むことになっています。
サービス区分 | 特定処遇改善加算 | |
新加算I | 新加算II | |
・訪問介護・夜間対応型訪問介護 | 6.30% | 4.20% |
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | ||
・(介護予防)訪問入浴介護 | 2.10% | 1.50% |
・通所介護・地域密着型通所介護 | 1.20% | 1.00% |
・(介護予防)通所リハビリテーション | 2.00% | 1.70% |
・(介護予防)特定施設入居者生活介護 | 1.80% | 1.20% |
・地域密着型特定施設入居者生活介護 | ||
・(介護予防)認知症対応型通所介護 | 3.10% | 2.40% |
・(介護予防)小規模多機能型居宅介護 | 1.50% | 1.20% |
・看護小規模多機能型居宅介護 | ||
・(介護予防)認知症対応型共同生活介護 | 3.10% | 2.30% |
・介護老人福祉施設 | 2.70% | 2.30% |
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 | ||
・(介護予防)短期入所生活介護 | ||
・介護老人保健施設 | 2.10% | 1.70% |
・(介護予防)短期入所療養介護(老健) | ||
・介護療養型医療施設 | 1.50% | 1.10% |
・(介護予防)短期入所療養介護(病院等) | ||
・介護医療院 | 1.50% | 1.10% |
・(介護予防)短期入所療養介護(医療院) |
上記を見てお判りでしょうか?
訪問介護の率が比較的高く、デイサービスの率が比較的低いのがわかります。
この率は「現状の介護報酬の額-現状の処遇改善加算の額」に対して加算率をかけて計算します。
そうすると、たとえばデイサービスで月に300万円程度売上が上がっている事業所であっても、加算Ⅱの算定の場合、加算率は1%ですから、たったの3万円です。
一方で、訪問介護の事業所の場合、月の売上が300万円程度だと、加算率は4.2%なので126,000円になります。結構、まとまった金額になるわけです。
これは、今回の加算が「勤続10年以上の介護福祉士」の給与を上げることを目的としていることと関係しています。デイサービスの場合、介護福祉士などの資格がなくても勤務することは可能なので、無資格者の割合が高いです。一方で、訪問介護の場合、ヘルパー資格などの有資格者でないとサービスの提供ができないことから、介護福祉士の資格を持つ人の割合が高いとされています。そのため、介護福祉士という資格に着目するため、訪問介護の方が割合が高くなるとされているようです。
私も何カ所かに説明でお伺いした際に、デイサービスでの割合が低いことから、デイサービスの事業所では特定処遇改善加算を取らない方向性を検討している事業所もあるようです。
いくら受給できるのかがだいたい分かったところで、では、問題のどのように配分していくのかを次回以降にわたって説明していきたいと思います。この「どう配分するのか」というのが複雑な部分もありますので、このどう配分するのか、についても何回かに分けて説明していこうと思います。
P.S. 10月1日から「介護職員特定処遇改善加算」の新制度が施行されますが、
その申し込みの締切りが8月31日と間近に迫っています。
この複雑な新制度、あなたご自身で正しく活用できますか?
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