NHKの大河ドラマ「真田丸」。主人公の真田信繁(真田幸村)の義父(信繁の妻のお父さん)は、有名な戦国武将、大谷吉継です。関ヶ原の戦いで敗れ、自害するわけですが、この吉継は、ドラマなどで登場するとき、必ず頭に頭巾をかぶっています。「悪鎗」だったと古い文書には書いてあるそうです。
今の病気だと、ハンセン病(昔は「らい病」と呼ばれていました)だったのではないかと言われますが、そうではなく、何らかの皮膚病だったとの説もあり、諸説あるようです。
いずれにしても、いわゆる「障がい者」だったのではないか、と私は思っています。
さて、今日のテーマは障がい者です。
ときどき経営者の方から質問をいただくこともあるものの中に 「障がい者を雇うと助成金が出たりするの?」というご質問があります。
そこで、障がい者を雇ったときにもらえる助成金について、今日はいくつかご紹介したいと思います。
障害者の関係する助成金には次のようなものがあります。
・特定求職者雇用開発助成金
・障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)
・障害者トライアル雇用奨励金
・障害者職場定着支援奨励金
・企業在籍型職場適応援助促進助成金
・発達障碍者・難治性疾患患者雇用開発助成金
・障害者職場復帰助成金
・障害者作業施設設置等助成金
・障害者職業能力開発訓練施設等助成金
実に10個もあります。まだあるのかもしれませんが、私の手元にあった資料だけでこれだけありました。
さて、このうち、「特定求職者雇用開発助成金」については以前にもご紹介いたしました。↴
正規雇用で障がい者を採用すると3年間にわたって最大で240万円受給することもできます。この助成金の特徴は、ハローワーク経由で雇い入れすることでした。ハローワークから書類が送られてくる上、申請自体もそれほど複雑ではなく、受給する際の手続きも割と簡単な助成金です。
この「特定求職者雇用開発助成金」ですが、平成28年4月1日からは「トライアル雇用奨励金」との併用もできるようになりました。「トライアル雇用奨励金」も以前にご紹介いたしました。↴
今回の改正は、3か月間のトライアル雇用で「トライアル雇用奨励金」を受給した後、特定求職者雇用開発助成金に移行して、特定求職者雇用開発助成金を続けて受給することが可能になった という改正です。
たとえば、未経験者をハローワーク経由で採用する場合で、その方が障がい者であれば、この併給のパターンに該当しますので、その点も留意点です。
また、従業員数が50名以上の会社で、今まで障がい者を雇ったことがない会社さんであれば、 「障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)」というのもあります。
従業員数が50名以上の会社では障害者を1人以上雇わないといけません。仮に障害者を雇えない場合、1か月あたり雇えなかった障害者1人当たり5万円を支払わないといけません。(常時雇用する従業員100人超の事業主のみ徴収)
その障がい者を雇えなかったことによるいわば罰金を払っていた会社が、初めて障がい者を雇う場合にもらえる助成金が「障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)」です。この助成金は「特定求職者雇用開発助成金」との併給も可能です。ファースト・ステップ奨励金が120万受給できるため、障がい者の雇い入れで特定求職者雇用開発助成金とあわせて200万円以上受給することも可能となります。
それから、もう一つご紹介したいのが、東京都のやっている助成金で、「東京都障害者安定雇用奨励金」というのがあります。
障がい者を正規雇用で雇い入れた場合や、雇っていた障がい者を正規雇用に転換した場合に受給できる助成金です。障がい者1人当たり120万円受給できます。
これは東京都独自の助成金です。東京都に事業所がある会社で、障がい者を雇い入れる場合には追加で東京都からこうした助成金も受給できる可能性があります。
いずれにしても、障がい者の雇い入れは助成金が非常に多いです。
雇い入れを考えている事業主の方は、専門家にご相談いただければと思います。