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医療や介護の従事者に向けて1人当たり5万円(新型コロナウィルスの濃厚接触者の場合には20万円等)の慰労金の支給が始まっています。

この慰労金は7月の終わりから申請ができましたが、7月の申請はあまり日数がなかったため、実際には8月15日~8月末までで申請し始めている事業者が多いと思います。その場合、入金になるのは9月末、つまり、今月末となります。私の顧問先からも、「どうやって経理処理すべきなのか」「給与明細のような明細は必要なのか」といったご質問をいただくことが多くなっています。この慰労金について、どう経理処理をしていったらいいのか、見ていきましょう。

医療・介護従事者に向けた慰労金ですが、そもそもこれは本人が請求するのに変わって事業所が国保連に請求するという関係になっています。つまり、事業所はあくまでも代理で申請するだけです。事業所としては代わりに申請しているだけなので、当然、事業所の収入にはなりません。預かっているお金を渡しているだけなので、経理処理としては以下のようになります。

入金時:(普通預金)/(預り金)もしくは(仮受金) ×××

支払時:(預り金)もしくは(仮受金)/(普通預金) ×××

過不足なく全員にお渡しする必要がありますから、預り金勘定もしくは仮受金勘定はゼロにならないといけません

また受け取った従業員さんも非課税となります。所得税や住民税はかかりません

税務のみを扱っている税理士の先生だとこの点を知らない方もいらっしゃると思います。この非課税の取り扱いについては、国税庁から出ているわけではなく、厚労省から出ているからです。

所得税や住民税がかからないということは、たとえば扶養親族になっている場合、この慰労金は除いて考えていいことになります。また、社会保険の扶養の判定についても除いて考えていいでしょう。

また、非課税ですから、この慰労金も給与の支給時にあわせて支給するような場合、注意が必要です。給与と一緒に支給するのであれば、課税されない形になるように給与明細の表示をしないといけません。通常の給与計算は事業所でやって、年末調整だけは税理士の先生にやってもらっているような場合も注意が必要です。単に給与明細を渡すだけで税理士の先生もよく理解していないと、課税して計算してしまう可能性があります。この点、よく注意しましょう。

それから、私の顧問先にお聞きすると結構多いのが、この慰労金は給与とは別に現金で支給するというものです。もちろん、現金で渡しても構わないのですが、その場合には受領書や領収書など、受け取ったということがわかるものを必ず取ってください。現金で渡す場合、たとえば、「まだもらっていない」とか「もらったが金額が足らない」とかといったことでトラブルになることもあり得ます。必ず渡したその場で金額を確認してもらって確かに受け取ったという受領書をもらうようにしましょう。

慰労金事業の詳細については、以下の以前私が書いたブログを参考にしてみてください↓

ということで、今日は慰労金の経理処理の話でした。



さて、今日は最近、医療・介護の分野で関心が高く、質問も多くなってきた医療・介護・障害福祉に従事する職員に対する「慰労金」事業について、解説していこうと思います。

この事業は「新型コロナウィルス感染症緊急包括支援交付金」というものの一環として医療や介護に従事した職員に交付されるものです。基本的には本ブログでは介護事業所向けに書いていきますが、内容的には医療分野も同じとなりますので、医療の方がご覧になる場合も参考にしていただければ幸いです。

まず、この慰労金事業は職員に対して支給されるものです。利用者と接触する機会のある職員であれば、事務員、ドライバーなどの職種を問わず、支給対象となります。これについては、厚労省のQ&Aにもどこまでの職員が範囲に含まれるのかについて、次のように書かれています。

病棟や外来などの診療部門で患者の診療に従事したり、受付、会計等窓口対応を行う職員は通常該当します。また、診療には直接携わらないものの、医療機関内の様々な部門で患者に何らかの応対を行う職員等は医療機関における勤務実態等に応じて該当するものと考えられます。一方、対象期間中はテレワークのみによる勤務であったり、医療を提供する施設とは区分された当該法人の本部等での勤務のみであったなどの場合は該当しないと考えられます。

さて、この慰労金ですが、大きくポイントは5つあります。

まずは一つ目のポイントです。利用者や事業所にコロナウィルスの感染者がいるかいないかは問わないという点です。趣旨としては、「介護施設・事業所での集団感染の発生状況を踏まえ、相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感を持って、業務に従事していることに対し、慰労金を給付する」となっていることから、コロナの感染の有無は問わないわけです。ただ、コロナの感染が利用者や事業所にあったかどうかによって給付額が変わるわけです。「感染者が発生・濃厚接触者に対応した施設・事業所に勤務し利用者と接触する職員感染者と接触した」場合には20万円となっており、それ以外は5万円となっています。特に新型コロナウィルス感染症の患者さんと接触がなくても受け取れる対象となります。

ポイントの二つ目は非常勤職員などでも給付金を受け取れるということです。対象期間とされているのが各都道府県で新型コロナウィルス感染症患者の1例目が出た発生日から6月30日までの期間に10日以上の勤務があれば給付金を受け取れる対象者となります。10日以上というのは勤務時間は問いませんので、たとえば1日1時間程度であっても対象期間中に10日の勤務日数があれば対象となります。また、夜勤者の場合、たとえば19時からの勤務で翌朝の8時までの勤務だったとします。この場合、日をまたぐので2日とカウントされます。

それから、たとえば岩手県のように新型コロナウィルス感染症の感染者がいない地域であっても緊急事態宣言の対象とされた4月16日が始期となり、6月30日までの期間が対象期間となります。この期間に10日以上、勤務があれば岩手県の事業所も対象となります。

ポイントの三つめはあくまでも受け取れるのは職員本人で、事業所は取りまとめるに過ぎないという点です。この慰労金の支給に際しては、個々の職員から委任状を取って、事業所で取りまとめるということになっています。事業所にいったん入金はされますが、会計処理上は要するに「預り金」なわけです。処遇改善加算は入金があった金額は売上金の一部ですが、この慰労金は事業所に入金があっても「売上」ではありません。単に預かっているお金です。職員に必ず渡さないといけません。ちなみに、この慰労金は所得税や住民税は非課税となります。税金はかかりませんから年末調整などの際に慰労金の分は入れる必要はありません。介護事業所で働くパートさんなどの非常勤職員の場合、扶養の範囲で働く職員も多いはずです。慰労金は非課税ですからこの点は気にしなくていいことになります。

ポイントの四つ目は、この慰労金の請求は国保連を通じて行うということです。レセプトの請求は通常、翌月1日から10日です。慰労金の請求はそれとは別に、15日から月末となっています。(7月については7月20日から7月末までとなっています)たとえば、8月15日から8月末までに慰労金の請求をしたとすると、9月末までに入金されます。職員にはその後に支給という形になるわけです。通常のレセプト同様、伝送請求が基本となります。

それから、ポイントの5つ目はこの慰労金は受け取れるのは1事業所のみ、1回だけということです。特に訪問介護の職員の場合、複数の事業所で働いていることはよくあります。ですが、受け取れるのはあくまでもそのうちどこか一つの事業所です。

また、現状で勤めていた介護事業所を退職していたとしても事業所を通じて慰労金の請求ができます。ただし、何らかの理由で退職者が事業所を通じて受け取れない場合には、勤務証明書などを添付して、個人で請求することも可能となっています。

また、仮に1人の者が複数の事業所で受け取った場合、これは不当利得として返還することとなりますので注意しましょう。

この慰労金の制度を受けて、積極的に慰労金を賞与的に早めに支給したいとする事業所もある一方で、まだ詳細を把握しておらず、そもそも職員への周知もしていない事業所も多いようです。

是非この機会に概要を把握していただいて、是非、職員の皆さんへの慰労金の支給をしていただければと思います。



介護事業所向けのコロナ関係の情報提供がいくつかあります。

まずは処遇改善加算の実績報告の提出期限は本来は7月31日ですが、今年に限って提出期限が令和2年8月31日になっています

また「新型コロナウィルス感染症緊急包括支援交付金」というのができました。

職員1名あたり5万円の交付金やマスクなどのコロナ対策費用の補助金制度です。

これらの最新情報はまたお知らせいたします。



今日は介護事業者向けの最新情報の提供です。

今日(2月3日)に厚労省から出されたものです。

従来の処遇改善加算と特定処遇改善加算とをまとめた様式が今月末をめどに統合された様式が出されます。そのため、通常、2月末となっている処遇改善加算計画書の提出期限が今年に限り、4月15日となります

介護保険最新情報vol.758

「令和2年度『介護職員処遇改善加算』及び『介護職員等特定処遇改善加算』算定のための処遇改善計画書様式例の提示及び提出期限について」

https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2020/02031133382/ksvol758.pdf?from=mail

様式は今月中に発表されるそうです。

最新情報が出たらまた情報発信したいと思います。



今日はこの10月から導入された軽減税率制度で、有料老人ホームの軽減税率について書いていこうと思います。

まず、有料老人ホームでの食事の提供は軽減税率の対象になります。 このことは以前に本ブログでも取り上げました。↴

 

以前のブログでも書いたように、「1食640円、1日1,920円(1食640円×3食)」以下の部分の食事の提供が軽減税率の8%になります。問題は有料老人ホームでの食事の提供を業者に依頼していた場合、どのように計算すれば軽減税率の対象になるのか、という点です。

この点は以前のブログで書いた国税庁のQ&Aからは明らかでなかったのですが、業務委託費がある場合の軽減税率の取り扱いについて、国税庁は納税者に対しての回答文書という形で回答しています。

この老人ホームにおいては、入居契約書で「食材費が1日3食800円(1日3食とも食べない【欠食】場合に限り食材費はなし)で、食材費は800円×喫食日数としている場合で、なおかつ、業務委託費が食材費とは別に、欠食の有無にかかわらず、月額31,000円としている」という例が出ています 上記の場合、たとえば、1か月の日数が31日の月の場合、1日当たりの食費は次のように計算していいのかというのが質問の要点です。

800円+31,000円÷31日=1,800円 1日1,800円ということは、1日1,920円以下になるため、業務委託費部分も含めた全額を軽減税率の対象としていいのかというのが質問の要点です。

結論としては、このケースのように、合理的に算定できている限り業務委託費部分も含め、軽減税率の対象としていいとしています

ちなみに、1か月30日の場合には、「800円+31,000円÷30日=1,833円」なので1,920円以下となり、1か月28日の場合でも、「800円+31,000円÷28日=1,907円」で1,920円以下となり、いずれにしても軽減税率の適用で問題ないことになります。 有料老人ホームでの業務委託費がある場合の食費の取り扱い国税庁からの文書回答なので問題ないと考えていいです。

なお、この金額は税抜きの金額です。1食640円は税抜き価格ですから、税込価格だと、640円×1.08=691円となります。(1日は税抜きで1,920円なので、税込は1日当たり1,920円×1.08=2,073円となります)

参考にしてみてください。




今日は、介護事業所がまさに今、対応に追われている「特定処遇改善加算」について、その配分方法について、Q&Aなどいくつかの資料からわかることをいくつか書いていこうと思います。特定処遇改善加算の書類をこれから作成に取り組もうとしている事業所の方は参考になさってみてください。

 

この特定処遇改善加算の特徴は配分方法です。

経験・技能のある介護職員」「その他の介護職員」「介護職員以外」の三つの区分に分け、その区分ごとに4:2:1の比率で按分する必要があります。

その上で、「経験・技能のある介護職員」とはどういう人をいうのでしょうか。

「経験・技能のある介護職員」とは、介護福祉士の資格を有する勤続10年以上の者(他社の勤続年数を含む)です。介護福祉士の資格を有する者は、必須の要件となっていますが、勤続10年以上の者については、事業所の裁量によることが出来るとされています。(東京都のフローチャートに記載されています)勤続10年以上の者という条件に拠らない場合、どういう基準で「経験・技能のある介護職員」に区分されるのかを明確に記載しないといけません。

 

また、この「経験・技能のある介護職員」に区分した場合、サービス区分ごとに1名以上を年収440万円以上か月額8万円以上の賃金改善が必要です。

 

そして、この年収440万円以上というのは、通勤手当も含んだ金額とされています(愛知県のQ&Aに記載があります)。また、年収440万円以上には社会保険料の会社負担分は含みませんが、月額8万円以上の賃金改善の方を取る場合には、社会保険料の会社負担分は含んでいいこととされています。また、この年収440万円以上はいつの期間かということですが、これは、原則、加算取得月(4月~3月)で賃金改善を実施することが必要ですが、事務処理の軽減の方針に基づき、既存の処遇改善加算での実施期間(7月~6月)にしても良いこととされています。

 

また、これは私も今回の加算の書類を作成するにあたって多くの経営者から言われたことですが、年収440万円以上か月額8万円以上の賃金改善というのが「経験・技能のある介護職員」には求められるわけですが、現実的にはそうした人を作るのは難しいということです。この場合、「経験・技能のある介護職員」に該当者がいない旨を計画書に記載すればいいことになっています。「合理的理由を記載する」こととなっていますから、「現状では介護福祉士の資格を有する者がおらず、比較的新しい事業所であるために実務経験を有する者がいない」といったような形で、合理的な理由を説明しないといけません。

いずれにしても、原則は1サービスにつき最低1名は「経験・技能のある介護職員に設定しないといけないわけです。

 

また、この「経験・技能のある介護職員」の年収440万円基準は常勤換算の年収となっています。ですから、非常勤介護職員がいて、その者は常勤者1に対して、常勤換算数で0.5の方であれば、年収220万円であれば、割り返して年収額を求めます。つまり、このケースだと220万円÷0.5として、440万円と出します。

 

他にも、この論点はどうなっているのだろうか、という点があります。次回、またできるだけわかりやすく解説していこうと思います。

 

 
P.S. 10月1日から「介護職員特定処遇改善加算」の新制度が施行されますが、

その申し込みの締切りが8月31日と間近に迫っています。

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今年の10月から新たに始まる「特定処遇改善加算」について、前回まで3回にわたって書いてきました。概略については書いたつもりです。今日はさらに、今現在ある「処遇改善加算」と「特定処遇改善加算」はどう違うのか について、まとめてみました。

 

この新しい「特定処遇改善加算」は前提として、現在の処遇改善加算ⅠからⅢを取得していないとこの加算自体が取れません。ですから、現在の処遇改善加算を取っていないのであればまず取得することが先です。その上で、現在の処遇改善加算とどう違うのかを考えていくと、この加算を取得する場合、取得した後どうすればいいのか、見えてみますので、その観点で「違い」を見ていただければと思います。

①配分方法が違う!

「処遇改善加算」は配分方法については、特に決まりはありません。とにかくもらったものは全て配分する必要があるというだけです。給与で配分しようが、賞与で配分しようが、分け方はどういう分け方でもいいわけです。一方で、「特定処遇改善加算」は前回説明した通り、A・B・Cの三つのグループに分けて配分する必要があります。さらに、わけたA・B・Cの三グループの分ける比率を4:2:1でわけないといけません。一人当たりの配分額にしたときにこの比率にしないといけないわけです。また、「特定処遇改善加算」は給与で配分するのか、賞与で配分するのか、給与と賞与で配分するのかも事前に決めておかないといけません。一方で、「処遇改善加算」の方は仮に給与で配分するものとして計画書を提出したとしても、あとから賞与で配分しても問題はありません。

このように、もらったものをどうやって職員に配るのかというのが大きく違うわけです。

② 誰に分けるのかが違う!

「処遇改善加算」は介護職員にしか配分できません。たとえば、看護師やケアマネージャー、ドライバーや事務員には配分できません。これらの職員が介護の職種につくのであれば別ですが、看護師やケアマネージャーがそれらの職種で仕事をしているのであれば、その部分は配分できません。

一方で、「特定処遇改善加算」の場合、看護師やケアマネージャー、ドライバーや事務員でも配分できます。これらはCグループとして分類されるため、Cグループとしての配分は可能です。

ただし、Cグループの所属の場合、年収440万円以上の人には配分できないというルールがあるので注意が必要です。

③ 就業規則への記載が必要か否かが違う!

「処遇改善加算」は昇格とそれに伴う昇給のルールを就業規則に記載する必要があります。たとえば、勤続年数だったり、資格だったり、職員の評価システムによって昇格していくと昇給していくというルールを示す必要があるわけです。さらに、その昇格・昇給のルールを就業規則に明示して職員に周知させる必要があるわけです。

一方で、 「特定処遇改善加算」は、そうした「昇格・昇給」のルールを就業規則に示すというようなものはありません。「特定処遇改善加算」についての職員への周知は必要でしょうが、それを就業規則に記載することは求められていません

④ HPなどへの掲載の必要があるかないかが違う!

「処遇改善加算」は処遇改善加算を取得していることをHPなどへ掲載する必要は特には求められていません。一方で、「特定処遇改善加算」は、特定処遇改善加算を取るための職員の処遇改善の取り組みについて、自社のHPに掲載することが求められています。これは、自社のHPに掲載する方法ではなく、「情報公表システム」に記載する方法でもよいこととされています。介護職員の処遇改善の取り組みについて、外部から見える形にすることが必要なわけです。

⑤ 賃金改善額の比較する賃金が違う!

「特定処遇改善加算」はこれは簡単です。「特定処遇改善加算」を算定する前の賃金と算定した後の賃金を比較して、その差額を賃金改善額とします

一方で、「処遇改善加算」はかなり複雑です。元々の賃金水準との比較で、その元々の賃金水準と処遇改善加算を配分した後の賃金とで比較してその差額を賃金改善額とします。この元々の賃金水準というのが考え方がかなり複雑で難しいのですが、原則的には「平成25年度の賃金水準」とされています。その平成25年のころと比べて改善した部分を賃金改善額としています。

この「賃金改善額」については、新しい「特定処遇改善加算」の方は分かりやすく、すっきりしているという感じです。単純に特定処遇改善加算で配った額を「賃金改善額」とすればいいので、単純です。現行の「処遇改善加算」はかなり複雑でわかりづらいという感じです。

他にも違いがある部分はあるでしょうが、「特定処遇改善加算」を理解する上での手助けとなる点としては上記のようなものが挙げられるだろうと思います。

「特定処遇改善加算」を取得しようとしている介護事業所の皆さんの参考にしていただければ幸いです。

 

 

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さて、今日は特定処遇改善加算の配分方法について、書いていこうと思います。

この配分方法を決められているというのは、この加算のかなり特徴的な規定ですので、一つ一つ理解していただければと思います。

まず、特定処遇改善加算の配分方法を考えるには、法人全体の職員を3つのグループに分けることから始めます。

経験技能のある介護福祉士をAグループ、Aグループに属さなかった普通の介護職員をBグループ、そして、Aグループ・Bグループに属さなかった職員をCグループとします。

このうち、Aグループに属する介護職員は勤続10年以上の介護福祉士の資格を持つ介護職員などリーダー級とみなされる介護職員をこのグループの所属とします。

この勤続10年の介護福祉士の勤続10年というのは、他の法人や医療機関での勤務経験も含んでいいとされています。法人が独自に基準を設け、それをクリアした職員をAグループとしていいわけです。客観的にAグループであるというのがわかる基準であればいいとされています。したがって、勤続年数で判断するのではなく、評価等級で一定基準以上の人としてもいいとされています。勤続10年にこだわらずに、法人側で独自の基準を設けていいわけです

次に介護職員であって、Aグループに所属しない介護職員はBグループとされます。

最後に、Aグループ・Bグループのいずれにも属さない職員がCグループになります。Cグループに所属するのは、ケアマネージャーや看護師、事務員、ドライバーなどが該当します

まずは、法人の全職員をこのA・B・Cのいずれのグループに属するかをグループ分けすることがスタートです。

その上で、グループ分けする際の細かい基準がありますので、それを押さえる必要があります。

Aグループに属した職員は、算定しているサービス区分ごとに1名以上、月額8万円以上の賃金改善をするか、年収440万円以上の人を作らないといけないとされています。このうち、月額8万円以上の賃金改善というのは、社会保険料の金額も含んでいいものとされています。一方で、年収440万円以上というのは社会保険料の金額は含まずに判定します。

また、サービス区分ごとに1名以上、月額8万円以上か年収440万円以上の賃金改善というのは、法人全体でサービス区分ごとに1名以上いればいいとされています。どういうことかといいますと、たとえば、デイサービスと訪問介護の2つのサービスがある法人だったとします。その場合、法人全体で2名以上、月額8万円以上の賃金改善をするか、年収440万円以上の人を作ればいいわけです。ですから、たとえば、デイサービス業務に従事する者の2名で月額8万円以上の賃金改善か年収440万円以上の人を作ってもいいことになります。デイサービスと訪問介護のそれぞれの所属で1名ずつとは言っていないわけです。あくまでも法人全体で2名いるかどうかを判断するわけです。

さらに、たとえば現に年収440万円以上になっている介護職員がいたとします。その場合、自動的にAグループに所属することになります。

もう一つ、たとえば勤続10年の介護福祉士がいたとします。その法人では事業所内の評価システムでAグループに入るかどうかを判断すると決めていたとします。ですが、その勤続10年の介護福祉士の職員は事業所内の評価システムではAグループに該当しないことになってしまったとします。この場合、Aグループに属さないからBグループの所属にするということは出来ません。あくまでも、勤続10年以上の介護福祉士がいらっしゃったら必ずAグループの所属になります

また、基本的にはAグループの所属者がいないということは出来ないとされています。サービス区分が一つあれば必ず1名はいないといけないとされています。ですが、たとえば、法人の事業所が小規模でデイサービスが1か所だけとかいう場合、そもそも月額8万円以上の賃金改善や年収440万円以上の者を作ることが出来ないというケースがあります。あるいは、事業所が立ち上げたばかりで賃金規定などの整備が途中であったり、勤続10年の介護福祉士という職員がまだいないケースなども想定されます。こうしたケースでは、そうした「特別の事情」を記載すればAグループに所属する対象者がいないとしてもいいとされています。

次に、Bグループの職員はAグループに所属しなかった介護職員になりますが、Bグループの職員のポイントは、たとえば、パート・アルバイトのような時間数の少ない職員も常勤換算割合(常勤者を1とした場合の勤務時間数の割合)で割り振る必要があります。

最後にCグループは介護職員以外ですが、このグループには年収440万円以上の職員がいたとしても外さないといけません。つまり、年収440万円以上の介護職員以外の者には配分できないことになっているわけです

まずは、上記のような基準でA・B・Cの三つに職員を分けてみてください。

その上で、この加算の特徴的なのは配分比率というものがあります。A・B・Cで4:2:1(2:1:0.5)の比率で配分する必要があります。この配分比率は1名あたりの配分比率です。A・B・Cの三つで分けた職員の一人当たりの配分額なわけですが、配分額がゼロの職員がいたとしても、人数にはカウントします。それで一人当たりの金額を出すわけです。

どうでしょうか?ちょっと複雑な部分もあるとお感じになりましたでしょうか?

この配分方法の辺りの話については、Q&Aなどでも細かく基準が出ているところもあります。上記以外にもこのケースはどうしたらいいのか、というのがあれば、Q&Aや東京都で出しているQ&Aなんかも参考になりますので確認してみてください。

ということで、今日は特定処遇改善加算の配分方法のお話でした。

 

 

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介護事業所で「特定処遇改善加算」について、具体的にどうしたらいいのかわからない、という話をよく聞きます。この加算について、今日は「じゃあ、いくらくらいもらえるの?」という話を進めてみたいと思います。

 

この加算は二段階の加算率が採用されます。

加算率の高いⅠという加算は、「サービス提供体制加算(区分1(イ)のみ)、特定事業所加算(区分1及び2のみ)、日常性格継続支援加算、入居継続支援加算」を算定している場合に算定されます。それ以外の場合には、加算Ⅱで算定されます。

これらの加算はかなり大きな事業所で算定されるものであるため、ほとんどの事業所が新加算Ⅱで算定されるものと思います。

ちなみに、この加算Ⅰの算定ができる「サービス提供体制加算(区分1(イ)のみ)、特定事業所加算(区分1及び2のみ)、日常性格継続支援加算、入居継続支援加算」の加算を今現在算定していなくて、これから算定しようとする場合で、10月1日から算定したい場合には7/15までに届け出をしていないといけないものです。それ以降に算定する場合には、11月以降にずれ込むことになっています。

 

サービス区分 特定処遇改善加算
新加算I 新加算II
・訪問介護・夜間対応型訪問介護 6.30% 4.20%
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・(介護予防)訪問入浴介護 2.10% 1.50%
・通所介護・地域密着型通所介護 1.20% 1.00%
・(介護予防)通所リハビリテーション 2.00% 1.70%
・(介護予防)特定施設入居者生活介護 1.80% 1.20%
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・(介護予防)認知症対応型通所介護 3.10% 2.40%
・(介護予防)小規模多機能型居宅介護 1.50% 1.20%
・看護小規模多機能型居宅介護
・(介護予防)認知症対応型共同生活介護 3.10% 2.30%
・介護老人福祉施設 2.70% 2.30%
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
・(介護予防)短期入所生活介護
・介護老人保健施設 2.10% 1.70%
・(介護予防)短期入所療養介護(老健)
・介護療養型医療施設 1.50% 1.10%
・(介護予防)短期入所療養介護(病院等)
・介護医療院 1.50% 1.10%
・(介護予防)短期入所療養介護(医療院)

 

上記を見てお判りでしょうか?

訪問介護の率が比較的高く、デイサービスの率が比較的低いのがわかります

この率は「現状の介護報酬の額-現状の処遇改善加算の額」に対して加算率をかけて計算します。

そうすると、たとえばデイサービスで月に300万円程度売上が上がっている事業所であっても、加算Ⅱの算定の場合、加算率は1%ですから、たったの3万円です。

一方で、訪問介護の事業所の場合、月の売上が300万円程度だと、加算率は4.2%なので126,000円になります。結構、まとまった金額になるわけです。

これは、今回の加算が「勤続10年以上の介護福祉士」の給与を上げることを目的としていることと関係しています。デイサービスの場合、介護福祉士などの資格がなくても勤務することは可能なので、無資格者の割合が高いです。一方で、訪問介護の場合、ヘルパー資格などの有資格者でないとサービスの提供ができないことから、介護福祉士の資格を持つ人の割合が高いとされています。そのため、介護福祉士という資格に着目するため、訪問介護の方が割合が高くなるとされているようです。

私も何カ所かに説明でお伺いした際に、デイサービスでの割合が低いことから、デイサービスの事業所では特定処遇改善加算を取らない方向性を検討している事業所もあるようです。

いくら受給できるのかがだいたい分かったところで、では、問題のどのように配分していくのかを次回以降にわたって説明していきたいと思います。この「どう配分するのか」というのが複雑な部分もありますので、このどう配分するのか、についても何回かに分けて説明していこうと思います。

 

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「勤続10年以上の介護福祉士の給与を8万円引き上げる」

この言葉だけだったら、介護にかかわる人たちはどこかで聞いたことがあるかもしれません。この「勤続10年以上の介福の給与が8万上がる」というのが「特定処遇改善加算」というものです。

では、「特定処遇改善加算」とは何なのか?

実は結構、複雑な部分もあり、これを読み解いて理解していくのは結構大変なものです。

ということで、今日から何回かに分けて「介護職員特定処遇改善加算」について本ブログにてご紹介していこうと思います。

 

まず、「勤続10年以上の介護福祉士の給与を8万円引き上げる」という話。これはどこから出てきたのかということからお話しましょう。

これは、平成29年12月に安倍政権において、閣議決定事項として出されたものの中に出てきた表現です。

「具体的には、他の介護職員などの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めることを前提に、介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠、公費1000億円程度を投じ、処遇改善を行う。

また、障害福祉人材についても、介護人材と同様の処遇改善を行う。

こうした処遇改善については、消費税率の引上げに伴う報酬改定において対応し、2019年10月から実施する」(平成29年12月8日 閣議決定事項)

勤続10年以上の介護福祉士に8万円の給与を引き上げるとは書いていなくて、勤続10年以上の介護福祉士に月額8万円の給与の引き上げを行ったとしたらだいたい1000億円の予算がいることが金額の根拠になっています、といっているだけなんです。

それがいつの間にか、「10月から勤続10年以上の介護福祉士の給与が8万円上がる」と話が変わって勘違いされている方が多いというわけです。

介護事業所にお勤めの方にこの勘違いは結構、広まっているようですので注意が必要です。

さて、この特定処遇改善加算ですが、実はQ&Aもすでに厚労省から2度にわたって出ています。1回目は4月12日に出ました。続いて、2回目はつい最近の7月23日に出ています。このQ&Aについて、だいぶわかってきた部分もあります。その辺も含めて解説していこうと思います。

まず、その前にこの「特定処遇改善加算」は「加算」であるということです。ということはどういうことかと言いますと、「加算」なのですから、届け出があって初めて適用されるということです。「加算」には要件があります。その要件をクリアして届け出を出して初めて受けられるものです。何もせずには受けることは出来ません。

では、いつまでに届け出すればいいのでしょうか?これも「加算」であることから考えればわかります。通常の加算と同じで、特定処遇改善加算がスタートする10月1日から受けたいのであれば、その前々月の末日、つまり、8月31日までに加算の届け出が必要となります。

さらに、この加算を取るための要件はどんなものがあるのでしょうか。

主に三つあるとされています。

①現在の処遇改善加算ⅠからⅢを取得している(もしくは同時取得する)こと

②職場環境等要件の大分類ごとに一つ取り組みをしていること

→「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」「その他」のうち、一つずつクリアしていること

③処遇改善に関する取り組みについてHPなどで公表していること

→「情報公表システム」に記載する形でもよいとされている

 

特に②と③については、これから取り組みをすればいいので、実は、現状の処遇改善加算を取得している事業所にとってはそれほど難しい要件はないと言えます。

また、弊社にご質問があった内容に「この加算を取ることで従来の処遇改善加算が減らされることはないのか」というものがありました。

この加算は従来の処遇改善加算とは別の加算なので、従来の処遇改善加算が減らされるなどの影響はないと言えます。

今日はまずは概要についてご説明いたしました。次回以降、一つ一つ、その詳細についてご説明していこうと思います。

 

 

P.S. 10月1日から「介護職員特定処遇改善加算」の新制度が施行されますが、

その申し込みの締切りが8月31日と間近に迫っています。

この複雑な新制度、あなたご自身で正しく活用できますか?

いまなら無料で詳しく解説しています。

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