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今日は青色申告会についてです。

青色申告会、名前くらいは聞いたことがあるでしょうか?これはいったいどんな組織なのでしょうか?加入したほうがいいものなのでしょうか。

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まず、青色申告会とは、どういう組織なのでしょうか。

全国青色申告会連合会のHPから以下を抜粋しました。

「「青色申告会」は個人事業主を中心として組織される納税者団体です。「税は公平でなければならない」というシャウプ勧告をもとに、納税者が自主的につどい、結成されました。 それから今日に至るまで、青色申告会は正しい申告・納税を勧め、公平な税制の創設、社会保障制度の改善を要望し、税制改正史上数々の成果をあげてきました。全国各地の青色申告会は、会員の中から選ばれた役員を中心に自主的・民主的に運営されています。その活動は会ごとに特徴をもち、後継者専従者や若手経営者を中心とした青年部や、配偶者専従者を中心とした女性部が組織されるなど、多彩な活動を展開しています。」

 

今でこそ当たり前になっている、自分で申告書を書いて納税するというやり方をスムーズに進めるために作られた組織なわけです。青色申告会があったからこそ今の申告納税制度が確立されたといっても言い過ぎではないかもしれません。

 

さて、そうした経緯のある青色申告会ですが、青色申告会というのは何をやっているのでしょうか?

 

基本的には個人の申告の手伝いをしてくれる組織です。帳簿の作成の指導や確定申告のお手伝いをしてくれるというのが青色申告会の中核業務です。ただ、領収書を整理したり、基本的な帳簿をつけたり、といったことはご自身でやらないといけません。青色申告会ではそこまではやってくれません。また、経営相談というのもやってくれると青色申告会のHPには書いてはありますが、基本的な業務としては帳簿の作成指導、確定申告書の作成のお手伝いです

青色申告会では、確定申告書を作ってくれるわけではありません。あくまでも確定申告書を作るのは納税者自身です。その手助けだったり、チェックだったりをするのが青色申告会です。直接的に確定申告書を作ってしまうと、税理士法違反になってしまったりということもあるのでしょう。

 

また、青色申告会というのは税務署ごとに組織されています。加入することを検討されるのでしたら、住所地の管轄の税務署に行ってみてください。その近くにあるはずです。

 

会費は入会される青色申告会によって多少、違うようですが、だいたいが入会金で1,000円あとは年会費で年額18,000円程度のようです。

 

さて、このような組織が青色申告会ですが、入会したほうがいいのか、どのように考えたらいいのでしょうか?

 

まず、基本的には税理士に依頼されている方は加入しなくていいと思います。青色申告会の加入意義は確定申告だからです。確定申告を青色申告会でみてもらえる。これが青色申告会の最大の特徴です。税理士にすでに依頼しているのでしたら、青色申告会に改めて加入する必要はあまりないです。

税理士に依頼しておらず、確定申告に多少、不安があるのでしたら加入したほうがいいでしょうまた、法人の申告は税理士に依頼していて、個人の確定申告はご自身でやっているような場合、個人の確定申告をみてもらうのに青色申告会に入っておくというのもあるかもしれません

 

また、法人の場合には青色申告会ではないです。青色申告会の対象は基本的には個人の申告です。法人の場合、「法人会」という別の組織があります。では、法人会とはどんな組織なのでしょうか?

法人会のHPには次のように書かれています。

「法人会は公平で健全な税制実現のため、会員企業の声を立法府等にアピールするとともに、税の啓発や租税教育を積極的に進めています。」

 

法人会というのは、私はよく「交通安全協会」みたいな組織と説明しています。

(こんなことを言ったら法人会の人に怒られるかもしれませんが)入っていても特段、何かのサービスを受けられるというわけでもないのです。あえて言えば、税制改正などの情報が入ってくるのが特長でしょう。経営相談もされているようですが、経営相談は商工会議所や青色申告会なんかでもやっています。「法人会」の特徴とまではいえません。

 

会費は、個人の場合には月額500円、法人の場合には資本金の金額によって月額500円~4,000円といったところです。

 

また、よく法人会に加入していると税務調査が来なくなるといったことを言われる方がいらっしゃいますが、基本的にはあまり関係はないと思います。やはり、税制改正などの税の情報が得られるのが最大のメリットなのでしょう。ただ、それも税理士と顧問契約しているのでしたら顧問税理士から情報をもらえばいいとは思います。

 

前回のブログで、商工会議所(商工会)について書きました。今日のブログでは、青色申告会と法人会について書きました。入ったほうがいいのかどうなのか?

このブログを参考にしてみてください。



さて、今日はちょっと視点を変えた論点の話をします。

商工会議所とか青色申告会、これらは入ったほうがいいのか、という話です。

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実は、商工会議所や青色申告会の話というのは以前から顧問先からも話のついでに聞かれることの多い論点でもあります。そもそもこうした組織は何をやっていて、加入するとどのようなことがあるのか、ご存知でしょうか。

まずは、今日は商工会議所について、書いていこうと思います。

商工会議所は地域ごとにある中小企業や個人事業主を支援する組織です。

会員は平成30年3月現在で約8万件近くもある巨大組織です。

地域によっては商工会議所ではなく、商工会と呼んだりしますが、中小企業の経営者にとっては同じ組織と考えていいのだろうと思います。

商工会議所の主な役割は、中小企業や個人事業の経営者の経営サポート業務です。では、どのようなサポートをしているのでしょうか。

その役割は、創業支援からはじまり、融資支援、経営相談など様々です。私なりにまとめれば、商工会議所を利用する利点は以下の3点に集約されると思います。

1.創業支援、事業承継支援などの経営サポート業務を受けられる

ある意味、これは商工会議所の業務の中核と言ってもいいと思います。税理士や中小企業診断士、弁護士などと連携し、税務や法律を始めとしたさまざまな経営支援をしています。

とりわけ、創業支援事業承継は力を入れている分野のようです。事業を始めるにあたって、相談できる相手がいない場合、商工会議所に相談に行くのは一つのやり方でしょう。

また、最近は事業承継にも力を入れているようです。事業承継というのは、今やっている事業を自分のお子さんやお孫さんに次いでもらうというものです。近年は、お子さんやお孫さんのような親族ではなく、親族でない人に引き継いでもらうケースもあるようです。

こうした事業承継をサポートしたりというのも商工会議所でやっています。

創業支援や事業承継の相談がある場合、商工会議所は利用価値があります。

2.マル経融資の活用ができる

商工会議所に入会している会員の中には、これを活用するために加入しているという人も少なからずいるはずです。

商工会議所では通称「マル経融資」、「小規模事業者経営改善資金融資」という日本政策金融公庫の融資が受けられます。この融資の特徴は主には二つです。一つは、「無担保・無保証」の融資であることです。商工会議所が融資についてある程度、保証することで「無担保・無保証」が可能になっています。もう一つは、融資利率が低利であることです。年利1.11%(平成30年4月現在です)で融資を受けられます。融資可能額は最大で2,000万円です。

この融資を受ける場合、商工会議所で中小企業診断士などの経営指導員から経営相談を受けることが要件とされています。この融資を受けたいがために会員になるケースもあるようです。

3.小規模事業者持続化補助金を活用できる

小規模事業者持続化補助金というのをうけるためには商工会議所での面談が必要となります。小規模事業者持続化補助金というのは、新たな販路を開拓するために、地道な方法での販路開拓を計画した事業者に対して、販路開拓のためにかかった費用の3分の2、最大で50万円補助金が出るというものです。(補助金の詳細は後日のブログでご紹介いたします)

この補助金を使う場合に、様式4号という商工会議所が発行する書類が必要となっています。そのために必ず、商工会議所に行かないといけないわけです。

ただ、この補助金を使うにあたっては、商工会議所に入会していなくてもいいことになっています。この補助金を使うために商工会議所に入会するというのは必ずしもそうしなくてもいいことでので知っておきましょう。

以上が、商工会議所に入会することのメリットです。

では、会費はいくらかかるのでしょうか?

まずは加入金という入会時にだけかかるのが3,000円あります。あとは、資本金の額によって年会費が決まります。一番年会費が安いのが資本金500万円以下の15,000円です。月額1,000円程度なので負担はそれほどでもないです。

さて、ここからは私見です。

商工会議所に入ったほうがいいのかというのはどう考えたらいいのでしょうか?

まず、小規模事業者持続化補助金を受給するために加入するというのはその必要はないとわかります。あとは経営相談とマル経融資です。マル経融資については、この融資を受けるために商工会議所に加入するというのも動機としてはあるのかもしれません。しかし、同じような融資制度は市区町村の制度融資にあったりしますし、必ずしもマル経融資にこだわる必要はないかなと思っています。

結局、商工会議所に入会する最大のメリットは「経営相談」です。特に、創業時や事業承継時です。アドバイスを受けたりするのにたとえば中小企業診断士や我々税理士に、別に相談すれば有料になります。それが会費を支払えばサービスが受けられるわけですから大きなメリットです。商工会議所に入会するのであれば、こうした経営相談を受けたり、経営に有用な情報提供を受けたりすることもできます。結局はこれが一番のメリットなわけです。

それから、こんなことを言ったら商工会議所の方に怒られるかもしれませんが、必要なアドバイスを受けられたら商工会議所自体は退会してもいいのではないかと私は考えています。会費負担がそれほど大きくないので、特に利用することがなくても加入したままにしてもいいのかもしれませんが、必要なければ退会していいのではないかと思います。自社にとって有用なサービスだけ活用していく。商工会議所はそうやって利用してはいかがかと思います。

自社にとって必要なサービスが何なのかをよく考えたうえで加入の検討をしてはいかがかと思います。



今日は犬や猫は経費で落とせるのかという話です。

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実はこの相談は受けることがたまにあります。犬を扱う商売の場合は、これは商売に直結するものですから、当然、経費計上できます。では、本来の業種が犬とは関係のない業種の場合でも、経費計上できるのでしょうか?

また、経費で計上するにしてもどういう勘定科目でどうやって経費に計上するのでしょうか?

 

牛や豚などの生き物は、その取得価額が30万円以上の場合、「生物」という勘定科目で資産計上します。一方で、犬や猫は同じ生き物ではありますが、「備品」として資産計上します。犬や猫が「備品」?と思われるかもしれませんが、税法上の扱いは「備品」です。また、30万円以上は資産計上ということは、逆に「30万円未満の場合には資産計上ではなく、経費で落とせるの?」と思いましたでしょうか?その通りです。青色申告の場合、10万円以上30万円未満のものは「少額減価償却資産」としてその購入した期に一括で経費計上できます。(10万円未満であれば「消耗品費」として経費計上できます)

 

減価償却資産になった場合、何年かにわたって経費に計上していくことになります。では、何年で減価償却を計算する(つまり、耐用年数は何年)でしょうか。

 

犬や猫は、税法上の「備品」の「その他」に該当するため、8年です。8年で経費に計上していくわけです。ちなみにですが、熱帯魚も「備品」の仲間に入ります。熱帯魚の耐用年数は2年となっています。

 

さて、冒頭に、犬を扱う商売ではない業種で経費計上するご相談を受ける場合があるという話をしました。では、犬を扱う商売ではない場合でどんな場合に経費計上できるのでしょうか。

 

たとえば、そのお店の看板犬だったり、番犬になっているようなケースが該当するでしょう。お店の看板ですから売上にも貢献しているというわけです。また、会社で飼われていて、社員全員で面倒を見ているようなケースでも「備品」として資産計上が認められるでしょう。

一方で、単なるペットとして飼われている場合、たとえば、たまに仕事場に連れてくる程度の場合には、経費計上するのは難しいでしょう。

「会社の犬」なのか、「個人として所有している犬」なのか。線引きが難しい話ですが、「会社の犬」として経費計上する場合には、会社で飼っているという実態が必要だということです。

要するに、業務との関連性がどの程度あるのかによってくるわけです

 

また、その「会社の犬」のフードやペットシーツといったものは経費に計上できるでしょうか?

その犬が看板犬だったり、会社で飼われている犬なのであれば、問題なく計上できるでしょう。ここでも、業務の関連性が高い犬かどうかが問題なわけです。業務との関連性が高ければ、それに伴う費用ということで、ドックフードやペットシーツ、犬用の寝室であるクレートなども経費計上できるということになります。

 

さて、ここまでの話はそれなりに知られている話です。

ここからは税理士でも知らない人が多い話です。

 

では、犬や猫は償却資産(固定資産税)はかかるのでしょうか?

 

土地や建物は所有していると固定資産税がかかります。土地や建物以外でも、減価償却資産を所有しているとかかってくるのが、「償却資産」です。内装工事の費用だったり、パソコンや机などの備品、機械などが税金がかかる対象資産です。

 

さて、固定資産税について規定している地方税法ではどのように規定されているのでしょうか。その記述の一部を抜粋します。

 

次に掲げる資産は固定資産税の課税客体(固定資産税が課税される対象)とならない。

・自動車税、軽自動車税の課税対象となる自動車等

・・・・

・牛、馬、果樹その他の生物

 

牛や馬は勘定科目は「生物」です。ですが、犬や猫は勘定科目でいうと何でしたでしょうか?そうです。「備品」でした。つまり、「生き物」ではありますが、税法上の「生物」ではありません。ということは、や猫も償却資産となって、固定資産税がかかるわけです。

牛や馬は固定資産税がかからずに、犬や猫は固定資産税がかかるというのはなんだか変な感じもしますが、税法通りに解釈するとそうなるわけです。

 

ちなみに、10万円以上30万円未満の「犬」で、青色申告の場合の「少額減価償却資産」として1回で、購入した年に経費計上しているものについては、これは償却資産として申告する必要があります。つまり、10万円以上の犬は業務用の犬とした場合、「償却資産」として固定資産税がかかるわけです。

 

ということで、今日は「犬」の経理処理についてのお話でした。



参議院の予算委員会の質疑で、共産党の小池晃議員が、稲田防衛大臣の政治家のパーティーの参加費の領収書について、質問していました。

政治家のパーティーでは、参加者に白紙の領収書をもらうことが多々あるそうで、金額やあて名は参加者側が記入するんだそうです。

どうやら菅官房長官にも同じようなことがあるようで、しかも政治資金規正法でも特にこの辺に規制はないらしいです。現に、菅長官も小池議員のこの質問にそう答弁しています。

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白紙の領収書を渡されたら、経営者の皆さんはどうされますか?

経営者の皆さんはこの辺はお分かりですよね?

このブログをお読みの方がサラリーマンだと、あまりそういう発想はないかもしれませんが、金額を自由に書き込める領収書をもらったらどうしますか?それであれば、多めに記載しようと思ったりしませんか?

つまり、多めに領収書の金額を記載する→経費が多くなる→納める税金が減る

ということで、白紙の領収書は「脱税」につながるわけです

サラリーマンにはあまりない発想でしょうが、経営者は常にそういうことを考えていますからすぐにわかる話です。

 

では、「税法」では領収書の記載について、どのように書かれているのでしょうか?

「税法」では消費税法で、領収書の記載について規定されています。

領収書には、以下の項目が記載されていないといけないと記述されています。(消費税法30条9項)

 

  1. 発行者 2. 取引日時 3. 取引内容 4. 金額 5. 書類の受取人

 

ただし、このうちの5番目の要件は以下の業種では、領収書は「宛名無し」でもOKとされています

 

  1. 小売業 2. バス、鉄道、航空会社などの旅客運送業 3. 旅行に関する事業 4. 飲食業 5. 駐車場業

 

小売業、飲食店や鉄道などの乗り物、あるいは駐車場などでは、相手にする顧客の数が多すぎていちいち宛名を書いてもらわないと思います。そういう意味の規定です。

 

まあ、当たり前といえば当たり前ですが、白紙の領収書については、特に記述はありません。税務署は「実態がどうだったか」を重視しますから、白紙だからダメとか、「上様」と宛名に書いてある領収書だからダメとか、少なくともそういうことではないとは思います。ないとは思いますが、その領収書を有効に経費として落としたいのであれば、きちんと宛名と金額、できれば但し書き(上記で言うところの「取引内容」ですね)は書いてもらうべきです。白紙の領収書に同じ筆跡で、宛名と金額がかかれていたら「本当にこれはこの金額なの?」「そもそも経費なの?」と疑われてもおかしくありません。

自分で金額やあて名は書かない。これが原則でしょう。特に、金額は支払ったことを証明するものですから、自分では書かないほうがいいでしょう。

税務署に疑われないためにも「宛名と金額は書いてもらえますか」くらいは、相手方に言うべきです。

 

さて、件の稲田大臣や菅官房長官です。

自分で領収書を書いて政治資金というのはいかにもお粗末です。ましてや「政治資金規正法では違法ではない」と答弁するなんて言うのは、私の感覚からすると理解しかねます。

富山市議会で、政務活動費の不正受給の問題が噴出した際に、あろうことか領収書を改ざんした例があったようですが、こんなことは論外です。

以前にもこのブログで書きましたが、経営者にとって最低限必要なのは倫理観だと思います。↴

コンプライアンスには倫理上の問題もあります!

「税務署が怖いから」ということではなく、当たり前ですが、こうしたことをきちんとすることが経営者の最低限の努めではないかと思います。

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    今日はちょっと簿記的な話になります。

    たとえば、個人事業が法人なりした場合、個人が事業で使っていた資産を法人へ譲渡する場合があります。このような場合、法人(このブログではこれより先は「会社」と書いていきます)は個人(このブログではこれより先は「代表者」と書きます)から資産を受け入れて、その資産の金額相当を代表者からお金を借りたものとして処理します。

     

    具体的にはこんな仕訳になります。

    (建物付属設備)×××(借入金)×××

    (器具備品)  ×××(借入金)×××

    (車両運搬具) ×××(借入金)×××

    さて、この場合、この社長からの「借入金」を「短期借入金」として処理するか、「長期借入金」として処理するかという問題が今日のテーマです。

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    ヤフーやgooの質問のサイトにもそんな疑問が投稿されていました。これに対してはこんな回答が書かれていました。

     

    「1年以内に返済する予定なら短期借入金で、1年を超える返済期間なら長期借入金」

    「返済する予定や計画が特にない借入金だったら、どちらでもいいのでは」

    「税理士や会計士の判断に従う」

     

    まあ、そういうことなのですが、いずれの回答もかなり教科書的で実務の観点から有用と思える回答はあまりないようです・・・

    ですので、今日はこの「代表者の借入金の簿記上の処理」について、実務の観点からどうするのがいいのか書いていこうと思います。

     

    結論としては、私は会社が代表者から借りている借入金は、原則としては「長期借入金」で処理すべきと考えています。

    なぜか?

     

    これは銀行融資を意識してのことです。

     

    流動性比率というのがあります。金融機関がその会社を評価する場合の基準の一つです。

    流動性比率というのは、流動資産÷流動負債のことです。100%以上であることが望ましく、できれば200%以上あることが望ましいとされています。

    割合が高ければ高いほどいいわけです。

     

    この割合を高くするには、流動資産を増やすか流動負債を減らすか、ということになります。

    したがって、代表者の借入金は「短期借入金」ではなく、「長期借入金」で表示したほうが流動性比率が上がります。ということで、金融機関の視点からすれば、断然、代表者の借入金は「短期借入金」ではなく「長期借入金」にすべきなわけです。

     

    もちろん、銀行をはじめとした金融機関はこうした指標のみで判断しているわけではなく、指標の一つでしかないわけです。しかし、指標の一つとして、会社の評価に影響があることも事実です。そうした指標はいいに越したことはありません。こんなちょっとしたことで、会社の経営上の指標が上がるのであれば、有利な方へ変えたほうがいいに決まっています。

     

    ちなみに言っておきますと、さきほどの回答で「税理士や会計士に聞いたほうがいい」というような回答がありましたが、残念ながら、その「税理士」や「会計士」の多くはそんなことはあまり意識していません。特に、「税理士」は傾向として、「税務署がどう思うか」にばかり意識が行く人が多く、金融機関がどう思うかとか、銀行融資に有利な決算書にしようとか、そういうことにはあまり関心がないことが多いです。

    いずれにしても、経営者の皆さんとしては、関与している税理士や会計士に「代表者の借入金は長期借入金にしてほしい」と言えばいいわけです。

     

    あるいは、もしかしたら税理士や会計士にそういうと、「金融機関の借入金は長期借入金にしているので、代表者の借入金を短期借入金としてわかりやすく区別している」というようなことを言われるかもしれません。それはそれでもいいんだと思います。現に私もそんな感じで以前は処理していました。ですが、「短期借入金=代表者借入金」とした方がわかりやすいというのであれば「代表者借入金」という勘定科目を作って、長期借入金の下に表示するようにいてもいいわけです。流動性比率のことを考えれば、別に「短期」借入金にしなくてもいいわけです。

     

    金融機関の視点から、経営者自身がこうしたちょっとしたことに気を掛けることが必要だと思うわけです。



    今日は預金利息の話です。

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    平成28年1月1日から、法人に係る利子割と呼ばれる預金利息に係る税金がかからなくなりました。

    平成27年12月31日までは、預金利息は以下のような税率がかかっていました。

    国税・・・15%

     復興特別所得税・・・0.315%

     地方税(利子割)・・・5%

     合計・・・20.315%

     

    しかし、平成28年1月1日以降は上記のうち、地方税(利子割)の5%というのがなくなります

    この改正は、法人名義の銀行口座に限った話です。法人名義の口座の預金利息については、普通預金・定期預金のいずれかにかかわらず、利息の入金が1月1日以降であればすべて、地方税(利子割)の5%というのがありません。

    2月に普通預金の利息が入金されて、2月の経理処理を今くらいにされている方も多いと思います。十分注意して処理するようにしましょう!