手技療法の治療院、介護事業の経営に役立つ最新情報や知って得する情報満載のブログです!

Category Archives: 労務管理

1 2 3 6

さて、今日は最近、いくつかの顧問先からいただいた質問で、給与から天引きするルールの話です。

給与の支払方法については、労働基準法第24条に規定があります。

賃金は、通貨で、直接労働者にその全額を支払わなければならない。

ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

当たり前のようですが「通貨」で支払うとあるので、モノなどで支払う、いわゆる現物給与は禁じられています。また、「直接労働者に」とあるのは本人以外に支払うこと、たとえば未成年者であるため親に支払うとか、また、代理人に支払うといったことは法律で禁じられています。

さて、今日のお題である「給与から天引きする」という話は、上記の規定の「その全額を支払わなければならない」の部分です。

給与は天引きせずに、全額払うことが原則なわけです。この例外が但し書きです。

まずは「法令」で決まっているものが控除できます。源泉所得税や住民税、社会保険料、雇用保険料がこれに該当します。

但し書きの法令の後の文言、「労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について」というこの部分です。

法令で定めるもの以外で控除する場合、たとえば、社宅の賃料、福利厚生施設の利用料、社内預金とかそういったものです。これらを給与から天引きする場合、「労使協定」を定める必要があります。その範囲で控除ができるわけです。

では、「労使協定」で定めれば、内容はどうであれ賃金の控除はしていいのかというところです。これについては、「昭27・9・20基発675」には以下のように記載があります。

購買代金、社宅、寮その他の福利厚生施設の費用、労務用物資の代金、組合費等、事理明白なものについてのみ、法第三六条の時間外労働と同様の労使の協定によつて賃金から控除することを認める趣旨であること。

事理明白なものに限る」というところがポイントです。

事理明白なもの」というのは、あらかじめ労使協定で決まっていて、誰からいくら控除されるのかがはっきりしているものという意味ではないかと思います。

労使協定で定めたうえで、前もって誰がいくら引かれるのかがわかっているもの、これが法令以外で控除できるものの原則的な考え方です。

また、労使協定があれば何でも控除していいということではないとされています。労使協定があって給与天引きしているのであれば、法律上、罰せられることがないということです。ですので、実務上は、労使協定で定めたうえで、「同意書」などで本人からの同意も取っておいた方がいいでしょう。

また一方で、控除される金額についての限度はないとされています。しかし、これについても、民法510条等の規定などから「一賃金支払期の賃金又は退職金の額の4分の3に相当する部分については相殺できない」(昭29・12・23基収6185)と通達には書かれていますから、給与天引きの運用の際にこれも留意したほうがいいでしょう。

経営者側からすると、気軽に?というわけではないのでしょうが、給与から天引きしてしまうケースは私が知り限りでも結構あります。しかし、法律で決まっているもの以外のものを給与天引きする場合、一定のルールがあります。経営者としては給与天引きするのが都合がいいからということで給与から引いてしまうことは、実務上、結構あることですが、なんでもありなわけではないということはよく知っておきましょう。

ということで、今日はいくつかの顧問先からご質問のあった給与天引きの話でした。



今日は久しぶりのブログ更新となりました。

算定基礎届、労働保険申告書、源泉所得税の納期の特例と、この時期は事務処理量が多いうえに、介護施設は7月は処遇改善加算の報告書の提出といった事務もあります。毎年、なかなかブログ更新ができない状況があります。ご容赦ください。

さて、今日のテーマは最低賃金です。

毎年、この時期に「中央最低賃金審議会」という厚生労働省の諮問機関で議論されます。その結論が出ました。

全国平均が930円で、首都圏など、主要な都道府県を見ていくと、以下のようになります。

東京都・・・1041円

神奈川県・・・1040円

埼玉県・・・956円

千葉県・・・953円

大阪府・・・992円

愛知県・・・955円

最低賃金の高いところを取り出してみました。

突出しているのが、東京の1041円、神奈川の1040円でしょう。

最低賃金の上昇によって、経営環境がますます厳しくなることが予想されます。この最低賃金の急激な上昇について、エコノミストや経済学者は様々な意見をおっしゃっています。ここでは、それには言及しません。実際、実務を取り扱う経営者はこの状況に対応しないといけません。その観点から、具体的に何をどうすべきかを考えていきましょう。

まず、いつから最低賃金が上がるかですが、毎年の傾向からすると、10月分の賃金から適用となると思います。

また、気を付けないといけないのは、月給者です。

最低賃金は時給換算で出されているので、月給者は1時間当たりの単価に直して考えないといけません。具体的には、たとえば東京都の場合、1か月の所定労働時間が170時間だったとすると、1041円×170時間で176,970円が最低賃金となります。月給が18万円弱の場合、最低賃金に引っかからないのか、確認が必要です。

また、これはよく質問されるのですが、他の手当がある場合、その手当もあわせて時給が最低賃金を上回るのかを確認しないといけません。

また、今回の中央最低賃金審議会の諮問は、あくまでも諮問であって正式決定ではありません。ただ、例年からすると、この諮問の金額がそのまま10月からの最低賃金に使われることが多いです。今回の諮問をもとに最低賃金が決定されることが多いようです。

それから、東京などの首都圏は1100円くらいまでは上がるだろうとみていいと思います。

今後の動向にも注意が必要でしょう。

以上、今日は最低賃金の話でした。




新型コロナウィルスのワクチン接種の報道が連日、なされています。
ワクチン接種については、企業も積極的に参加する動きがあります。それに関連して「ワクチン休暇」を導入する動きが大企業を中心にあるようです。それについて、今日は見ていこうと思います。

労働基準法には年次有給休暇という休暇が従来からあります。
いわゆる「ワクチン休暇」というのはこの従来からある年次有給休暇とは別に、会社が従業員に「ワクチン休暇」という特別休暇を与えることを言います。

この休暇の背景には、会社員などの働く世代のワクチン接種が始まると、土日や平日の夕方以降にワクチン接種の希望者が殺到する恐れがあるため、企業側にワクチン休暇制度を設けるように国が言っているということもあるようです。

また、ワクチン接種に伴い、副作用などの体調不良も考えられることから、休暇制度を勧めているというのもあるようです。

この「ワクチン休暇」制度を導入する場合、会社の就業規則の「特別休暇」の部分を改定する必要が生じます

また、「ワクチン休暇」以外にも、ワクチン接種で欠勤した場合には出勤扱いにして欠勤控除しないという形をとる企業もあるようです。

この場合も、就業規則上で「ワクチン接種のために職場を一時的に離れたとしても欠勤扱いとはしない」などの規定を設ける形での就業規則の改定が必要となるでしょう。

さて、中小企業の場合、通常の有給とは別の休暇制度を設けることが難しいとか、そもそも年次有給休暇の消化自体が進んでいないなど、様々な事情があると思われます。

そこで、東京都では、新型コロナウイルスワクチンの接種及びそれに伴う事由を理由とした特別休暇制度との整備に取り組む中小企業等をサポートする「新型コロナウィルスワクチン接種等雇用環境整備事業」という取り組みが始まります。
「ワクチン休暇制度」を導入するにはどのようにしたらいいのか、ワクチン接種をしやすい職場環境にしていくにはどうしたらいいのかといったアドバイスを社会保険労務士から無料で受けられるようにするという取り組みです。

ワクチン休暇制度などの導入を希望していて相談をしたい中小企業は、まずは東京都に申し込みをします。その後、都がその中小企業に派遣を決定してから令和4年3月31日(木)までの期間で最大5回(1回あたりの派遣時間は原則2時間以内)として、社会保険労務士を派遣することになっています。
6/16から募集が始まり、必要書類を東京都労働相談情報センターに郵送にて提出すると、その後、都から連絡があり、社労士が派遣されるという流れのようです。
詳しくはTOKYOはたらくネットのHPにて確認してみてください。

以上、今日は「ワクチン休暇」制度をめぐる話でした。



前回に続いて副業の労務管理の話です。

副業を認めることとした場合、実務上、会社はどんなことに気を付け、どんなことをしないといけないのでしょうか。

副業を認めることとした場合、実務上、どのようなことを考えていかなければいけないのでしょうか。

まず挙げられるのは、労働時間の管理という話です。

副業を認めれば、通常勤務分と含め、労働時間が増加します。労働基準法で定める法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えるという問題があるわけです。使用者側からすると、労働時間をどのように管理したらいいのかという点があります。

労働時間については、副業の事業所にしても、その労働者の主たる事業の事業所であってもその労働者の全労働時間をもとに時間外労働を考える必要があります。

では、実務上、どうやって管理したらいいのでしょうか。

これについては令和2年9月1日に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」というのを厚労省は出しています。それによると、労働時間の把握の方法は「自己申告制」によることとして、副業がある場合に使用者側としてはその本人からの申し出のあった労働時間をもとにして管理していくということです。

ガイドラインでは「労働者からの申告等により把握した他の使用者の事業場における労働時間が事実と異なっていた場合でも労働者からの申告等により把握した労働時間によって通算していれば足りる」としており、実際の労働時間がどうであるかは関係なく、あくまでも本人が申告した労働時間で労働時間を管理するとしています。

また、本人から労働時間の申告自体がなければ労働時間の通算自体は不要になります。

そして、時間外労働となるのはどちらの事業所か、という点については、労働契約の締結が先の事業所から労働時間をカウントしていくとしています。たとえば、A事業所とB事業所とあって、労働契約の締結がA事業所が先だったのであれば、A事業所の労働時間を優先し、B事業所で1日8時間の法定労働時間を超えれば超えたところから時間外労働と判断するということです。法定労働時間を超える方の事業所で36協定の締結が必要となるわけです。

また、1日のうちである日はB事業所で勤務し、A事業所はそのあとから勤務した場合、B事業所からカウントして、A事業所で法定労働時間を超えたら超えた部分が時間外労働とすることも認めれられるとしています。

つまり、労働契約の締結の順によらない方法でもよいとしています。

いずれにしても合理的な方法で労働時間の管理がなされていればいいのですが、ここで問題なのは割増賃金です。割増賃金は法定労働時間を超えたとされる事業所で支払うこととなります。

労働者の申告した時間数で労働時間を把握したうえで、契約の締結順か1日のうちの労働時間の提供の時間順かのいずれかの方法で労働時間を把握し、法定労働時間を超えた部分を時間外手当の支払う義務が生じるわけです。

理屈はわかりますが、この方法は実務的には結構大変ではないのかと思います。

厚労省もそれを心得ているのか、「管理モデル」としてこのような方法で導入してはどうですか、というのを示しています。

それは、労働契約を先に締結していたA事業所では通常通り自分の事業所だけで労働時間を計算し、あとから労働契約を締結したB事業所は初めからすべて時間外労働であるものとして労働時間の上限や時間外手当の支払いをするという方法です。

つまり、副業の事業所での労働時間はすべて時間外労働にするという方法です。

こうすれば、労基法にも違反せずに、労働時間を適切に管理できるとしています。

ただ、これも実際に副業側の事業所が時間外労働を負担することが前提となっているわけで、B事業所の方に不利な方法にも思えます。

いずれにしても、副業のある労働者の労働時間の管理というのは時間数の管理や割増賃金の支払いの問題など、実務的には難題であると思います。

また、雇用保険や社会保険はどうなるのでしょうか。

これについては原則的に事業所ごとの労働時間で加入の有無を判断することになります。

たとえば、A事業所で週の労働時間が25時間、B事業所で15時間だったとします。その場合、A事業所での所定労働時間が20時間以上なのでA事業所で雇用保険に加入することになります。

一方で、A事業所では週の労働時間が15時間、B事業所では週の労働時間が10時間である場合、いずれの事業所でも雇用保険には加入しなくていいことになります。

一方で、社会保険については事業所ごとに4分の3基準などで判定していくことになります。いずれの事業所でも満たしていなければ社会保険には加入しないことになりますし、1か所でも該当すれば加入することになります。(両方の事業所で基準に達すれば両方の事業所で社会保険に加入することになります)

労災については、副業・兼業がある場合の労災保険給付額については、A事業所・B事業所の合計の賃金を算定基礎として「給付基礎日額」を計算する方法となりました。これは、従来は労災が起こった事業所の給与のみで「給付基礎日額」を判定していましたが、法改正によってそのようになりました。

さて、このように副業の者を雇い入れする場合、副業側の事業所としてはいろいろと面倒な話が出てきます。そのため、労働法が適用されない形になる「個人事業主」として扱うことも考えられます。仕事の内容にもよりますが、副業側の事業所としては、いわゆる「外注費」扱いとする方法も法的に可能なのかの検討も必要でしょう。

副業を認める場合、副業側の事業所はもちろんのこと、主たる事業所の方もいろいろと検討しないといけない点があることは知っておいてください。

ということで今日は、副業・兼業の実務対応の話でした。



さて、今日は近年、話題に上ることの多い副業・兼業という話です。私の顧問先の中小企業でも副業・兼業を認める形の就業規則に変えるという話も出ることがあります。どちらかというと経営者側の思惑というより、従業員さん側からの要望という側面が強いようです。

今回と次回の二回にわたって、この副業について、考えてみたいと思います。

今日は「そもそも会社は副業を認めないといけないのか」という話です。

厚生労働省の調査によると、副業を希望する雇用者の割合は2017年のデータで全雇用者の6.5%にのぼっており年々増加傾向にあります。

一方で、副業を就業規則等で認めている企業は全体の1割程度で、副業を認めないとする企業の割合が75%と4分の3に上っています。

このように、雇用者側の要望があっても企業側が認めないケースが多いというのが実態のようです。

しかし、私の顧問先の介護施設でも複数の事業所で働く介護職員も多々います。とりわけ訪問介護では副業しているのが当たり前のような職場環境です。介護現場をはじめとして、様々な職場で現実としては副業をしている人の割合は増えているというのが私の実感でもあります。そのため、多くの中小企業でも少なからずこうした状況に対応し、今後は副業を認める方向で検討しないといけなくなるであろうと思われます。

また、過去の裁判例を踏まえても、副業を認める方向で検討しないといけないようです。

たとえば、ある大学の教授が大学に無許可で語学学校の講師の業務に従事し、そのために大学の講義を休校したことが懲解雇にあたるとした事件では、「兼職は・・・職場秩序に影響せず、かつ、使用者に対する労務提供に格別の支障を生ぜしめない程度・態様の二重就業については、兼職を禁止した就業規則の条項には実質的には違反しない」(平成20年12月5日東京地裁)としていたり、運送会社の運転手が年に1、2回程度の貨物運送のアルバイトをしたことを理由にした解雇に対して、「本件アルバイト行為の回数が年に1、2回の程度の限りで認められているに過ぎないこと・・・職務専念義務に違反し、あるいは、被告との間の信頼関係を破壊したとまでいうことはできない」(平成13年6月5日東京地裁)といった判決からしても、仮に就業規則で副業を禁止したとしても、会社の通常業務に大きな影響がなければ結果としては認められるとされているのです。

一方で、毎日6時間にわたるキャバレーでの無断就労を理由として解雇したことが認められた事例(昭和57年11月19日東京地裁)や会社の管理職にある従業員が協業他社の取締役に就任していたことが懲戒解雇事由にあたるため解雇は有効とした事例(昭和47年4月28日名古屋地裁)もあり、要するに、本業に悪い影響が出るような副業や会社の経営を脅かす事態になりかねないような就業(他社の取締役になるなど)は認められないという判断がされているようです。

逆に言えば、こうした本業や会社に大きな影響があるような副業でなければ認める方向というのが今の労働法の立場であるようです。

では、仮に会社が副業を認めることにした場合、どういった制度設計にすべきなのでしょうか?たとえば、本人からの申告を前提として認めるといった制度にしたらいいのでしょうか。また、社会保険や雇用保険はどういう扱いになるのでしょうか。あるいは、時間外労働はどう管理すべきなのでしょうか。その際の割増賃金の支払いはどうすべきなのでしょうか。こういった実務的な部分をどうしたらいいのかという問題があるわけです。

その副業を認めた場合の具体的な実務対応について、次回、見ていきたいと思います。



さて、コロナの関係で最近、問い合わせが多いのが給与明細の表示の仕方です。

雇用調整助成金の拡大に伴い、この質問が多くなったようです。社員を休ませて休業手当を支払った場合、どのように給与明細を表示したらいいのでしょうか

まず、休業手当を支払うということは欠勤があるということです。

欠勤があるということはいったん給与は控除されていないといけません。給与を控除したうえで、休業手当として支給するという形です。

たとえば、給与月額が30万円の人で、1ヶ月の所定労働日数が20日の人がいたとします。

欠勤日数が10日で、その10日は会社の命令で休業させたため休業手当を6割支払うとします。そうすると、次のようになります。

基本給   300,000円

欠勤控除 ▲150,000円

休業手当  90,000円

通勤手当   5,000円

総支給額  245,000円

出勤日数:10日 欠勤日数:10日

ポイントは基本給や諸手当があればその諸手当の下に「欠勤控除」として表示することです。給与ソフトによっては欠勤控除の項目が「総支給額」の上に表示されることもありますが、それは書き方の問題なので別にそれでもかまいません。要は、総支給額からいったんマイナスすることです。そのうえで、休業手当として加算して支給する形に表示すればいいわけです。欠勤日数に日数を表示しておくことも大事なことです。給与明細上には必ず欠勤日数を書く欄がありますからそこに日数を記載するようにしましょう。

雇用調整助成金の支給申請の際にも、いったん欠勤控除したうえで休業手当として支払っている形にしないと休業しているのかどうなのかが明細上わからないことになってしまいます。給与明細の表示の仕方(もしくは賃金台帳の記載の仕方)について、上記の点は今一度、確認してみてください。

そして、控除項目ですが、社会保険料は月額変更に該当しなければ前月と同じ金額となります。

雇用保険料は、総支給額に対してかかります。一般の事業だと3/1000を乗じた額となります。源泉所得税は課税支給額(上記の場合だと通勤手当を控除した240,000円)から社会保険料、雇用保険料を控除した後の金額で源泉所得税の計算をします。

このように休業手当は社会保険料や雇用保険料、源泉所得税の対象になる項目です。休業手当といっても非課税ではありませんので注意してください。

ちなみに、休業手当と似ている名称で「休業補償」というのがあります。これは業務上の理由で負傷したような場合、つまり、業務上の理由で休業した場合に会社から支払われるものですが、これは非課税となっています。

名称が似ているのでややこしいですが、区別されています。混同して使用しないように注意しましょう。

以下、国税庁の「休業手当・休業補償の課税関係」を抜粋します。

 給与所得者は、その勤務先から通常支給される給料や賞与以外にも、労働基準法に規定されている各種の手当の支給を受ける場合がありますがこの各種手当の課税関係は次のとおりです。

1 労働基準法第26条の規定に基づく「休業手当」
 使用者の責に帰すべき事由により休業した場合に支給される「休業手当」は、給与所得となります。

2 労働基準法第76条の規定に基づく「休業補償
 労働者が業務上の負傷等により休業した場合に支給される「休業補償」など、労働基準法第8章(災害補償)の規定により受ける療養のための給付等は、非課税所得となります。
 また、勤務先の就業規則に基づき、労働基準法第76条第1項に定める割合を超えて支給される付加給付金についても、労働基準法上の給付では補てんされない部分に対応する民法上の損害賠償に相当するものであり、心身に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料として非課税所得となります。
 なお、労働基準法第8章には、「休業補償」以外にも「療養補償」や「障害補償」などが規定されています。

(所法9、28、所令20、30、所基通9-24)

ということで今日は「休業手当」の給与明細の表示の仕方についてでした。

VMO新型コロナウイルス対策支援


今日は、本年最初のブログになります。なるべく1週間に2回か3回は更新しようとは思っています。今年も最新の情報や経営者の皆さんや会社の総務・経理担当者の役に立つ情報を配信していければと思います。

さて、今日は、面接時に経営者側が聞いてはいけないことがあるという話です。

厚生労働省が「採用選考に関する基本的な考え方」として、採用時面接で聞いてはいけないことというのを具体例を交えて書いていますので、それをご紹介していこうと思います。

たとえば、面接で聞いてはいけないこととして「家族のこと」があるのをご存じでしたでしょうか?出生地のことや住んでいる環境のことなども聞いてはいけないこととされています。

一般的に、宗教ことや政治に関すること(支持政党など)は聞いてはいけないというのは何となく感覚的にわかると思います。しかし、たとえば、読んでいる新聞や愛読書のことなんかも聞いてはいけないこととされています。なんとなく話の流れで「どんな本を読んでいらっしゃるの」なんて聞きたくなる場面もあるかもしれませんが、基本的に採用時面接においては聞いてはいけないとされている項目です。

さて、採用時面接で聞いてはいけないことがあるというのはどういう基準で厚労省は言っているのでしょうか。基本にあるのは「基本的人権」です。

採用選考に当たっては

 応募者の基本的人権を尊重すること
 応募者の適性・能力のみを基準として行うこと

の2点を基本的な考え方として実施することが大切です

厚労省は上記のように言っています。あくまでも採用選考というのは応募者の適性や能力のみで判断されるべきであって、生活環境や家族のことは本人の能力とは関係のないことだというわけです。

なかでも、「家族に関すること」を面接時に聞いてしまうというのが、違反事例として最も多いと厚労省のHPにも掲載されています。

「家族のこと」というのは具体的には、ご家族の職業や地位、学歴、収入、資産などの家族の状況のことを指しています。もちろん、本人の学歴や職歴は聞かないと面接にならないことも多いでしょうから本人のことは問題はないのですが、家族のそうした情報は採用面接の判断に必要のない事柄とされているため聞いてはいけないこととされているわけです。

また、「現住所の略図」を求めることも生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があることからしてはいけないとされていますし、採用選考時に健康診断を実施することも、合理的・客観的に必要性が認められない場合にはしてはいけないとされています。

仕事に影響のある程度の健康状態についての質問はいいのでしょうが、必要以上に面接時に健康状態について尋ねるのもやめておいたほうがいいでしょう。

それからひょっとしたらやってしまいかねないこととして、面接時に「戸籍謄(抄)本」の提出を求めたり、本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることも違反事項とされています。これは私見ですが、採用時面接の段階では、住民票などの提出自体求めることはしないほうがいいでしょう。住んでいる場所などを確認したいのであれば履歴書に記載されている事項でまずは判断すべきかと思います。

上記は採用時の面接の話なので、もちろん、入社後に必要に応じて社会保険の手続きなどで必要ということで、本籍地の記載のある住民票の提示を求めるのは問題はないでしょう。また、入社した後に会話の中でご家族のことを聞いたりということもあるでしょう。それは問題ないわけです。(もちろん、しつこく家族のことを聞くなどということは問題がありますから注意しましょう)厚労省の言っているのは、採用に際して本人の能力などに関係のない事柄をもって判断することはフェアではないからやめようという話ですから、どの点を言っているのかを明確にしましょう。

こういう話をすると、「昔よりも細かくて面倒になった」というようなことをおっしゃる社長さんもいらっしゃいます。しかし、本来的に、面接で経営者が見るべき項目というのは本人の適性や能力のはずです。それ以外の項目について、たとえば、本人の家族のことなどは「採用時面接」という場面では聞かなくてもいいことのはずです。面接を受ける側のほうがどちらかというと緊張してうまくいかないことが多いものです。そうしたことにも配慮するような経営者でないといけないのではないかと思うわけです。

ということで、今日はいつもとはちょっと違うお話、採用時面接で聞いてはいけないNGなことというお話でした。



今日は顧問先から実際に受けた質問を元に書いていこうと思います。

質問の趣旨は次のようなものです。

休日に勝手に出社してタイムカードを押して仕事をしている社員がいる。会社としては休日に出勤してだらだらと仕事をしてほしくないし、長時間労働や時間外労働の割増賃金の問題もあるので、そうした行為は認めたくない。そこで、休日出勤を申請制にして、休日出勤をする場合には事前申請をしないと労働時間としては認めないという形にしたいが、これは適法なのか?

勝手に社員が休日出勤したり、指示がないのに残業をしたりということはあり得ることです。このようなときに、どうしたらいいのでしょうか?

残業や休日出勤を「許可制」にすること自体はよくあることです。時間外労働や休日出勤を所属長の許可が必要としていた会社で、所属長の許可なく、時間外労働や休日労働をした場合というのは実は裁判例にも数多くあります。

平成18年10月6日に大阪地方裁判所で出ている「残業許可制」の事件、昭和観光事件というのを引き合いに出してみましょう。

この会社では、時間外労働をする場合には、あらかじめ所属長の承認を得なければならない旨を就業規則に規定していました。この場合、事前の承認のない時間外勤務を行った従業員の割増賃金の支払義務があるのかという点が裁判になりました。

裁判所は次のように判断しています。

事前承認のない残業について「時間外勤務についてはY社からの業務命令である」と認定したうえで、「就業規則には時間外労働について所属長の承認が必要である旨が規定されているが、この規定は不当な時間外手当の支払いがなされないようにするための工夫を定めたものにすぎず、業務命令に基づいて実際に時間外労働がされたことが認められる場合であっても事前の承認が行われていないときには時間外手当の請求権が失われる旨を意味する規定であるとは解されない」として、時間外手当の支払いを命じています。

上記の裁判例を参考にしたうえで、「残業・休日労働許可制」を導入するにあたって、どこを注意したらいいのかを要約すると、以下のようになると思います。

① 実際、残業をしなかったら成立しないような業務量なのに、一方的に時間で切って、それ以上の残業はしていても認めないというのは認められない。

② 残業を事前許可制にしていたとしても、実際の労働時間を把握する方法をとらないと使用者側は責任を問われる。

③ 残業の事前許可制を有効にするには個々の労働者から「残業は事前許可を得ないと認められない」旨の文書を交わすか、もしくは、本人がその制度の運用があることを認めていないと認められない

残業や休日出勤を許可制にするのは、そもそも何のためでしょうか。 問題はそこなんだろうと思います。 残業代を払いたくないから? 長時間労働を是正したいから? 事業主が分からないところで仕事をやっているのを認めたくないから?

様々あると思いますが、そもそも許可制にする目的を今一度、考えてみたほうがいいと思います。単に残業代を支払いたくないからという理由だと足元をすくわれかねません。 単に、勝手に残業した時の残業代を払いたくないという理由で許可制にして、事前に届け出があったもののみにするということだと、争いになった時、上記の裁判例のように経営者側に不利な判断になる傾向があります。

そもそも残業の許可制というのは、不当労働行為の温床になりかねないということから裁判所も容易には認めてくれないわけです。 事前許可制が認められるケースというのは、他の労働者でも運用が厳格に行われていて、きちんと労働時間が把握されていることが前提です。残業は許可制だから、勝手にやっている残業は時間数自体把握していないということでは、使用者側が責任を問われます。許可があって残業しようが、勝手に残業しようが、労働時間の管理はしないといけません。

また、残業しているのにその勤怠記録を削除するなどの行為があれば事前許可制が認められないだけでなく、不法労働行為に問われかねないということは認識すべきでしょう。

それから、そもそも休日出勤するなどの行為が、業務が終わらないということでの出勤なのだとすると、業務量が多いという問題があるわけです。そうであれば、実態としてその業務量が多いことについて、何らかの取り組みを会社側は取っていないといけません。早出残業や仕事を自宅に持ち帰っている場合など、会社が把握していないだけで残業があるケースもあるでしょう。全部を把握することは難しいでしょうが、業務量の調整が必要であることは使用者側が考えなければならない点です。

残業の事前許可制自体、私は反対はしません。むしろ、そうした制度を導入すれば、長時間労働を事前に防止できる可能性があるという点からすると、残業の事前許可制は一考に値するものだと思っています。

残業の事前許可制の目的が、 「長時間労働の是正(事前防止)」や「業務の効率化」につながるのなら、働き方改革の方向性にも合致しているといえます。

また、この制度を運用するにあたっては、「残業は事前許可制である」旨について、個々の従業員の承諾書を取ったほうがいいと思います。社員全員の承諾書を取るのが難しければ、社員向けに「残業する場合には事前に許可が必要」である旨の社内向けの文書を交付するなどしておいた方がいいです。要するに、個々の従業員さんがこの制度自体があることを認めていないとそもそも話にならないからです。また、その意味でも就業規則にも「残業は事前許可が必要」であることを記載しておいた方がいいでしょう。

勝手に残業していたものは認めないという発想自体、昔の労務管理の考え方です。経営者はそれを自覚したほうがいいと私は思います。 いずれにしても、「残業の事前承認制」の運用に当たっては上記の三点(①実際の業務量の考慮 ②正しい労働時間の把握 ③従業員本人の承諾)が必要だと思います。

参考にしていただければと思います。



今日は今年から改正のあった労働基準法の改正の話です。 労働契約の明示の仕方が変わったのはご存知でしたでしょうか?

会社が労働契約を明示する方法は労働基準法で定められています。 原則は書面です。書面で明示する内容も決められています。次のような内容です。

①労働契約の期間

②就業の場所・従事する業務の内容

③始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項

④賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締め切り・支払いの時期に関する事項

⑤退職に関する事項(解雇の事由を含む)

このような内容は会社側が労働者側に明示することになっています。しかも、書面によることが義務とされていました。これ以外にも、昇給に関する事項や退職金に関する事項なども、なるべく書面による明示をすることが求められています。

これが今年の4月(2019年4月)から変わりました。労働者の希望があれば、必ずしも書面による明示でなくてもいいことになりました。 faxや、E-mail、ラインやショートメールなどで明示することも許されるようになったのです。 これは、労働者本人から希望があった場合に限ります。原則はやはり書面による明示です。労働者本人が希望していないのにメールで送ったりする方法はとれません。本人が希望して初めて書面でなくてSNSやe-mailでやってもいいという話です。

また、ショートメールによって明示するのも許されてはいますが、文字制限などがあることから望ましくないとされています。 それから、印刷がしやすいように添付ファイルなどの方法で送ることを労働局は推奨しています

私は、e-mailやラインなどで明示する方法は私はその方法が認められるのであれば、書面によらずに、積極的にe-mailやラインなどの方法を使ったほうがいいのではないかと思います。 メールやSNSの方法の利点は「記録が残る」ことです。その方がお互いに確認しやすいという点が最大のメリットです。中小企業の場合、どうしても口頭での約束事になりがちです。法律でいくら義務化されているとはいえ、口頭で約束することが多いのではないかと思います。口頭での約束をあとから書面で確認するという流れが最も多いと思います。そうした特に中小企業の労働契約の交わし方の現状からすると、メールやSNSなどの方法で初めから明示したほうがあとで揉めないで済みます。 また、労働条件の通知は使用者側から労働者側へ明示すれば足りるとされています。本人の同意は必要ないわけです。そういう労働条件の明示のルールからしても、使用者側が労働者本人にメールやSNSなどの方法で労働条件の明示して証拠を残すというのは大変有意義だと思います。労働者側にとっても証拠を残せるという点から、積極的にSNSやe-mailで労働条件を示してもらったほうがいいと思います。

現在はまだこの制度が導入されたばかりのため、原則は書面により、例外的にメールやSNSによる方法を条件付きで認めているというスタイルです。ですが、これが一般的になれば書面による交付というのも原則的な方法ではなく労働条件の明示の一つの方法という位置づけに変わってくると思います。 時代の流れにあわせて、貴方の会社でもメールやSNSで労働条件を明示することを検討してみてはいかがかと思います。




10月1日からは様々なものが変わります。

一番の大きな変化は消費税の税率です。8%が原則10%になります。食料品等の購入については8%の軽減税率が導入されます。日本で初めて複数税率が導入されます。

それ以外にも、介護事業所では「特定処遇改善加算」が導入されます。報酬が変更になりますから利用者さんの利用料も変わります。9月末までに各々の利用者さんの了解が必要です。

そして、中小企業にとっては大きな改正が「最低賃金」が変わることです

 

詳しくは厚生労働省の出している下記を参照してみてください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

 

最低賃金は都道府県によって変わります。

今回、特徴的なことは東京都と神奈川県ではじめて最低賃金が1000円を超えました!

東京都は1013円、神奈川県は1011円です。

時給1000円は最低賃金割れとなり、違法です!

特に、月給者は要注意です。月の給与の額を所定労働時価で割った時に最低賃金を割っていないか、チェックが必要です。

また、都道府県によって微妙に違いはありますが、ほとんどの都道府県で10月1日から発行されます。10月1日以降の労働について、特に東京都と神奈川県では時給1000円では違法になるので注意しましょう。

 

ということで、今日は最低賃金の話でした。


1 2 3 6