手技療法の治療院、介護事業の経営に役立つ最新情報や知って得する情報満載のブログです!

Category Archives: 税務関連

1 2 3 7

さて、今週の月曜日から確定申告が始まりました。確定申告の時期はなるべく確定申告の話を書いていこうと思います。

たとえば、副業で得た収入が20万円以下だったら申告しなくてもいいというのはどこかで聞いたことはありますでしょうか?今日のブログのテーマはその話です。

給与所得者(サラリーマン)が報酬の支払調書をもらったりすることがあります。

最近も、ある会社経営者の方から支払調書をもらったがそれは申告したほうがいいのかというご相談を受けました。

給与所得者の場合、年末調整をしています。原則、それで確定申告はしなくていいことになります。ただ、給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超えると、確定申告が必要になります。逆に、20万円以下だったら確定申告はしなくてもいいことになります。

さて、問題はここからです。

たとえば、このようなケースではどうでしょうか。

「給与以外に報酬の支払調書があり、それは10万円でした。でも、医療費控除もあります。この場合、報酬の支払調書の分は申告しないといけないのでしょうか。」

つまり、この例の場合には、給与と医療費控除の申告のみで所得税の還付だけ受けるという申告の仕方はOKかということです。報酬の支払調書の分は20万円以下だから申告しないというわけです。

しかし、これはNGです。申告するのであれば、所得が20万円以下であっても申告が必要となります。

これは、考え方の原則を知っていればおのずと理解できる話です。原則は給与以外の収入が20万円以下であろうとなかろうと、収入があれば申告しないといけないわけです。ただ、給与所得者の場合、給与以外の所得があってもそれが20万円以下なのだったらいちいち申告するのは手間なわけです。税務署としても、20万円以下の所得のような小さいものまで追いかけることは面倒なわけです。だから申告しなくてもいいよ、としているだけです。逆にあえて申告してもいいわけです。

給与所得と合わせて医療費控除の申告もするのであれば、給与以外の所得、今回の場合には報酬の分も10万円であっても申告することになります

「給与所得者の副業の所得は雑所得ではなく、事業所得で申告してもいいのか?」

これもよくある質問の一つです。

サラリーマンという本業があって、副業をしている場合には原則的には雑所得です。

事業所得か雑所得かという論点は、何度も国税不服審判所という国税に関する裁判所のようなところで審議されている論点です。その中で、事業所得となる基準を次のように示しています。

ある所得が事業所得に当たるか否かは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得であるか否かによって判断すべきであり〔最高裁昭和52年(行ツ)第12号同56年4月24日第二小法廷・民集35巻3号672頁参照〕、より具体的にいえば、営利性及び有償性の有無、反復継続性の有無、自己の危険と計算においてする企画遂行性の有無、その者が費やした精神的及び肉体的労力の有無及び程度、人的及び物的設備の有無、その者の職業、経験及び社会的地位等を総合的に考慮し、所得税法等の趣旨及び目的に照らし、社会通念によって判断すべきであると解するのが相当である。

ちょっと読みづらいでしょうが、要するに、事業所得に該当するのは以下の基準に該当する場合とされています。

  • 自己の危険と計算において独立して行う業務か
  • 営利性と有償性を有しているか
  • 反復継続して遂行されて営まれているか
  • 社会的地位が客観的に認められているか

この基準、わかりますか?そうなんです。わかったようなわからないような感じなんです。

わかりやすく言えば、どの程度、収入があるのか?どのくらいの頻度で収入があるのか?その収入は継続して入ってくるものなのか?その収入は社会的にちゃんと認められたものなのか?とまとめられます。

サラリーマンの場合、本業は給与所得となるでしょうから、副業を事業所得とするのはハードルが高いと考えるのが自然でしょう。判断基準としては、①毎月、一定程度の収入がある ②収入の金額も給与と同等とは言わないまでもある程度ある というところがあれば、事業所得として申告してもいいのではないかと思います。

ちなみに、事業所得で申告したほうが税務上は有利です。たとえば、赤字であれば損益通算して税金の還付ができます。また、青色申告で申告すれば帳簿があれば65万円の控除はできますし、10万円を超えるものでも30万円未満だったら少額減価償却資産として一度に費用に計上できます。雑所得だと青色申告はできませんし、損が出ても損益通算できませんから何かと不利なわけです。

また、20万円以上の所得というのは、収入から経費を差し引いた残りが20万円を超えるということです。ですから、収入が30万円で経費が10万円だったら所得は20万円ちょうどになるので申告はしなくてもいいことになります。

事業所得か雑所得かという話はその論点だけでいろいろなものが出てきます。それはまた改めて書いていこうと思います。

ということで、今日は副業収入が20万円未満だったら申告しなくてもいいという話でした。



今日は今回の確定申告の話ではなく、来年の確定申告の話です。来年の確定申告ということは、つまり、令和2年1月から適用になる話です。個人事業者や副業をやっている方は、知っておいたほうがいい話です。

改正項目は多岐にわたりますが、事業所得と給与所得が発生する方は関係する項目が次の3つです。

  • 基礎控除の38万円が48万円になります。
  • 給与所得者の給与所得控除が一律10万円引き下げになります。
  • 青色申告特別控除が55万円に引き下げになります。ただし、損益計算書と貸借対照表を作って電子申告で申告する場合には、65万円控除できます。

まずは①です。

基礎控除は現状より、一律10万円引き上げになります。

ただし、合計所得金額が2400万円を超える場合には、合計所得金額に応じて48万円が減っていき、2500万円を超えると基礎控除がゼロになります。

現状では、所得の金額にかかわらず、38万円控除できるわけで、所得の金額が高い人は増税になります。また、②であるように、一方で、給与所得は一律10万円控除が引き下げになるため、給与所得者は実質的にプラスマイナスゼロとなるため、増税にも減税にもならない改正です。問題なのは、副業をやっている給与所得者です。給与所得の方では10万円、所得が増えますが、事業所得や雑所得で上がっているものは基礎控除が引き上げられて10万円控除が増えます。また、給与所得者のサラリーマンが副業で事業をやっている場合、電子申告で申告すれば、③にあるように青色申告特別控除の65万円は維持できるため、基礎控除が上がった分、10万円所得が減る結果となるため、減税となります。

つまり、この改正は副業をしているサラリーマンに有利な改正といえます。

現在、働き方改革ということが言われています。働き方改革では、残業を少なくするような働き方が言われますが、同時に、副業を認めることを企業に推奨している側面もあります。税制がこうした副業をしているサラリーマンを税金の面で後押ししているともいえるわけです。

また、電子申告することで65万円の控除が維持できることとなっているため、電子申告することが必要不可欠になってきます。電子申告するには、マイナンバーカードやカードリーダーなど、一定の用意が必要となってきます。また、そもそもどのようにやったらいいのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。そうすると、電子申告するために申告は税理士に依頼するという方法も考えられます。いずれにしても電子申告しないで紙で申告すると青色申告特別控除が55万円となることから、電子申告する方向性を考える必要があるでしょう。

また、65万円の青色申告特別控除を取るには、令和2年1月1日以降の仕訳帳や総勘定元帳(つまりは会計帳簿)を電磁的記録による備え付けをしないといけないとなっています。つまり、会計ソフトなどでデータを保存する方法を取らないといけないということです。

今回の令和元年の申告では要求されていませんが、1月1日以降の部分は会計ソフトを使うなどして帳簿を保存することも考えないといけません。

それから、65万円の控除を取るには申告期限までの申告が要件となっていることから、3月15日までの期限内申告も必須となります。

サラリーマンが副業で事業をやる場合や事業所得のある方については、影響のある改正の話が令和2年から始まっています。帳簿の備え付けは1月1日以降であることからすると、申告は来年だったとしても、すでに始まっている話です。

電子帳簿での保存など、今から考えないといけないテーマであることは知っておいたほうがいいでしょうね。

ということで、今日は令和2年からの税制改正の話でした。



確定申告は2月16日から提出することができますが、医療費控除などで所得税を還付するための申告書については、この1月からすでに提出することができることはご存じでしょうか?今日はその医療費控除について、改めて確認していこうと思います。

医療費控除のほかにセルフメディケーション税制というのもあります。では、どのように考えてどちらを選択していったらいいのか、把握されていますでしょうか?また、医療費の領収書は添付しなくてもよくなりましたし、健康保険組合や協会けんぽから送られてくる「医療費通知」を確定申告で使えたりもしますが、その辺のことはお判りでしょうか?

まず、医療費控除の適用を受けるのに医療費の領収書は添付しなくてもよくなったという話です。従来は、医療費の領収書は原本を確定申告書と一緒に税務署に提出していました。それが平成29年の確定申告から医療費の領収書を添付しなくてよくなりました。その代わりに「医療費控除の明細書」という書類を書いて出すことになっています。また、医療費の領収書を提出しない場合、その領収書はご自身で保管しないといけません。保存義務の期間は5年間です。

「去年の確定申告の時に医療費の領収書を出してしまった・・・」という方もいらっしゃるかもしれません。それでも問題はないです。令和元年、つまり今回の確定申告までは、医療費の領収書は出してもいいことにもなっています。出さない場合には「医療費控除の明細書」を出さないといけないという話で、領収書を出してもいいわけです。

医療費の領収書は出しても出さなくてもどちらでもいいということは、ご自身で領収書を保管するのが手間だという方は逆に、医療費の領収書を税務署に提出してしまうというのもアリだということです。

また、最近、協会けんぽや健康保険組合から「医療費の通知書」という書類が届くのではないかと思います。かかった病院や薬局などが金額とともに一覧になっているものです。この「医療費通知」は確定申告に使用してもいいことになっています。ただ、たとえば、自費診療で受けたものや、12月に病院にかかったもの、あるいは病院までの交通費などは反映されません。そうした医療費通知に反映されていないものは、別途、「医療費控除の明細書」に記載する必要があります。「医療費通知」を使って確定申告をすることもできますが、「医療費通知」に載っていない項目は別に「医療費の明細書」に書かないといけないというのは注意点です。また、この「医療費通知」は確定申告書に添付して出す必要はありませんからその点も確認しましょう。

次に、医療費控除とセルフメディケーション税制との関係についてです。

まず、この医療費控除とセルフメディケーション税制というのはどちらか一方しか使えません。通常の医療費控除で申告をしたのであればセルフメディケーション税制は使えません。セルフメディケーション税制を使って確定申告したのであれば、通常の医療費控除は使えません。両方とも「医療費控除」という項目で申告するのには変わりはないのですが、計算自体はどちらか一方しかできません。では、どういう手順でどちらを選んでいったらいいのでしょうか?

その前に、セルフメディケーション税制って何でしょうか?

セルフメディケーション税制とは、医療費の領収書の中にドラッグストアなどで購入した薬があれば、その購入費が控除の対象になるという税制です。

領収書をよく見ると「セルフメディケーション税制対象」となっているものがあると思います。領収書を見て「セルフメディケーション税制対象」となっている医薬品を集計していくわけです。そのセルフメディケーション税制対象の医薬品を集計していって、12,000円を超えたら、医療費控除に代わりにセルフメディケーション税制を使って控除することができます

ただ、このセルフメディケーション税制を使うためには、「インフルエンザの予防接種」や「がん検診」「定期健康診断」「人間ドック」などを受けていることが必要です。この税制を使うためには、これらを受けているということがわかる領収書などが必要です。インフルエンザの予防接種の領収書や、定期健康診断の結果通知などがあればOKです。

ただし、インフルエンザの予防接種や定期健康診断の費用自体は控除の対象にはなりませんので、その点は注意点です。また、通常の医療費控除は本人だけでなく、生計一親族が

受けた医療費も対象ですが、セルフメディケーション税制の対象にさせるには控除を受ける本人がインフルエンザの予防接種や定期健康診断を受けていないといけません。家族が受けていてもダメなんです。この点も注意点です。

さて、この医療費控除とセルフメディケーション税制ですが、まとめますと、次のような手順で考えればいいことになります。

  • 医療費控除の集計をして、医療費の金額の合計が10万円を超えるか、もしくは総所得金額の5%を超えるか、どちらかに該当したら医療費控除を選択する
  • 医療費の金額が10万円未満で、なおかつ、総所得金額の5%を超えていないのであればセルフメディケーション税制の適用を検討する
  • セルフメディケーション税制を受ける場合には「インフルエンザの予防接種」「定期健康診断」「人間ドック」などを控除を受ける本人が受けているかを確認する
  • ③が確認出来たらセルフメディケーション税制を適用させる

手順としては、まずは、医療費控除の検討です。通常の医療費控除が受けられないとなったら、セルフメディケーション税制を検討しましょう。

ただ、難しいのは、セルフメディケーション税制の適用になる医薬品で、医療費控除の対象にはならないものがあります。そうしたセルフメディケーション税制の対象にはなって医療費控除の対象にはならない医薬品が多い場合には、医療費控除を受けられるとしてもセルフメディケーション税制の適用を受けたほうが控除が大きくなるケースも考えられます。細かい話ですが、そうしたケースもあるんだなということも一応は知っておいていいことかとは思います。

医療費控除をめぐる税制の話というのは、実は以前よりも複雑になっています。

領収書添付の話や、医療費通知の取り扱い、医療費控除やセルフメディケーション税制の話など、このブログで改めて確認していただければと思います。



今年の確定申告から変わることがあります。書類の添付が必要なくなったものがあるのです。今日は添付書類の省略というお話です。

デジタル・ガバメント実行計画」というのを聞いたことはありますでしょうか?

これは官民データ活用推進基本法という法律に基づいたもので、行政機関に一度、提出した書類は各行政機関内で共有することによって、再度、別のところへ提出する必要のないようにする取り組みを言います。「ワンスオンリー」と呼んだりするようです。マイナンバー制度を活用することで、こうした取り組みを実現しようとするものです。

給与の源泉徴収票」というのは、通常、給与の支払い者を通じて税務署に提出されます。つまり、サラリーマン本人が出さなくても一定の要件に該当する者については会社がすでに税務署に源泉徴収票を出しているわけなんです。行政にすでに出してあるものですから、再度、確定申告の際に提出する必要はないというわけです。税務署としてはマイナンバーで源泉徴収票が紐づいていますから、すでに把握しているというわけです。

他にも、「年金の源泉徴収票」も同様の取り扱いです。そのほかにも「上場株式配当等の支払通知書」や「特定口座年間取引報告書」といったものも提出が必要なくなりました。

この提出が不要になった「給与の源泉徴収票」「年金の源泉徴収票」「上場株式配当等の支払通知書」「特定口座年間取引報告書」といった書類は、平成31年4月以降に提出する確定申告書について適用されます。たとえば、平成30年やそれ以前の確定申告書を平成31年4月以降に提出する場合にも、これらの書類の添付は必要なくなりました。

今回の確定申告の際に一緒に平成30年以前の申告書を一緒に出してしまおうとしているのでしたらこの添付書類の省略の話は平成30年以前の申告書にも有効であることを知っておきましょう。

従来から電子申告でやっている方については、そもそも源泉徴収票を出していなません。その意味で違和感はないと思います。添付書類の省略というのは、紙で確定申告書を提出する場合ですので、その点も確認しましょう。

また、書類の提出の必要がなくなったといえば、医療費の領収書も同様です。これは、平成29年の税制改正で医療費の領収書の添付が必要なくなりました。領収書はご自身で保管してその代わりに「医療費控除の明細書」という書類を書いて出せばそれで足りるとされています。医療費控除の話は次回のブログでまた書いていこうと思いますので、次回の本ブログで確認してみてください。

確定申告は2月16日からですが、給与所得者の還付申告については、2月16日を待たずに1月1日以降、すでに提出することができます。上記の取り扱いについて、知っておいたうえで確定申告書を出してみてください。

ということで、今日は確定申告で添付書類が省略されていますというお話でした。



さて、今日は法人なりしたり、個人でやっていた事業をやめることにしたりして、個人事業を廃止した場合の事業税の取り扱いの話をしたいと思います。

税理士であっても意外とこの論点が抜け落ちてしまう点ですので、この機会にこのようなものがあることを知っておいていただきたいと思います。

具体的にこのケースが発生するのが多いと思われるのが個人事業を法人にした場合です。法人なりした場合にはこの処理が発生する可能性があると理解しておいたほうがいいでしょう。

その前に、個人事業にかかる個人事業税について説明したいと思います。

個人事業税というのは個人事業をやっていた場合にかかる税金です。具体的には収入から経費を引いた金額が290万円超だと個人事業税がかかります

たとえば、令和元年の確定申告書は令和2年2月16日から3月15日までに提出します。その申告書をもとに個人事業税の計算を都税事務所や県税事務所で計算して8月と11月の年2回にわたって納付することになります。

つまり、個人事業税の計算をわざわざするのではなく、都道府県の県税事務所で計算して一方的に納付書を送ってくるので、納税者側は送られてきた納付書に従って個人事業税を納付するという流れなわけです。

また、個人事業税は納付したときに「租税公課」という勘定科目で経費計上します。つまり、令和元年の確定申告で確定した個人事業税は令和2年の8月と11月に納付することになるわけで、前の年の分を翌年に納付する税金なわけです。この辺は住民税と同じです。

さて、そうすると、たとえば、令和元年中に法人なりして個人事業を廃止していた場合、どうなるのでしょうか。実際の納付は令和2年の8月と11月になります。支払った令和2年はすでに個人事業は廃止していますから、支払った事業税は経費に計上できないという問題があるわけです。

このような問題があることを見越して、所得税は個人事業を廃止した年の所得に課税される事業税は廃止年に見積もり計上していいことになっています。(所得税基本通達37-7)

この見積もり計算で経費計上していい個人事業税ですが、次のような算式によって計算することになっています。

(A±B)×R/(1+R)

A・・・事業税の課税見込額を控除する前の当該年分の当該事業に係る所得の金額

B・・・事業税の課税標準の計算上Aの金額に加算し又は減算する金額

R・・・事業税の税率

上記の算式のうち、Bというのは個人事業税にある290万円の控除のことを言っています。

この290万円の控除は事業廃止までの月数で按分するということです。たとえば、6月で個人事業を廃止した場合、290万円を6/12して、145万円が控除額ということです。

具体例で考えましょう。6月末で個人事業を廃止して、7月から法人に組織変更したとしましょう。1月から6月までが所得が500万円だったとすると、500万円-145万円=355万円となります。個人事業税は事業の種類によって税率が異なりますが、税率が5%だったとして算式にあてはめると以下のようになります。

355万円×5%÷(1+5%)=169,000円(百円未満切り捨て)

この169,000円は個人事業を廃止した年の必要経費にできるというわけです。

さて、これを仮にご存じでなく、確定申告をしてしまったらどうなるのでしょうか?令和2年の8月と11月に支払う個人事業税はどこにも経費にできずに終わってしまうということでしょうか?

仮に、この個人事業税の取り扱いのことを知らないもしくは必要経費に入れるのを忘れてしまって、必要経費にあげていなかったとしても大丈夫です!「更正の請求」という方法でさかのぼって経費に計上できます。「更正の請求」をすることで、個人事業税に相当する所得税や住民税の還付を受けることができますからご安心ください。

なお、この「更正の請求」は確定申告期限から5年間です。今だと、平成26年分から平成30年分であれば「更正の請求」が可能です。

また、個人事業の廃止というのはなにも法人なりだけではないです。個人事業主の死亡の場合もあり得る話です。平成26年から平成30年の間に死亡して準確定申告を行った場合に、申告した後に個人事業税を支払っていてそれを経費計上していないようなときも「更正の請求」によって所得税や住民税を取り戻せます。

個人事業を廃止したときの個人事業税の経理処理というのは、実は、税理士も見落としやすい論点です。このブログで参考にしていただければ幸いです。



今日は節税対策の一つとして利用されることがある「短期前払費用」の話です。

「短期前払費用」とは、契約に基づいて、支払った日から1年以内のサービスなどの役務の提供を受けるものの費用のことを言います。

わかりやすい例としては、たとえば、年契約の火災保険料などが該当します。

1年ごとに契約して1年分の火災保険料の支払いをする場合、支払ったときに全額、経費として計上していいというものです。

国税庁のHPには「短期前払費用」について、次のような説明があります。

法人が、前払費用の額で、その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、前払費用となる場合にかかわらず、その支払時点で損金の額に算入することが認められます。
 ただし、借入金を預金、有価証券などに運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、たとえ1年以内の短期前払費用であっても、支払時点で損金の額に算入することは認められませんので注意してください。(法基通2-2-14)

広告宣伝費や雑誌の定期購読、家賃の支払いなど、短期前払費用となるものはいわゆる「サービスの提供」にかかるもので、一定額のものに該当するものです。また、サービスの提供の仕方も時の経過に伴って費用化されるような定型のサービスです。「等質等量のサービスがその契約期間中継続的に提供されること」とされています。

そして、もう一つは「契約によって支払方法が1年以内となっているもの」に限ります。

こうしたものに該当しなければ、仮に1年分を一度に支払っていたとしても支払ったものはいったんは「前払費用」として計上し、その後、期間の経過に応じて月ごとに費用に振り替えていく処理することになります。

具体例で考えてみましょう。

〇保険期間が2年の火災保険料を支払った場合

保険期間が2年のものなので、「前払費用」として処理することになります。2年の火災保険料の場合、保険期間に応じて費用に振り替える処理をしていきます。

たとえば、12月決算法人で、12月に保険期間が2020年1月から2021年12月の2年間の火災保険料を24万円を一括支払いした場合、どうなるのでしょうか?

この場合は保険期間が1年以内であることに当てはまっていないため、短期前払費用に該当しません。経理処理としては保険期間に応じて費用処理することになるため、12月決算で12月に支払った火災保険料は24万円全額、「前払費用」となります。

ちなみに、この24万円の「前払費用」は、2020年1月から12月で12万円、2021年1月から12月で12万円、という形で期間に応じて経費計上していくことになります。

〇契約によらずに1年分の家賃を支払った場合

「契約による」のが短期前払費用として経費計上できる原則なので、契約によらなければ支払った金額は「前払費用」として処理していきます。

たとえば、12月決算法人で、契約上は1か月10万円の家賃の支払いは翌月分を前月末に支払う(1月分はその前月12月末に支払う)ことになっていたとします。この場合に2020年1月から12月の家賃分の合計120万円を12月に支払ったらどのような処理になるのでしょうか。

この場合には、契約上は年払いになっておらず、月払いになっているため、1月分の家賃(12月末支払い分)のみが経費計上できることになります。それ以外の2月から12月分の家賃は支払っていても「前払費用」として処理することになり、翌期(2020年12月期)の経費として計上することになります。

セーフティ共済の保険料1年分を支払った場合

月払いで支払っていたセーフティ共済の保険料を1年分支払った場合には、支払ったときに1年分の保険料を経費計上することができます。

たとえば、12月決算法人で、以前からセーフティ共済の保険料を月額10万円かけていたとします。その場合に、2020年1月から12月分の保険料、合計120万円を12月に支払ったとしたらどうなるのでしょうか?

これは、支払時の12月に120万円を経費計上することができます。その場合、2020年1月から12月は保険料が発生しませんが、2020年12月に次の年の分の保険料を支払えば次の期の保険料として経費計上できます。この場合には、2020年12月に120万円を支払えば120万円が経費計上できます。

セーフティ共済の場合、年払いか月払いかを選択します。2年目以降は年払いの手続きをしなければ自動的に月払いに移行します。契約でそうなっており、契約に即した経費計上となるため年払いの経費計上が認められているのです。

短期前払費用が経費として認められる場合をまとめると、以下の4つに要約されます。

  • サービスの提供であること
  • 提供するサービスが月ごとに定型のものであること
  • 契約に基づいた支払であること
  • すでに支払っていること

さて、では、このようなケースでは短期前払費用は認められるでしょうか?

「5年間契約で某ビルの屋上に広告用看板を掲示することとした。その際、掲示料と して600万円の手形(1通の額面10万円で60通)を支払った。この手形は掲示期間中の毎月末を決済日とした。当期末で翌期首後1年を超える期間に対応する分だけ前払費用として計上し、残りは当期の費用とするつもりであるが、税務上問題はないか。」

この例のように1年分以上の金額を支払った場合に1年以内の期間を経費計上することは認められていません。あくまで1年以内の期間分を支払った場合に支払った金額の全額を短期前払費用として経費計上していいというものです。この例の場合には、支払った金額全額が「前払費用」となり、期間に応じて費用化していくことになります。

また、裁判となった事例で、短期前払費用として処理している金額が多額すぎるとして認められなかった例もあります。

この例では、5000万円全額を短期前払費用として処理した結果、所得金額を1791万7019円、納付すべき税額を593万8200円となりました。裁判所は次のように判断して、納税者側の短期前払費用の処理を認めませんでした。

「原告の会計処理を認めた場合に原告が平成7年事業年度の法人税として納付すべき金額と更正処分の結果、同法人税として納付すべきこととされる金額との差額は1904万2500円にもなり、課税上さしたる弊害がないというには多額すぎる。

また、通達が規定する短期の前払費用の処理は、企業会計上の重要性の原則に基づくものであって、同通達の適用を受ける前払費用に当たるか否かについては、それが重要性に乏しい支出か否かによって判断されるべきであるが、原告の財務内容に照らし、また、傭船料は浚渫業者にとって重要度の高い原価であることから考えても、本件傭船料の支出は重要性の乏しいものとはいえない。」(長崎地裁・平成12年1月25日判決)

短期前払費用はこうした様々な点を考慮に入れながら経費計上できるかどうかを判断していく必要があります。私も顧問先にこの短期前払費用の話をすると、簡単に短期前払費用の処理をしたいという話をされることがあるのですが、そう簡単にできるものでもないわけです。

短期前払費用で処理することに問題がないか、しっかり検討する必要があるということは知っておいていい点だと思います。 以上、短期前払費用の話でした



10月の消費税率の引き上げに伴い、キャッシュレス決済のポイント還元が始まりました。

○○ペイやカードの決済などのキャッシュレスの方法で、ポイント還元されるものです。

さて、そうしたポイント還元があった場合、経理処理はどうしたらいいのでしょうか?

ポイント還元には4種類あります。

  • ポイントを付与する・・・使っているカードなどにポイントを付与する
  • 即時充当する・・・商品などを購入したときに購入額にポイントをすぐに充当して差し引く
  • 引き落とし時に相殺する・・・カードなどの利用額が口座から引き落とされるときにポイント額を控除する
  • 口座に充当する・・・1か月以内の期間ごとに口座にポイント相当額を付与し、その後に決済したときにポイント相当額を充当する

特に問題となるのは②のケースです。②のケースでは、キャッシュレスの決済をするたびに実際支払額のポイント還元分が会計時に支払額から引かれます。例を使ってみていきましょう。

消耗品      1,000円

消費税     100円

ポイント還元 ▲50円

支払額    1,050円

さて、この場合の経理処理はどうするのでしょうか?

上記のような場合、理解の仕方として購入額はあくまでも1,100円だということです。ですから、以下のような仕訳になります。(ちなみに税込み経理処理が前提です。)

(消耗品費)/(現金) 1,100

(現金)/(雑収入)     50

即時充当の場合、会計時に即時に充当されるため、上記のような仕訳になります。

「現金」は相殺されますから、現金を相殺すると以下のような仕訳になります。

(消耗品費)/(諸口)  1,100

(諸口)/(雑収入)   50

(諸口)/(現金)  1,050

もう一つ、別の具体例でみてみましょう。

上記の例は、10%対象のものでしたが、軽減税率対象のものと10%対象のものが混在していたらどうなるでしょうか?

消耗品    500円

飲み物    300円※

合計     800円

10%対象消費税    50円

8%対象消費税     24円

ポイント還元 ▲40円

支払額     834円

※軽減税率対象

さて、上記のように、10%と軽減税率の対象が混在していた場合ですが、これは10%対象と軽減税率対象とを一つ一つ別々に処理していくことになります。ちなみに、飲み物の購入は「福利厚生費」として処理したとします。また、処理は税込み経理処理が前提です。

(消耗品費)/(現金) 550

(福利厚生費)/(現金) 324※

(現金)/(雑収入)  40

 ※軽減税率対象

上記の現金を相殺すると、以下のようになります。

(消耗品費)/(諸口)  550

(福利厚生費)/(諸口) 324 ※

(諸口)/(雑収入)   40

(諸口)/(現金)    834

 ※軽減税率対象

ポイント還元以外はポイント還元がなかったとして処理し、ポイント還元分は「雑収入」とするということです。

さて、これとの違いとして、お店独自にポイント分を値引きした場合、どうなるのかも考えてみましょう。

消耗品     500円

ポイント値引き ▲25円

消費税      47円

支払額    478円

上記は以下のように仕訳します。

(消耗品費)/ (現金) 478

違いがお判りでしょうか?お店独自のポイント還元は、ポイントを値引きとしてみていることです。つまり、ポイントを引いた後の金額で処理するわけです。

税法的に言うと次のように表現できます。

キャッシュレスポイント還元・・・ポイント還元の控除前の金額を課税仕入れにする

お店独自のポイント値引き・・・ポイント控除後の実際支払額を課税仕入れとする

キャッシュレスのポイント還元は、別の言い方をすれば、経理処理上は値引きではないということで、ここに経理処理の特徴があるわけです。

また、キャッシュレスのポイント還元の形態のうち、③引き落とし時に相殺するや④口座に充当する の場合も、支払時に減額された金額を「雑収入」として処理することになります。

上記のキャッシュレスのポイント還元の仕方は、国税庁が公表している「即時充当によるキャッシュレス・消費者還元にかかる消費税の仕入れ税額控除の考え方」によっています。

参考にしていただければ幸いです。



今日は、税務のちょっと変わった話?をしていこうと思います。

ロータリークラブの会費が経費になるのかという話です。

その前にロータリークラブって何か、ご存じでしょうか。

ロータリークラブというのは地域の慈善事業などを行う団体で、様々な慈善事業への参加を通じで会員同士の親睦を図ったりするものです。多くは会社経営者だったり、地主といったような地域の名士の集まりといったものです。

これに近いものにライオンズクラブというのがあります。会の趣旨などはほとんど同じです。ライオンズクラブのほうが加入条件が緩やかであったりするようです。

このようなロータリークラブやライオンズクラブの会費は個人と法人で経費になるのかどうなのかの取り扱いが違うのはご存じでしょうか。

ロータリークラブの会費が経費になるかどうかというのは、実は、国税不服審判所という国税に関する国と納税者の裁判所のようなところで何度か裁決がされています。そのほとんどが、個人の場合には必要経費にならないと裁決されています。(平成26年3月6日裁決、平成28年7月19日裁決など)

なぜ経費にならないかというと、ロータリークラブの会の目的が関係しているようです。

平成26年3月6日の裁決は、司法書士がロータリークラブの会費を経費として計上していたのが認められなかった裁決ですが、このように書かれています。

本件クラブの綱領は、有益な事業の基礎として奉仕の理想を鼓吹し、これを育成することとしており、本件クラブは、当該綱領に基づき奉仕活動を行うことが目的であるところ、当該奉仕活動は、請求人が司法書士として行う事業には該当しない。

この裁決では、商工会議所の会費と比較して論じられています。商工会議所の会費が経費になるのは、事業との関連性があるからであって、ロータリークラブの会費はその会の目的からして事業との関連性が認められないというものです。

また、別の裁決例(平成28年7月19日裁決)では、ロータリークラブの会費は「顧客獲得のための積極的な営業・広報活動等」とまではいえず、その営業効果は「間接的、副次的に生ずる効果に過ぎない」として経費計上を認めていません。

上記の裁決例は個人事業の場合の話です。面白いのは同じロータリークラブの会費でも法人の場合には経費計上を認めています。法人税法基本通達の9-7-15の2 という部分にそれが書かれています。

法人がロータリークラブ又はライオンズクラブに対する入会金又は会費等を負担した場合には、次による

(1) 入会金又は経常会費として負担した金額については、その支出をした日の属する事業年度の交際費とする。

(2) (1)以外に負担した金額については、その支出の目的に応じて寄附金又は交際費とする。ただし、会員たる特定の役員又は使用人の負担すべきものであると認められる場合には、当該負担した金額に相当する金額は、当該役員又は使用人に対する給与とする。

なぜ、個人と法人が取り扱いが違うことになるのか、釈然としない部分はありますが、個人は必要経費不算入、法人は交際費で損金算入、というのが通説的な解釈です。

さてここからは私見も含めての話になります。

ロータリークラブの会費が必要経費になるのかならないのかというのは、実務的に言えば税務調査で指摘されるかされないかによってくるものと思います。

税務調査官の目に触れて、このロータリークラブの会費の取り扱いを知っている調査官だったら個人の場合には否認される可能性があります。法人の場合には、諸会費等の交際費ではない勘定科目で処理されていたら交際費として処理するように言われる(その結果、損金不算入になる部分が出てくる可能性がある)というところだろうと思います。

たとえば、個人であっても、ロータリークラブの会員から仕事を依頼されたとかという具体例があったとき、担当する調査官が「それでもロータリークラブの会費は必要経費にはならないんです」と言い切れるのかどうかは何とも言えません。

税務調査の立ち合いをしたことのある社長さんや経理担当者ならわかると思いますが、実際の税務調査では調査官とのやり取りで決まってきます。その中でロータリークラブの会費が事業と密接に関係していると訴えたとき、調査官がどういうとらえ方をするのかによって来るのではないかと思います。

この論点に関しては、裁決例は個人に厳しい裁決例ですが、法人が交際費で損金算入なのに対して、個人は経費にできないというのは、私自身も釈然としない部分があります。

ただ、間違っていただきたくないのは、私は個人であってもロータリークラブの会費を経費にしてもいいと言っているわけではありません。裁決例は個人には不利な判断はされていますが、経費に計上していても、実務上、税務調査で否認されないこともあり得るということを知っておいていただければという話です。上記のことをわかっているうえでどう処理するのかは事業主の皆さんにお任せするという感じです。

ちなみにロータリークラブのほかにライオンズクラブというのもあります。これも同じです。また、地域によっては40歳までの加入を条件とする「JC」という組織もあります。このJCの会費も同様の取り扱いだろうと思います。

参考になさってみてください。



今年は実に台風の多い年です。台風15号のあと台風19号が来て、風水害の災害が多く発生しました。被害に遭わないまでも、非難を余儀なくされた方も随分、いらっしゃいます。

今年は同時期にラグビーのワールドカップがありました。中止になってしまう試合もあった中で、台風19号の影響で釜石で開催予定だったカナダとナミビアの試合が中止になりました。それを受けて、カナダの選手は釜石でボランティア活動をかって出たようです。日本代表の選手も富津市にボランティアに行ったということです。

それにしても、ますますラグビーの選手というのは国を問わずにこうした姿勢の人が多いのには感心させられます。ますますラグビーに対しての好感度が上がるような話です。

さて、災害の多い今年ですが、災害に遭った場合は税金の申告や納付期限が延長されることをご存知でしょうか。

延長される場合には2種類あります。

一つは地域が指定されるケースです。

これは国税庁が申告や納付が延期される地域を指定します。指定された地域にある法人やその地域に住んでいる人の確定申告は延期されます災害等の理由がやんでから2か月以内に延期されます。実際、東日本大震災は3月11日に災害がありました。確定申告の期限が3月15日と迫っていましたので、この地域を指定した申告期限の延期が適用されました。このときは、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の5県については、平成23年3月11日以降に到来する国税に関する申告・納付等の期限の延長をしたのです。

指定された地域以外でも災害にあった場合には同様に申告期限を延長することができます。

この場合には「災害による申告、納付等の期限延長申請書」という書類を税務署に提出する必要があります。

これは、仮に当初の申告期限が過ぎていたとしても大丈夫です。あとからでも提出すればいいのです。この期限を経過していてもあとからでも出せば認められるというのはこの制度の特徴的なことです。 この延長申請書を出すと、災害等の理由がやんだ日から2か月以内に申告すればいいことになっています。 今回の台風の被害の場合には、原則的には、この個別に延期する制度を使うことになります。

この届け出の際には、罹災証明書の写しなどの添付を求められることもありますから、税務署に相談しながらやったほうがいいとは思います。

また、対象になる税目は、法人税や所得税の他、消費税や源泉所得税も対象になります。 源泉所得税は毎月納付だったりすると、災害があった後、納付の手続きができないということは想定できます。その場合にも、災害がやんでから早めに「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を出したほうがいいでしょう。

それから、この災害に遭ったというのは対象になるのは関与している会計事務所側が災害に遭った場合にも適用されます。

国税庁のHPには次のように記載されています。

地域指定以外の地域に納税地がある法人が、災害により期限までに法人税、消費税及び地方消費税の申告をすることができない場合とは、

例えば次のような場合をいいます。  

本社事務所が損害を受け、帳簿書類等の全部又は一部が滅失する等、直接的な被害を受けたことにより申告等を行うことが困難な場合

交通手段・通信手段の遮断や停電(計画停電を含む)などのライフラインの遮断により申告等を行うことが困難な場合

会計処理を行っていた事業所が被災し、帳簿書類の滅失や会計データが破損したことから、決算が確定しないため、申告等を行うことが困難な場合

工場、支店等が被災し、合理的な損害見積額の計算を行うのに相当期間を要し、決算が確定しないため、申告等を行うことが困難な場合

連結納税の適用を受けている場合において、連結子法人が被災し、連結所得の計算に必要な会計データの破損があったことなどから、申告等を行うことが困難な場合

災害の影響により、株主総会が開催できず、決算が確定しないため、申告等を行うことが困難な場合

このような場合のほか、税理士が、 ・交通手段・通信手段の遮断や停電(計画停電を含む)などのライフラインの遮断 ・納税者から預かった帳簿書類の滅失又は申告書作成に必要なデータの破損等 の理由で、関与先法人の申告等を行うことが困難な場合

にも、個別指定の申請をすることができます。

また、このような災害による申告期限の延長の場合、通常は課される延滞税や加算税が課されることはありません

延長になった期限内に申告すれば、通常の期限内での申告と同じ扱いとなるためです。

それから、これは税金の申告・納付の話ですが、助成金の申請や社会保険・労働保険の申告納付には原則的にはこうした災害による延長というのはありません。「やむを得ない事由」がある場合には認められる場合もあるかもしれませんが、原則的には助成金や社会保険・労働保険には期限延長はないものだと思っておいた方がいいでしょう。

今回の台風や地震といった自然災害に限らず、火事といった災害にも適用できます。 私の顧問先にも申告期限近くに火事にあってしまい、申告期限を延期した会社がありました。

自然災害や火事などにあったらまずは災害と向き合うことですが、それが済んだら今度は申告期限のこともあるということを頭の片隅にでもおいておいていただければと思います。



早いもので、もう年末調整の時期となってきました。 この時期になると最も質問が多いのがパートの方がいくらまでだったら働いたらいいのかという質問です。税制も変わったこともあり、少し変わっていますからこの機会に把握しておきましょう。

大きくは「税金」の話と「社会保険」の話があります。

まず、「税金」の方の壁から行きましょう。 103万円というのは、以前はパートの方が税法上の扶養になるにはこの103万円というのが基準でした。今はこの配偶者控除(正しくは配偶者特別控除として上限)の基準は103万円から150万円になっています。具体的には103万円を超えて150万円までは配偶者控除ではなく、配偶者特別控除で上限の38万円が取れる範囲です。103万円というのはご自身に所得税の負担が出てくる基準になります。生命保険料控除など、他の所得控除が何もないのであれば、103万円を超えたところから所得税がかかります。 そして、150万円というのは配偶者(通常は夫であるケースが多いと思います)の側が配偶者特別控除の上限額の38万円をギリギリとれる基準です。150万円から201万円までは配偶者特別控除が取れますが、控除額が150万超から201万になるまで段階的に減っていくことになります。

実はその前に、住民税がかかる基準が100万円というのがあります。

ということは、税金上の壁というのは、次の順に税金がかかってくることになります。

100万円・・・本人側に住民税がかかる

103万円・・・本人側に所得税がかかる

150万円・・・配偶者側の配偶者特別控除の上限額が取れる

201万円・・・配偶者側の配偶者特別控除もゼロになる

次に、社会保険の壁です。

社会保険の壁というのは、社会保険の扶養になるかどうかという基準の話です。これには二つあります。106万円と130万円です

106万円というのは、配偶者が大きな会社にお勤めの場合の社会保険の扶養の基準です。

正社員が501人以上の会社など一定の要件の会社にお勤めの場合、扶養に入る基準は年収が106万円未満である必要があります。106万円というのを12で割ると月額約88,000円です。月収88,000円を超えると社会保険の扶養から外れないといけなくなるわけです。これが106万円の壁です。

一方で、配偶者がお勤めの会社が大企業でない場合、社会保険の扶養に入る基準は年収130万円になります。

年収130万円ということは月収に直すと、だいたい108,000円です。この中に収まっていれば扶養でいられます。 ちなみに、月収で直したときに、106万の場合には88,000円、130万の場合には108,000円という方ですが、ある月はこれを超えていて、ある月はこれを超えていないというケースもあるでしょう。その場合には、年収で見て106万や130万を超えていないかどうかで判断することになります。

また、社会保険の扶養から外れた場合には、ご自身で国民健康保険や国民年金に入ることになります。これらの負担を考えると、こうした基準を少しオーバーしたくらいだと社会保険の扶養から外れるのは負担が大きくなるということはあり得る話です。 国民健康保険や国民年金に入るのではなく、パートとして働いている会社の社会保険に加入するというのも選択肢になります。この場合には常勤の4分の3以上の勤務時間に達しているかどうかが問題になります。勤務時間が常勤者の4分の3に満たないようだと、ご自身で国民健康保険や国民年金に入ることになるわけです。 パートとして働いている会社の社会保険に入れば、厚生年金にもなるので将来の年金額が増えることもありますし、病気や怪我で働けなくなった場合、傷病手当金を受給することもできます。

会社と話をして社会保険の適用になる程度まで時間数を増やしていくということも選択肢になります。 100万、103万、106万、130万、150万、201万と壁にはそれぞれ基準があります。とても多くの基準があり、それぞれの意味が異なります。数が多くて把握しきれないようでしたら、まずは税金と社会保険にわけてこのブログを見ながらどのようにしたらいいのか、検討してみてください。


1 2 3 7