手技療法の治療院、介護事業の経営に役立つ最新情報や知って得する情報満載のブログです!

Category Archives: 税務関連

1 2 3 10

さて、今日は前回と引き続きで見ていただければと思うテーマです。前回は社会保険の扶養という話をしました。どこからが社会保険の扶養になるのかという話を書いていきました。

今回は税務の方での扶養、「生計を一にする」という考え方を書いていきたいと思います。

税務では扶養親族になるかどうかというのを「生計を一にする」という言葉で表現します。では、この「生計を一にする」というのは具体的には何を意味するのでしょうか。

所得税法の基本通達という中で、「生計を一にする」というものの意味を次のように書いています。

法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。

(1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。

イ当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合

ロこれらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合

(2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。

社会保険では扶養親族かどうかは原則としては3親等内の親族としつつ、「同一世帯」というもので規定しています。これに対して、税務の扶養は「生計を一」というもので規定しています。まずは社会保険と税務に共通していえるのは、扶養というのは「同居」が要件ではないということです。

ただ、税務の方の「生計を一」は上記の通達の(2)で「親族が同一の家屋に起居している場合には、(略)生計を一にする」とあるので、同じ家に住んでいれば原則的には「生計を一」と考えていいようです。ただ、上記の通達の(2)にも書かれている通り、「明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き」とあるので、明らかに別生計の場合には扶養にはならないとされています。これは社会保険の方も同じです。「被保険者と住居および家計を共同にすること」に該当していても、生活費の支援がない場合には扶養にはならないとされています。この辺はおおむね共通する点です。

そして、税務の方が難しいのは、上記の通達の(1)です。これは、「同居」でない場合を書いています。同居でない場合には、二つあるとしています。

一つは、単身赴任のお父さんや大学に通っているお子さんなどのことです。お盆やたまの休みに帰ってくるような関係なら、扶養だと言っています。

もう一つは、生活費や学費などのお金を送金していることといっています。

この二つの要件が両方必要な要件なのか、片方だけ当てはまればいいのか、ここがこの通達だけだと読み取れないわけです

たとえば、単身赴任のお父さんがいて休みの日には帰ってきます。自宅にいる奥さんはご自身がパートで働いている収入で家計は賄っているため、送金をしてもらったりはしていないとします。そうすると、最初の要件には当てはまるのですが、二つ目の要件には該当しないので、この場合は扶養にはならないということになります。

では、このケースではどうでしょうか。

田舎に高齢のお母さんがいらっしゃいます。息子さんは東京に住んでいます。この息子さんはお母さんに毎月、一定額のお金を送金しています。つまり要件の二つ目には該当しています。しかし、普段、お母さんの所へ行ったりということはほとんどしません。お母さんも息子さんに会いに行ったりすることはありません。この場合、要件の一つ目には該当しません。では、このケースでは扶養ではないという話になるのでしょうか?

単身赴任のお父さんと奥さんの関係にしても、送金はしてもらっていなくても実際にはその家はお父さんの名義の家で、たまたま今は奥さんのパート収入で家計を賄っているということだったら、扶養の関係といってもいいのではないでしょうか。また、二つ目の例として挙げたお母さんと息子さんの関係も、あってはいなくても経済的に息子さんが支えているのなら扶養といってもよさそうですよね?

国税庁のHPでは「生計を一にする」という言葉について、次のように記述しています。「日常の生活の資を共にすることをいいます。
会社員、公務員などが勤務の都合により家族と別居している又は親族が修学、療養などのために別居している場合でも、生活費、学資金又は療養費などを常に送金しているときや、日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にしているときは、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

つまり、お金の送金の有無とたまに一緒に生活することの両方がないと扶養にならないというわけではない(どちらかが当てはまればいい)という趣旨のことを言っているようです。

ここは、税理士によっても解釈が分かれるところのようですので、このブログではこれくらいにしておきますが、税務の扶養は特に「別居」の場合、解釈が難しいというところです。。

前回のブログと合わせて、社会保険や税務の扶養というのを整理してみると、社会保険も税務も扶養の考え方はほぼイコールではあるものの、たとえば、同居していないケースなどで考え方に少し違いがあるというくらいの整理でいいのかと思います。

同居でない場合、扶養に入れられるか入れられないかは、よく検討した方がいいでしょう。

ということで、今日は税務の方の「扶養」の話を通じて、社会保険と税務の扶養の違いについての話でした。



さて、今日は税制改正でこの4月1日から変わったという話です。

印鑑廃止の話です。

印鑑をなくそうというのは河野行政改革担当大臣が2020年11月13日に記者会見で発表しています。

河野行革相「行政手続きの99%以上で押印を廃止」と発表 – Digital Workstyle College

それを受けて、この4月1日から、税務関係書類については原則、印鑑を捺印する義務を廃止しました。

国税庁のHPでは、HP上に計算している申告書等について、原則、押印欄のない書式を載せています。また、以前に配布されている押印欄のある書類についても、印鑑を捺印しないで提出してもいいことになっています

もちろん、任意で捺印してもかまいませんが、印鑑がないことで提出が受理されないことは原則はないことになります。

逆に、印鑑が必要な書類は何なのかという話になります。

これは、「振替納税」や「ダイレクト納付利用届」になります。

これらは直接、納税にかかわるものなので、金融機関からの求めもあり、引き続き印鑑(銀行印)が必要となります。

そもそも税務書類は電子申告が原則となってきています。電子申告も含め、税務書類の提出を検討してみてはいかがかと思います。



新型コロナウィルスの影響が出て1年以上がたちます。この間にいろいろなことが大きく変わりました。その中の一つといっていいのが、雇用調整助成金です。この雇用調整助成金ですが、いつ収入計上すべきなのかが一つ、問題としてあります。今日はこのテーマについてみていこうと思います。

国税庁は令和3年3月26日に、新型コロナウィルス感染症に影響のある税務上の取り扱いについて、FAQを更新しています。この中で「雇用調整助成金」の経理処理について触れています。

従来の解釈については、以前の私のブログにも書いてありますので参照してみてください。↓

これは従来からの助成金全般についての解釈を書きました。要するに、助成金の収入計上時期は次の二つに分かれるといっています

  • 交付決定された期
  • 経費の補填の目的だったら経費を支出した期

雇用調整助成金については、原則として②と解釈されるというわけです。

さて、その雇用調整助成金の収入計上時期の解釈について、今回のFAQでは、もう少し踏み込んで、次のように書いています。

私は個人事業を営んでおり、新型コロナウイルス感染症等の影響に伴い、この事業に関して国や地方公共団体から助成金等の支給を受けました。この助成金等はいつの年分の収入金額として申告する必要がありますか。  

【基本的な考え方】

所得税の所得金額の計算上、ある収入の収入計上時期については、原則として、その収入すべき権利が確定した日の属する年分となります。
 ご質問の助成金等については、国や地方公共団体により助成金等の支給が決定された日に、収入すべき権利が確定すると考えられますので、原則として、その助成金等の支給決定がされた日の属する年分の収入金額として計上することとなります。

【特定の支出を補填するもの】

ただし、その助成金等が、経費を補填するために法令の規定等に基づき交付されるものであり、あらかじめその交付を受けるために必要な手続(※)をしている場合には、その経費が発生した年分に助成金等の交付決定がされていないとしても、その経費と助成金等の収入が対応するように、その助成金等の収入計上時期はその経費が発生した日の属する年分として取り扱うこととしています。

※ 必要な手続とは、例えば、休業手当について雇用調整助成金を受けるための事前の休業等計画届の提出などが該当しますが、新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置により、事前の休業等計画届の提出は不要とされています。その場合の雇用調整助成金の収入計上時期は、原則として、交付決定日の属する年分となります。
 ただし、事前の休業等計画届の提出が不要の場合であっても、交付申請を行っており、交付を受けることの確実性が認められ、経費が発生した日の属する年分において収入計上しているときには、その処理は認められると考えられます。

このFAQを理解するには、雇用調整助成金には「一般措置」と「特例措置」の二つがある前提があることを知っておく必要があります。要するに、雇用調整助成金が「一般措置」によるものなのか、「特例措置」によるものなのか、どちらによるかで経理処理が変わるといっているわけです。

「特例措置」をみる場合、「一般措置」との比較でみると理解しやすいです。

「一般措置」とは、通常の雇用調整助成金の支給申請の流れでやるものをいいます。

通常、雇用調整助成金は労使協定によって「休業計画」を作成し、休業が始まる前にハローワークにその「休業計画」を提出します。会社側はその事前に提出した「休業計画」に基づいて休業し、休業が終わったら支給申請をするというのが通常の雇用調整助成金の流れです。

今回の雇用調整助成金の「特例措置」は、この事前の「休業計画」の提出が不要とされています。つまり、計画書は提出しないで、実際に休業をしてしまうわけです。そして、休業が終わってから支給申請をするという流れです。

この「特例措置」が取れるのは従業員数が20名以下などの要件に該当する中小企業です。ですから、多くの中小企業ではこの「特例措置」によって雇用調整助成金の支給申請をしているものと思います。

さて、この「一般措置」と「特例措置」で経理処理が違うといっているわけですが、まとめると次のようになります

「一般措置」の雇用調整助成金・・・対象となる人件費の発生している期で収入計上

「特例措置」の雇用調整助成金・・・雇用調整助成金が支給決定した日

「特例措置」の場合、雇用調整助成金の支給決定通知書に書かれている日付の期で収入計上していくことになります。

また、加えてこのFAQでは、但し書きがあります。但し書きには、「対象となる人件費の発生する期」で収入計上しても間違いではないといっています。「特例措置」であっても「一般措置」と同じように人件費の発生した期で収入計上する方法でやってもいいわけです。

通常、「一般措置」の経理処理方法の方が収入計上するのが早くなるはずです。収入計上が早くなるのだから、この方法でもいいと言っているわけです。

雇用調整助成金の経理処理について、「一般措置」と「特例措置」での経理処理方法の違いについて、参考にしていただければ幸いです。



さて、今日はこの4月から義務化される価格表示についての話です。

商品やサービスの価格には4月以降は消費税分を加えたいわゆる「総額表示」義務化されます。

消費税率を5%から8%に引き上げる前の2013年10月に施行された条件付きで税抜き価格での表示を認める特例は2021年3月で失効し、4月1日からは本体価格に消費税分を加えた「総額表示」が義務づけられます。


「総額表示」とは、たとえば、現在「税抜き価格+税」という形式で表示している場合、4月からは税込みの価格を示す必要があります。この総額表示の義務化は値札や陳列棚だけでなく、折り込みチラシやホームページも対象になります。

もし対応していないのでしたら4月1日に向けて早急に対応が必要となります。

では、具体的にどのような表示が「総額表示」とされるのでしょうか。

総額表示として認められるものとしては具体的には以下のような価格表示の仕方です。

11,000円(税込)

11,000円(うち消費税1,000円)

11,000円(税抜き価格10,000円)

10,000円(税込み価格11,000円)

11,000円(税抜き価格10,000円、消費税1,000円)

一方で、認められない価格表示はどういったものでしょうか。

10,000円(税抜)

10,000円(本体価格)

10,000円+税

また、総額表示が求められていないものもあります。次のようなものです。

・取引に際して相手方に交付する請求書、領収書等

・専ら他の事業者に対する客観的に見て事業のようにしか供されないような商品の販売またはサービスの提供

・そもそも価格を表示していない場合

・希望小売価格

・値引き販売の際に行われる「〇割引」「〇円引き」

この総額表示の義務化は、消費者にとっては実際に支払う価格が一目で分かるようにするための措置です。価格表示が広く一般を対象に行っているものについては、全般的に再度、確認をしてみましょう。



今日は確定申告の話です。今年は特に、コロナ関係の医療費控除の話があると思います。いくつかみていきましょう。

まず、マスクの購入費用は医療費控除の対象になるのでしょうか

これについては、国税庁の公表しているFAQに出ています。

私は、新型コロナウイルス感染症を予防するために、マスクを購入しましたが、この購入費用は、確定申告において医療費控除の対象となりますか。

「医療費控除の対象となる医療費は、

 ① 医師等による診療や治療のために支払った費用

 ② 治療や療養に必要な医薬品の購入費用

などとされています

ご質問のマスクについては、病気の感染予防を目的に着用するものであり、その購入費用はこれら①②のいずれの費用にも該当しないため、医療費控除の対象となりません

ということで、マスク購入費は医療費控除の対象にはなりません。

国税庁のFAQには書いていませんが、例えばアルコール消毒液なども対象外となってきます。感染予防であるためです。「治療」なのか「予防」なのかで考えれば判断できると思います。

次にPCR検査費用はどうでしょうか。

これも国税庁のFAQに載っていますので見ていきましょう。

私は、先日、新型コロナウイルス感染症のPCR検査を受けましたが、この検査費用は確定申告において医療費控除の対象となりますか。

「医療費控除の対象となる医療費は、

 ① 医師等による診療や治療のために支払った費用

 ② 治療や療養に必要な医薬品の購入費用

などとされています

【①:医師等の判断によりPCR検査を受けた場合】

新型コロナウイルス感染症にかかっている疑いのある方に対して行うPCR検査など、医師等の判断により受けたPCR検査の検査費用は、上記の費用に該当するため、 医療費控除の対象となります。

ただし、医療費控除の対象となる金額は、自己負担部分に限りますので、公費負担より行われる部分の金額については、医療費控除の対象とはなりません。

【②:上記①以外の場合(自己の判断によりPCR検査を受けた場合)】

単に感染していないことを明らかにする目的で受けるPCR検査など、自己の判断により受けたPCR検査の検査費用は、上記のいずれの費用にも該当しないため、医療費控除の対象となりません。

ただし、PCR検査の結果、「陽性」であることが判明し、引き続き治療を行った場合には、その検査は、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、 その場合の検査費用については、医療費控除の対象となります

PCR検査費用の考え方は健康診断費用の考え方と同じです

まず、医師の判断による検査は医療行為の一環なのでPCR検査費用は医療費控除の対象です。当たり前ですが、PCR検査費用が公費によって賄われているのであればそもそも自己負担がないので医療費控除の対象にはなりません。

一方で、医師の判断とは関係なく行ったPCR検査は原則、対象外ですが、検査の結果、陽性でその後、治療することになったらPCR検査費用も医療費控除の対象になります。

つまり、PCR検査の結果、陰性だった場合には、そのかかった費用は医療費控除の対象にはならないということになります。

この特に後段の方のPCR検査費用の考え方は健康診断費用と同じです。

健康診断費用も原則は対象外ですが、検査の結果、異状が見つかって治療を行った場合には健康診断費用も医療費控除の対象になります。基本的にはこの考え方をそのまま踏襲しているわけです。

また、国税庁のFAQにはオンライン診療に係る部分も書かれています。

オンライン診療にかかった費用は医療費控除の対象になります。ただし、医薬品の配送料は対象外となりますので注意が必要です。

ということで、今日はコロナ関連の医療費控除として国税庁のFAQに紹介されているものをみてみました。

介護事業所経営者の経営ハンドブック


さて、今日は最近の行政手続きの話です。印鑑が不要になっているという話です。

河野行政改革担当大臣が行政手続きに必要とされる印鑑を廃止すると発表したことは大きく報道されたのでご存じの方も多いと思います。

「認め印」すべて廃止しオンライン化へ 河野規制改革相 | NHKニュース

実際、行政上の手続きがどうなったかというと、かなりの部分で印鑑が必要なくなっています。

税務関係でいえば、ほとんどの書類で印鑑が必要ないことになっています。「施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととする。」(国税庁HPより)とあることから、たとえば、確定申告書も用紙上では印鑑の欄はあるのですが、印鑑を押してなくても問題はないこととされています。

また、社会保険関係の書類や助成金の書類などは最新の用紙のフォーマット自体が変更されており、そこには印鑑を押す場所自体がなくなってきています。書類の書式自体を変更して印鑑の捺印が必要ないようにしているわけです。各種助成金の書類もほとんどが印鑑が必要なくなっています。助成金関係の書類は2020年12月の日付で更新になっているものが多いようで、最新書式だと印鑑の欄がありません。ある助成金の書類を作っていたところ、2021年2月更新という書類もありました。いずれにしても、社会保険の届け出や助成金などではかなりの部分で印鑑を不要にしています。

こうなってくると、逆に印鑑が必要な書類は何かという感じで考えた方がいいのかもしれません。

税務関係でいうと国税庁のHPには以下のように記載されています。

提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除き、押印を要しないこととするほか、所要の措置を講ずる。

(1) 担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類

(2) 相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類

また、社会保険の届け出の関係では、印鑑ではなく、書類の添付が省略されることになったものがあります。以下は日本年金機構のHPからの抜粋です。

下記の表の項番1~4に該当する場合に、届出の事実関係を確認する書類として添付を求めていた「賃金台帳の写し及び出勤簿の写し」(被保険者が法人の役員である場合は、取締役会の議事録等)の確認書類について、今後は、事業所調査実施時に確認を行わせていただくため、届出時の添付が不要となりました。

<確認書類の添付が不要となる対象届書及びケース>

項番 届書名称 添付を求めていたケース
1 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 厚生年金保険70歳以上被用者該当届 資格取得年月日が、届書の受付年月日から60日以上遡る場合
2 健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届 厚生年金保険70歳以上被用者不該当届 資格喪失年月日が、届書の受付年月日から60日以上遡る場合
3 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届 厚生年金保険70歳以上被用者月額変更届 改定年月の初日(1日)が、届書の受付年月日から60日以上遡る場合
4 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届 厚生年金保険70歳以上被用者月額変更届 改定後の標準報酬月額が、従前の標準報酬月額から5等級以上引き下がる場合

※上記の届書の該当ケース以外は、引き続き届出時の確認書類の添付が必要となります。

それから、こうした印鑑不要や書類の添付の省略化という動きは主には国のかかわる部分の書類です。東京都の助成金などは書類の変更はなく、印鑑の捺印があったころの国以上に印鑑の捺印を求めていたりしています。国以外の届け出は各自治体の動きを確認する必要があるでしょう。

助成金の書類などは私も実際に書類を作成していって印鑑が不要になったことを知ったというのが実際です。どの書類が印鑑が不要になったのか、書類の添付が不要になったのか、というのは、自分で判断せず、逐一、HPなどで確認した方がいいでしょう

印鑑や書類の添付が省略されるのは手続きする際には大変助かる話だと思いますが、印鑑や書類の添付が不要になったからこそより慎重に手続きをする必要があると思います。

ということで、今日は最近の行政手続きの簡略化という話でした。

介護事業所経営者の経営ハンドブック


さて、今日は確定申告の話です。確定申告で最も多い項目の一つである医療費控除についてです。

医療費控除とは、 その年の1月1日から12月31日までの間に自分自身かあるいは、自分自身と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合にその支払った医療費が一定額を超えるときに受けることのできる控除です。

医療費控除の金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。
 (実際に支払った医療費の合計額-(1)の金額)-(2)の金額

(1) 保険金などで補てんされる金額

(例) 生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など

(2) 10万円。ただし、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額

わかりやすくするために上記の算式のうち、医療費の合計額が10万円を超えたら控除できると簡単に説明されることもありますが、正確には上記の算式で計算します。

さて、この医療費控除ですが、今回の令和2年の確定申告からは「医療費控除の明細書」の添付が必須となります。

令和元年の確定申告までにも「医療費控除の明細書」で確定申告書を提出された方もいらっしゃると思います。経過措置で「医療費控除の明細書」ではなく、独自に集計して医療費の領収書自体を提出してもいいことになっていました。今回の令和2年の確定申告からは医療費の領収書自体は提出せず、各自で保管しておいて、その代わり「医療費控除の明細書」を添付することとなっています。

この「医療費控除の明細書」は協会けんぽや各健康保険組合から届く「医療費通知」を記載するだけでもいいとされています。ただし、この場合、「医療費通知」は9月までの明細だったりするため、明細に載っているもの以降のものはご自身で領収書等から「医療費控除の明細書」に記載する必要があります。「医療費通知」を使う場合にはその「医療費通知」がいつまでの分なのかの確認をしましょう。

また、「医療費通知」は保険診療だけです。いわゆる自費診療がある場合にはこれには含まれませんから、自費診療での医療費がある場合には、これも個別に「医療費控除の明細書」に記載するようにしましょう。

それから、医療費の領収書自体についてのことです。領収書の原本自体は提出の必要しなくていいことになりましたが、提出する必要がないというだけでご自宅等で保管しておく必要はあります。確定申告期限から5年間の保管義務がありますからその点も注意しましょう。

以上、今年から変わっている医療費控除の申告上の注意点の話でした。

介護事業所経営者の経営ハンドブック


さて、今日は昨日、国税庁から発表された緊急のお知らせです。

緊急事態宣言の延長に伴い、所得税や消費税の確定申告期限が延長されました。

国税庁の発表によると、所得税、消費税、贈与税の確定申告期限が全国一律で4月15日(木)に延長されました。

緊急事態宣言の地域になっているかどうかにかかわらず、全国一律の措置です。

また、それに伴い、振替納税が所得税は5月31日(月)、消費税は5月24日(月)になっています。

消費税のほうが振替納税が早いですから注意しましょう。

また、振替納税の届け出をしておらず、納付書で納付する場合には、申告期限と同じ4月15日が納付期限となります。

申告期限と納付期限の延期に注意しましょう!

介護事業所経営者の経営ハンドブック


さて、今日は税務関係の資料を読んでいて気になった記事を一つ取り上げたいと思います。いわゆる「実質所得者課税の原則」というものです。

実質所得者課税の原則」というのは、普段、経理とか税務とかにかかわらない方にはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、税務にかかわる人や税理士試験で法人税や所得税、相続税などを勉強したことのある方はよく聞いたことがある言葉だと思います。

実質所得者課税の原則」というのは、「誰の所得か」「誰に課税されるのか」というのは形式や名義ではなく、「実質的に誰の所得といえるのか」「実質的に課税されるべき人は誰なのか」という点から考えましょうというものです。国税側からすると水戸黄門の印籠のようなところがあって、いろんな場面で登場する考え方です。

たとえば、「名義預金」というのがあります。親のお金を子供の名義の口座に入れているというようなものです。この口座を実質的に管理しているのは親で、子供が自由に引き出して使うことができない口座だとします。そうすると、名前は確かに子供の名義であっても、それは実質的には親の口座ということになります。

親がなくなって相続が発生したときにこの「名義預金」は、「これは子供の名義の口座だから親の資産ではないから相続税の対象にはならない」とは言えなくなります。

この「実質所得者課税の原則」に関しては、裁判であったり、国税不服審判所の裁決であったり、実に様々なところで取り上げられています。ちょっといくつかみてみましょう。

 納税者の妻等名義の口座は、納税者が口座開設を行っており、証券会社の担当者も納税者の口座であると認識していること、それらの口座と納税者名義の口座間に多額の資金移動が存在することなどから、それらの口座は納税者が自己のために開設した借名口座であり、それらの口座における損益は納税者に帰属する。

借名口座による株式売買に係る所得が納税者に帰属するにもかかわらず、納税者がその株式売買に係る所得を申告しなかつた行為は国税通則法68条(重加算税)1項に規定する「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出したとき」に該当するから、重加算税の賦課決定は適法である。(判決年月日 H07-10-26 静岡地裁)

この事例は、妻の名義で夫が株を購入し、それを妻の所得として申告したのが「仮想・隠ぺい」にあたるとして重加算税の対象になっています。

納税者には実に厳しい判決です。

また、こんな例もあります。

鉄のスクラップ販売を行う法人の従業員が個人の名義でネットオークションを行って売り上げの代金を従業員個人の名義に振り込ませていたという事例です。国税庁はこれは会社の所得であるとして会社に課税されたという話です。

「会社側は、インターネットオークションによる販売業務の事業主体はその会社の従業員であるから、この販売業務に係る収益は請求人に帰属しない旨主張する。

しかしながら、①本件業務は個人名義で出品するものの会社の従業員名義であったこと、②会社の事務所において従業員が本件業務の事務及び商品の発送を行っていたこと、③会社が仕入れた商品を出品することによって収益が獲得されていたこと、④販売業務に従事する者の給与を請求人が支払っていたこと及び⑤会社の代表者は、この販売業務で収益を得ていたとの認識があったことなどの事実関係から、この業務が会社の業務の一環として行われたものとみるのが相当であり、本件業務に係る収益は会社に帰属する。」

インターネットオークションで売買しているのが従業員の名前で、従業員の個人口座に入金されていたとしてもそれは形式の話であって、実質的に会社の収入とみるべき具体的な状況があるではないかと言っています。

私の顧問先でも「契約書の名義は法人の取引だから法人の名義にしないと税務署に指摘されるのではないか」とか「使っているのは会社でも名義が違うと税務上、問題があるのではないか」とか、要するに「形式」や「名義」を皆さんが気にされているのをよく耳にします。

もちろん「形式」や「名義」も一定程度、大事ですし、気にすべきです。しかし、そうした外形上の「形式」「名義」よりも、実際には税務署は「実質的なところ」をみています。

逆に言えば、いくら「形式」や「名義」をそろえても実際のところがちがうのであればそれは意味がないという話になります。

「実質所得者課税の原則」。これは日ごろの経理処理上でも、いろいろ場面で出てくるもので、ぜひ経営者の皆さん、会社の総務経理の担当者の皆さんにはよく知っていただきたいことでもあります。参考にしていただければ幸いです。



12月から1月初めにかけて、日本海側を中心に大雪が話題となっています。私は新潟の柏崎の出身ですが、新潟でもあまり雪が多くないといわれる柏崎でも車が動けなくなるほどの雪が降ったようです。さて、今日はそうした雪害があった場合に所得税の確定申告で控除される項目があるという話です。

雑損控除の対象は以下のように書かれています。

(1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害

(2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害

(3) 害虫などの生物による異常な災害

(4) 盗難

(5) 横領

盗難や横領が入っている一方で、詐欺や恐喝の場合には雑損控除の対象にはなりませんのでその点は留意が必要です。(これは詐欺や恐喝は本人にも問題があったためというような解釈がされているようですがここでは解説はしません)

さて、このうち、(1)に「雪害」というのがあります。

「雪害」とは具体的には雪で家の一部が損壊したり、車庫がつぶれたり、物が壊れたりというものです。今回の雪でこのような物損があった場合には雑損控除の対象となります。

また、雑損控除にはこうした「物損」のほかにも「災害関連支出の金額」というのも対象となります。

災害関連支出の金額」とは、「災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために支出した金額」などと国税庁のHPでは説明されています。要するに直接的な損失額ではないものの、その損失に関連した支出ということです。

この「災害関連支出」で「雪害」にかかるものをもう少し詳しく見ていきましょう。

長野県の信濃町のHPに雪下ろし等費用の具体的範囲として次のような記述があります。

人夫賃:雪下ろし等のために雇用した者(生計を一にしている親族及び同一家屋内で生活している親族を除く)に支払った賃金(日当、時間給又は請負金額)、旅費、除雪用具等の借損料、食事費用等

除雪機械等の借上料:雪下ろし等のための機械類(ブルトーザー、パワーショベル等)や運搬車輌(ダンプ式貨物自動車等)の借上料、借主が負担した燃料費(自己所有の機械等の燃料費を含む)

町内会等が行った雪下ろし等の分担金:個人の屋根の雪下ろし等を町内会等が行い、その費用を当該個人が分担した場合の分担金

専ら雪下ろし等に使用され、かつ、一冬限りで消費し尽くされる消耗品:雪下ろし用スコップ、雪下ろし用ビニール製波板、雪運搬用そり(スノーダンプ)など

防護さく(雪囲い):切迫している被害の発生を防止するための応急措置に係る防護さく等の設置費用で、その費用の支出の効果がその災害による被害の発生を防止することのみに寄与するもの(被害発生の緊急性が止んだ後には、その支出の効果が残らないもの)

雪下ろしのためのスコップ、雪囲いの費用といったものも「災害関連支出」として対象になるといっています。このHPはかなり具体的に書かれており、参考になりますね。

さて、雑損控除の対象となるものがあった場合、ではいくらを雑損控除として計上していくかという部分です。これも国税庁のHPを抜粋しますと、次のように書かれています。

次の2つのうちいずれか多い方の金額が、雑損控除となる。

 (1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%

 (2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5 万円

(注) 損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3 年間が 限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができる。なお、雑損控除は他 の所得控除に先だって控除することとなっている。

簡単に整理すると、雑損控除にはさきほど書きました通り、「物損」と「災害関連支出」があるわけです。その「物損」のほうは「実際の損失額」が所得の10%を超える場合に控除できるといっています。これは上記の(1)の話です。

もう一方の「災害関連支出」は5万円を超える部分を控除できるといっています。これが(2)の話です。

(1)と(2)の大きい金額が雑損控除の対象となる金額となります。

雪下ろしの費用は「災害関連支出」ですから、その費用が5万円を超えたら控除できることになります。(2)のほうは所得の金額にかかわらず控除の対象となる点が特徴的なところです。

さて、今回の大雪は年末から年始にかけての大雪でした。つまり、令和2年と令和3年にまたがっているわけです。では、確定申告では令和2年の分と令和3年の分を分けなければいけないのでしょうか?

これについては、所得税法の基本通達72-5というところに次のような記述があります

当該支出をした金額はその支出をした日の属する年分の法第72条第1項に規定する損失の金額となるのであるが、その年1月1日から3月15日までの間に支出をした金額については、その支出をした日の属する年の前年分(災害等のあった日の属する年以後の年分に限る。)の同項に規定する損失の金額として確定申告を行っている場合は、これを認めるものとする。

(注) 当該確定申告を行っている場合には、その支出をした金額は、その支出をした日の属する年分の当該損失の金額に含まれないことに留意する。

何を言っているのかというと、1月1日から3月15日に支出した災害関連支出は確定申告に入れていいと言っているわけです。今回の確定申告であれば   、支出が令和3年1月1日から3月15日に支出した災害関連支出であっても、令和2年の確定申告で災害関連支出として入れて計算してもいいと言っているわけです。

そして、(注)のところに書かれているのは、「1月1日から3月15日に支出した災害関連支出は対象にはなりますが、その間にすでに確定申告書を出してしまってそのあとに災害関連支出があっても残念ながらそれは入れることはできません」と言っています。

還付申告だったりすると、1月1日から提出はできます。しかし、災害関連支出がある可能性があるのだったら確定申告書の提出を少し待ってみるというのも頭に置いておいたほうがよさそうです。

年明けから雪害がひどくなってきたので日本海側の地域ではこうした規定も使える可能性があるということをぜひ、知っておきましょう。


1 2 3 10