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Category Archives: 税務関連

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今年の確定申告は、3月14日・15日という申告期限間際にe-taxが通信障害で申告できない状態が続き、電子申告ができないというハプニングがありました。「申告はどうすればいいんだろう」と不安に思った方も多いと思います。

さて、その通信障害があった方で、65万円の控除を受ける場合の話を今日はしていこうと思います。

 

事業所得や不動産所得などで青色申告特別控除の65万円の控除を受ける場合、電子申告していることが要件となっています。

そのため、通信障害があって電子申告できないと、この65万円の控除が受けられるのかという疑問があります。

 

国税庁は当初、「先般発生したe-Taxの接続障害が原因で、3月15日までに書面で申告書を提出した場合、令和3年分の所得税について65万円の青色申告特別控除の適用を受けるためには、申告書に「e-Taxの障害による申告・納付期限の延長申請」である旨を記載し、改めてe-Taxで提出する必要がありますのでご注意ください。」とコメントを出していました。

期限が3月15日なので、慌てて紙で出した場合には、改めてe-taxで申告が必要となっているわけです。

 

ですが、接続障害があったケースでも様々な対応方法があります。しかし、これらの対応方法によって損得が出てしまうのもおかしな話です。そこで、国税庁はその後、接続障害に対しての対応方法によってその後の対応の仕方が異なることをお知らせとして出しています。

 

まず、接続障害があったため、申告自体を3月15日までにしなかった方は、ある意味、一番単純です。申告書に「e-Tax の障害による申告・納付期限 の延長申請と記載して4月15日までにe-taxで申告すればいいです。これは一番シンプルです。

 

次に、紙で出す場合、青色申告特別控除は65万円ではなく55万円となります。そのため、慌てて紙で出した方で多くの方は65万円の控除を取らずに55万円の控除として申告書を出しているケースも考えられます。

この場合は、改めてe-taxで申告すれば65万円の控除を受けることができます。紙で出していてもあとからe-taxをすればいいのです。これに該当する方は、申告書には「e-Tax の障害による申告・納付期限 の延長申請」と記載して4月15日までに改めてe-taxで申告するようにしましょう。

 

また、国税庁は「令和 4 年 3 月 14 日(月)又は 15 日(火)に、65 万円の青色申告特別控除を適用する申告書を e-Tax で提出しようとしたものの、今回の接続障害のために、当該申告書 (65 万円の青色申告特別控除を適用する申告書)を書面に印刷して提出した方は、改めて当該申告書を e-Tax で再提出していただく必要はありません。」と案内を出しています。紙で出したがその青色申告特別控除は65万円と記載して出したというケースです。この場合にはあとからe-taxの申告をする等のことはしなくていいというわけです。結果、このケースでは何もしなくていいと言っています。

 

接続障害があってご自身がどれを選択したのかによって、事後の対応方法は異なります。ご自身がどれに当てはまるのか、今一度確認してみてください。



さて、本日付で国税庁からコロナ特例を使って振替納税をした場合の振替納税の日時が発表されました。

 

このコロナ特例の申告期限の延長というのは、新型コロナウイルス感染症の影響で期限内の所得税等の確定申告が困難である場合のみに使える申告・納付期限の延長措置のことです。具体的には「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と申告書の上部に記載することでこの延長措置が受けられます

 

通常の申告期限は昨日、3月15日でしたが、その期限までにコロナの影響で申告書が出せなかった方はこの特例を使うことで申告と納付が猶予されます。

詳しくは私の以前のブログ記事を参照してください。

 

https://vanguardwan.com/blog/%e4%bb%8a%e5%b9%b4%e3%82%82%e7%a2%ba%e5%ae%9a%e7%94%b3%e5%91%8a%e6%9c%9f%e9%99%90%e3%81%8c4%e6%9c%8815%e6%97%a5%e3%81%ab%e5%bb%b6%e9%95%b7

 

さて、今日、国税庁から発表されたのはこのコロナの特例を使って申告・納付を延長した場合の振替納税の取り扱いです。

 

通常の申告期限で納付した場合、今年は所得税は4月21日、消費税は4月26日に口座振替になります。

 

これに対してコロナ特例を使って、3月16日から4月15日に申告(消費税については4月1日から4月15日に申告)した場合には、振替納税される日は次のようになります。

所得税 5月31日

消費税 5月26日

 

消費税の方が早い日程になっていますので気を付けましょう。

 

現在、国税の納付方法は実に7種類もあります。(これについてはまた別の機会にこのブログで触れていきます)振替納税もその一つにすぎませんが、所得税や個人事業者の消費税は振替納税を利用されているケースが多いです。日程に気を付けましょう。



さて、私も確定申告作業に追われ、ブログの更新がままなりませんでした。久しぶりの更新です。

 

急遽、申告にかかわる話なのでブログを更新いたします。

3月14日から断続的にe-taxでの申告が通信障害によってできない状況が続いています。

国税庁は急遽、通信障害の場合のe-taxの申告方法について発表しております。

 

e-tax申告の際に、「特記事項」の欄に「e-taxの障害による申告・納付期限延長申請」と記入すれば、申告書の提出日は3月15日とみなされることになっています。

 

これは所得税のほか、贈与税についても同様です。

(消費税については申告期限が3月31日なのでこの通信障害の特例についての記述はないようです)

 

また、紙で申告書を提出する場合についても、申告書の第1表の上部にe-taxの障害による申告・納付期限延長申請」と記入して申告書を提出すればいいことになっています

 

通信障害で申告ができなかった方はe-tax、紙の申告、いずれの場合にも忘れずに対応するようにしましょう。

 

また、電子申告することで青色申告の者が65万円の控除を受ける場合について、次のように書かれています。

電子申告により65万円の青色申告特別控除の適用を受ける場合は、書面の提出はせず、個別の申告期限を延長して、後日、e-Taxにより電子申告をしてください。

慌てて書面で提出することはせず、「e-taxの障害による~」と書いて対応するようにしましょう。

 

また、慌てて紙で出してしまった方については、税務署に聞いてみたうえで改めて上記の方法で電子申告する等、落ち着いて対応してはいかがかと思います。

 

申告期限の日に通信障害が起こるというのは、いまだかつてないことです。ですが、対応方法はありますので慌てずに対処しましょう。



巷では新型コロナウィルスのことが毎日、報道されています。こうしたことを受け、国税庁は、新型コロナウイ ルス感染症の影響により申告等が困難な方については、令和4年4月 15 日までの間、簡易な方法により申告・納付期限の延長ができるようになりました。

 

オミクロン株の影響で、かなりの数の方が感染したり、濃厚接触者となり自宅待機を余儀なくされることが予想されます。こうしたことを受け、国税庁は2月3日付で、確定申告の2月16日から3月15日の間に申告することが困難となる納税者を対象に申告期限を4月15日まで延長することとしました。

 

では、確定申告を3月16日以降にする場合、具体的にはどうすればいいのでしょうか。

 

具体的には、申告書の余白等に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限の延長申請」と申告書に記載するだけでいいことになっています。この措置は昨年もありました。今年も同様にこの取り扱いとなります。

 

この方法による場合の注意点は次のようなものです。

申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限の延長申請」と書くだけなので、申告の延長申請の申請書を別に作る必要はない。

e-taxでの申告の場合、「送信準備」画面の「特記事項」欄に、 「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と入力する。

〇この申告期限の延長は所得税だけでなく、消費税や贈与税も同様に延長できる。

〇e-taxで消費税の申告をする場合、「納税地等入力」画面の「納税地情報」欄の「建物名・号室」部分に、 「(新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請)」と入力する。

 

e-taxによる申告の場合、記載の方法を注意して申告する必要がありそうです。

 

また、この規定を使って申告する場合、納税の仕方には注意が必要です。

令和4年4月 15 日(金)までの簡易な方法により申告と同時に延長を申し出た場合 は、原則として、申告書を提出した日が申告・納付期限となります。つまり、申告書を出したその日が納付期限となります。先に納付を済ませてから申告するといったような形を考えておく必要があります。

 

また、振替納税を使っている場合、振替納税が通常通り使えなくなります。これについては、国税庁のQ&Aには「振替納税を利用されている方の振替日については、別途お知らせします。」とあるので、別途、振替納税の日が定められる可能性もあります。これから情報が出されると思われますので確認が必要でしょう。

 

また、4月 16 日(土)以降も新型コロナウイルス感染症の影響が続き、申告等ができなかった場合も考えられます。その場合には、現在もある「災害等による延長申請書」というのを提出することで延長していくことになります。この申請は申告等ができるようになった日から2か月以内に「延長申請書」を所轄の税務署に提出して、延長される日の指定を受けます。税務署が指定した日が申告・納付期限となります。

 

それから、この措置は所得税や個人の消費税、贈与税といった今回の確定申告の話なわけですが、国税庁のQ&Aによると

法人税や相続税といったその他の税目についても、新型コロナウイルス感染症の影響 により期限までに申告・納付等が困難な方もおられると考えられ、そのような方につい ては申告書の余白に所定の文言を記載いただく等の簡易な方法による延長が認められます

とあることから、法人税や相続税についても、同じ措置が取れるようです。

 

いずれにしても、コロナの影響で確定申告ができない場合、簡易な方法での申告期限の延長ができるということを知っておいていただければと思います。

 

以上、今日は確定申告期限の延長の話でした。



先日、会計検査院の調べで個人の方が倒産防止共済を経費にあげている場合に必要な書類が添付されていない申告書が多く見受けられたという指摘がありました。

 

中小企業倒産防止共済とは何なのか。倒産防止共済を運営する中小企業基盤整備機構のサイトには次のように書かれています。

取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れでき、掛金は損金または必要経費に算入できる税制優遇も受けられます。

 

また、「掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選べ、増額・減額できます。また確定申告の際、掛金を損金(法人の場合)、または必要経費(個人事業主の場合)に算入できるので、節税効果があります。」ということも書かれています。

倒産防止共済に加入する多くの事業者はこの節税効果を狙って加入するケースが多いと思います。それから次の点も特徴的です。

共済契約を解約された場合は、解約手当金を受け取れます。自己都合の解約であっても、掛金を12か月以上納めていれば掛金総額の8割以上が戻り、40か月以上納めていれば、掛金全額が戻ります(12か月未満は掛け捨てとなります)。」

 

さて、上記の節税効果の話ですが、倒産防止共済は何もしなくても支払ったものが全額、必要経費(法人の場合には損金)になるわけではありません。

 

個人事業主の方が掛金を必要経費として算入するには、任意の用紙で『中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書』を作成し、確定申告書に添付してはじめて必要経費に計上できます。また、法人の場合には「別表十(七)」のうち「3 特定の基金に対する負担金等の損金算入に関する明細書」の項目に必要事項を記載したものを提出して初めて損金算入できます

 

倒産防止共済は原則は支払った金額は「積立金」です。支払った金額を必要経費(損金)とするのは、あくまでも特例的な取り扱いというのが税務の立場です。

 

さて、この個人の方の場合の『中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書』を作成し、確定申告書に添付というのができていないと会計検査院から指摘があったというわけです。会計検査院というのは税金の使い方や処理が正しく行われているかをチェックする役所です。そこから指摘を受けたわけです。

2018年の個人事業主の倒産防止共済の状況を調べたところ、「抽出した1567加入者のうち6割近くで、優遇時に必要な明細書の確認ができなかった」とあります。

また、倒産防止共済を解約した場合には収入計上する必要があるわけですが、それについても「任意解約時に受け取った返戻金を収入として計上する必要があるのに、2016年から18年の解約者464人のうち4割で収入計上が確認できなかった」とあります。

 

私が気になるのはこのように倒産防止共済をめぐる経理処理がきちんとなされていないと会計検査院が指摘したということは、今後、税務調査などを通じてこの点を厳しく見られるのではないかということです。せっかく倒産防止共済に加入して節税を図ったつもりだったのに「必要な書類が出ていないから経費計上できない」といわれる可能性があるわけです。会計検査院からの指摘があると、それを受けて税制も変わったりすることがよくあります。この倒産防止共済の場合、すでに制度としてあるのにきちんと運用されていないという話なので、税務署が明細書の添付の有無の確認が厳しくなる、もしくは税務調査での指摘が増えるのではないかということです。

 

特に個人事業者の場合、必要書類を添付しないと必要経費に算入できないという点は知らない方も多いと思います。税理士がついていても忘れてしまうケースも多いと思います。

もしこれまで添付していなかったという事業者の皆さんがいらっしゃいましたら、気を付けましょう。

 

ということで、今日は倒産防止共済に加入した場合の添付書類の話でした。

 



さて、今日から何回かに分けてインボイス制度の話をしていこうと思います。

税理士の間では、消費税法施行以来の大改革とかなり前から大きな話題になっていますが、巷ではインボイスといってもピンとこない方が多いようです。今日はその概要だけ説明したいと思います。

 

会計ソフトを手掛ける弥生会計が調査したところによると、全国の個人事業者や従業員数30人以下の小規模事業者に「インボイス制度のことを知っているか」を調査したところ、全体の約8割の方がインボイス制度について「全く知らない、聞いたことがない」と答えたそうです。

我々税理士からすると、これだけの大改正についてほとんどの事業者が知らないとは・・・と愕然とするアンケート結果です。

 

ニュースを見てもコロナ、総裁選など、今目の前にあるようなテーマが多く、インボイスや来年から導入される領収書や請求書の電子保存の話など、差し当たって影響がない話はあまり報道されないように思います。インボイス制度にしても電子保存の話にしても会計や税務処理にかかわる大きな話題なのですが、こうした報道の状況もあり、事業者の間ではほとんど知らないというところが実態のようです。

このブログでは、まずはインボイス制度の話を書いていこうと思います。その次に電子保存の話を書いていきます。よく知らないという事業者の皆さんはこのブログを通して参考にしていただければと思います。

 

さて、今日はインボイスの話の概略です。

 

インボイス制度とはなんでしょうか?

大きくは二つあります。

一つは、事業を営んでいる中小企業や個人事業者は、税務署に登録申請をしてもらった「登録番号」を領収書や請求書に記載しないといけなくなるということです。

この登録申請が実は、令和3年10月1日から始まっているわけです。あまり報道されないのですが、この10月1日から始まっているんです。

 

そして、この登録番号の書かれた領収書や請求書のことを「インボイス」(適格請求書等)と呼ぶわけです。

 

では、このインボイスを発行するのはどういう意味があるのかということです。

消費税というのは売り上げなどで預かった消費税からいろいろな経費等の支払いの際に支払う消費税の差額を事業者が納付するという基本的な仕組みがあります。この支払った消費税のことを「仕入税額控除」と呼びます。この仕入税額控除ができるのが、インボイスが書かれた領収書や請求書をもらっている場合に限ることにするというのがインボイス制度の概要です。

 

この「インボイス」(適格請求書等)は次のような項目の記載がされていないといけません。

  • インボイスの発行事業者の名前
  • 登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容
  • 消費税率・消費税額
  • 相手方の名前

 

このうち②の登録番号は税務署に届け出をして番号をもらいます。登録番号は頭にTがついてそのあとは13桁の数字が続きます。法人の場合には、Tのあとはすでにある法人番号が入ります。個人の場合にはTの後の番号は新たに税務署から付与されます。

この登録が税務署に届け出しないともらえないわけです。

 

ポイントの二つ目は、インボイスの登録は課税事業者でないと登録できません。逆に言えば、インボイスの登録をするということは自動的に課税事業者となります

 

最近、ネットの記事でもよく見られますが、たとえばウーバーイーツの配達員や個人タクシーの運転手など、現状、消費税の免税事業者になっている個人は売り上げの相手方が会社などの事業者が多い場合、インボイスの登録をして課税事業者になることを選択しないといけない人も出てくるのではないかということがあります。たとえば、副業でやっている個人事業者は売り上げの相手先が個人ではなく、事業者の場合、その事業者が仕入税額控除できなくなることからインボイスの登録を迫られることが想定されます。

 

このように現状で、年間の売上が1000万円未満で免税事業者である人が、取引先との関係でインボイスの登録をしないといけなくなる場合、今まで納付していなかった消費税を納付しないといけなくなるわけです。

これが二つ目のポイントです。

 

インボイスの登録は令和3年10月1日から始まりましたが、実際のインボイスの導入は令和5年10月1日からとなります。まだ実際の導入までは2年くらいは時間がありますからその間にいろいろと準備していく必要があるわけです。

 

ということで、今日はまずはインボイス制度の概要についての話でした。



さて、今日は11月まで延長が決まった雇用調整助成金の特例措置の話です。

 

雇用調整助成金の特例とは何か、11月まで延長されたというのは何のことか、というのは以前の私のブログを参考にしてみてください。

雇用調整助成金は11月まで延期、月次支援金はどうなる?

 

今日は経理処理の話です。

 

雇用調整助成金の経理処理は二つあります。

以前の私のブログにも書いてあります。

 

雇用調整助成金はいつ収入に計上すべきなの?

上記の内容は根拠も示していて少し長くて読みづらいとお感じになるかたもいらっしゃると思います。結論だけ簡単に書きますと、次のようになります。

 

雇用調整助成金の原則を使っている場合(計画書を提出して休業する取り扱いをしている場合)・・・入金がなくても休業手当を支給した年度で収入計上

 

雇用調整助成金の特例措置を使っている場合(事前に休業の計画書を出したりしていない場合)・・・支給決定があった年度で収入計上

 

雇用保険の助成金については原則はこの特例措置のように「支給決定があった年度」で収入にあげます。雇用調整助成金の原則的な場合のように事前に計画書を出すような助成金は例外的に費用と収入を同じ年度に対応させるといっているわけです。

 

この収入と費用を対応させる取り扱いについては、法基通2-1-42というところに書いてあって、税理士の先生でも勘違いされている方が多くいらっしゃるように聞いています。

今回、多くの会社で使っている雇用調整助成金の特例措置は、決定があった年でいいという点、今一度、確認しておきましょう。

 

以上、今日は雇用調整助成金の収入計上時期の話でした。



さて、今日は前回と引き続きで見ていただければと思うテーマです。前回は社会保険の扶養という話をしました。どこからが社会保険の扶養になるのかという話を書いていきました。

今回は税務の方での扶養、「生計を一にする」という考え方を書いていきたいと思います。

税務では扶養親族になるかどうかというのを「生計を一にする」という言葉で表現します。では、この「生計を一にする」というのは具体的には何を意味するのでしょうか。

所得税法の基本通達という中で、「生計を一にする」というものの意味を次のように書いています。

法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。

(1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。

イ当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合

ロこれらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合

(2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。

社会保険では扶養親族かどうかは原則としては3親等内の親族としつつ、「同一世帯」というもので規定しています。これに対して、税務の扶養は「生計を一」というもので規定しています。まずは社会保険と税務に共通していえるのは、扶養というのは「同居」が要件ではないということです。

ただ、税務の方の「生計を一」は上記の通達の(2)で「親族が同一の家屋に起居している場合には、(略)生計を一にする」とあるので、同じ家に住んでいれば原則的には「生計を一」と考えていいようです。ただ、上記の通達の(2)にも書かれている通り、「明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き」とあるので、明らかに別生計の場合には扶養にはならないとされています。これは社会保険の方も同じです。「被保険者と住居および家計を共同にすること」に該当していても、生活費の支援がない場合には扶養にはならないとされています。この辺はおおむね共通する点です。

そして、税務の方が難しいのは、上記の通達の(1)です。これは、「同居」でない場合を書いています。同居でない場合には、二つあるとしています。

一つは、単身赴任のお父さんや大学に通っているお子さんなどのことです。お盆やたまの休みに帰ってくるような関係なら、扶養だと言っています。

もう一つは、生活費や学費などのお金を送金していることといっています。

この二つの要件が両方必要な要件なのか、片方だけ当てはまればいいのか、ここがこの通達だけだと読み取れないわけです

たとえば、単身赴任のお父さんがいて休みの日には帰ってきます。自宅にいる奥さんはご自身がパートで働いている収入で家計は賄っているため、送金をしてもらったりはしていないとします。そうすると、最初の要件には当てはまるのですが、二つ目の要件には該当しないので、この場合は扶養にはならないということになります。

では、このケースではどうでしょうか。

田舎に高齢のお母さんがいらっしゃいます。息子さんは東京に住んでいます。この息子さんはお母さんに毎月、一定額のお金を送金しています。つまり要件の二つ目には該当しています。しかし、普段、お母さんの所へ行ったりということはほとんどしません。お母さんも息子さんに会いに行ったりすることはありません。この場合、要件の一つ目には該当しません。では、このケースでは扶養ではないという話になるのでしょうか?

単身赴任のお父さんと奥さんの関係にしても、送金はしてもらっていなくても実際にはその家はお父さんの名義の家で、たまたま今は奥さんのパート収入で家計を賄っているということだったら、扶養の関係といってもいいのではないでしょうか。また、二つ目の例として挙げたお母さんと息子さんの関係も、あってはいなくても経済的に息子さんが支えているのなら扶養といってもよさそうですよね?

国税庁のHPでは「生計を一にする」という言葉について、次のように記述しています。「日常の生活の資を共にすることをいいます。
会社員、公務員などが勤務の都合により家族と別居している又は親族が修学、療養などのために別居している場合でも、生活費、学資金又は療養費などを常に送金しているときや、日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にしているときは、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

つまり、お金の送金の有無とたまに一緒に生活することの両方がないと扶養にならないというわけではない(どちらかが当てはまればいい)という趣旨のことを言っているようです。

ここは、税理士によっても解釈が分かれるところのようですので、このブログではこれくらいにしておきますが、税務の扶養は特に「別居」の場合、解釈が難しいというところです。。

前回のブログと合わせて、社会保険や税務の扶養というのを整理してみると、社会保険も税務も扶養の考え方はほぼイコールではあるものの、たとえば、同居していないケースなどで考え方に少し違いがあるというくらいの整理でいいのかと思います。

同居でない場合、扶養に入れられるか入れられないかは、よく検討した方がいいでしょう。

ということで、今日は税務の方の「扶養」の話を通じて、社会保険と税務の扶養の違いについての話でした。



さて、今日は税制改正でこの4月1日から変わったという話です。

印鑑廃止の話です。

印鑑をなくそうというのは河野行政改革担当大臣が2020年11月13日に記者会見で発表しています。

河野行革相「行政手続きの99%以上で押印を廃止」と発表 – Digital Workstyle College

それを受けて、この4月1日から、税務関係書類については原則、印鑑を捺印する義務を廃止しました。

国税庁のHPでは、HP上に計算している申告書等について、原則、押印欄のない書式を載せています。また、以前に配布されている押印欄のある書類についても、印鑑を捺印しないで提出してもいいことになっています

もちろん、任意で捺印してもかまいませんが、印鑑がないことで提出が受理されないことは原則はないことになります。

逆に、印鑑が必要な書類は何なのかという話になります。

これは、「振替納税」や「ダイレクト納付利用届」になります。

これらは直接、納税にかかわるものなので、金融機関からの求めもあり、引き続き印鑑(銀行印)が必要となります。

そもそも税務書類は電子申告が原則となってきています。電子申告も含め、税務書類の提出を検討してみてはいかがかと思います。



新型コロナウィルスの影響が出て1年以上がたちます。この間にいろいろなことが大きく変わりました。その中の一つといっていいのが、雇用調整助成金です。この雇用調整助成金ですが、いつ収入計上すべきなのかが一つ、問題としてあります。今日はこのテーマについてみていこうと思います。

国税庁は令和3年3月26日に、新型コロナウィルス感染症に影響のある税務上の取り扱いについて、FAQを更新しています。この中で「雇用調整助成金」の経理処理について触れています。

従来の解釈については、以前の私のブログにも書いてありますので参照してみてください。↓

これは従来からの助成金全般についての解釈を書きました。要するに、助成金の収入計上時期は次の二つに分かれるといっています

  • 交付決定された期
  • 経費の補填の目的だったら経費を支出した期

雇用調整助成金については、原則として②と解釈されるというわけです。

さて、その雇用調整助成金の収入計上時期の解釈について、今回のFAQでは、もう少し踏み込んで、次のように書いています。

私は個人事業を営んでおり、新型コロナウイルス感染症等の影響に伴い、この事業に関して国や地方公共団体から助成金等の支給を受けました。この助成金等はいつの年分の収入金額として申告する必要がありますか。  

【基本的な考え方】

所得税の所得金額の計算上、ある収入の収入計上時期については、原則として、その収入すべき権利が確定した日の属する年分となります。
 ご質問の助成金等については、国や地方公共団体により助成金等の支給が決定された日に、収入すべき権利が確定すると考えられますので、原則として、その助成金等の支給決定がされた日の属する年分の収入金額として計上することとなります。

【特定の支出を補填するもの】

ただし、その助成金等が、経費を補填するために法令の規定等に基づき交付されるものであり、あらかじめその交付を受けるために必要な手続(※)をしている場合には、その経費が発生した年分に助成金等の交付決定がされていないとしても、その経費と助成金等の収入が対応するように、その助成金等の収入計上時期はその経費が発生した日の属する年分として取り扱うこととしています。

※ 必要な手続とは、例えば、休業手当について雇用調整助成金を受けるための事前の休業等計画届の提出などが該当しますが、新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置により、事前の休業等計画届の提出は不要とされています。その場合の雇用調整助成金の収入計上時期は、原則として、交付決定日の属する年分となります。
 ただし、事前の休業等計画届の提出が不要の場合であっても、交付申請を行っており、交付を受けることの確実性が認められ、経費が発生した日の属する年分において収入計上しているときには、その処理は認められると考えられます。

このFAQを理解するには、雇用調整助成金には「一般措置」と「特例措置」の二つがある前提があることを知っておく必要があります。要するに、雇用調整助成金が「一般措置」によるものなのか、「特例措置」によるものなのか、どちらによるかで経理処理が変わるといっているわけです。

「特例措置」をみる場合、「一般措置」との比較でみると理解しやすいです。

「一般措置」とは、通常の雇用調整助成金の支給申請の流れでやるものをいいます。

通常、雇用調整助成金は労使協定によって「休業計画」を作成し、休業が始まる前にハローワークにその「休業計画」を提出します。会社側はその事前に提出した「休業計画」に基づいて休業し、休業が終わったら支給申請をするというのが通常の雇用調整助成金の流れです。

今回の雇用調整助成金の「特例措置」は、この事前の「休業計画」の提出が不要とされています。つまり、計画書は提出しないで、実際に休業をしてしまうわけです。そして、休業が終わってから支給申請をするという流れです。

この「特例措置」が取れるのは従業員数が20名以下などの要件に該当する中小企業です。ですから、多くの中小企業ではこの「特例措置」によって雇用調整助成金の支給申請をしているものと思います。

さて、この「一般措置」と「特例措置」で経理処理が違うといっているわけですが、まとめると次のようになります

「一般措置」の雇用調整助成金・・・対象となる人件費の発生している期で収入計上

「特例措置」の雇用調整助成金・・・雇用調整助成金が支給決定した日

「特例措置」の場合、雇用調整助成金の支給決定通知書に書かれている日付の期で収入計上していくことになります。

また、加えてこのFAQでは、但し書きがあります。但し書きには、「対象となる人件費の発生する期」で収入計上しても間違いではないといっています。「特例措置」であっても「一般措置」と同じように人件費の発生した期で収入計上する方法でやってもいいわけです。

通常、「一般措置」の経理処理方法の方が収入計上するのが早くなるはずです。収入計上が早くなるのだから、この方法でもいいと言っているわけです。

雇用調整助成金の経理処理について、「一般措置」と「特例措置」での経理処理方法の違いについて、参考にしていただければ幸いです。


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