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Category Archives: 助成金・補助金


さて、一時支援金の申請期限の5/31が迫ってきました。

コロナの影響でまだ令和2年の確定申告が終わっていない方、1月~3月の売上の集計ができていない方など、一時支援金の申請ができないでいる方はとりあえず「延長申請」を出すという方法があります。

これから申請をお考えの事業者の皆様は、とりあえず早めに必要書類を準備して、登録確認機関での事前確認を受けた上で、5/31までに申請をしたいところですが、いろんな理由で間に合わない場合、次の方法で「延長申請」することができます。

まず、5月31日(月)までに、①アカウント発行をします。一時支援金のサイトから仮登録すると、Cから始まる9桁の数字の番号が発行されます。そのうえで、②延長の申込みを行います。延長の申し込みには簡単に延長申請する理由を記入します。

現在、この延長申請をすることで書類の提出期限を2週間程度延長することができることになっています。

また、一時支援金の要件は次の二つに該当することです。

  • 2021年1月に発令された緊急事態宣言に伴う飲食店時短営業または外出自粛等の影響を受けていること
  • 2019年比または2020年比で、2021年の1月、2月または3月の売上が50%以上減少

申請期限が近くなったこの時期に、いまだに一部の事業者の方から問い合わせがあったりして勘違いされているケースがあることがわかることがあります。たとえば、この一時支援金の対象は飲食店や飲食店の関連業者だけではありません。外出自粛等の影響を受けた事業者は対象になります。ですから、外出自粛等の影響があれば業種は問われません。また、緊急事態宣言が発令されていない地域の事業者であっても、外出自粛等の影響を受けていれば対象となります。

東京や大阪などの首都圏ではないから対象にならないと思っていらっしゃる方もいますが、外出自粛等の影響で売り上げの減少があるのであれば対象になります。

このように勘違いしていて対象にならないと思っていた方は、現状では書類の準備が全くできていないということもあり得ます。このような方は5/31まで時間がないのでとりあえず「延長申請」を出しましょう。

また、今回の一時支援金は、申請する前に「登録確認機関での事前確認」が必要です。この事前確認を受けられるのは提出期限の数日前までです。とりあえず延長申請を出して、次に先に事前確認機関に事前確認の予約をしてしまいましょう。書類をそろえたらそのあと、事前確認機関で事前確認をしてもらってください。

ということで、今日は一時支援金の延長申請の話でした。



現在、当社にも「一時支援金」の事前確認をしてほしいという依頼がほぼ毎日あります。

作曲家・声楽家・バイオリニストといった音楽家の方、舞台俳優、建設業関係の方、各種のコンサルタントの方・・・実に多種多様な方たちから事前確認のご依頼があります。

正直、すべては受けきれないので日程の合わない方はお断りすることもあります。

他の事前確認の登録機関に聞いたところ受けてくれないといった理由で当社にいらっしゃる方もおり、なるべく受けたいとは思っていますが、限界もあります。どうぞご容赦ください。

さて、この「一時支援金」の後継の制度ともいえる「月次支援金」の申請が来月からスタートします。今日はその概要についてお伝えしたいと思います。

月次支援金とは、2021年の4⽉以降に実施される緊急事態措置⼜はまん延防⽌等重点措置に伴う、「飲⾷店の休業・時短営業」や「外出⾃粛等」の影響により、売上が50%以上減少した中⼩法⼈・個⼈事業者等の皆様に支給されるものです。

現在、決まっているのは、2021年4月から6月の月ごとの売上が前年もしくは前々年の同月の売上と比べて50%以上減少した場合です。7月以降はどうなるのかはわかりません。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置で「飲食店の時短営業」「外出自粛」が売り上げ減少の影響であることが前提にあります。単に売り上げが50%以上減少しただけでは対象にはなりませんからまずはそこに注意しましょう。

さて、受給できる金額はいくらになるのでしょうか。

受給対象となる金額は「2019年⼜は2020年の基準⽉の売上ー2021年の対象⽉の売上」です。

法人であれば上限20万円個人事業者であれば上限10万円となっています。

さて、この月次支援金ですが、特徴的なのは「一時支援金」の仕組みを引き継いでいることです。2021年1月~3月のどれかの月の売上と2019年もしくは2020年の同月の売上が50%以上減少している等の要件に該当すると「一時支援金」が受給できます。この「一時支援金」を受給している場合、提出する書類がかなり簡素化されています。

まず、「一時支援金」を受けている事業者が「月次支援金」を受ける場合、税理士事務所等の「事前確認」が不要です。

それから、「一時支援金」の申請をした際に添付した確定申告書や通帳、本人確認書類(法人の場合には登記簿謄本)は改めて提出する必要はありません

売り上げが減少した対象の月の売上の帳簿と月次支援金の「宣誓・同意書」を出せば足りることとされています。

また、月次支援金は月ごとに申請するため、4月が前年もしくは前々年と比較して50%減となっていて、5月も50%減となっていた場合、4月分を申請した後、5月分も改めて申請ができます。6月も50%減だったら6月も申請可能となります。

そして、2回目以降の申請をする場合は提出する書類もさらに簡素化されます。該当月の売り上げの帳簿は添付しますが、1回目の申請に必要だった「宣誓・同意書」の添付も不要となります。一度、申請しているのだったら申請が楽になるわけです。

ただし、「一時支援金」を受給していなくて「月次支援金」を受給する場合、「一時支援金」で必要だった確定申告書2期分、通帳等の書類の提出が必要です。加えて、税理士等の事前確認も必要となります。

こうした仕組みは、たぶんですが、東京都の飲食店対象の休業協力金の仕組みを参考にしているものと思われます。東京都の休業協力金も期間をわけて何度もやっています。この申請をする際も2回目以降は確定申告書や本人確認書類、通帳写しといったいくつかの書類は省略されています。

そして、申請期間にも注意しましょう。

4⽉・5⽉分は2021年 6⽉中下旬〜8⽉中下旬、 6⽉分は2021年7⽉1⽇〜8⽉31⽇となっています。原則として、対象⽉の翌⽉から2ヶ⽉間を申請期限としています。

まずは、毎月の売り上げを出して該当するか否かの検討をしてみてください。申請期間が2か月間と意外と短いので、とにかく売り上げを集計して確認してみましょう。

ということで、今日は「月次支援金」の概要についてでした。



さて、この4月からすでに運用が開始されているキャリアアップ助成金の正社員化コースの改正点について、今日は見ていこうと思います。

助成金の中でも、特に利用されることが多いのがこの「キャリアアップ助成金」の正社員化コースだと思います。

このキャリアアップ助成金の正社員化コースについて、ご存じない方もいらっしゃると思いますので、まずは概要を説明したいと思います。

このキャリアアップ助成金の正社員化コースというのは、有期雇用契約労働者やパートタイマーを正規雇用に転換した場合に受給できるものです。

有期雇用契約の者を正規雇用に転換すると57万円、有期雇用契約の者を無期雇用契約に転換した場合にはその半分の285,000円、そして、無期雇用契約の者を正規雇用に転換したら同じく285,000円が受給できます。

これらは1事業所あたりで年間20人を上限として受給できます。

たとえば、入社したばかりの社員を試用期間として雇うケースがあると思います。それを期間の定めのある6か月以上有期雇用契約として雇う形をとります。この有期雇用契約の期間が明けたら正社員として正式に雇用するという形の流れを作るわけです。

また、パートタイマーのような非正規の方を正社員にするケースも該当します。

最近、私の顧問先になった会社さんでも、前の税理士の先生から教わらなかったからということで全くこの助成金のことをご存じありませんでした。一人でも雇っている人がいれば十分に活用が考えられます。また、パートタイマーなどの非正規雇用の方がいらっしゃれば正規雇用への転換制度を作れば受給できる可能性があります。まだ一度もキャリアアップ助成金の正社員化コースを利用したことがないという事業主の方はこれを機に活用を考えてみてはいかがかと思います。

さて、このキャリアアップ助成金の正社員化コースですが、今回、4月1日から改正に伴って大きく変わっている部分があります。それは、賃金の昇給についての話です。

従来、今年の3月までの正社員化のケースは昇給の幅が正社員化前と正社員化後で5%以上の昇給になっていることが要件でした。この5%というのは基本給や定額で支給されている諸手当の金額が5%以上昇給していることが要件とされています。

それが、令和3年4月1日以降に正社員化する場合には、正社員化前後で3%の昇給があることが要件となっています。

昇給の幅が少しゆるくなっています。これは、賃金を支払う側の事業主にとってはよく知っておかないといけない改正点です。

また、この昇給には従来の要件には賞与も含んで5%でした。(ただし、賞与を含むのは就業規則などで支給することが決まっている賞与とされていましたから、臨時で支払う賞与は該当しないとされています。)それが、4月1日以降は賞与は含めないこととされています。

つまり、会社側としては、昇給の要件は3%と緩和されたものの、その昇給を見るときに賞与は完全に外してみないといけなくなったということです。

また、このキャリアアップ助成金には、いくつか加算されるケースがあります。派遣労働者を正規雇用として直接雇用すると285,000円の加算があったり、母子家庭(もしくは父子家庭)の母(もしくは父)を正規雇用等に転換した場合には、95,000円が加算されるなどといったものです。

その加算の要件に「若年雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を正社員等に転換した場合」に1人あたり95,000円が加算されるというものが従来はありました。これが廃止されました。その代わり、勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定し、有期雇用労働者等を 当該雇用区分に転換または直接雇用した場合、1事業所当たり1回のみ95,000円加算される制度は、「短時間正社員制度」も追加されています。

たぶんですが、廃止された加算の「若年雇用促進法に基づく認定事業主」というのがその認定を受けるケースがそれほど多くなかったのではないのかと思います。一方で、「短時間正社員」というのは、ケースとしては増えているのではないのかと思います。

正社員化というと、いわゆる「正社員」を思い浮かべるのでしょうが、このように「短時間正社員」「勤務地限定正社員」「職務限定正社員」といった「多様な正社員」と呼ばれる制度もあります。

この際に、こうした多様な正社員の規定も作れば、キャリアアップ助成金の加算もとれますし、この助成金をより活用していくというのも考えてもいいのかと思います。

今回の改正でこのキャリアアップ助成金の正社員化コースは以前よりもさらに活用しやすくなったのではないかと思います。中小企業の経営者の皆さんは、このキャリアアップ助成金の正社員化コースの活用は必須です。知らなかったという事業主の皆さん。これを機会に、正社員化に取り組んでこの助成金を十分に活用してはいかがかと思います。



新型コロナウイルス感染症の影響等により、雇用維持のために一時的な休業を行った場合に会社が支払った休業手当の一部を助成する雇用調整助成金の特例措置というのが昨年4月から続いていました。この特例措置は4月30日までとなり、5月以降は段階的に縮減されていきます。今日はこの特例措置がどうなるのかをご案内していきたいと思います。

雇用調整助成金の特例措置とは、日額15,000円まで出るとか、計画書の事前提出が不要であるとか、小規模事業者については給与明細や出勤簿などを添付すれば比較的、簡易な手続きで助成金申請ができる措置の助成金でした。その特例措置は4月末までになっています。

では、4月末のすべての休業について終わるのかというところからいきます。これは賃金締切日がポイントになります。

令和2年4月1日から令和3年4月30日までの期間を1日でも含む賃金締切期間(判定基礎期間)となっています。

つまり、賃金締切日が毎月15日の企業の場合、現状の特例措置は4月30日までの休業ではなく、5月15日までの休業が対象となります。

一方、「雇用保険被保険者ではない従業員」を休業させたときに受給可能な「緊急雇用安定助成金」の特例措置の期間は令和2年4月1日から令和3年4月30日までの期間です。

これは厚労省の出しているFAQによると5月からの段階的な縮小の適用について「 判定基礎期間の初日が令和3年5月1日以降の支給申請から適用されます。令和3年4月30日までを1日でも含む判定基礎期間には、上限額 15,000円と中小企業の助成率最大10/10が適用されます。 」とあるので、1日でも4月30日にかかっていれば、緊急雇用安定助成金についても従来の措置が適用されるようです。

さて、次に、5月から6月に段階的に縮小していくというのはどのような措置になるのでしょうか。

5月~6月の特例措置の縮減(中小企業の場合)は以下の通りです。

・日額上限:現状 1日1人あたり15,000円
       → 1日1人あたり13,500円(△1,500円)
・助成率:現状 最大10/10
      → 最大 9/10(△1/10)

ただし、感染が拡大している地域や、特に業況が厳しい企業については特例を設ける予定となっています。

では、その特例というのはどうなっているのでしょうか。

まず、「感染が拡大している地域の特例」というのは、具体的にはまん防対象地域の飲食店等のことをいいます。

感染が拡大している地域」については、厚労省のリーフレットによると、以下の地域です。

【令和3年4月5日~令和3年6月30日(予定の期間を含む(※))】

・宮城県:仙台市

・大阪府:大阪市

・兵庫県:神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市

【令和3年4月12日~令和3年6月30日(予定の期間を含む(※))】

 ・東京都:23区、八王子市、 立川市、武蔵野市、府中市、調布市、町田市

・京都府:京都市

・沖縄県:那覇市、宜野湾市、浦添市、名護市、糸満市、沖縄市、豊見城市、うるま市、南城市

 【令和3年4月20日~令和3年6月30日(予定の期間を含む(※))】

・埼玉県:さいたま市、川口市

・千葉県:市川市、船橋市、松戸市、柏市、浦安市

・神奈川県:横浜市、川崎市、相模原市

 ・愛知県:名古屋市

 【令和3年4月22日~令和3年6月30日(予定の期間を含む(※))】

・兵庫県:明石市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、猪名川町

これらの飲食店等が都道府県知事による営業時間の短縮等の要請等に協力し、
5~6月の休業については特例措置の縮減は行われず、
・日額上限:1日1人あたり15,000円
・助成率:最大10/10
と現状の特例と同等の雇用調整助成金を受給できます

また、「特に業況が厳しい企業」の特例というのもあります。

これは、「売上高等が30%以上減少している企業の特例」というものです。

次に「特に業況が厳しい企業」については、対象とされているのは、生産指標(売上高等)が最近3か月の月平均で前(々)年同期比30%以上減少している企業です。 地域や業種は問いません

これに該当する場合、5~6月の休業については、「感染が拡大している地域の特例」と同様に特例措置の縮減は行われず、

・日額上限:1日1人あたり15,000円
・助成率:最大10/10


となります。

5月・6月は上記のようになりますが、7月以降の雇用調整助成金の特例措置はどうなるのでしょうか。

7月以降については、雇用情勢が大きく悪化しない限り、さらに特例措置を縮減していく予定となっています。今のところは、詳細は不明ですが、特例ではない通常の雇用調整助成金は、
・日額上限:1日1人あたり8,370円
・助成率:最大2/3(中小企業の場合)

となっています。最終的にはその水準まで縮減されることが予想されるところです。

ということで、今日は、現在、雇用調整助成金の特例措置がどうなるのかという話でした。



新型コロナウィルスの影響が出て1年以上がたちます。この間にいろいろなことが大きく変わりました。その中の一つといっていいのが、雇用調整助成金です。この雇用調整助成金ですが、いつ収入計上すべきなのかが一つ、問題としてあります。今日はこのテーマについてみていこうと思います。

国税庁は令和3年3月26日に、新型コロナウィルス感染症に影響のある税務上の取り扱いについて、FAQを更新しています。この中で「雇用調整助成金」の経理処理について触れています。

従来の解釈については、以前の私のブログにも書いてありますので参照してみてください。↓

これは従来からの助成金全般についての解釈を書きました。要するに、助成金の収入計上時期は次の二つに分かれるといっています

  • 交付決定された期
  • 経費の補填の目的だったら経費を支出した期

雇用調整助成金については、原則として②と解釈されるというわけです。

さて、その雇用調整助成金の収入計上時期の解釈について、今回のFAQでは、もう少し踏み込んで、次のように書いています。

私は個人事業を営んでおり、新型コロナウイルス感染症等の影響に伴い、この事業に関して国や地方公共団体から助成金等の支給を受けました。この助成金等はいつの年分の収入金額として申告する必要がありますか。  

【基本的な考え方】

所得税の所得金額の計算上、ある収入の収入計上時期については、原則として、その収入すべき権利が確定した日の属する年分となります。
 ご質問の助成金等については、国や地方公共団体により助成金等の支給が決定された日に、収入すべき権利が確定すると考えられますので、原則として、その助成金等の支給決定がされた日の属する年分の収入金額として計上することとなります。

【特定の支出を補填するもの】

ただし、その助成金等が、経費を補填するために法令の規定等に基づき交付されるものであり、あらかじめその交付を受けるために必要な手続(※)をしている場合には、その経費が発生した年分に助成金等の交付決定がされていないとしても、その経費と助成金等の収入が対応するように、その助成金等の収入計上時期はその経費が発生した日の属する年分として取り扱うこととしています。

※ 必要な手続とは、例えば、休業手当について雇用調整助成金を受けるための事前の休業等計画届の提出などが該当しますが、新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置により、事前の休業等計画届の提出は不要とされています。その場合の雇用調整助成金の収入計上時期は、原則として、交付決定日の属する年分となります。
 ただし、事前の休業等計画届の提出が不要の場合であっても、交付申請を行っており、交付を受けることの確実性が認められ、経費が発生した日の属する年分において収入計上しているときには、その処理は認められると考えられます。

このFAQを理解するには、雇用調整助成金には「一般措置」と「特例措置」の二つがある前提があることを知っておく必要があります。要するに、雇用調整助成金が「一般措置」によるものなのか、「特例措置」によるものなのか、どちらによるかで経理処理が変わるといっているわけです。

「特例措置」をみる場合、「一般措置」との比較でみると理解しやすいです。

「一般措置」とは、通常の雇用調整助成金の支給申請の流れでやるものをいいます。

通常、雇用調整助成金は労使協定によって「休業計画」を作成し、休業が始まる前にハローワークにその「休業計画」を提出します。会社側はその事前に提出した「休業計画」に基づいて休業し、休業が終わったら支給申請をするというのが通常の雇用調整助成金の流れです。

今回の雇用調整助成金の「特例措置」は、この事前の「休業計画」の提出が不要とされています。つまり、計画書は提出しないで、実際に休業をしてしまうわけです。そして、休業が終わってから支給申請をするという流れです。

この「特例措置」が取れるのは従業員数が20名以下などの要件に該当する中小企業です。ですから、多くの中小企業ではこの「特例措置」によって雇用調整助成金の支給申請をしているものと思います。

さて、この「一般措置」と「特例措置」で経理処理が違うといっているわけですが、まとめると次のようになります

「一般措置」の雇用調整助成金・・・対象となる人件費の発生している期で収入計上

「特例措置」の雇用調整助成金・・・雇用調整助成金が支給決定した日

「特例措置」の場合、雇用調整助成金の支給決定通知書に書かれている日付の期で収入計上していくことになります。

また、加えてこのFAQでは、但し書きがあります。但し書きには、「対象となる人件費の発生する期」で収入計上しても間違いではないといっています。「特例措置」であっても「一般措置」と同じように人件費の発生した期で収入計上する方法でやってもいいわけです。

通常、「一般措置」の経理処理方法の方が収入計上するのが早くなるはずです。収入計上が早くなるのだから、この方法でもいいと言っているわけです。

雇用調整助成金の経理処理について、「一般措置」と「特例措置」での経理処理方法の違いについて、参考にしていただければ幸いです。



さて、今日は以前のブログでもご紹介した一時支援金についてです。この一時支援金の申請には「登録支援機関」の確認が必要となります。そのことについて書いていこうと思います。

今回の一時支援金の特徴の一つに「登録確認機関」の確認が必要というものがあります。まず申請にあたっては申請者は「仮登録」という作業をします。仮登録をして申請上のIDとパスワードを登録すると、「申請ID」というのが申請者に発行されます。

この次に申請者がやらなければいけないのが、「登録確認機関」による確認です。

一時支援金のHPでは、この「登録確認機関」のことを次のように書かれています。

登録確認機関は、(1)認定経営革新等支援機関、(2)同機関に準ずる個別法に基づき設置された機関、(3)その他個別法に基づく士業関連機関・者であって、一時支援金事務局が募集・登録した機関・者です。

(1)の「認定経営革新等支援機関」というのは、通常は税理士や公認会計士などの会計事務所が登録されているケースが多いです。(2)は商工会議所や金融機関のことを指します。(3)の士業関連機関というのは(1)の経営革新等支援機関以外の税理士・会計士・行政書士などが該当します。

そして、税理士や行政書士、あるいは金融機関などだったらどこでもいいわけではありません。これらのうち、「登録確認機関」として登録した者のみが今回の「登録確認機関」に該当します。ちなみに当社【ヴァンガードマネージメントオフィス】も登録確認機関に登録してあります

どこが「登録確認機関」に該当するのかはウェブ上で検索できますので、確認してみましょう。

一時支援金 (ichijishienkin.go.jp)

さて、この「登録確認機関」での事前の確認ですが、登録確認機関の確認をするのに登録確認機関側で料金が発生するケースと無料で行うケースがあります。国は登録確認機関が事前確認を行った場合、1件につき1000円の報酬を用意してるらしいです。この1件につき1000円の報酬を放棄する登録確認機関は別に独自に決めた報酬を依頼者から請求できるわけです。ただ、無料にしている登録確認機関側の税理士や行政書士などの士業にしても、たった1000円のために初めて会う依頼者からの事前確認に応じてもらえるのか、という問題があるわけです。

おそらく多くの士業の「登録確認機関」はすでに関与している関与先向けのサービスの一環として一時支援金の「登録確認機関」の登録をしたというケースが多いのではないか思います。普段、関与しているところですから事前確認について無料にしても問題ないと考えるところも多いのではないかと思います。

逆に言えば、ふだん関与していないところからの「事前確認」のご依頼は、たとえ国から1件1000円の報酬がでたとしても、その報酬の低さなどから「関与先でないところの事前確認の依頼」はあまり乗り気でないところが多いのではないのかと私は想像します。

国もこうしたことを想定しているのか、一時支援金のHPによると次のような記述があります。

特に登録確認機関が見つかりにくい地域の方を主たる対象として、3月下旬以降、必要に応じて、事務局においても登録確認機関を設置する予定としております。

つまり、事務局自身が登録確認機関を設置することを予定しているようなのです。現在、特定の税理士や行政書士などとかかわりのない方については、事務局が設置する登録確認機関ができてから申請してもよろしいのかと思います。

ということで、今日は一時支援金の「登録確認機関」についての話でした。



今日はコロナ対策の持続化給付金第二弾ともいえる「一時支援金」についてのお話をしたいと思います。

この1か月くらいの間、私も非常に多くの顧問先の皆さんからもご質問を受けることの多い項目です。先日、3月1日に詳細が発表されました。

実際の申請は3月8日から5月31日までとなります

そこで、今日はこの「一時支援金」についてみていきましょう。

まず、どういった事業者が対象になるのでしょうか。経済産業省のHPに記載されていることから抜粋していきます。

 緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により影響を受け、売上が減少した中堅・中小事業者が対象。

要件

緊急事態宣言の再発令に伴い、

①緊急事態宣言発令地域の飲食店と直接・間接の取引があること(農業者・漁業者、飲食料品・割り箸・おしぼりなど飲食業に提供される財・サービスの供給者を想定)

または、

②緊急事態宣言発令地域における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けたこと

(旅館、土産物屋、観光施設、タクシー事業者等の人流減少の影響を受けた者を想定)

により、本年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年比(or対前々年比)▲50%以上減少していること

となっています。

ここでは二つがポイントとなります。

一つは対象事業者です。①の飲食店関連か②の外出自粛要請関連かという二つです。自身の事業者が①なのか②なのかをまずは選択していきます。

そのうえで、2019年もしくは2020年と比較して2021年の1月~3月のいずれかの売り上げが50%以上減少していることというのが二つ目の要件です。

また、今回の一時支援給付金は2019年、2020年の売り上げと比較するわけですが、この2年分を確定申告していることが要件となっています。

現在受付中の令和2年分もそうですが、令和元年分もまだ確定申告されていない方はまずはこの2年分の確定申告をすることが必要となります。

そして、受給額です。これは 法人は最大60万円個人事業者等は最大30万円を支給となっています。

計算の仕方は、「前年(または前々年)1月から3月の事業収入-(前年(または前々年)同月比▲50%以上の月の事業収入×3)」となっています。

また、今回の「一時支援金」の特徴は、「宣誓・同意書」という書類があることです。

「宣誓・同意書」のひな形を見ますと、単に売り上げが50%以上減少しただけではだめで、「緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛とは関係なく事業収入が減少している時期を対象月としている場合」などは要件を満たさないと書かれています。一番最初の要件のことをここで確認しています。

その他にも、この「宣誓・同意書」に書かれていることをきちんと理解していることがこの給付金を申請できる基本的な要件であるというスタイルになっています。

また、一次取引先の納品書、顧客の居住地を示す宿帳、顧客名簿、入込観光客の統計等の保存を義務付けるとなっています。この取引先を記載した書類というのは様式があり、そこに記載していきます。ただし、取引の相手先が事業者でなく一般の個人である場合には提出は不要となっています。

さらに、こうした今回の給付金の趣旨などがよく理解されているかというのを事前に確認をしてもらう必要があるというのも今回の一時金の特徴です。給付金の申請前に「登録確認機関」から「事業を実施していること」「給付対象その他の給付要件を正しく理解していること」の確認を受ける必要があることになっています。この「登録確認機関」というのは税理士や行政書士、商工会や銀行などの金融機関などのことを言います。登録確認機関になるためには事前にこれらの機関が事務局へ登録しないといけないそうです。(ちなみに私も先週末に登録しました)

この「登録確認機関」の確認というのは、なにやら面倒な感じもしますが、要は顧問税理士などがいればその顧問税理士にこの一時金の話をして申請することの了解をもらえばいいという話のようです。持続化給付金と比べてこの点も今回の一時金の特徴といえると思います。

今回の一時支援金は前回の持続化給付金とは異なり、「登録確認機関」からの確認のほかにも、宣誓書への署名が必要だったり、取引先一覧の提出が必要だったりするなど、少し勝手が違います。

まずは、今回の「一時支援金」は飲食店の時短営業もしくは緊急事態宣言に伴う不要不急の外出自粛要請の影響を受けた事業者であるという前提を忘れずに、要件を確認してみてはいかがでしょうか。特に持続化給付金を受給した事業者の方は、持続化給付金とはいろいろと違うのでその違いに注意しながら申請してみましょう。

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さて、今日は経理処理の話です。

助成金や給付金はいつ収入計上すべきなのかという話です。

コロナの関係で、雇用調整助成金緊急雇用安定助成金、小学校休業等対応助成金といった助成金を受給している中小事業主は多いことと思います。

また、持続化給付金家賃支援給付金、また、各都道府県などでやっている感染防止協力金といったものも受給している中小事業主が多いです。では、こうした助成金や給付金はもらったらいつ、どうやって経理処理すべきなのでしょうか?

まず、これら助成金や給付金は一般的には「雑収入」で計上することと思います。

ほとんどが入金した時に 

(預金)/(雑収入)×××

と仕訳をすると思います。たぶんこれが最も多い、一般的な処理と思います。

通常はこれでいいと思います。問題なのは、これが期をまたいだ時です。

たとえば、7月決算法人だったとします。雇用調整助成金で支給申請したのが7月で、7月末時点ではまだ入金されていなかった分があったとします。これは特に経理処理はしなくていいのでしょうか?

この答えは法人税法の基本通達2-1-42法令に基づき交付を受ける給付金等の帰属の時期)というところに載っています。では、この通達をみてみましょう。

2-1-42 法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費をするために雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。

(注) 法人が定年の延長、高齢者及び身体障害者の雇用等の雇用の改善を図ったこと等によりこれらの法令の規定等に基づき交付を受ける奨励金等の額については、その支給決定があった日の属する事業年度の益金の額に算入する

ここで言っているのは、助成金や給付金・補助金といったものは二つ経理処理の仕方があるということです。

一つは「経費を補填するためのものなのであれば期をまたぐ場合には「未収入金」として収入計上しないといけない

といっています。

雇用調整助成金緊急雇用安定助成金小学校休業等対応助成金といった助成金は実際に「休業手当」や小学校休業等対応助成金の場合には法定の年次有給休暇以外の有給の休暇という形で人件費の支出があります。こうした経費を補填する目的なので、こうした助成金はこの通達で言っている「経費を補填するため」の助成金に該当します

たとえば、人材開発支援助成金のような一定の研修にかかった費用(人件費を含めた費用)を補填するための助成金も同様の考え方となります。

このように経費を補填する性格の助成金は経費が上がっている期にそれに対応する収入である助成金も収入計上して収入と経費でセットで同じ期に計上しようとしているわけです。

一方で、助成金の性質が「経費を補填する」という目的でないものは「支給決定があった日」に収入計上する

こととなっています。

具体的には、労働局からくる支給決定通知書が来たらその日付で計上していくというようなことだろうと思います。

この通達では「65歳超雇用推進助成金」や「特定求職者雇用開発助成金」といったものを想定しているのだろうと思います。

また、この通達には書かれていませんが、そうした助成金の性質でわけるのであれば、近年、助成金で使われることの多い、「キャリアアップ助成金」は直接的な経費があってそれを補填するという性格ではないと考えられるので、後者の助成金、つまり、支給決定があった日に収入計上する助成金なのではないかと思われます。

さて、持続化給付金家賃支援給付金、あるいは各都道府県などでやっている感染防止協力金ですが、こうした性格を踏まえると、これらは後者、つまり支給決定があった日に収入計上するということになります。

これらの給付金は支給するための要件に該当はしていても、実際に審査があって支給決定があるという流れになるわけで、支給決定があるまで実際に支給されることが確定しているわけではありません。そうしたことから考えると、持続化給付金や家賃支援給付金、感染防止協力金の類は支給決定した日に収入計上することになります。

さて、もう一点付け加えておきます。

一番最初に助成金について、勘定科目は一般的には「雑収入」で計上すると書きました。多くの方はそのように書いており、それは別に間違いではありません。それでもいいのですが、私は「雑収入」ではなく、人件費の下に「人件費等補填助成金等収入」という科目を作って、費用のマイナスとして表示することをお勧めしています。理由は多くの助成金にある「生産性要件」という指標がよくなり、助成金が増える可能性があるためです。この話は以前の私のブログに書きましたので、参考にしてみてください。

参考になりましたら幸いです。

以上、今日は助成金や各種給付金の収入計上時期のお話でした。



さて、今日は助成金の申請期限延長の話です。

雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金の支給申請について、申請期限が延長されていますから十分に留意しましょう。

具体的に延長の対象となるのは「雇用調整助成金」「緊急雇用安定助成金」「新型コロナウィルス感染症対応休業支援金・給付金」です。

具体的には、令和2年1月24日から5月31日までに判定基礎期間の初日がある休業については、8月31日を申請期限としていましたが、1月24日から6月30日までに判定基礎期間の初日がある休業については申請期限が9月30日までとされています。

ただし、緊急雇用安定助成金や休業にかかる休業支援金・給付金についてはそもそも4月1日以前は申請自体ができません。したがって、これらは4月1日以降になります。

緊急雇用安定助成金は雇用保険に入っていない人が休業した場合の雇用調整助成金のような制度です。休業にかかる休業支援金・給付金(新型コロナウィルス感染症対応休業支援金・給付金)は休業手当が支給されない事業所で働いていた方について、ご自身で申請する場合の給付金です。これらは4月1日以降の休業しかそもそも対象となっていませんから改めて注意してください。

なお、7月以降の休業についての申請期限は各々、次のようになっています。

休業した期間が7月中・・・10月31日(土)

休業した期間が8月中・・・11月30日(月)

休業した期間が9月中・・・12月31日(木)

それぞれ郵送で提出する場合には、これらの期限に届いていることが要件です。

税務に慣れている人は、発信した日(郵送だと郵便局が受理した日)が期限内であれば有効と思っていますが、そこは助成金は書類が到達した日が受理日となりますから、期限が近くなった場合、注意しましょう。

今日は雇用調整助成金等の期限が延長されているという話でした。



国の家賃支援給付金を受給している場合には、東京都内に事業所がある事業者については東京都内の事業所について、家賃支援給付金の上乗せ支給を受けることができます

まずは大前提として国の家賃支援給付金を受給していることがあります。

申請には家賃支援給付金の通知書が必要となります。

国の通知書に記載される申請番号などを記載していくことになります。ですから、国の家賃支援給付金を受給していて、なおかつ、家賃支援給付金の通知書が来ている人が対象となります。

さらに、東京都内に事業所があって、東京都内にある事業所の家賃を支払っている場合にその支払っている家賃が支給の対象となります。たとえば、東京都内に本店所在地や住所地があっても、家賃の支払いがあるのが東京都外にある事業所の場合には対象にはなりません。また、東京都内と東京都外に事業所がある場合には東京都内の事業所のみが対象となります。都内で複数の土地又は建物を借りている場合は、その合計額となります。

逆に、本店所在地や住所地がなくても東京都内に事業所があれば都内の事業所の家賃は対象となります。

さて、給付金の金額ですが、次のように計算されます。

基準額が、75万円までは12分の1

75万円を超える部分については24分の1

給付額:基準額※1×給付率×3か月分

※1都内で複数の土地又は建物を借りている場合は、その合計額

たとえば、月の家賃が10万円の場合、25,000円となります。20万円の家賃だったとして50,000円、100万円だったとして218,750円となります。

さて、この東京都の家賃支援給付金の上乗せ支給の注意点です。

まず、「国の家賃支援給付金+他の地方自治体の家賃等支援金+都の家賃支援給付金の合計額が家賃等の総額(月額)の6倍を超える場合、その超える部分の金額を都の給付金から減額します。

家賃の支払額の6倍の金額と比較します。特に、市区町村で家賃支援給付金のような給付金がある自治体があります。その場合にはそれらを含めて家賃の6倍以下となる金額が対象となります、一見するとわかりづらい算式かもしれませんが、算式に当てはめて考えていけばお分かりになると思います。

また、たとえば、住居兼用、転貸、自己取引又は親族間取引に該当する部分は含みません。住居兼用の場合にはそもそも対象外ですし、親族間の賃貸借は対象外となっていますからその点も留意しましょう。

それから、原則、申請はインターネット経由です。インターネットでの申請ができない場合にのみ、郵送での受付が可能とされています。

この東京都の給付金は国の家賃支援給付金を受けて支給されるもののため、申請期間が、令和2年8月17日(月曜日)から令和3年2月15日(月曜日)までとなっていて、国の家賃支援給付金のあとに申請する形で段取りされています。

申請に際しては誓約書や確定申告書等、それほど難しい書類は要求されていません。金額はそれほど大きな金額にはなりませんが、国の家賃支援給付金を受け取ったときには、都内に事業所があれば対象になります。くれぐれも申請のし忘れに注意しましょう!