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Category Archives: 助成金・補助金


ここ数日は「持続化給付金」のお問い合わせが非常に増えています。

NHKでたまたま見たのですが、「父から事業を引き継いで会社を設立したため、前年同月がないから持続化給付金の申請ができない」と訴えていた方が出ていました。

この方についてもよく聞いてみないとわかりませんが、「特例」を使えば、このケースでも申請が可能なのではないかと思いながら見ていました。

こういうケースでも持続化給付金の対象になるという特例のケースについて、今日は解説していきたいと思います。

その前に、持続化給付金申請の原則的な話を説明しておきます。

この持続化給付金は前年同月比で売り上げが50%以上減少した場合に使えるものです。前年同月と比べて売り上げが50%以上減少した場合に、前年総売上-減少した月の売上高×12ヶ月で求めた金額が、個人なら100万円、法人なら200万円を超えたらその上限額が支給されるというのが持続化給付金です。

それで、法人の場合の話なのですが、少なくとも私はこの「持続化給付金申請要領」が出るまで確認できなかったことがあります。

それは、12月決算法人以外の取り扱いです。たとえば。3月決算法人はどうしたらいいのかという話です。

たとえば、3月決算法人で4月の売り上げが前年同月と比べて50%以上減少したとします。2019年4月が120万円で、2020年4月が50万円だったとします。前年同月比で50%以上売り上げが減少したわけですから持続化給付金の支給要件には該当します。そのうえで支給額の計算です。

支給額は「前年総売上-減少月の売上×12ヶ月」の金額で、個人なら100万円、法人なら200万円が上限となっています。

この「前年総売上」というのが何を指すのかという点です。

これは、3月決算法人でまだ2020年3月の申告をする前なのであれば、2019年3月決算の総売上、つまり、2018年4月から2019年3月の売り上げの総額となるということです。

個人の場合、2019年1月から12月の売り上げ(確定申告書の総売上額)となるわけですが、法人の場合には、12月が決算とは限らないわけで、その点がどうなるのかと思っていました。ですが、法人の場合には、申請前に一番直近で申告した年の総売り上げとなるようなので、その点はご留意の上、申請してください。

そのうえで、特例についてお話を進めていきましょう。

まず、法人なりです。

法人なりというのは個人事業でやっていた人が株式会社や合同会社という法人を設立してその法人の代表者となることを言います。

法人なりすると一見すると確かに前年同月の売り上げはありません。しかし、特定のB-6というところで「法人設立届」や「個人事業廃業届」「履歴事項全部証明書」(いわゆる謄本)などを添付することで、認められることになっています。条件としては法人の代表者と個人事業の者が同じ者であることです。「法人設立届出書」のなかの「設立の形態」が「1 個人事業を法人組織とした法人である場合」に〇が付してあり、「○○税務署(整理番号××××)という個人事業のときの税務署の管理するいわゆる「整理番号」を法人設立届に記載されている場合としています。

この場合に個人事業だった前年同月と比べて前年同月比で50%以上売り上げが減少したら持続化給付金の申請ができる対象になるという話です。

ちなみに、法人なりの場合、法人になっているので給付金の限度額は100万円ではなく200万円になることになります。

次に、創業特例という話です。

2019年に法人を設立した場合で前年同月がない場合の話です。

この場合、2019年の1月から12月の売り上げを月平均にならしたときの月商より半分以下になっている月があった場合が対象となります。

経産省の例によれば、2019年10月に開業した法人で、10月50万、11月50万、12月80万の売上たったとすると、3ヶ月の月平均売上は60万円になります。たとえば4月の売り上げが20万円だったら60万円の半分以下なので持続化給付金の対象になるという話です。

ちなみに、持続化給付金の限度額計算においては以下のようになります。

(50万円+50万円+80万円)×12/3-20万円×12ヶ月=480万円>200万円∴200万円

「前年総売上」は12か月ない場合には、12カ月あったものとして仕切り直して計算していいわけです。

こういう論点は、特例部分のリーフレットをよく読まないとよくわからない部分です。

冒頭のNHKに出ていた会社さんの話もこの特例を使えば続化給付金の申請ができるのではないのかと思います。

それから、ある一定の月に収入が多いような場合です。

例えば、2019年の4月が70万円、5月が120万円、6月が80万円と売り上げがあり、年間事業収入450万円の半分以上を占めるような状況があったとします。それが、2020年は4月が40万円、5月が20万円、6月が20万円だったとします。

この場合、同じ3カ月間を比較して50%以上売り上げが減少していたら対象となります。

上記のケースだと、2019年の4月から6月の売り上げの合計は270万円で、2020年の4月から6月の売り上げは80万円なので半分以下となります。そのため、まずは持続化給付金の対象となります。そのうえで支給額はこの3か月間の合計で考えます。この場合には、270万円(2019年4月から6月の売り上げの合計)-80万円(2020年4月~6月の売り上げの合計)で190万円となり、200万円未満のため、190万円が支給額となります。

他にも、合併した場合や連結納税を行った場合などがありますが、この辺について知りたい方は、持続化給付金申請要領を参照してみてください。

なお、原則的な計算方法を取るのか、上記の特例によるのかは、選択になります。どちらを選ぶのかは申請者が自身の判断で決めていいことになっています。

特例の要件に当てはまっていても、原則的な計算の方が給付額が大きくなるのだったらあえて特例の方は使わないことにしてもいいわけです。

どちらが有利なのか、じっくり判断したうえで申請してみてください。

以上、持続化給付金の特例のお話でした。

VMO新型コロナウイルス対策支援



さて、コロナの関係で最近、問い合わせが多いのが給与明細の表示の仕方です。

雇用調整助成金の拡大に伴い、この質問が多くなったようです。社員を休ませて休業手当を支払った場合、どのように給与明細を表示したらいいのでしょうか

まず、休業手当を支払うということは欠勤があるということです。

欠勤があるということはいったん給与は控除されていないといけません。給与を控除したうえで、休業手当として支給するという形です。

たとえば、給与月額が30万円の人で、1ヶ月の所定労働日数が20日の人がいたとします。

欠勤日数が10日で、その10日は会社の命令で休業させたため休業手当を6割支払うとします。そうすると、次のようになります。

基本給   300,000円

欠勤控除 ▲150,000円

休業手当  90,000円

通勤手当   5,000円

総支給額  245,000円

出勤日数:10日 欠勤日数:10日

ポイントは基本給や諸手当があればその諸手当の下に「欠勤控除」として表示することです。給与ソフトによっては欠勤控除の項目が「総支給額」の上に表示されることもありますが、それは書き方の問題なので別にそれでもかまいません。要は、総支給額からいったんマイナスすることです。そのうえで、休業手当として加算して支給する形に表示すればいいわけです。欠勤日数に日数を表示しておくことも大事なことです。給与明細上には必ず欠勤日数を書く欄がありますからそこに日数を記載するようにしましょう。

雇用調整助成金の支給申請の際にも、いったん欠勤控除したうえで休業手当として支払っている形にしないと休業しているのかどうなのかが明細上わからないことになってしまいます。給与明細の表示の仕方(もしくは賃金台帳の記載の仕方)について、上記の点は今一度、確認してみてください。

そして、控除項目ですが、社会保険料は月額変更に該当しなければ前月と同じ金額となります。

雇用保険料は、総支給額に対してかかります。一般の事業だと3/1000を乗じた額となります。源泉所得税は課税支給額(上記の場合だと通勤手当を控除した240,000円)から社会保険料、雇用保険料を控除した後の金額で源泉所得税の計算をします。

このように休業手当は社会保険料や雇用保険料、源泉所得税の対象になる項目です。休業手当といっても非課税ではありませんので注意してください。

ちなみに、休業手当と似ている名称で「休業補償」というのがあります。これは業務上の理由で負傷したような場合、つまり、業務上の理由で休業した場合に会社から支払われるものですが、これは非課税となっています。

名称が似ているのでややこしいですが、区別されています。混同して使用しないように注意しましょう。

以下、国税庁の「休業手当・休業補償の課税関係」を抜粋します。

 給与所得者は、その勤務先から通常支給される給料や賞与以外にも、労働基準法に規定されている各種の手当の支給を受ける場合がありますがこの各種手当の課税関係は次のとおりです。

1 労働基準法第26条の規定に基づく「休業手当」
 使用者の責に帰すべき事由により休業した場合に支給される「休業手当」は、給与所得となります。

2 労働基準法第76条の規定に基づく「休業補償
 労働者が業務上の負傷等により休業した場合に支給される「休業補償」など、労働基準法第8章(災害補償)の規定により受ける療養のための給付等は、非課税所得となります。
 また、勤務先の就業規則に基づき、労働基準法第76条第1項に定める割合を超えて支給される付加給付金についても、労働基準法上の給付では補てんされない部分に対応する民法上の損害賠償に相当するものであり、心身に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料として非課税所得となります。
 なお、労働基準法第8章には、「休業補償」以外にも「療養補償」や「障害補償」などが規定されています。

(所法9、28、所令20、30、所基通9-24)

ということで今日は「休業手当」の給与明細の表示の仕方についてでした。

VMO新型コロナウイルス対策支援


このブログもここ1か月・2カ月はほぼ、コロナ関係の情報提供となっています。

今日は雇用調整助成金や小学校休業等対応助成金の上乗せ給付の話です。

東京都には「東京都コロナウィルス感染症対策雇用環境整備促進奨励金」という雇用調整助成金・小学校休業等対応助成金の上乗せ支給の制度があります。

今回、雇用調整助成金はかなり支給要件が拡大しています。また、補正予算等でさらに拡大される見込みです。そうした国の雇用調整助成金やコロナ対策で新しくできた小学校休業等対応助成金とは別に東京都独自に上乗せ支給があることもこの機会に知っておきましょう。

支給要件は、「雇用調整助成金」か「小学校休業等対応助成金」のどちらかの支給決定が出ていることです。手続きが終わって、支給決定を受けたら支給申請ができる状況となります。

他には、「都税の未納がないこと」「最低賃金を超えた給与の支払いがあること」など、それほど難しい要件はありません。とにかく、雇用調整助成金か小学校休業等対応助成金のどちかを受給していることが要件です。

東京都のリーフレットは以下です↓

https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/kansensyo/ri-huretto.pdf

注意点は2点ほどあります。

一つは、実際に雇用環境を整備するための取り組みをすることです。「非常時における雇用環境整備計画書」という書式があり、これを提出します。ただ、〇を付けるだけだったりするので、それほど難しいものではありません。今回のコロナウィルスのようなものが起こったらテレワークを行ったり、マスクや消毒液の備蓄をするなどといったことを書きます。

それから、二つ目が申請手続きをする期間と実績報告をする期間が決まっているということです。決まった期間内で申請する必要があり、「非常時における雇用環境整備計画書」に書いた通りのことを決まった期間内に実行し、実績報告を決まった期間内にすることが求められます。

さて、この東京都の上乗せ支給ですが、支給額は一律10万円です。

10万円ですが、手続き自体が期間が決まっているだけで難しくはないですからぜひ、受給したいところです。

今回は東京都の上乗せ支給をご紹介いたしましたが、各都道府県で独自に雇用調整助成金などの上乗せ支給はやっていますので、東京都以外の事業者の方々は調べてみてはいかがかと思います。

雇用調整助成金や小学校休業等対応助成金を受給手続きしたなら、是非、東京都のこの上乗せ委支給のことも思い出してください。決して難しくないのであわせて手続きしてみましょう。



今日も新型コロナウィルス関連の話です。今日は雇用調整助成金と並ぶコロナ対策の助成金制度である「小学校休業等対応助成金」の話です。従業員さんで小学校等のお子さんを持つ方が小学校等の休業に伴い休まざるを得なくなった方がいる場合に、会社が使える助成金という位置づけのものです。

助成金には必ず要件というものがあります。どういう条件に当てはまったら助成金の申請ができるのかということです。

この助成金の要件は次の通りです。

令和2年2月27日から6月30日までの間に、以下の子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、有給賃金全額支給の休暇労働基準法上の年次有給休暇を除くを取得させた事業主が助成金の対象となります。

①新型コロナウイルス感染症に関する対応として、ガイドラインなどに基づき、臨時休業などをした小学校などに通う子ども

②新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校などを休む必要がある子ども

ポイントは以下の三つです。

・2/27~6/30の間の休みである

・子供の小学校等の休業によって休まないといけなくなった従業員がいる

・年次有給休暇とは別に有給の休暇を付与している

助成金の金額は、有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額の10分の10、つまり全額です。具体的には、対象労働者1人につき、対象労働者の日額換算賃金×有給休暇の日数で算出した合計額を支給します。ただし、各対象労働者の通常の賃金を日額換算した金額の1日当たり8,330円を上限としています。

また、対象となるのは雇用保険被保険者だけでなく、雇用保険被保険者以外も対象とされています。この辺は4月1日以降の雇用調整助成金と同じです。パート・アルバイトで雇用保険に入っていない方も対象となっている点は特徴的な点です。

また、この助成金は就業規則の変更は要件とされていません。「休暇制度について就業規則や社内規定の整備を行うことが望ましいですが、就業規則などが整備されていない場合でも、要件に該当する休暇を付与した場合は対象となります」となっています。就業規則の変更によって休暇を与えていなくても対象になるので、この点も事業主としては検討しやすくなっている点であるといえます。

それから、半日単位の休暇、時間単位の休暇の扱いでですが、半日休暇も対象となります。ただし、勤務時間短縮は所定労働時間自体の短縮措置であり、休暇とは異なるため対象外となります。

そして、年次有給休暇や欠勤、勤務時間短縮を、事後的に特別休暇に振り替えた場合も対象になります。先に法定の年次有給休暇で消化して、あとから法定の年次有給休暇とは別に今回の小学校等の休業による有給休暇として振り替えてもいいのですが、ただし、注意点があります。事後的に特別休暇に振り替えることについて労働者本人に説明し、同意を得ていただくことです。この点は、助成金とは関係なく、労務管理上の基本的な話だとは思います。事後に振替える場合には、注意して運用してください。

あとは「臨時休業等」と「小学校等」の範囲を確認しておきましょう。

臨時休業等」とは、小学校などが臨時休業した場合、自治体や放課後児童クラブ、保育所などから利用を控えるよう依頼があった場合が対象となります。

保護者の自主的な判断で休ませた場合は対象外となっています。

また「小学校等」とは小学校、中学校、高校、特別支援学校、放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、幼稚園、保育所、認定こども園、認可外保育施設、家庭的保育事業等、子どもの一時的な預かりなどを行う事業、障害児の通所支援を行う施設、と結構範囲は広いです。

最後に、申請期間です。

令和2年9月30日までに申請することが必要です。

2/27~6/30までにこの休暇を付与したのだったら、9月30日までに申請すればいいわけです。時間的には少し猶予がありますからまずは休暇を認めるのかどうするのかを検討していくという段取りかと思います。

それから、これは助成金ですから事業主が給付を受けるものです。従業員さんが直接的に受給できる制度ではありません。ですが、本人のためにも会社としてはなるべく休業等をせざるを得ない保護者の希望に応じて年次有給休暇とは別にお休みが取れる形にしていただくと、国から助成金があるということは知っておいていただいていいと思います。

この助成金はコロナの問題が出て以降、これまでにも多くご相談いただいているものの一つです。お話をお聞きしていると、現実的にはシフトの関係で休みにしたりというのが難しいという事業主側の事情がクリアにならないとなかなかこの助成金を使っていくのは難しいという部分もあるようです。要するに、抜けると人が減るのをどうするのかという問題です。お休みになる方の代わりの人ががきちんと手当できるのかというそこが肝であるというのが実態かと思います。ですが、その部分をクリアできそうなら助成金を活用しながら有給の休みを付与することもぜひ検討してみてください。



新型コロナウィルスの関係で休業を余儀なくされた事業所に支給される「東京都感染拡大防止協力金」の話です。国の持続化給付金よりも東京都が先に詳細を出してきたので、今日は、都のコロナ関連の補助金について、説明します。

東京都の「東京都感染拡大防止協力金」は1営業所で50万円2営業所以上あれば100万円もらえます。どのような要件があるのかをまずは確認してみましょう。

休業したら東京都からもらえるというお金は都内で事業をやっていて休業したらもらえると思ったらちょっと違います。

大きな要件としては二つあります。

一つ目は業種です。

今回、東京都の「東京都感染拡大防止協力金」は東京都が指定した業種に限ります。

下記の都の指定する業種のみが対象です。↓

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1007617/1007679.html

HPは「種類」「施設」「休止要請」とあるところの「休止要請」が「対象」となっている業種が対象です。また、都の区分は以下の三つに分かれています。

緊急事態措置を実施する前(令和2年4月10日以前)から、次のいずれかの対象施設に関して必要な許認可等を取得の上、運営している方が対象です。

  1. 「基本的に休止を要請する施設」に属し、休止を要請されている施設
  2. 「施設の種別によっては休業を要請する施設」に属し、休止を要請されている施設
  3. 「社会生活を維持するうえで必要な施設」の内、「食事提供施設」に属し、営業時間短縮の協力を要請されている施設

基本的に休止を要請する施設」に属していれば「業務休止」の対象となり、今回の「東京都感染拡大防止協力金」の対象にもなる業種です。

施設の種別によっては休業を要請する施設」に該当するのだったら、「休止を要請されている施設」に該当すれば対象となります。たとえば、「鍼灸マッサージ」「接骨院」「柔道整復」の治療院は、この「施設の種別によっては休業を要請する施設」に該当します。これらの業種では、適切な感染防止対策を講じれば今回の休業要請の対象外となります。つまり、今回の「東京都感染拡大防止協力金」の対象外となってしまいます。しかし、備考欄に「国家資格有資格者が治療を行うもの以外の施設は使用停止の要請の対象とする。」となっています。そのため、国家資格がなくても行える「整体院」は逆に「休止の要請」の対象となります。この「休止の要請」にしたがって休止をした整体院は今回の「東京都感染拡大防止協力金」の対象となるわけです。

また、「社会生活を維持するうえで必要な施設」の中でも飲食店に限定して「営業時間の短縮を協力されている施設」はこの協力金を受け取れる対象施設です。

適切な感染防止対策の協力を要請、営業時間短縮の協力を 要請 ※営業時間の短縮については、これまで夜8時以降から朝 5時までの間に営業している店舗に対して、朝5時から夜 8時までの間の営業を要請し、酒類の提供は夜7時までと することを要請。(宅配・テークアウトを除く。)」というのに当てはまる飲食店は「休止要請」では「対象外」となっていますが、「東京都感染拡大防止協力金」の対象になるわけです。

ちょっとわかりづらいかもしれませんが、これがまずは一つ目の要件です。

二つ目の要件は、「令和2年4月16日から令和2年5月6日までの全ての期間において、東京都の要請に応じ、休業等を行うことが必要」というものです。緊急事態措置の出た4/11以降のうち、すくなくとも4/16~5/6までは休業にしていないといけないわけです。

さて、これらの要件に該当した場合、「東京都感染拡大防止協力金」の受給対象となるわけですが、今日アップされた支給要綱によるともう一つ追加でポイントがあります。それが、「専門家による申請要件や添付書類の確認」を要請しているという点です。

ここで言っている「専門家」というのは「税理士・公認会計士・中小企業診断士・青色申告会」のことを言っています。これらの「専門家」の事前確認を原則として要求しています。「専門家」の事前確認がなくても書類は受理するようですが、確認作業などがあるようです。つまり、その分、書類をきちんと見られて支給も遅れるのではないかと思います。

できれば、税理士や会計士、中小企業診断士、青色申告会でのチェックを受けたものを提出したほうがいいと思います。

なお、都のHPには「専門家に依頼した事前確認にかかる費用については、一定の基準により東京都が別に措置いたしますので、そのことを前提に専門家とご協議ください。」とあります。詳細はわかりませんが、税理士や会計士、中小企業診断士などに依頼していくらか費用が掛かったのであればその費用の一部は東京都が負担する形になるようです。

また、用意する書類としては以下のものになります。

①東京都感染拡大防止協力金申請書兼事前確認書(表・裏)

②誓約書

③緊急事態措置以前から営業活動を行っていることがわかる書類

 ●確定申告書

 ●直近3か月以内の月末締帳簿

 ●【法人】法人設立設置届出書 【個人】個人事業の開設・廃業等届出書 等

④業種に係る許可や免許を適正に取得していることがわかる書類(飲食店営業許可、酒類販売業免許 等)

⑤本人確認書類

 【法人】代表者の運転免許証、パスポート、保険証などの書類

 【個人】運転免許証、パスポート、保険証などの書類

⑥休業等の状況がわかる書類

例:休業を告知するHP、店頭ポスター、チラシ、DM

※複数店舗休業の場合、店舗数分

これらの書類を都の指定するHPから応募するか、郵送して提出するか、もしくは最寄りの都税事務所のポストに投函するか、いずれかの方法によることとされています。

申請は4/22~6/15です。該当するのであればお早めに対応したほうがいいでしょう。

この「東京都感染拡大防止協力金」はまずは対象業種なのかの確認が重要です。そのうえで、対象業種なのであれば今回の申請は税理士や会計士などの専門家にご相談いただいたほうがよさそうです。別途、費用も掛かるでしょうからその辺も含めて相談してみてはいかがかと思います。

ということで、今日はコロナ対応の東京都の補助金の話でした。



今日も昨日と同じ雇用調整助成金の話です。

4月1日から6月30日は緊急対応期間として、雇用調整助成金の支給要件がさらに緩くなり、使いやすくなっています。どういう要件なのか、この際、「要件」という点に着目すると理解しやすくなると思います。確認してみましょう。

まず、雇用調整助成金の基本的な要件として、通常時では最近3カ月の売り上げの平均が前年同月比で10%下がっていることが必要なわけですが、この新型コロナウィルスの特例として、最近1か月の売り上げが10%下がっていることでいいとされています。それがさらにこの4月1日から6月30日の緊急対応期間であれば、売り上げの減少が5%でいいとされました。

それから、この雇用調整助成金というのはそもそもは計画的に休ませて初めて受けられる助成金です。通常時の場合には計画届というのを休業を開始する前までに提出する必要があります。初回申請は休業開始の2週間前までに出す必要がありますが、この新型コロナウィルス感染症対策としては、計画届は令和2年5月31日までに後から出せばいいことになっています。また、4月1日から6月30日の緊急対応期間中であれば、計画届は6月30日までに出せばいいことになっています

通常の場合には、計画届を出して、その計画届に出した期間を経過してから2カ月以内に支給申請という流れでしたが、今回のこの新型コロナウィルス感染症対策として、計画届と支給申請を同時に行うことができることになりました。

これは、4月1日から6月30日の緊急対応期間中の申請も同様です。計画書と支給申請を同時に出す形になるという少し特殊な流れとなります。ただ、この計画書の後出しがOKになったというのは、この雇用調整助成金が使いやすくなった要因になっています。

そして、この雇用調整助成金の受給対象者は、通常は雇用保険の加入者が対象になるわけですが、雇用保険の加入者以外も対象となっています。パート・アルバイトやたとえば、給与が乙欄の者であっても雇用調整助成金の対象となります。(正確には、パートアルバイトなどの雇用保険に加入していない方の場合、「緊急雇用安定助成金」という助成金の対象となります)これらの雇用保険の加入者以外の者の場合、通常勤務時がどうなのかとの比較が必要となります。通常勤務時のシフト表やタイムカードなども必要になってくる点は注意点でしょう。

また、クーリング期間というのが1月24日以降の休業については撤廃されています。

クーリング期間というのはこの助成金は一度受給すると次の受給まで1年以上の期間を開けないと受給できないというものです。これがなくなっています。

さて、この新型コロナウィルス感染症対策としての基本的な要件は上記のようなものですが、実際の受給額はどうなっているのでしょうか。

通常時は休業手当の3/4ですが、これが4月1日からの期間については、解雇を行わず雇用を維持した事業所については9/10と拡大しています。

「平均賃金の日額×休業手当の支払い率(60%~100%)×9/10(1日8,330円が上限)」

となっています。

ただし、注意点があります、上記の算式のように休業手当の支払い率60%~100%となっているので、たとえば、給与を減額せずに100%休業手当として支払った場合、その100%支払った金額を基礎に計算されると思われてしまいます。

たとえば、日給1万円の人に休業を言い渡し、その代わり、給与の日額1万円は変わらずに支払ったとすると、1万円×100%×9/10=9,000円>8,330円なので、上限の8,330円支給されると思ってしまいます。

しかし、これはそうではなく、どうやら就業規則等の記載額が上限とされているようです。就業規則に通常、休業手当の規定が記載されています。その記載には平均賃金の6/10の支払いと記載されていることが多いと思います。それが根拠となり、仮に100%休業手当を支払っていたとしても休業手当は60%とみて計算されるということです。

結局、日給1万円の人については支給額は5,400円となるわけで、日給の約半分が支給額だと考えればいいだろうと思います。

ただ、この辺は見解が労働局によっても違うという話もありますので、60%以上の休業手当を支払った場合には確認が必要でしょう。

また、解雇していても雇用調整助成金を受給できるというのもあります。解雇がある場合、通常は受給できませんが、4月1日からは解雇を行っていても5分の4が支給されます。

解雇を行っていても雇用調整助成金が支給される点は特徴的な部分です。

また、支給日数には上限があります。

休業等を実施した労働者が1人でもいた⽇を1⽇とカウントするのではなく判定基礎期間ごとに以下の方法で⽇数を計算します。判定基礎期間というのは、判定基礎期間計画や⽀給申請の単位となる期間のことをいい、基本的には1か月単位(つまり、賃⾦締め切り期間)となっています。

休業の延日数(人数×日数)÷労働者数=支給日数

上記の支給日数が1年で100日3年で150日が限度とされています。

それが、4月1日から6月30日までの緊急対応期間中は過去の受給日数にかかわらず上限期間が「100日+4月1日から6月30日までの期間分」とされています。

それから、この雇用調整助成金を利用するにあたって、一つ注意すべき点があります。それは「休業規模が小さいと支給されない」というルールです。休業したといっても時間数が少なかったり、一部の従業員のみが休業になったりすると適用されない可能性があるという点です。4月1日以降の休業についてはこの休業規模は少し拡大されて40分の1以上となっています。(従来の要件は中小企業の場合、20分の1以上でした)

たとえば、判定基礎期間における所定労働延日数が22 日、「所定労働時間」が1 日8 時間の事業所において、10 人の労働者が1 日ずつ休業をする場合、「休業延べ日数」は10 人×1 日゠10 人日となります。この場合、10/220>1/40 となるため、この要件を満たすこととなります。たとえば、上記の場合でも5人の労働者が1日ずつ休んで5日の休みだった場合、「休業延べ日数」は5人×1日=5日となるため、5/220<1/40となるため、5日程度の休業だとたとえ休業手当を支払っていてそれ以外の要件は該当していたとしても対象外となります。

ある程度、休業期間がないと対象外となる点は注意点です。

もう一つ、緩和された内容として、いわゆる「残業相殺」が認められるようになっているという点もあります。本来は雇用調整助成金というのは、経済的理由により事業所の業務量が減少した状況下において、事業主が労働者を解雇せずに、休業によって雇用を維持した場合に助成を行うものです。その場合、労働者を休業させる一方で、残業や休日出勤をさせた場合、それが突発的・一時的なものであったとしても、労働者を休業させずに働かせる必要性が新たに発生したことになるため、助成の対象となる休業の延べ日数から、その残業や休日出勤をさせた分を控除することになっています。しかし、1月24日以降の休業についてはこの適用がないことになっています。

助成金そのものが助成金を普段、扱わない中小企業の事業主の皆さんにとってはとっつきづらいものかもしれません。しかし、雇用調整助成金は雇用保険被保険者以外に拡大するなど、利用が拡大し、使いやすくなっています。これを機に、まずは上記の要件を確認するところから始めてみましょう。そして、雇用調整助成金の利用の検討してはいかがかと思います。



さて、今日も新型コロナウィルス感染症にかかわる話です。

最近、新型コロナウィルスの関係で融資に次いで質問が多いのがこの雇用調整助成金です。

新型コロナウィルス感染症対策でかなり要件が緩くなっており、特にこの4月1日から6月30日は「緊急対応期間」としてはその要件がさらに拡大し、より受給しやすくなっています。売り上げの低下がある場合には、この助成金もぜひ、活用を考えてみましょう!

さて、まずはこの雇用調整助成金というのはどういうものから理解しましょう。

この助成金は、事業の縮小などがあり売り上げが減少するというのが大前提としてあります。売り上げが減少するため会社は経営を維持することが困難になることが予想されます。そこで、労働者側と話し合い、労使協定に基づいて計画的に一定の従業員を休業させるということをします。労働者はその日は働いていないのでいったん欠勤控除といってその休んだ分は給与から控除することになります。しかし、その休んだのは従業員側の都合ではありません。あくまでも会社の命令で休みになるということなわけです。このように会社の都合で休みにする場合、労働基準法では、1日当たりの平均賃金の6割を休業手当として払わないといけないというルールがあります。売り上げの減少に伴い、計画的に休業をする場合、国は助成金を用意しています。それが雇用調整助成金です。この雇用調整助成金を受給するためには、計画休業が始まる前に事前にハローワークにいつだれを休みにするのかという計画書を出す必要があります。そして、実際にその契約通りにその従業員を休ませて6割の休業手当を支払った場合に、助成金が受給できるというのが雇用調整助成金の基本的な仕組みです。

単純にしたほうがわかりやすいので、日給1万円の人を例に説明しましょう。

日給1万円の人を会社の命令で休みにさせたとします。まず、休みなのでいったんは1万円は支払われません。ただ、休みになったのはあくまでも本人の都合ではなく、会社の都合です。会社の都合で休みにした場合、本来支払うべき給与(労基法上は平均賃金というものになりますが)の6割以上を休業手当として支給する必要があります。つまり、6,000円は支払う必要があるわけです。この6,000円を支払った事業者に助成金が出るというわけです。

加えて、この助成金を受給するには、休みにする前に事前にいつだれを休みにするのか、計画書が必要だといっているわけです。計画書の通りに休みにして初めて雇用調整助成金が受給できます。受給額は3/4なので、1日当たり4000円となります。(4月1日からは解雇しない場合には9割支給されるので、5400円が支給されますが、詳しくは次回のブログに書いていきます)

それから、社長さんなどの経営者の皆さんからこういったことを言われることがあります。

「とりあえず、コロナの関係があるから休みにさせました。ただ、従業員の生活もあるので給与は減らさずに100%払います。でも、従業員は休みにさせているから雇用調整助成金というのがあるから国からお金はもらえるんですよね?」

この場合でも雇用調整助成金が受給できるのでしょうか?みなさんはどう思いますか?

これは会社がどのように取り扱っているのか、給与明細がどうなっているか、その辺が大事です。

たとえば、基本給が30万円の人で、1カ月間、完全に休業させていた(自宅待機させていた)とします。この場合でも、給与の30万は満額、会社から支払ったとします。この場合、特に断りがなければ、休みでも給与を支払っているのだから有給休暇だと考えられます。

有給休暇なのか、休業手当として支払っているのか、どこで見るのかというと給与明細(もしくは賃金台帳)です。給与明細上、基本給30万円としか記載されていないのだとすると、それは「有給休暇」とみられてしまう可能性が高いでしょう。有給休暇となってしまうとこの雇用調整助成金は出ません。雇用調整助成金を受給するには、給与明細(もしくは賃金台帳)の表示を基本給30万円のあとに欠勤控除で▲30万円と表示して、休業手当として30万円と表示しないといけません

ちなみに、休業手当は平均賃金の6割なので、この場合、平均賃金が1か月30万円だったとすると、30万円×6割の18万円以上であればいいわけです。

ということで、今日は雇用調整助成金の基本的な話でした。

次回は4月1日からの雇用調整助成金の特例について書いていこうと思います。



コロナ対策の政策が相次いでいます。融資、雇用調整助成金、税金の支払い猶予・・・

そして、最近、私の顧問先でも質問が多いのが、「持続化給付金」です。

「持続化給付金」はまだ国会で審議されておらず、補正予算が通ってから詳細がわかりますが、現状で分かっている範囲で少しだけ解説しようと思います。

経産省が出している「持続化給付金に関するお知らせ」を参考に少しだけ解説したいと思います。

持続化給付金の支給要件は新型コロナウイルス感染症の影響により、 売上が前年同月比で50%以上減少している月のある中小企業やフリーランスの方たちです。

支給額は下記の算式によって計算した額を、個人は100万円、法人は200万円を上限として支給されます。

「前年総売上-前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月」

たとえば、2020年3月の売上が100万円だったとします。2019年1月から12月の売上が3000万だったとすると、3,000万円-100万円×12で1,800万円となり、法人だと200万、個人だと100万円支給されます。

2020年1月から12月の売上のうち「50%以上減少したひと月について、事業者の方に選択いただきます」とあるので、1月から12月までのどれでもいいので1か月で比較して考えます。支給対象となるのは1か月でいいので前月同月比で50%以下に売上が下がっている場合です。

金額が大きくなる月を選択する必要があるので慎重に考えたほうがよさそうです。

また、2019年に創業したばかりの会社で事業実績が1年に満たない場合には、別途なんらかの措置が講じられるようです。昨年、創業された方も対象になる可能性はあります。

対象とならない企業としては資本金10億円以上の大企業です。

逆に、対象となる企業等としては中小企業のほか、個人事業主、フリーランス、医療法人やNPO法人も対象となるようです。

また、提出する書類としては、法人の場合には、①法人番号②2019年の確定申告書類の控え③減収月の事業収入等を示した帳簿等 となっています。

個人の場合には、①本人確認書類②2019年の確定申告書類の控え③減収月の事業収入等を示した帳簿等 となっています。

また、これらの売上の減少について確認するものとしては「通帳」となっています。法人の場合には法人名後の通帳、個人の場合には個人名義の通帳を出して実際の売上を確認するということです。

現状で分かっている情報は以上なわけですが、詳細については補正予算成立後1週間程度で申請受付開始となっているため、少し待ったほうがいいでしょう。

また、Web申請を基本としているということなので、PCを使った申請であることも留意しましょう

といったところで、現状で分かっている「持続化給付金」についての情報提供でした。



今日は、社労士を使わずに自社で助成金申請をする場合に、どんな点に注意したらいいのかを書いていこうと思います。

  • 書類の日付に注意しよう

これは、実際に私が窓口で提出しに行ったときに、隣の窓口で職員さんと提出した会社の事務担当者がやり取りしていたのが聞こえてきたという話です。

どうやらその隣の窓口では、話の内容からすると、特定求職者雇用開発助成金という助成金の申請を扱っているようでした。労働契約書の日付が問題になっていたようで、このようなやり取りがありました。

ハローワークの担当者:「労働契約の日付が〇月×日になっています。これは雇用保険の加入年月日の後になっていますが、この前の契約書があるのですか?」

会社の事務担当者:「労働契約の日付が〇月×日なのは最初は試用期間になっているからです。最初の3カ月は試用期間なので契約書がないんです」

ハローワークの担当者「ということは、最初の3カ月は契約書がない状態なんですか?」

会社の事務担当者:「最初の3か月の契約書は特に交わしていません」

このケースがこの後どうなったのかはわかりません。ただ、労働契約がないというのは助成金ではありえない話です。私からすると、なぜ提出する前に日付の確認をしていなかったのだろうと思わざるを得ません。おそらくこの会社さんでは「試用期間だから契約書はいらない」という認識で事務処理を進めていたのでしょう。しかし、特に助成金上は契約書の根拠のない期間があること自体、あり得ないことなんです。

このケースのように「日付」というのはかなり重要です。

たとえば、キャリアアップ助成金の書類で就業規則に「正社員化の規定」が必要というものがあります。就業規則に正社員化する規定があってはじめて助成金申請に該当するわけです。この就業規則の改定についてもいつ就業規則を改正したのかという、やはり日付が重要なわけです。通常、就業規則を改正したもしくは就業規則を定めた場合には、規定の後ろの方の「附則」という部分に「令和〇年△月×日改定」というような文言を書きます。この日付がいつになっているのかが重要なわけです。就業規則の改定は対象となっている人が正社員化する前の日付でないといけません。

一方で、たとえば、キャリアアップ助成金に様式1-2「正社員化コース対象労働者詳細」というのがあります。ここに記載する日付は、書類の意味からしても、申請期間内で、なおかつ、提出日かそれ以前の日付でないといけません。申請期間が1/16からで、日付が1/15になっていたらいけないわけです。ですが、この書類の日付が仮に間違えたまま提出したとしても、おそらく、その点を提出した後からでも直せば問題ない話だと思います。先ほどの例のように労働契約書だったり、就業規則だったりという場合には、すでに終わっているものなので、日付の訂正というのは後からはできないわけです。助成金申請時の書類だったら後から訂正してもいいものが多いでしょうが、労働契約書や就業規則のようなものは後からの書類の訂正は難しいでしょう。

日付のつじつまが合っているのかというのは、提出前によく確認したほうがいい点です。

  • 書類の提出時にはチェックリストに書いてある順番通りに綴って提出しよう

これも社労士だったらたぶん普通にやっていることです。

各助成金には必ず「チェックシート」というのがあります。助成金には必要な書類が数多く必要です。その書類をチェックシートにのっとってそろっているのかチェックしていくわけです。

ハローワークや助成金事務センターに助成金の書類の提出をするとよくわかるのですが、ハローワークの職員もチェックリストを出してきて一つ一つ書類をチェックしています。たぶん、一般に公開されているチェックリストとは少し違うチェックリストなんだろうと思います。ただ、チェックリストに載っている順番はたぶん同じです。チェックリストになっている元は同じものだろうと推察されるからです。

チェックリストに載っている順番にそろえれば、ハローワークの職員もチェックがしやすいです。ハローワークの職員も人間ですから、スムーズにチェックできれば当然、助成金の審査自体も進みやすいです。同時に、提出する側も書類の不備や附則書類などに気づきやすいです。一番はハローワークの職員が見やすいようにしてあげるということですが、同時に提出する側も書類の不備を事前に見つけやすくなるので、チェックシートに従ってその順番に綴っていくというクセを付けたほうがいいと思います。

  • 一度出した書類は引っ込められない

たとえば、タイムカードの記載に不備があったとします。その不備の記載のあるタイムカードのとおりに時間外給与の計算をすると、実際の支給額に不足額があったとします。おそらくそういうケースではあとから指摘を受けます。時間外手当が法定通りきちんと支払われていないとなると、労働法規にのっとっていなかったことになるので不支給になる可能性もあります。タイムカードの記載が間違えでしたといってそれが認められるのかは不明です。

以前にあったのは、賃金台帳に労働時間数や時間外手当の時間数の記載がなかった時に指摘を受けたことがありました。この場合には、後からでも記載すれば済む話です。ですが、労働時間数が法定時間を超える時間数を記載していたり、時間外手当の支払われていない時間数があることになってしまうような記載の賃金台帳やタイムカードを提出してしまうと、間違いだったと修正するのはおかしな話になってしまいます。

記載がないものは後から追加で記載すればいいですが、記載されているものを修正するのは理由が伴います。

要するに、提出する前に書類に不備がないのか、きちんとチェックしておく必要があるということです。一度出した書類は引っ込められません。書類のつじつまがあっているのか、きちんと確認してから出すようにしましょう。

  • 曖昧だったら即答は避けよう

助成金というのはハローワークや助成金事務センターに書類を提出して、そこで受理されたら終わりというわけではありません。書類を出した後、助成金事務センターから問い合わせがあることはよくあります。ここでの答え方で不支給になるケースもあると聞きます。

電話があったからそれに対して答えるわけでしょうが、それが助成金の申請としては答えていいことなのか、その電話ではわからないケースもあると思います。その場合には、その場で即答することは避けたほうがいいです。

正直申し上げますと、助成金事務センターからあとから問い合わせの電話があると、私は少し緊張します。変な答えをすると、不支給になるケースもあるからです。形式的な話だったら即答しますが、そうでない場合、私は調べてから回答します、という感じで即答はしないようにしています。実際、急に電話があってもその助成金がどういうケースのものだったのか、すぐに思い出せるほうが少ないのでそうしているというのもあります。ですが、一番は即答が危険だからです。

特に会社の事務担当者が助成金の申請をするのでしたら、助成金事務センターから電話がかかってきたら即答は避けるということを頭に置いておくだけでも違うのではないかと思います。

今日は、会社で事務担当者が助成金申請する場合の注意点という話でした。参考にしていただければ幸いです。



従来、助成金の申請は以前は郵送での提出はできませんでした。ちょっと前になりますが、これが平成30年10月1日以降の助成金の書類提出については郵送でもいいことになりました。

事業主の皆さんには、「それまでは郵送では出せなかったの?」とむしろ思われるかもしれません。ですが、助成金の申請は書類の確認は結構、細かいので、その場で指摘して、不備があったら受付しないでその場で書類を返すということをしていました。おそらくそのために郵送での受付をしていなかったのだと思います。

これはたとえば、日本全国の会社を対象に助成金申請のみをやっているような社労士は喜んだのではないかと思います。また、社労士でなくても自社で助成金申請をする場合にも、そのほうが効率的になるため喜んだ方も多いと思います。ただ、郵送申請の場合、気を付けないといけないことがいくつかあります。

簡易書留等の郵送記録が残る方法で郵送しないといけない

②郵送提出の場合、郵送した書類が到着した時点が提出時とみなされる

③書類の補正がある場合に返信しないと助成金が不受理になる場合がある

上記のうち、①はいいと思います。問題は②です。税務関係の書類は郵送提出の場合、発送した日付が提出日となります。一方で、助成金の場合には、書類が到着した日が書類提出の日となります。助成金は期限があるものですから、書類提出の期限ぎりぎりになるような場合、この論点は知っておいたほうがいい重要な論点です。また、会計事務所が助成金申請のアドバイスをしているような場合、税務の世界では郵送の場合には「発信主義」なので、勘違いしてしまう論点かもしれません。

ちなみに、東京都の助成金の場合には、郵送の場合には発送した日付が提出日とみなされます。国の助成金と東京都の助成金では、提出日の考え方が違うというのも知っておいていいことでしょう。

あとは③です。

助成金の場合、よく書類の補正や追加を求められます。期限内に書類を出せば、その後に書類の追加や補正を求められてもその追加や補正の書類は提出期限後であっても、書類受理の後の話なので問題はないのが原則です。しかし、補正や追加があったのにそれに応じない場合には、その後に、補正を求める書類が郵送されます。その補正を求める通知に1か月以内に対応しないと不受理になるということになっています。

これは、厚労省の出しているリーフレットに書かれていることで、実際、実務上で書類の追加や補正に応じないことで不受理になるケースが実際にあるのかはわかりません。しかし、助成金の申請後に追加や補正があった場合には、できるだけ速やかに応じたほうがいいです。当然、対応が遅れれば、助成金の入金も遅くなってしまう話ですから、対応を遅くしてもあまりいいことはないからです。

ちなみに、郵送提出が可能になった平成30年10月1日以後も、私は直接、ハローワークや助成金事務センターに出向いて書類提出しています。どんなに忙しくてもそうするようにしています。助成金というのは何があるかわかりませんし、不備や追加・補正があればその場で対応できるので、そうしています。

行ってチェックしてもらって、どういう点を見ているのかを知るケースもあります。また、書類自体、結構細かいところまでチェックしています。そのため、追加や補正というのは結構な頻度で発生します。その場でやり取りしたほうが話が早いというのもあります。

郵送も可能にはなりましたが、なるべく提出に行ったほうが確実ではないかなと私は考えています。

ということで、助成金が郵送提出可能になったという話でした。