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「このオリンピックで感動したことは何でしょうか」

某テレビ局が一般視聴者向けのアンケートをやっていました。

1位が卓球の福原愛選手。2位が体操ニッポン。3位が卓球の水谷選手。

やはりメダルを取った競技が中心ですね。仕方ないことですが、やはり関心は「日本人のメダリスト」ということなんでしょうね。

どうしてもテレビ中継が日本人のしかもメダルを取れる競技が中心になってしまうのは仕方のないことですが、リオデジャネイロオリンピックでは競技数が28競技306種目あったそうです。なじみのない競技ももっと見てみたかったというのが私の率直な感想です。

ちなみに、私が最も興味を持ったのは陸上と水泳です。何といっても、陸上と水泳は「運動競技の華」ですから。

なかでも、4×100メートルリレーにはかなり関心を持っていました。結局、この種目も日本チームが銀メダルを取ったため、「なんだ、結局、あんたもメダリストに関心があったんじゃないか」といわれればそれまでではありますが・・・

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ということで、私はリオデジャネイロオリンピックが始まる前からこの種目に関心がありました。それは、おそらく、日本人好みな感じだというところからくるものだと思います。

陸上競技というのはどうしても日本人に不向きと言われます。体格や体力の勝る欧米選手やアフリカ系の選手が強いです。そんな中、日本人の知恵と工夫で北京オリンピックでは銅メダルを取りました。個々の力は弱くても「知恵と工夫」で何とかする。これは日本人の真骨頂です。これは「弱者の兵法」というやつです。経営者の方はこういうのはお好きですよね。私も例にもれず、そういうのに弱いんです。私がオリンピックの前から関心を持っていたのもそういう理由です。

この競技で実力が抜きに出ているのは、ジャマイカとアメリカです。北京オリンピックでは、アメリカとイギリスが予選で失格していて、そもそもその意味でメダルを取る大きなチャンスがあったんです。その中で取った銅メダルです。良くやったとはいえ、二回はないだろうなあとこの時は思いました。

ですが、今回のリオでの銀メダルは少し違う感じです。

つまり、確かに技術力も上がってはいるものの、それだけでは銀メダルという結果にはならなかったはずです。つまり、個々の実力もかなり上がっていたということです

 

「弱者の兵法」というのは自分たちの強みを徹底的に探してそこを強化していくことだと思います。つまり、自分の特長をとらえていないとこの「弱者の兵法」は成り立ちません。

そして、忘れてはいけないのは、個々の力も上げていかないとそもそも成立しないのも「弱者の兵法」です。

こういうことって、経営者は参考になる点だと思います。

経営者の方々もこの「弱者の兵法」で勝ち取ったからこそ、このリレーのメダルは参考になるのではないかと思います。



オリンピックが終わりました。

日本はメダル41個と過去のオリンピックで最多の数だったそうです。

しかし、私はメダル云々は、関心がまったくないわけでもないですが、「誰それがメダルを取った。」「〇〇が金メダルを逃した」なんていう話は、こういっては何ですが、それほど重要ではないと思っています。

もちろん、当事者の皆さんには大変重要なことですし、社会的な関心の高いことで一般的な話題にもなりやすいという意味でも重要ではあります。ですが、私はこんな風に考えています。

メダルというのは結果にすぎません。終わった瞬間に過去の栄光になってしまう。それがメダルだと思うんです。もう一つは、スポーツというのがそれ自体、勝っても負けてもそれぞれにドラマがあり、結果自体よりもそこに至るまでの過程がうまくいっても上手くいかなくても大変意味があることだということです。

特に、後者の点からスポーツの事象と経営を重ねてみる経営者は非常に多いと思います。

ということで、このリオデジャネイロオリンピックでも、私は経営者的な視点からとても興味深いことが多いと感じました。その辺を、何回かにわたって書いていこうと思います。

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さて、まずは、シンクロナイズドスイミングです。

私が関心を持ったのは、実はシンクロ自体ではありません。

8月21日の読売新聞にかつてのシンクロの日本代表、小谷未可子さんが記事を書いています。これがとても心を打つ、感動的な記事だったのでご紹介いたします。

ネットで検索できないか探したのですが、なかったので以下に内容を要約してみました。

シンクロのチームは出場できるのは8名ですが、オリンピックの選手として選ばれるのは9名です。9人目の選手に林愛子さんという選手がいます。彼女は試合には出られません。出られないことはわかっていてもレギュラーの選手と同じきつい練習メニューをこなさなければいけません。レギュラーとして試合に出られるわけでもないわけですからきっとやる気の起きない時期もあったはずです。自分(小谷さん自身)も選手だったころ、レギュラーには選ばれずにビデオ係を命じられたことがありました。本番の競技には出られないのにきつい練習はしないといけないというのが精神的に大変つらかった。だからその気持ちはよくわかります。ですが、それは後に引退してから年齢を重ねるにつれてそういうつらい思いが役立つことが多かったです。林選手も同じです。そもそも一部の脚光を浴びる選手だけのために五輪はあるわけではないのです。ちなみに、シンクロの場合、最後メダル授与式には、9人目の選手も出席してメダルをもらえることになっています。彼女は端から二番目に立って正選手と並んでメダルを授与してもらいました。彼女は涙を流していましたが、この思いがきっと彼女を成長させてくれることと思います。」

 

まったくそうだと思うのが、レギュラーでなかった方が後に役立つことが多いという点です。実は、私もかつて野球をやっていましたが、レギュラーではありませんでした。控え選手だったり、マネージャーだったり、そういう目立たないポジションにいる人は、レギュラー選手以上に精神的につらいはずです。レギュラー選手と同じようにつらい思いやしんどい思いをしているにもかかわらず、それが評価されないことが多いためです。人から評価されないのは人が最も精神的につらいと感じることです。ですが、そういう経験は、逆に人を育てます。一つに、活躍している人の裏に目立たない人の存在があることを知っているので、必ず意識します。そして、裏方の人の気持ちが良く理解できます。なにより、裏方でやってきたことがその人自身を精神的に強くしています。

どうしても活躍した人、成功した人に目が行きがちです。オリンピックであればメダルを取った人に目が行きがちです。ですが、実はその背後につらい思いやしんどい思いをした人が必ずいます。そういう経験をした人こそ、私が思うに後に、大きく伸びていると思うんです。

ちなみに、これは統計を取ったわけではないので、実際のところはわかりませんが、私が今まで多くの経営者と会った感じからして、経営者として成功している人には、学生のころ部活で補欠だったりする人が多いように感じます。この点は小谷さんのコラムとも通じるところではないかと私は思っています。



今日はNHKの朝ドラの話です。「とと姉ちゃん」です。

主人公の小橋常子は出版社の社長です。モデルになっている人物は「暮らしの手帖」の大橋鎭子です。

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朝ドラは私はずっと見ているのですが、時折、経営者が学ぶべき姿勢のようなものを垣間見ることができます。ちょっとそのエピソードについて書いてみようと思います。

出版社を起業した常子でしたが、なかなか軌道に乗りません。そこで、雑誌に広告を載せることを検討し始めます。折しも、戦後すぐの状況で西洋料理が普及し始めたころで、料理学校が流行っていました。雑誌の読者層の重なる料理学校に営業をして広告を載せてもらうことを考えます。

しかし、編集長である花山伊佐治は強硬にこれに反対します。「雑誌に広告を載せたら広告主の意向に沿った形でしか雑誌を作れなくなる」というのがその理由でした。

広告を載せれば「一般庶民の、そして女性にとって役に立つ雑誌」というコンセプトがぶれる。これも一理あります。

しかし、広告が取れれば資金繰りが楽になります。                        簡単にいえば、 「お金」を取るか、「理念」「理想」を取るか。そういう話です。

このような状況は経営にはよくあることだと思います。

結局、社長である常子は、常子の責任において、広告を取ることを優先します。広告主には「雑誌には口を出さない」条件を付け、花山の許可を得ずに社長である常子の独断で広告を載せます。一方で、それをきっかけに編集長だった花山は雑誌社を離れます。

しかし、広告を取ったことで資金繰りの状況は何とか改善します。ですが、それもつかの間の話で、すぐに資金繰り的に窮地に追い込まれます。そこへ、広告を載せた会社から雑誌の編集に口を挟まれることになり、広告の掲載を再びしないことを決断します。こうした状況の中、結局、紆余曲折あって花山を再び雑誌社に呼び寄せます。そして、雑誌社は再び息を吹き返します。

おおよそ、こんな話ですが、ここで経営者的にタメになると思うのが、編集長の花山が反対してもいったん、広告を載せることを決断したことです。のちに常子は「あそこで広告を載せなかったら今頃、雑誌社は倒産していた」と話をしています。

「お金」か「理念」か?こういう究極的な場面において、私は正解はないと思います。ただ、何を大事にするのか、それを社長自身が貫き通せるかが、問題なんだと思います。

ですので、決して「お金を取るのが正解」なわけでも、「理念を貫き通すのが正解」なわけでもないと思うんです。

常子は「雑誌社が存続することを優先して考えて決断した」というような趣旨のことを言っています。「会社を続けること」これが、常子が一番大事にしたことです。ですので、「理念」を大事にしたほうが会社が存続すると判断していれば、理念を取ったはずです。仮に編集長の花山を欺く結果になったとしてもこの時の状況が資金繰りを優先すべきだと経営者として判断したわけです。

さらに言えば、その決断は間違っていなかった、と言っています。社長である私がその時、もっとも最善の方法を選択したんだと言い切っています。ここが大事なんですね。違う選択をしていたらどうなったかなんて誰にも分りません。ですが、社長が自分自身で判断したことは間違っていなかったと後に言い切れるところが、経営者には大変重要なんです。

「れば」「たら」は経営には不要です。その時その時に真剣に考えて決断して、それを後悔しない。それこそが経営者の姿勢だと学ばされる朝ドラの一場面でした。



リオデジャネイロオリンピックが始まりました。「ニッポン」は大変なメダルラッシュです。私も知る限り、これほど日本勢が毎日毎日、次から次へとメダルを獲得する、というのは記憶にありません。

どうしても、メダルの獲得に目がいきがちなのがオリンピックです。ですが、経営者というのはやっぱり見方が違うんでしょうね。経営者の皆さんは、このオリンピックを自分の経営と重ねて考える傾向があります。

ということで、私も、多くの経営者と同じように経営者の視点でこのリオオリンピックを考えてみたいと思います。

伊藤みま

経営者的な視点から私がこれまでみた中では注目は卓球の伊藤美誠選手です。

この伊藤選手は2000年生まれのまだ15歳、つまり高校1年生です。高校1年生ということは、この選手の選手としてのピークはちょうど次の東京オリンピックになるはずです。おそらくはその頃は大学生で、石川佳純選手や福原愛選手の次の世代の代表選手として活躍しているはずです。

試合の運び方をみても、世界ランク上位の選手に全く物怖じすることなく戦っている姿は大変期待が持てます。今年に入ってからも、中国の強豪選手の丁寧選手にも勝ったこともある、まだ15歳ながらも実績もある選手です。

さて、経営者の視点でなぜ伊藤選手なのかということです。経営者というのは、常に、2年先、3年先、5年先を考えています。行き当たりばったりでやっている経営者なんて、私の知る限りいません。ただ、言葉には出さないことが多いかもしれません。そのために、他の人たちにはわかりづらいのかもしれません。先のことを考えたとき、期待が持てる選手というのを従業員に置き換えて考えるのが経営者です。「うちの会社で伊藤美誠は〇〇〇〇だな」とか、「福原愛は〇〇〇〇だな」とか、そんなことを考えるわけです。経営者がもっとも「わくわくする」ような気持になるのが、これから活躍しそうな人です。そのため、経営者の視点からすると、伊藤美誠選手、なわけです。

同じ理由で、池江璃花子選手も、経営者的な視点からは注目の選手です。

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この選手も、2000年生まれのまだ16歳、伊藤選手と同じ高校1年生です。ですが、昨年のジュニアオリンピックで50メートルと100メートルのバタフライで優勝したり、今回のリオオリンピックでも、日本記録を更新しています。東京オリンピックやその後の活躍も期待できる大変有望な選手です。なによりも、オリンピックを楽しんでいるその姿は、経営者的に見れば大変頼もしく思えるのではないかと思います。

また、強い相手に勝っていく姿、というのも結構好きな経営者は多いかもしれません。その意味では、7人制ラグビーの日本代表がニュージーランドやフランスを倒した姿を自社と重ね合わせた経営者も多かったのではないかと思います。

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リオデジャネイロオリンピックはまだまだこれからです。

日本選手だけでなく、外国選手にも注目して、経営のヒントになるような視点で書いていこうと思います。

 

 



驚きの結果ですね。

イギリスの国民投票で、EUからの離脱派が過半数を占め、イギリスはEUから離脱を選択するという事態となりました。

ほとんどの知識人は「結局、EUに残留するのを選ぶんでしょう」と高をくくっていたようです。さて、このイギリスがEUから離脱したというニュースは経営にはどのような影響があるのでしょうか。

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最も直接的に影響があるのは、株や有価証券などの金融財産を持っている社長さんです。会社で持っていたり、個人で持っていたりする人は、影響が必至です。実際、円相場や為替相場は異常なまでに反応を示しています。

これに似たケースで、ちょっと違いますが、「リーマンショック」をご記憶の方も多いでしょうね。あの時も、円が買われ、急激に円高になりました。

この国の経済の特徴として、円高になると株安になる傾向があります。その傾向が顕著に出ていました。

今回もそんな感じになるでしょうね。

株や債券など金融資産をお持ちの社長さん。是非、慎重に判断するようにしましょう。

そして、仮に、株や債券を持っていない社長さんであっても、株や債券に影響があるとすれば、年金などの資産運用にも影響があります。長期的に見てもいい影響ではないだろうと予想されます。年金の保険料が上がるいう形で巡り巡って影響があるとも考えられます。

ところで、消費税の増税を見送ったのも、結果的に正解だったかもしれません。

イギリスのEUからの離脱は少なからず、日本の経済にも影響があるはずです。しかも、あまりいい影響ではないと想像されます。

それに加えて、来年の4月から消費税が増税されていたとすれば、もっと景気の悪化が深刻だったことも考えられます。

結果的に、消費税増税を見送ったのは正解だったということになるでしょうね。まさか、安倍さんはここまで予測していたとは思えませんが・・・

ちなみにですが、こうした事態も考えられるので、株や債券のような金融商品は、「損してもいい」と思える程度の投資額にしておいた方がいいと、株などをやっている経営者の皆さんにはお伝えしています。つまり、「ほどほどにしておく」というのがポイントです。当たり前と思うかもしれませんが、重要なんです。損が大きくなるとそれをカバーしようとしてさらに投資額を増やして損失が膨れ上がる、というのは私の経験から言わせていただくとサラリーマンよりも社長さんによくみられる傾向だと思います。

それは、心によく刻んでおいたほうがいいですね。

いずれにしても、2016年6月23日というのが歴史的にも大きな転換点の日になってしまいそうです。



スズキ自動車の会長 鈴木修氏が燃費偽装の問題の責任を取るため、CEO(最高経営責任者)を辞任すると発表されました。ただ、引き続き会長職にはとどまるようです。

私的には???という感じがして、正直、やや違和感を感じます。CEOはやめるけど、会長職にはとどまるっていうのは・・・なんか違いがあるの?と思います。

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中小企業にとって、社長がいつ社長を辞めるのか、事業を引き継ぐのであればどういう形で引き継ぐのか、そして誰に引き継いでいくのかというのは、大変大きな問題です。

しかも、これは社長がまだまだやれるという元気な時に考えないといけないテーマです。

さらに難しいのは、仮にバトンタッチする後継ぎがいるにしても多額な相続税が発生してしまっては、残された跡継ぎが困ってしまいます。ですから、相続税対策も含めて、時間をかけてじっくりと取り組む必要がある大変、重たいテーマなわけです。

事業承継していくのであれば、そのポイントは大きくは次の三つだと思います。

1.跡継ぎに引き継いだら旧経営者はスパッと辞めること

2.跡継ぎの経営者の意思を尊重すること

3.相続税対策も十分に考えておくこと

一般的に、二代目はたたき上げの初代より難しいとされています。

どうしたって、先代と比較されてしまいますし、先代の古いつながりも引き継がないといけない。ですが、たいていの場合、先代のやってきたやり方を踏襲するだけでは時代の流れからは外れているから、新しいやり方を模索しないといけない。

私は、大企業であろうが、中小企業であろうが、本質的にはそんなに変わらないと思っています。そこで、他山の石で、大企業ではどうなのか、参考にしてみましょう。

「大塚家具」の問題は、私はいろいろな意味で中小企業にも「いい教材」だったと思っています。「いい教材」というのは当事者の方々には大変失礼ですが・・・

大塚久美子

大塚家具の問題は、マスコミから「親子喧嘩」と捉えられる向きが多く、実は企業経営に潜む様々な問題提起があることがあまり取り上げられていないように感じます。

「コーポレートガバナンス」だったり、「事業承継」だったり、「相続対策」だったり。

企業経営には起こり得る問題について、実はいろいろと問題提起されているのが「大塚家具」だと思います。

大塚家具をめぐる問題を簡単にいえば、お客さんが来たら囲い込む「会員制」という従来のやり方を継続することを主張する会長(父)と、だれでも入りやすい店舗という新しい形を模索する社長(娘)の対立でした。

どちらの意見を採用するのか。結局、この対立は株主総会に持ち込まれ、多数を取るため、すさまじい委任状争奪戦があり、結果、社長である娘に軍配が上がりました。

この問題について、株主は大変冷静だったと思います。結局、会長(父)と社長(娘)の経営方針の対立という軸ではなく、社長(娘)の久美子氏の出した中長期計画とそれに対抗する形で出された会長(父)の出した中長期計画とを比較して、どちらがより現実に即したものなのかを判断し、その結果、久美子氏が支持されたのだと私は思っています。

さて、この問題をめぐって、私はいくつもの気づきがあったのですが、その一つが「事業承継」の難しさです。

会長側には長男の勝之氏が跡継ぎにいました。一方で、長女の久美子社長はいわゆる第一子で、長男の勝之氏よりも年長者です。一橋大学を出て、みずほ銀行に入行。その後、大塚家具の役員となった才女です。

昔だったら、長男が跡継ぎになることは暗黙の了解だったのでしょうが、能力のある第一子の長女と年下の長男がいる場合、今の時代、跡継ぎ問題をどう考えるのかという問題もあるわけです。

結果としては、社長である娘が大塚家具の事業を承継したわけですが、いい形での事業承継とは言いかねるところです。

スズキ自動車にしても、大塚家具にしても、事業承継をする場合の現経営者の心構えの三原則(と私は呼んでいますが)に反していることは間違いないと私は思うわけです

ということで、中小企業にとっても頭の痛い話、「事業承継」の話でした。



舛添知事の問題がほぼ毎日、マスコミ報道に上がっています。今、都議会が開催中ということもありますが、大変な問題になっています。

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今回のこの「公私混同」の話は、経営者は学ぶべきことが多いと思います。

もちろん、公職についている人と民間人に差はあります。同じに論じることは出来ません。ですが、 「トーゴ―サン」(10・5・3)とか「クロヨン」(9・6・4)とかっていうのを聞いたことがありますか?

「トーゴーサン」というのは、サラリーマンは100%課税されているが、自営業者はたいてい50%くらいしか課税されていない。農業など第一次産業従事者は30%程度しか捕捉されていないというものです。「クロヨン」というのも同じことで、サラリーマンは90%、自営業者は60%、第一次産業従事者は40%しか課税されていないというものです。

税務署が税金を把握できているのはこの程度だという話です。

自営業者が50%だったり、60%だったりというのは、申告されていても、私的な費用が入っていたりして実際の納税額の半分だったり、6割だったり、という意味も含んでいるようです。

経営者の多くは、舛添さんの話を聞いて、少し身につまされるところはありませんでしたか?

こうしたズルをなくすために「マイナンバー」が導入されるという側面もあるわけです。そこを経営者は頭に置いておかないといけません。

もっとも、舛添さんの場合には公職についている人なわけで、「トーゴーサン」のような感覚で税金を使われるのは話が少し違うわけですが・・・

舛添さんの「私的流用」の話から、そんなことを考えたところでした。



本当なのか、嘘なのか・・・

安倍首相が消費税の増税延期を示唆したとの報道がされています。

連立を組む公明党も了承済みとか。

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前回のブログでも書いた通り、もともと、今、消費税を上げることは安倍首相の言う三本の矢の三本目の「成長戦略」と矛盾することは明らかでした。そのため、有識者を招いて意見を聞いたりして、安倍首相自身「平成29年4月には必ず10%に消費税を上げる」とは言ったものの、かなり迷っているところがあったようです。

さて、この消費税の問題を経営的に考えるとどうなのか。

経営者にとっては、消費税という税金が厄介なのは「払う」という意味が二つあることです

どういうことかと言いますと、通常の消費者として、対価の支払いをする際に払う消費税があります。これは、経営しているとかは関係なく、個人の事業をやっていない人であっても日々の買い物やサービスの対価で支払っています。お子さんからお年寄りまで、何かを買ったり、サービスの提供を受けてお金を支払えば誰だって支払いますよね。つまり、「買い物などをするときに支払う消費税」が一つ目の消費税の「支払い」です。

もう一つ。経営者にとっては、確定申告をする際に払う「消費税」があります。この消費税は、「消費者などから預かった消費税」からモノやサービスの対価として「支払った消費税」の差額を納付するものです。言ってみれば、「皆さんから預かった税金を代理で納付する」のが経営者にとっての「もう一つの消費税」です。

経営者にとっては、この「もう一つの消費税」が問題です。

具体的にいうと、たとえば、車の購入だったり、あるいは、建物を購入する場合など、大きな買い物をいつするのかが大変重要な問題になります。会社や個人事業者が事業で購入するのであれば、いつ購入するのかで事業者が納付する消費税に影響してきます。

ですが、そもそも「簡易課税」(売り上げに対して何%という簡易な方法で事業者の消費税を計算する方法)だったり、「免税点未満」(消費税のかかる売り上げが1000万円未満だったり、個人や法人の事業を立ち上げたばかりの事業者は消費税の納税義務自体がない)だったりすれば、そもそも「皆さんから預かった税金を代理で納付する」消費税はないので、払う方の消費税の問題だけ考えればいい話になります。

つまり、いわゆる「原則課税」(預かった消費税から支払った消費税の差額を納付する事業者)の場合が特に問題になるわけです。

たとえば、建物のような大きな金額になるものの場合、影響は大きい話です。前回5%から8%に上がった際のことを踏まえると、仮に平成29年4月から予定通りに10%に消費税を引き上げるとなった場合、 「建物の引き渡しが平成29年4月以降であっても、契約が平成28年9月30日までだったら8%」「契約が平成28年10月以降であっても、平成29年3月までに建物が引き渡しになれば8%」といったようになるはずです。契約をいつまでにすればいいのか、引き渡しはいつまでにすればいいのか、など影響は大きい話です。

これは、個人の方が住宅を購入される場合にも同様の話です。

2年半延期(つまり、平成31年10月からに延期されるということです)というのは経営だけではなく、個人の方にもよく考えないと損をする、という意味で少なからず影響があるわけです。

ちなみに、消費税10%と同時に導入予定だった「軽減税率」(食料品などの一部は8%のまま税率を据え置く)も2年半延期されるという話のようです。経理の側面から見ると、この軽減税率の導入は非常にややこしい話で、これが2年半延期になったというのは正直、ホッとするところがあります。軽減税率対策なんて、実務上はほとんど進んでいませんからね。

ということで、今日は消費税増税延期かも!?という話でした。



伊勢志摩サミットがありましたね。

「オバマさんが広島に行った」「タックスヘイブンが話題になった」「警備が厳しかった」・・・

いろんな感想がありますね。

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「サミット」なんて、経営には関係ないって思いますよね。

特に、日々、資金繰りに追われている社長にとっては、「サミット」なんて、単なるお祭りですし、別に関係ない話だと思われて、まあ、当然でしょう。

 

ですが、関係はあると思うんです。

というよりかは、そう思えるような視点が必要だと思うわけです。

 

安倍首相は「三本の矢」というのを盛んに言います。

「三本の矢」の「三本」って何かはわかりますか?

 

「財政政策」「金融政策」「構造改革」が三本の柱です。

 

財政政策」は、政府も経済を担う柱なので、積極的に政府が投資をして(要するにお金を使って)景気を良くしようというものです。

金融政策」は、今、盛んに日本銀行がやっています。政府・日銀が市場にお金が回るような政策をしましょうという話です。今は「マイナス金利」なんていうことをやっていますよね。あれが「金融政策」です。

 

問題なのが(いつも言われることですが)、「三本の矢」の三本目です。つまりは「構造改革」です。「構造改革」というのは「成長戦略」なんていったりします。どちらかというと、この「成長戦略」という言葉が使われますね。

要するに、民間企業がお金を使いやすい環境にしていく、というものです。

 

「法人税減税」だったり、「子育て支援政策」だったり、「非正規雇用の問題解決」だったりという政策は、全て安倍首相のいう三本の矢の三本目の政策です。

 

民間にお金を使わせて景気を良くしよう

 

法人税を減らせば、企業がお金を持つようになる。そうすれば、企業はお金を使ってくれる。

子育て支援政策をやるというのは、要するに、女性が働きやすい環境を整えることで、女性が働ければ経済が好循環するということです。

非正規雇用の問題もそうです。非正規雇用は年収が低い。だから、非正規雇用を正規雇用化して、お金を積極的に使える人を増やそう。

 

「三本目の矢」というのは、言い換えれば、「お金を使える人や環境を増やそう」ということだと理解していいと思います。

 

法人税を減税にするということは、個人よりも法人へ資金をシフトしていく方がお金が残るということですし、女性が働きやすい環境を整えるというのは、女性が働きやすい職場環境を今から整えておくことは政府の方向と合致するので、税制や社会保険の制度が後押しすることにつながってきます。非正規雇用の問題はすでに「キャリアアップ助成金」という形で表れています 「キャリアアップ助成金」を活用して、非正規雇用の問題を解決していくことが会社側にとっても、得することになります。

要するに何が言いたいかというと、「サミット」のようなお祭りごとであっても、言えば「国際公約」になります。守らないといけなくなるわけです。そこで言ったことは、確実に「実現」していかなければならないことになる。

ここを「他人事」ではなく、経営をする上での方向性に活用していくという視点が大事だと思うわけです。

 

安倍首相は、今回のサミットで改めて「三本の矢」の「三本目」の重要性の話をしています。

すでに、「国際公約」なわけです。

こうした背景を理解したうえで、個人ではなく法人にお金を残していく方向だったり、女性を積極的に雇用していったり、現場の責任者に登用したり、あるいは、「キャリアアップ助成金」を積極的に活用していくような経営をしていくことが「経営者のセンス」だと思うわけです

ちなみに、消費税を来年の4月から10%に引き上げるのはこの「三本目の矢」の政策には反してしまいます。明らかに「民間にお金を使わせて景気を良くしよう」という方向とは真逆です。サミットでも、日本が消費税を増税することに懸念を示す国の発言もあったようです。安倍首相の政策からすると、今、消費税を引き上げるのは「三本目の矢」と言っているのに矛盾してしまうんですね。さてどうするのか・・・

ということで、サミットの話題から「大きな視点から経営を考える」ということも必要だという話でした。



ゴールデンウィークも終わりましたね。次の連休は7月の海の日だそうです。約2か月先・・・。頑張りましょうね。

さて、ゴールデンウィークは皆さんはどのように過ごされたでしょうか?旅行、帰省、近くで買い物、特に何もせず・・・ いろいろでしょうね。私は最近始めたゴルフに行きました。照り付けもせず、ぎりぎり雨も降らずに18ホールを回ることができました!!!

初めて18ホール回りましたが、スコアは130。まだまだですね。もうちょっと練習せねば・・・

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さて、今日のテーマは「ゴルフ」・・・ではなく、「経営倫理」の話です。

三菱自動車の燃費偽装が問題になっています。軽自動車だけかと思いきや、調べてみると、主力車種のRVRなどでも燃費偽装を行っていたとか。

朝日新聞デジタルの記事↴

http://www.asahi.com/topics/word/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%81%AE%E7%87%83%E8%B2%BB%E5%81%BD%E8%A3%85%E5%95%8F%E9%A1%8C.html

三菱自動車の燃費偽装のニュースを見ながら思ったのは、「経営って、ゴルフに似ているなあ」ということです。ゴルフって、ごまかそうと思えばごまかせるスポーツなんです。ゴルフをやらない人は良くわからないかもしれませんが、たとえば、打った球がどこに飛んだのか、わからなくなることがあります。適当に「ここに飛んだ」と自分の球をドロップ(下に落とす)して、はじめることも可能です。あるいは、ボールがある場所が打ちづらい場合、ズルをして球を動かすことも誰も見ていなければできます。

基本、ゴルフは「自己申告のスポーツ」ですからね。

そうやって「偽装」をしても、だれも気付かれていなければ一見表面化しません。でも、自分はわかっているわけですよね、ズルをしたっていうことが。

今回の三菱自動車のように表面化してしまえばもちろん大問題になります。でも、表面化しなくても自分にはうそをついていることになる。この「自分にうそをついている」状況こそが問題だと思うんです。

今、やっている朝ドラ「とと姉ちゃん」。朝から『いい話だなあ』というのが多いドラマです。その「とと姉ちゃん」にも経営の神髄、と思える話がありました。

仕出し弁当屋に家族で住み込みをすることになった主人公の常子はじめとする小橋家。その仕出し弁当屋で、女学校に通いながら常子はお手伝いをしています。ある日、「松弁当(特上のいい弁当)」と松弁当より一つランクの下がる「竹弁当」を配るべき先を逆に配ってしまいました。誤って配ったことに気付いた常子たちは、本来「松弁当」を配るべきだったお客さんに謝りに行き、代金を返金します。当然、「松弁当」のお客さんは、カンカンに怒っています。

常子は、「松弁当」を配るべきところを「竹弁当」を配ってしまったお客さんに謝りに行くのを済ませた後、『やはり「竹弁当」を注文して「松弁当」がきたお客さんにも謝るべきだと思うんです』とポツリと一言言って、「竹弁当」のお客さんにも謝りに行きます。「竹弁当」のお客さんは「なんでそんなことで謝りに来たの?」という感じです。

なぜ、「竹弁当」を注文して特上の「松弁当」がきたお客さんにも謝りに行ったのか?言い換えれば、常子たちが間違えたことによって得したお客さんにも謝りに行ったのはなぜなのか?

常子はそれを「心意気の問題」と言っています。

この話は先ほどのゴルフの話や三菱自動車の偽装問題と同じだと思うんです。つまり、ゴルフの話、三菱自動車の偽装問題、そして、とと姉ちゃんのお弁当の話の三つに共通しているのは、「自分に正直であること」です。

経営にとって、一番大事なことは「お客さんだけでなく、自分にも正直であること」だと私は思うんです。それがないと、「経営=お金儲け」だけになってしまう・・・ そんなのは長く続きませんし、そもそも「ただのお金儲け」なんだったらなんのために働いているのか、という話にもつながると思うんです。

三菱自動車のように「ばれると大問題になるから倫理を守る」んではないんです。自分に正直でないから「倫理」を守るんだと思うんです。

最近始めたゴルフからそんなことを考えてしまったゴールデンウィークでした。