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Category Archives: 社会保険・労働保険

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令和2年に成立した年金制度改正法の施行により令和4年4月から年金制度が一部変更になります。改正の内容について、今日は書いていこうと思います。

 

改正の内容は6点です。一つずつ見ていきましょう

 繰下げ受給の上限年齢引上げ

令和4年3月までは、老齢年金の受給開始時期は、自身の希望により60歳から70歳の間で選択することができ、老齢年金を66歳以後に受給開始(繰下げ受給)する場合、年金額は65歳から繰り下げた月数によって増額(1月あたり0.7%増額)しました。それが、令和4年4月から繰下げの上限年齢が70歳から75歳に引き上げられ、年金の受給開始時期を75歳まで自由に選択できるようになります

 

対象となる方は令和4年3月31日時点で、次の①②のいずれかに該当する方です。

① 70歳未満の方 (昭和27年4月2日以降生まれの方)

②老齢年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過していない方 (受給権発生日が平成29年4月1日以降の方)

 

まとめますと、繰下げの上限年齢は75歳です(増額率上限:84%(120月))。対象となる方は昭和27年4月2日以降生まれであって、受給権発生日が平成29年4月1日以降の方となります。65歳以後もお仕事をされている方は検討されてみてはいかがかと思います。

 

繰上げ受給の減額率の見直し

繰上げ受給をした場合の減額率が、1月あたり0.5%から0.4%に変更されます。

令和4年3月31日時点で、60歳に達していない方(昭和37年4月2日以降生まれの方)が対象となります。

 

 

 在職老齢年金制度の見直し

在職中の老齢厚生年金受給者について、年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が一定の基準を超えたとき、年金の全部または一部が支給停止されます。令和4年4月から60歳以上65歳未満の方の在職老齢年金について、年金の支給が停止される基準の見直しが行われ、65歳以上の在職老齢年金と同じ基準(28万円から47万円)に緩和されます。

 

在職老齢年金は質問が多い項目の一つです。これについては、具体例を交えつつ、またの機会に書いていこうと思います。

 

 加給年金の支給停止規定の見直し

加給年金の加算対象となる配偶者が、被保険者期間が20年(中高齢者等の特例に該当する方を含む)以上ある老齢、退職を支給事由とする年金の受給権を有する場合、その支給の有無にかかわらず加給年金が支給停止となります。 また、令和4年3月に加給年金の支給がある方については、経過措置があります。

 

在職定時改定の導入

在職中の65歳以上70歳未満の老齢厚生年金受給者について、年金額が毎年1回定時に改定が行われます。基準日である毎年9月1日に厚生年金保険の被保険者である場合は、翌月10月分の年金から改定されます。

 

国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切替え

年金手帳は 基礎年金番号通知書 に変わります

令和4年4月以降、 新たに年金制度に加入する方もしくは、年金手帳の紛失等により再発行を希望する方 には、基礎年金番号通知書が発行されます。また、マイナンバーカードをお持ちの方は、マイナポータルから「ねんきんネット」にアクセスできます。ただし、既に年金手帳をお持ちの方には基礎年金番号通知書の発行は行われませんのでご注意を。

 

以上の6項目の改正がこの4月1日から入っています。

関係のある項目について、確認してみてください。

 

以上、今日は4月1日から改正されている年金の話でした。



久しぶりのブログの更新となりました。

今日は4月1日から改正となった労災の話です。

柔道整復師や、はり・あん摩マッサージ指圧師の先生方は知っておいた方がいいでしょう。

 

従来、個人で開業されている柔道整復師やはり・あん摩マッサージ指圧師の先生方はご自身自体は労災保険に加入することはできませんでした。こうした事業所で労災保険に加入することができるのは、先生ご自身ではなく、従業員さんの方です。ですから、従業員として働いている柔道整復師やはり・あん摩マッサージ指圧師の先生方は従来から労災保険に加入はできていますので関係ない話です。関係するのは、個人事業主である柔道整復師やはり・あん摩マッサージ指圧師の先生方です。

 

対象となる方をもう一度、確認しましょう。対象となるのは、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律に基づく「あん摩マッサージ指圧師」、「はり師」、「きゅう師」のいずれかの国家資格をお持ちの方です。

 

これらの方が労災保険に加入できるというのはどういうことでしょうか。

労災保険は、業務中にケガをした場合の治療費などの療養費や、ケガ等で休業する際の休業期間の給付、治療後に障害が残った場合の給付、お亡くなりになった場合の遺族への給付等が支給されるものです。

 

この労災保険に「特別加入」という形で加入できます

加入できる形態は2種類あります。

従業員を雇っていない方については、「一人親方その他の自営業者」として加入します。

一方で、従業員を雇っている方は、労災保険に現に加入しているはずなのでその方は「中小事業主」として加入します。

中小企業主の基本的な要件は、常時使用している労働者が100人以下であることです。その上で以下の二つが必要となります。

① 雇用する労働者について保険関係が成立していること

② 労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託していること

 

特に②が重要です。中小事業主で加入するには、労働保険事務組合に加入しないと手続きできません。

 

加入できる人は事業主に限りません。請負で契約している(外注扱いになっている)柔道整復師やはり・あん摩マッサージ指圧師の方も加入できます

 

これらの方が特別加入で労災保険に加入を希望する場合には、「特別加入に関する変更届」と「あん摩マッサージ指圧師免許(写)」、「はり師免許(写)」または「きゅう師免許(写)」を記載した書類を労働保険事務組合に提出する必要があります。詳しくはご依頼される労働保険事務組合に聞いてみましょう。

 

ということで、4月1日から改正になった柔道整復師やはり・あん摩マッサージ指圧師の方の労災保険への加入の話でした。



さて、今日は雇用保険料率の令和4年改訂の話です。

 

令和4年は、令和4年4月からと令和4年10月からの2回の改定が予定されています。

これは、コロナの影響で雇用調整助成金の支出が増加しており、雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金を含む)の支出が実に5兆円を超えており、そのための財源不足に対応するためのものです。

 

まずは、変更後の雇用保険料率をみる前に、現状の雇用保険料率を確認してみましょう。

まずその前に、現状の雇用保険料率を確認してみましょう。

一般の事業をみていくと、労働者負担については、給与の3/1,000です。

事業主負担は 6/1,000となっています(このうち、失業等給付が3/1,000、雇用保険二事業 分が3/1,000)で、合計すると給与の 9/1,000が雇用保険料となっています。

これは平成29年からこの料率で、長く、変更がありませんでした。

 

それが、4月からはどうなるのでしょうか。

まず、労働者負担分については、引き続き3/1000となります。変わるのは事業主負担分です。事業主負担分が6.5/1000(このうち、失業等給付は3/1000、雇用保険二事業が3.5/1000)となります。

 

そして、今回の改正ではさらに10月からも雇用保険料率が変わることになっています

まず、労働者負担分が5/1000となります。

そして、事業主負担分も増えます。事業主負担分は8.5/1000(このうち、失業等給付は5/1000

雇用二事業分が3.5/1000)で全体で、給与の13.5/1000となります。

 

このように労働者負担が増えるのは10月からです。給与計算に関して言えば、10月以降について、忘れずに新しい雇用保険料率で計算する必要があります。

 

また、雇用保険料率が変わるということは、労働保険の申告の際にも気を付けなければいけません。しかも今回は4月からと10月からの2回、変更があるため、労働保険の申告時にはなおさら、注意が必要でしょう。

 

ちなみに、今回、説明上、一般の事業のみで割愛しましたが、農林水産業、建設業についても雇用保険料率が変更されていますので、個別に確認してみてください。

 

雇用保険料率は平成29年度から実はずっと変わっていませんでした。今回の改正は実に7年ぶりとなります。給与計算や労働保険の申告時に注意が必要ですので、その点には十分に留意しましょう。

 

ということで、今日は雇用保険料率の改正の話でした。



今日は来年から年金手帳が廃止されるという話です。

 

これまで入社される方がいると年金手帳を提出したりということがあったと思います。

会社の総務担当者のルーティンワークでもあったかと思います。

昨年、成立した改正法によって、2022年4月からは新規に年金手帳が発行されないこととなりました

現状で、社会保険の手続きというと、マイナンバーを提出すれば手続きできます

実際に手続きの事務をやっていない方は初めて知ることかもしれませんが、現状ではマイナンバーがあれば実は基礎年金番号はいらないんです

 

そもそも基礎年金番号というのは何でしょうか?

年金手帳にある番号で、「4桁-6桁」の番号です。

大変、古い話になってしまいますが、昭和61年に現在のように1階が国民年金、2階が厚生年金もしくは共済年金という2階建ての年金制度ができました。このときはまだ、年金制度ごとに異なる番号により年金加入記録が管理されていました。そのため、転職等により加入する制度を移り変わった場合、1人の人が複数の年金番号を持つこととなり、管理上の問題となっていたわけです。これを統一した番号で管理するために、平成9年に導入されたのが基礎年金番号です。

 

また、年金手帳は、従来、保険料納付の領収の証明と基礎年金番号の本人通知という2つの機能を果たすものでした。かなり以前には住所の変更があったりした場合も年金手帳に住所を記載したりもしていました。ところが、被保険者情報はすでに現状でオンラインシステムで管理されています。また、マイナンバー制度の導入により手帳という形式である必要性がなくなってきたというわけです。

 

さて、2022年4月1日以降に新たに国民年金や厚生年金保険に加入する人は4月以降、年金手帳がなくなって、どうなるのかといいますと、これらの方には「基礎年金番号通知書」が送付されることとなります。また、2022年4月1日以降は年金手帳が新規に発行されなくなるわけですが、それでも年金手帳が必要な方は2022年3月までに「年金手帳再交付申請書」を年金事務所に提出して交付を求める必要があります。年金手帳が必要な方は早めに手続きしましょう。

 

年金手帳の交付がされなくなるというのもマイナンバー制度普及と絡む話ではあります。

会社の総務担当者の方も年金手帳廃止のことを知っておいたほうがいいでしょう。



今日は実際に実務上、あった話です。

労働保険番号がわからない場合、どうやって調べたらいいのかということです。

 

当たり前かもしれませんが、まずは労働保険申告書の控えや労働保険関係成立届の控え、あとは労働保険料を支払った後の領収書など、番号が書かれている書類を探してみてください。だいたい、こうした書類に労働保険番号は書かれています。

 

さて、今日の話はそれでもわからなかった場合の話です。

実際、私の顧問先でも労働保険番号を調べようとしたらその番号の書いてある書類が見当たらなかったという話です。私も顧問先になったばかりで、番号を把握するような書類は預かっていませんでしたので、私の方でも労働保険番号がわかるものは何もありません。

 

とりあえず、管轄の労働基準監督署に労働保険番号を教えてもらえるのか、聞いてみました。

すると、「会社の登記簿謄本や定款など、会社のことがわかる書類と本人確認書類を持ってきていただいたら番号をお調べします」とのことでした。一応、労働保険番号の取扱いは個人情報と同様ということで、誰でも開示できるわけではないとは言われました。原則は会社の代表者や総務経理担当者などに限られるようです。そのため、窓口に来た本人を確認する書類も必要といわれました。

さて、私は代理で行くので謄本、定款は会社さんから以前にもらっていたのでそれと、あとは「提出代行に関する証明書」という社労士が電子申請する場合に顧問先からもらう委任状のようなものがあるのですが、それをもっていきました。

 

実際、監督署に行ってそれらを見せると、端末をたたいて番号を調べていただけました。

 

労働保険番号がこうした取り扱いなのでおそらくですが、雇用保険の事業者番号も同じような手順になるのではないかと思います。

 

労働保険番号がわからなくなるということもあまりないのかもしれませんが、いざとなればこうした手順で開示してもらえるということも知っておいていいのかもしれません。

 

また、このように労働保険番号や雇用保険の事業所番号がわからないような場合に行政に開示を求める場合、これらの役所に行く前に事前に電話で確認した方がいいでしょう。管轄の役所によっては開示の仕方が違うこともあり得ます。この辺はしょっちゅうあるような話ではないので、役所によって異なることはあり得るからです。

 

 

ちなみに、私はこうした仕事に20年近く携わってきましたが、労働保険番号がわからないという今回のようなケースは初めてでした。私もこうした開示の仕方があるのかと知った次第です。

ということで、今日は労働保険番号がわからない場合、実務上、どうしたらいいのかという話でした。



今日は来年1月から始まる雇用保険の新しい制度についてご紹介いたします。

雇用保険マルチジョブホルダー制度」というものです。

 

雇用保険は主たる事業所での労働条件が週所定労働時間20時間以上、かつ、31日以上の雇用見込み等の適用要件を満たす場合に適用されます。

これに対し、「雇用保険マルチジョブホルダー制度」は複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して以下の3つの要件を満たす場合、本人からハローワークに申出を行うことで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者となることができるというものです。

 

1 複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること

2 2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること

3 2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること

 

 

上記の要件に該当する被保険者のことをマルチ高年齢被保険者といいます。

 

さて、このマルチ高年齢被保険者に該当するとどうなるのかということです。

「マルチ高年齢被保険者」となった場合、一定の要件を満たせば、高年齢求職者給付金が受給できるようになります。「マルチ高年齢被保険者」が失業した場合被保険者であった期間が1年未満なら30日分、1年以上だったら50日分、受給できるわけです。この「失業」というのは2つの事業所を両方やめた場合だけでなく、2つの事業所のうち1つの事業所のみを離職した場合でも受給することができます。ただし、2つの事業所以外の事業所で働いていて、離職していないもう1つの事業所と3つ目の事業所を合計すると、週の労働時間が20時間以上になる場合、マルチ高年齢被保険者の要件を満たすので、被保険者期間が継続されることになります。結果としてこの場合、「失業」には当たらないため受給することができません。

また、実際に受給する場合には、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あること等の要件があります。

原則として離職の日以前の6か月間に支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額のおよそ5~8割となっており、賃金の低い方ほど高い率となります。

 

さて、この雇用保険マルチジョブホルダー制度ですが、特徴的なことの一つとして、マルチ高年齢被保険者となることを希望する本人が手続きを行うということがあります。

通常、雇用保険の手続きは会社が行います。ですが、この雇用保険マルチジョブホルダー制度の場合、書類をそろえたら手続き自体は本人が行うことになります。事業主としてやることは、本人から依頼があったときは、手続に必要な証明(雇用の事実や所定労働時間など)を行うことです。また、この手続は電子申請での届出は行っていません。本人の住所地の管轄ハローワークに行って行うことになります。

 

また、注意点としては、たとえば、A事業所で週15時間、B事業所で週8時間、C事業所で週6時間の労働時間があったとします。この時、A事業所とB事業所で届け出をしていて、この方がB事業所を退職したとします。この時、A事業所とB事業所で届け出している労働時間は20時間未満になります。ですが、実際にはC事業所でも働いているので、改めてA事業所の15時間とC事業所の6時間を足すと週の労働時間は20時間以上になります。この場合、AとBの資格喪失を出して、改めてAとCでの届け出をするという流れになります。

これは通常の雇用保険の手続きにはない特徴的な点です。

 

また、事業主としてはマルチ高年齢被保険者がいる場合、雇用保険料が別に発生します。当然、給与計算時にも本人から雇用保険料を徴収する形になります。給与計算や労働保険料の計算の際には注意が必要でしょう。

 

それから、雇用保険に加入するということは「育児休業給付」「介護休業給付」「教育訓練給付」の対象にもなります。65歳以上の方なので、通常は育児休業給付はないのかもしれませんが、「介護休業給付」や「教育訓練給付」は使うことはあり得る話です。この点も留意しておく必要があります。

 

現在、65歳以上の方で複数の事業所で働いているケースというのは結構、多いです。

私の顧問先の介護事業所でもそういう方は結構いらっしゃいます。

来年(2022年)1月1日からスタートする「雇用保険マルチジョブホルダー制度」について、事業主の皆さんはぜひ知っておきましょう。



月次支援金や雇用調整助成金など、コロナ対応の業務がここの所多く入り、なかなかブログの更新ができませんでした。今日は久しぶりのブログの更新となります。さて、今日は顧問先からあった質問をもとに書いていきます。

健康保険の扶養はどこまでの親族を入れていいのか」というものです。

健康保険の扶養親族に入れられる範囲は以下とされています。

被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持されている人

被保険者から3親等内の親族が扶養親族に入れられる範囲です。

つまり、曾祖父(おじいさんのお父さん)や姪・甥、ひ孫までが扶養親族にできる範囲です。

以前に事実婚の配偶者も入るというのを書いたことがあります。

事実婚も扶養にできるなど、健康保険の扶養は、範囲が結構、広いわけですが、注意点があります。同一世帯が要件となっている扶養親族と同一世帯が要件になっていない扶養親族があります。

同一世帯が要件になっていない親族は、「配偶者」「父母・祖父母・曾祖父母」「子・孫」「兄弟姉妹」です。いずれも本人の父母等、本人の子・孫、本人の兄弟姉妹です。つまり、配偶者の父母等、子・孫、兄弟姉妹は同一世帯でないとダメです。また、甥・姪は本人だろうと配偶者だろうと、同一世帯でないと扶養にはできません。

さて、そうするとこの「同一世帯」というのは何を意味するのでしょうか。

「同一世帯」というのは、家族と「同居」していることではありません。「同一世帯」とは「被保険者と住居および家計を共同にすること」とされています。

同居していたとしても、二世帯住宅など家族が居住する部屋が分かれていたり、家計が別々で被保険者から生活費の支援がない場合は「同一世帯」とはされません。被保険者の稼ぐお金で生計を維持していることが要件となります。

被扶養者となるためには、「主として被保険者によって生計を維持されていること」が必要です。

被保険者と同居している場合には、扶養になろうとする人の年収が130万円(60歳以上または障害者は180万円)未満で、被保険者の収入の2分の1未満であることが要件となります。

被保険者と同居していない場合には、扶養になろうとする人の年収が130万円(60歳以上または障害者は180万円)未満で、なおかつ、その扶養になろうとする人の年収が被保険者からの仕送額より少ないことが要件となります。

今回、ご相談のあった顧問先では、ご自身の配偶者のお母様を扶養にしようとしていました。このケースは別居でした。その場合、「同一世帯」と認めてもらうには、仕送りをしている資料(送金しているのがわかる部分の通帳の写しなど)が必要となります。その仕送り額がご自身の年収より多くなければいけません。今回のケースでは、お母様は国民年金の収入のみで、仕送り額が年金額以上であったため不要になることができました。

では、自営業者を扶養にしたい場合は「年間の収入」はどのように判断したらいいのでしょうか。

自営業を営んでいる認定対象者の年間収入の算定にあたっては、収入から控除できる経費は事業所得の金額を計算する場合の必要経費とは異なります。

協会けんぽのHPから抜粋すると、事業所得のうち、必要経費にしたものを次のように分けるようです。

控除できる経費の例  売上原価(一般所得)、種苗費、肥料費(農業所得)等

控除できない経費の例 減価償却費(一般所得、農業所得、不動産所得)等

減価償却費は現金支出のない経費だから除いて判定するということなのだろうと思います。減価償却費は除いた事業所得の金額で判断してみましょう

ということで、今日は社会保険の扶養の話でした。

次回は、社会保険の扶養との比較の意味で、税法上の扶養となる「生計一」というのを見ていきたいと思います。



緑色の封筒の労働保険の申告書が届いて、さて、これから集計をしないといけないなと思っていらっしゃる方も多いと思います。

労働保険の申告でも少しいつもと違うケースがあります。そのいつもと違う申告について、今日は書いていこうと思います。

今日は、事業を廃止したり、あるいは事業をいったん休業したりして労働保険の対象となる労働者がいなくなったりした場合に労働保険の申告をどうやったらいいのかという話です。

まず事業を廃止した場合です。

この場合、まず、労働保険の申告書の上部の③という箇所に廃止年月日を書き入れる欄があります。その欄に事業を廃止した、もしくは、労働者がいなくなった年月日を書き入れます。そのうえで、「確定保険料算定内訳」の欄のみを書き、下の「概算保険料算定内訳」の欄は空欄にします。さらに、下の方の24番の「事業廃止等理由」の欄から「(1)廃止 (2)委託 (3)個別 (4)労働者なし (5)その他」の中から選択し、該当するものに〇を付します

ちなみに、「委託」というのは労働保険事務組合に委託するようになったため、労働保険を廃止する場合です。事務組合に委託すると労働保険はいったん廃止し、事務組合として労働保険に加入する形になるため労働保険の「廃止」扱いになります。「個別」というのはその逆で、今まで労働保険事務組合に委託していた事業所が個別に労働保険に加入したため、労働保険事務組合から外れた場合です。この欄は一般の事業所はあまり使うことはないでしょう。

それから、労働保険の廃止をした場合、労働保険の還付となることが多いと思います。労働保険が還付になった場合には必ず「還付請求書」を忘れずに出すようにしましょう

次に、事業を休止した場合です。

今現在は労働保険の対象者はいないのだが、従業員を雇う予定はあって、労働保険を廃止したくはないという場合もあると思います。こんな場合の労働保険の申告はどうしたらいいのかという話です。

この場合、事業の廃止ではないので、上記のような廃止の手続きをとる必要はありません。実際、昨年1年間(昨年4月~今年3月)で雇っている人がいなければ労働保険の申告書の上の欄(確定保険料算定内訳の欄)は空欄になりますが、下の方の「概算保険料算定内訳」の欄は適当な数字を入れて申告を継続する形が取れます

いったん労働保険を廃止してしまうと、また加入するのに手続きが煩雑だったりするので、この方法がとられます。事業を休止はしていなくても、何らかの理由で今現在、労働保険の対象労働者がいないような場合、この方法がとられます。昨今の情勢であれば、コロナ禍でいったん従業員を雇うのをやめた事業所で、今現在は誰も雇用していないのだが、また見通し立ったら雇いたいというようなケースなどは十分考えられるところです。

昨年の労働保険の申告があるのだったら、昨年の概算保険料があると思います。その昨年の概算保険料と同じ金額を今年の概算保険料の金額にすれば、労働保険料は0円で契約を継続することができます。コロナ禍で今は雇っていなくても従業員を雇う可能性があるのであれば、労働保険を継続するこのような方法をとってもいいでしょう。

また、事業を廃止したのが4月1日以降の場合には、翌年度の廃止になります。この場合には申告書がもう1枚、必要となります。たとえば、4月に廃業したのだったら4月の分は2枚目の申告書に記載していく形になりますので注意しましょう。

ということで、今日は事業を廃止したり、事業を休止したりしている場合の労働保険の申告の話でした。



さて、今日は最近の行政手続きの話です。印鑑が不要になっているという話です。

河野行政改革担当大臣が行政手続きに必要とされる印鑑を廃止すると発表したことは大きく報道されたのでご存じの方も多いと思います。

「認め印」すべて廃止しオンライン化へ 河野規制改革相 | NHKニュース

実際、行政上の手続きがどうなったかというと、かなりの部分で印鑑が必要なくなっています。

税務関係でいえば、ほとんどの書類で印鑑が必要ないことになっています。「施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととする。」(国税庁HPより)とあることから、たとえば、確定申告書も用紙上では印鑑の欄はあるのですが、印鑑を押してなくても問題はないこととされています。

また、社会保険関係の書類や助成金の書類などは最新の用紙のフォーマット自体が変更されており、そこには印鑑を押す場所自体がなくなってきています。書類の書式自体を変更して印鑑の捺印が必要ないようにしているわけです。各種助成金の書類もほとんどが印鑑が必要なくなっています。助成金関係の書類は2020年12月の日付で更新になっているものが多いようで、最新書式だと印鑑の欄がありません。ある助成金の書類を作っていたところ、2021年2月更新という書類もありました。いずれにしても、社会保険の届け出や助成金などではかなりの部分で印鑑を不要にしています。

こうなってくると、逆に印鑑が必要な書類は何かという感じで考えた方がいいのかもしれません。

税務関係でいうと国税庁のHPには以下のように記載されています。

提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除き、押印を要しないこととするほか、所要の措置を講ずる。

(1) 担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類

(2) 相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類

また、社会保険の届け出の関係では、印鑑ではなく、書類の添付が省略されることになったものがあります。以下は日本年金機構のHPからの抜粋です。

下記の表の項番1~4に該当する場合に、届出の事実関係を確認する書類として添付を求めていた「賃金台帳の写し及び出勤簿の写し」(被保険者が法人の役員である場合は、取締役会の議事録等)の確認書類について、今後は、事業所調査実施時に確認を行わせていただくため、届出時の添付が不要となりました。

<確認書類の添付が不要となる対象届書及びケース>

項番 届書名称 添付を求めていたケース
1 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 厚生年金保険70歳以上被用者該当届 資格取得年月日が、届書の受付年月日から60日以上遡る場合
2 健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届 厚生年金保険70歳以上被用者不該当届 資格喪失年月日が、届書の受付年月日から60日以上遡る場合
3 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届 厚生年金保険70歳以上被用者月額変更届 改定年月の初日(1日)が、届書の受付年月日から60日以上遡る場合
4 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届 厚生年金保険70歳以上被用者月額変更届 改定後の標準報酬月額が、従前の標準報酬月額から5等級以上引き下がる場合

※上記の届書の該当ケース以外は、引き続き届出時の確認書類の添付が必要となります。

それから、こうした印鑑不要や書類の添付の省略化という動きは主には国のかかわる部分の書類です。東京都の助成金などは書類の変更はなく、印鑑の捺印があったころの国以上に印鑑の捺印を求めていたりしています。国以外の届け出は各自治体の動きを確認する必要があるでしょう。

助成金の書類などは私も実際に書類を作成していって印鑑が不要になったことを知ったというのが実際です。どの書類が印鑑が不要になったのか、書類の添付が不要になったのか、というのは、自分で判断せず、逐一、HPなどで確認した方がいいでしょう

印鑑や書類の添付が省略されるのは手続きする際には大変助かる話だと思いますが、印鑑や書類の添付が不要になったからこそより慎重に手続きをする必要があると思います。

ということで、今日は最近の行政手続きの簡略化という話でした。

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コロナの影響で雇用調整助成金を使って休業手当を支払った(もしくは現在も支払っている)会社は多いと思います。さて、このように休業手当を支払っていた従業員が退職した場合、離職票はどのように書いていったらいいかを今日はみていきましょう。

その前に、「休業手当」というのは労働法上、どのようにとらえられているのでしょうか?

「休業手当」は労働法上の賃金ととらえています。ですから、離職票には記載しないといけない手当になります。通常賃金と同様に離職票に記載していきます。

ですが、休業手当の支払いが含まれる月で離職後のいわゆる失業手当の給付金などが計算されてしまうと、著しく低く算定される場合があります。
そこで、休業手当の支払いがある場合には、通常と異なる計算が採用されます。

通常、賃金日額は、「休業もしくは離職前6か月間の賃金総額/180」で計算されます。

ですが、休業手当が当該期間に含まれる場合には次のいずれか高いほうの金額を1日の金額として計算されます。

  • 休業もしくは離職前6か月間の賃金総額/180
  • (6ヶ月の賃金-休業手当)/(180-休業日数)

これは月給者を対象とした場合になります。日給・時給者の場合は上記の算式のうちの180とある部分は労働日数を入れて計算した金額を最低保障額としてその金額との比較となります。

このように休業手当がある場合、雇用保険の賃金日額というのが計算の仕方が変わってきます。ということは、通常の退職時の処理とは異なるので、休業手当のことも離職票に記載していかないといけないわけです。

では、実際に離職票にどのように記載していったらいいのでしょうか。

たとえば、コロナの影響で事業主の都合で休業し、休業手当が支払われた場合を前提として、離職票は次のように記載していきます。

・「休業手当が支払われた日数も含めた基礎日数」を⑪欄の基礎日数に記載
・「休業手当も含めた賃金額」を⑫の賃金額の欄に記載
・「休業日数、休業手当の金額」を⑬の備考欄記載

また、休業となるのは1日のうちの全部が休業になるとは限りません。1日のうちの一部の時間が休業になるケースもあります。そのような1日のうち、一部の時間を休業した場合で、休業した部分について休業手当が支給された場合には、どのように離職票を記載していくのでしょうか。

これは、休業手当の金額が平均賃金の60%以上の場合と、60%未満の場合で次のようになっています。

休業手当を除いた賃金額が平均賃金の60%以上の場合・・・備考欄(⑬欄)に休業日数を記載する必要はありません。
休業手当を除いた賃金額が平均賃金の60%未満の場合・・・休業手当金額・休業日数(〇/〇 ~ 〇/〇 〇日間休業)・所定休日日数を備考欄(⑬欄)に記載します。

また、雇用調整助成金の受給を受けている場合には、備考欄(⑬欄)に、「雇調金」と記入したうえで、雇用調整助成金の支給決定日を記入する必要があります。支給決定日は雇用調整助成金の決定通知書に記載されていますから、それを見ながら書いていきましょう。

コロナの影響で雇用調整助成金を受給している会社は多いと思います。その後、その従業員さんが退職した場合の離職票の書き方までは把握していないことも多いことと思います。このブログを参考にしていただければ幸いです。

介護事業所経営者の経営ハンドブック

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