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「セルフメディケーション税制」は今年の確定申告から出てきた新しい項目です。ここでは、ごく簡単に解説しますので、その基本を理解しましょう!

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セルフメディケーション税制の説明は、厚生労働省のHPに出てきます。(国税庁ではないんですね・・・)

その説明によると「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。」と何やらわかりづらいです。

 

理解のポイントを整理しましょう。

 

〇健康の維持増進の取り組みをしていること

これは具体的には「定期健康診断」「予防接種」「がん検診」などを受けていることです

逆に、これらを受けていなければこのセルフメディケーション税制は受けられません。

「健康診断」や「予防接種」の領収書や受診したことのわかる受診結果通知書をそろえておきましょう。確定申告の際にはこれらを提出・提示する必要があるとされています。

 

〇スイッチOTC医薬品を購入していること

「スイッチOTC医薬品」って何?と思うかもしれません。医療用から転用された医薬品が「スイッチOTC医薬品」なのですが、普通の医薬品なのかスイッチOTC医薬品なのか、そもそもその区別ができないと思います。対象になるのはドラッグストアで買った医薬品です。薬局の領収書があればその領収書を見てください。その中に「この医薬品はセルフメディケーション税制対応医薬品です」といったことが書いていないでしょうか?書いてあれば、それがセルフメディケーション税制対応の医薬品です。

要するに、ドラッグストアで購入した医薬品であれば、このセルフメディケーション税制対応医薬品かもしれないので、領収書を見て確認してみる、という理解でいいと思います。

 

さて、このセルフメディケーション税制対応の医薬品を購入したとします。いくら控除されるのかですが、これは、12,000円を超える部分について控除できます。ただし、控除額の上限は88,000円です。

 

通常の医療費控除での控除を受けるのか、セフルメディケ―ション税制での控除をするか、どちらを選ぶかは選択になっています。実際には、まずは通常の医療費控除を選択します。ただ、通常の医療費控除は年間の医療費が10万円いかなければ(もしくは課税所得の5%のどちらか低いほうの金額)控除できないので、医療費控除が取れない場合に、「それじゃあセルフメディケ―ション税制で控除できるかやってみよう」となるのではないかと思います。

また、医療費控除は足切りが10万円である一方で、セルフメディケーション税制の控除が12,000円です。つまり、以下を比べるということになります。

 

  1. 通常の医療費控除・・・「医療費の金額-10万円(課税所得の5%の方が少なければ課税所得の5%)」(上限は200万円)
  2. セフルメディケ―ション税制での医療費控除・・・「セフルメディケ―ション税制の対応金額-12,000円」(上限は88,000円)

 

この二つのどちらか大きい金額で控除していくという話です。

 

考え方としては、まずは医療費控除をやってみて、医療費控除が88,000円未満だったらセフルメディケ―ション税制で計算してみる、という手順かと思います。

 

このセフルメディケ―ション税制の登場で、以前より少し複雑になった感じのする医療費控除。上記で整理してみてはいかがでしょうか。



オリンピックが始まりました。私は仕事の方で、確定申告が始まりました。早い方だとすでに申告書が出来上がっている方もいます。オリンピックの話もしたいのですが、今日は確定申告、医療費控除の話をしていきましょう。

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確定申告自体は2月16日からですが、還付申告だけの方はすでに受付が始まっていますから、すでに申告が終わっている方もいるでしょう。ですが、大部分の方はこれから確定申告をされるのではないかと思います。

 

確定申告でもっとも多い(と私が思う)のは、医療費控除の確定申告です。事業の方の申告に医療費控除があるケースもあります。とにかく医療費控除を申告するというのは、確定申告で最も多い申告なのではないかと思っています。

 

その医療費控除が大きく変わっています。では、どんな点が変わったのか、ご存じない方はこのブログで確認していきましょう。

 

〇医療費の領収書は、原則、税務署に出さなくてよくなった

この点は、実際、申告書をご自身で提出される方は大きな改正です。これまでは、医療費控除をする場合、その領収書を一緒に添付して提出していました。その医療費の領収書は提出不要になりました。医療費の領収書は、原則提出せず、5年間、自宅で保管するということになっています。税務署から見せるように依頼があったら出さないといけませんからそこは要注意です。

ただ、今まで通り、領収書を提出される方もいらっしゃると思います。平成29年(今回の申告)から平成31年までの確定申告については、今まで通り、医療費の領収書を提出してもいいことにかなっています。いわゆる「経過措置」というものです。「医療費の領収書って、税務署に出さなくていいの?出してしまいました・・・」といってもそれは間違いではありません。ただ、それは平成31年までの経過措置だということは知っておきましょう。

 

〇「医療費控除の明細書」というのに記載して提出することになった

今までは医療費控除の袋のようなものがあって、それに医療費の領収書を入れて、表に明細を記入していたと思います。今年からは「医療費控除の明細書」という書類に「氏名」「医療機関の名前」「治療・医薬品の購入などの区分に☑」「医療費の金額」を記入したらそれでいいことになっています。医療機関ごとに記載しますから、今までよりも簡素化したといえるでしょう。

 

〇「医療費の通知書」に記載されている金額を書けばそれでもいいことになった

各健康保険の団体から年に数回、医療機関の名称や自己負担額などが書かれた「医療費の通知書」が送られてくることがあると思います。その明細に記載された金額を記入すれば、「医療費控除の明細書」に明細を書かなくてもいいことになりました。ただ、この場合には「被保険者の氏名」「医療機関を受診した年月日」「療養を受けた者の氏名」「医療機関の名称」「支払った一部負担金の金額」「保険者の名称」がその通知書に記載されていないといけません。これらが記載されているのかを確認しましょう。

また、この「医療費の通知書」に記載されているのは、保険診療のものだけです。自費診療は入っていませんから、自費診療部分があれば、それが「医療費控除の明細書」に記載しないといけませんから、注意が必要です。

それから、もちろん、「医療費の通知書」が来ていても、「医療費の領収書」から「医療費控除の明細書」を記載していく方法でも問題はありません。

「医療費の通知書」があればその通知書に載っている合計金額を記載すればそれで終わりです。非常に簡単です。「医療費の通知書」は来ていたけど、捨ててしまったとか、そもそもそんなことは知らなかったから、どこにあるか分からないという人もいらっしゃるでしょう。ご存知なかった方は、来年以降は「医療費の通知書」は取っておいた方がいいということを知っておきましょう。

 

〇医療費の金額が10万円に達しなくてもセルフメディケーション税制の適用で医療費控除が受けられるかもしれません

 

従来は、年間の医療費の金額が10万円を超えたら医療費控除が受けられるという解釈だったと思います。ですが、今年の申告からはこのセルフメディケーション税制の適用があれば10万円未満であっても控除が受けられる可能性があります

セルフメディケーション税制については、次回のブログで説明していきます。

 

結構、大きく変わっている医療費控除。今一度、確定申告書を出す前に確認しましょう!



さて、今日の話は前回の続きです。

前回は、給与と外注とはどう違うのか?経営者側の視点、施術者側の視点、そして、それ以外に外注の場合にどんな問題があるのかについてお話していきました。今日は、「どういうケースが給与となり、どういうケースが外注となるのか」について、具体的に見ていきましょう。

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詳しくみていく前に、前回のブログに書きましたが、前提を整理しておきましょう。

「給与」=「雇用契約」=「労働をしたからお金を払う」

「外注」=「請負契約」=「仕事が完成したからお金を払う」

 

わかりやすく言えば、出勤後、大雪で治療院がお休みになった場合、「給与」の場合であれば、仕事をしていなくても出勤したこと自体を「労働」と判断して給与は出るが、「外注」であれば、仕事はやっていないので「仕事の完成」はしていないため、報酬はゼロになるということです。

 

さて、この基本的な理解を前提に考えていきましょう。

実は、この給与か、外注かというのは税務上も何度も問題になっており、裁判例がいくつかあります。それらを見ていくと、どう考えればいいのかがわかってきます。

 

たとえば、こんなケースです。

急病になって、自分でない代わりの職人を現場に派遣した大工さんのケースです。その場合であっても報酬は本人に支払われました。これは、結局、どういう形であれ、「仕事の完成」が目的だから代わりの人を寄越しても、報酬が支払われるということです。この場合には、「外注」とみなされる可能性が高いです。

 

また、こんなケースもあります。

現場監督から逐一、指示があり、指示に則って仕事をしているとか、仕事の時間が何時から何時と決まっているようなケースです。これは「仕事の完成」を目的としているというよりは、「労働」したからお金が支払われるという側面が強いです。この場合には、給与となる可能性が高いです。

 

また、本人はペンチ、ナイフ、ドライバー等を所持しておらず、もっぱら現場にある道具を使っているとか、通勤するための費用をもってもらうなどの場合など、これらは「給与」となる可能性が高いです。

 

実際に裁判になった例をいくつか、書きましたが、これらの特徴はどれか一つを見て「給与」か「外注」かを判断しているわけではないということです。いくつかの例をみて総合的に考えます。

 

さて、このブログでは、こうした「給与」か「外注」かの判断で、治療院の施術者の場合、どう判断するのかについて、書いていこうと思います。

これについては、施術者への支払いを「外注」として処理したことが実際に裁判となっている例があります。この判決の内容は以下のようなものです。

 

「営業時間、施術内容、施術料金、出退勤時間などの業務時間、服装、休憩及び業務上の心得等の業務規則が定められていて、それに従わないといけなかった」

「営業方針や業務規則に従わない場合には、経営者は一方的に契約を解除することができていた」

「施術者は、施術所内にある設備備品を使用し、業務に従事していた」

このようなことから「外注」ではなく、「給与」である。

 

要約すると上記のような内容です。

実務上は、上記のようにいくつかの要素をみて総合的に判断しているわけです

 

また、よくあるケースとして、「歩合給」だから「外注」だということを主張される場合があります。しかし、「歩合給」というのは単に給与の支払い方の形態の一つであって、それだけで「外注」と判断するわけではありません。

 

「外注」とするにはいくつかのポイントがあります。そのポイントを一つでも多くクリアしていくことが不可欠というわけです。

 

上記に挙げたもののほかに、「給与」か「外注」かを判断する要素として、たとえば、こんなことが挙げられます。

 

〇「時間」に対して報酬が支払われているのではなく、施術した仕事に対して報酬が支払われていること(日給や時給、諸手当といった項目での支払いではないこと)

〇通勤手当は本人が負担していること

〇必要な施術道具などは本人が持参してくること

〇何時から何時までいないといけない、という契約になっておらず、仕事が終わったら帰れるようになっていること

 

また、もし「給与」ではなく「外注」としたいのであれば、きちんと「業務請負契約書」も交わしたほうがいいでしょう。その契約書には上記のようななるべく多くの要素を折り込んでいくべきです。

 

意外と奥の深い、「給与」か「外注」かの問題。これを機に、ちょっと考え直してみてはいかがでしょうか?



治療院をみていると似たような相談事例がいくつかあります。その相談の多い項目の一つが、施術師(柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師)への支払いは給与なのか、外注なのか、という話です。実はこの問題は大変奥が深く、やり方によっては治療院の経営を大きく左右するような問題になるという実に厄介な問題です。

今日は、なぜ給与なのか、外注なのかが問題になるのか という点について、まずはお話していきましょう。

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多くの治療院では、施術師への支払いは、経営者側の意図としては、できるならば給与ではなく外注にしたいと思います。なぜなのでしょうか。

 

給与だと、源泉徴収が必要になります。加えて、雇用保険にも加入しないといけないでしょう。社会保険にも加入しないといけなくなる可能性があります。特に、会社形態(株式会社や合同会社など)でやっている治療院の場合、給与にしてしまうとこの社会保険に加入しなければならないのが負担なわけです。個人であっても、雇用保険や労災保険には加入しないといけないわけで、いずれにしても、給与にすると雇用保険や労災保険、社会保険といった公的保険の負担が増えることが大きな問題になるというわけです。

 

また、施術師側も外注にすれば、かかった経費を自分で計算して税額を少なくすることも可能になります。正確にいえば、給与の場合には「給与所得控除額」という給与がいくらあるといくら控除できるのかというのが決まっているものがあるわけですが、その「給与所得控除」の金額を超える実額経費があれば外注にした方が税額が少なくなります

また、外注にして自分で申告する場合に、青色申告を選択したとします。その青色申告で申告する場合の「青色申告決算書」に貸借対照表をつけて提出すると、65万円の控除が受けられます。貸借対照表のない「青色申告決算書」の場合、10万円の控除になります。一方で、給与の場合の「給与所得控除額」には最低額、65万円というのがあります。つまり、給与の場合の給与所得控除額の65万円と、青色申告の場合に貸借対照表をつけると65万円とあるわけで、最低控除の65万円は同じです。外注にした場合、事業所得になるので、これに加えて自分でかかった実額経費を計上できるので、施術師側にとっても税額が少なくなる可能性があるわけです。

また、施術師にとっても、社会保険に入らなくていいのであれば手元に残るお金が多くなることから、外注にしてもらったほうがいいということもあるかもしれません。

 

このように、経営者側にとっても、施術師側にとっても、税金や社会保険の問題から給与でなく外注にしたがるということです。

 

しかし、外注にした場合、法律上の問題や税務上の問題などの様々な問題があります。

 

これを考える前に、「給与」で処理するというのはどういうことなのでしょうか?

逆に、「外注」で処理するのはどういうことを意味するのでしょうか?

 

給与ということは法律的には「雇用契約」にあるということです

一方で、外注ということは法律的には「請負契約」にあるということです

 

民法では、「雇用契約」というのは「労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約する」となっています。

一方で、「請負契約」というのは「ある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約する」となっています。

 

つまり、単純にいえば、「雇用」というのは「労働をしたからお金を払う」のであり、「請負」というのは「仕事が完成したからお金を払う」という違いがあります。ポイントは、請負契約の場合の「仕事が完成した」ということです。

 

では、「雇用契約」にせず、「請負契約」にした場合、どのような問題が生じるのでしょうか。たとえば、労災事故が起こったとします。施術中に施術者が何らかの理由でけがをしたとしましょう。雇用契約であれば労災が適用されますが、請負契約の場合、仕事の完成に対して報酬が支払われる契約のため、事故の直接の責任について、経営者側は負いません。(間接的に責任はあるかもしれません)

また、たとえば、何らかの事故(大雪で患者さんが来なかったとか、施術者自身が風邪をひいて休んだとか)があっても、雇用契約であれば経営者がある程度の範囲で補償があるかもしれませんが、請負契約では補償はありません。

つまり、「仕事の完成」という部分以外は施術者自身が責任を負う形が「請負契約」なわけです

 

このように労災のことなどまで考えると、給与か外注かという問題は、単純に「損」「得」の話だけではないように思えます。

さて、次回は、給与か外注か、どこが分かれ目なのかについて考えていきましょう。

 



さて、今日は配偶者控除の改正の話です。

103万円が150万円になります。この1月(平成30年1月)から改正になっています。

どういう関係になっているのか、よくわからないという人も多いと思います。

シンプルにしてわかりやすく解説します

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まず、今回の改正は、一般的には「夫」の配偶者控除の話です。(夫の方が年収が多く、妻の方が年収が少ないという前提です)それ以外は何も変わっていません。つまり、一般的には「妻」の税金や社会保険の話は全く変わっていないという点です。

この配偶者控除の話でややこしいのは、税務と社会保険の両方が関係する点がまず一つあります。もう一つは、夫の税額に影響がある話と妻自身の税金や社会保険の話とが混在している点です。

 

その辺を考え、このブログでは、妻の年収(給与の場合に限った話です。事業所得の場合は当てはまりません)がどの金額になったらどうなるのか、もう一方で、夫の年収が変わるとどうなるのか、金額を順番に並べて考えてみることにします。

 

妻の年収100万以下・・・住民税が非課税になるライン。この金額を超えると「妻」の住民税が5,000円以上かかる。

妻の年収103万円以下・・・「妻」の所得税が非課税になる金額。所得控除(生命保険料控除など)が何もなくても、この金額以下だったら「妻」の所得税はかからない。

妻の年収106万円未満・・・「夫」の勤務先が従業員数501名以上の大企業の場合、「妻」は社会保険の扶養から外れる。この金額以上だと妻は単独で社会保険に加入(勤務先の社会保険に入るか、勤務先の社会保険に加入する基準に達していなければ妻単独で国民健康保険・国民年金に加入)しないといけない。

妻の年収130万円未満・・・「夫」の勤務先にかかわらず社会保険の扶養に入れる範囲。この金額以上だと妻は単独で社会保険に加入(勤務先の社会保険に入るか、勤務先の社会保険に加入する基準に達していなければ妻単独で国民健康保険・国民年金に加入)しないといけない。

妻の年収150万円未満・・・「夫」の配偶者控除(38万円)が取れる範囲。「妻」の年収が103万円以上であれば「妻」自身には所得税・住民税はかかる。

妻の年収150万円以上201万円未満・・・「夫」の配偶者特別控除が取れる。控除額38万円が段階的に少なくなり、201万円になった段階で、配偶者特別控除はゼロになる。

 

こんな形です。なんだか複雑ですね。

 

複雑に感じた所に悪いのですが・・・

もう一つ、今回の税法の改正で、「夫」の年収によって妻の配偶者控除が制限されるのも加わりました。夫の年収要件が以下です。

 

夫の年収が1120万円(所得金額で900万円)未満・・・この金額未満だったら「夫」は配偶者控除38万円を取れます。

夫の年収が1120万円以上1170万円(所得金額で900万円以上950万円未満)・・・「夫」は配偶者控除26万円を取れます。

夫の年収が1170万円以上1220万円(所得金額で950万円以上1000万円未満)・・・「夫」は配偶者控除13万円を取れます。

夫の年収が1220万円(所得金額1000万円)未満・・・「妻」の年収が150万円以上201万円未満の場合、「夫」は配偶者特別控除を取れます。

 

気にしないといけないが「夫」の税金なのか、「妻」の税金や社会保険なのかによって、違うという点です。ご自身が今、どの部分が問題になっているのかによって変わります。

「妻」自身の税金や社会保険の負担の問題なのであれば、妻の年収は100万円、103万円、106万円、130万円という話です。

「夫」の税金の話なのであれば、妻の年収は150万円、201万円、それから夫自身の年収1120万円~1220万円という話です。

 

このように金額を並べてみると、少し見えてくるのではないでしょうか。参考にしてみてください。



前回に続いて、「ふるさと納税」の話です。

今日は、「ふるさと納税」したあとの手続きの話をします。ふるさと納税しただけでは税額控除は受けられません。あくまでも申告しないと税額には反映しません。では、具体的にどうやって手続きしたらいいのでしょうか。

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手続きの方法は二通りあります。

一つは、確定申告で精算する方法です。まずはふるさと納税するとその自治体から「寄付金受領証明書」というのが届きます。その「寄付金受領証明書」を脇に置いて確定申告書に記入していきます。ポイントは3つです。

 

  1. 寄付金控除の欄に記載する(寄付した金額-2000円が控除額です)
  2. 確定申告書の第二表の右下の欄に「寄付金控除」という欄があります。ここに寄付した自治体の名称と金額を記入
  3. 同じく確定申告書第二表の左下に「住民税に関する事項」という欄があります。「寄付金税額控除」の部分の「都道府県、市町村分」の欄に寄付金の金額を記入

 

これだけです。それほど難しくはないんです。

 

そして、さらに簡単な制度があります。それが「ふるさと納税ワンストップ特例」という制度です。簡単にいえば、ふるさと納税しても確定申告せずに税額の精算をしてくれるという何とも便利な制度です。

 

この制度が使えるかどうかは次の2つの条件が当てはまっていないといけません。

  1. 確定申告しない(年末調整だけ)の人
  2. ふるさと納税している自治体が5自治体以内の人

 

この二つが当てはまっていて、ワンストップ特例を使いたい人は、寄付の都度、寄付した自治体に「様式55条の5」というのを提出しないといけません。正式名称は「道府県民税市町村民税 寄付金税額控除に係る申告特例申請書」というものです。

 

難しそうですが、実はそんなに難しい書類ではありません。

 

書く内容は住所・氏名のほかは「寄付をした年月日」「寄付金の額」だけです。あとは「申告の特例の適用に関する申請書」のチェック欄をする箇所が2か所あります。そのチェックを必ず2か所ともしましょう。

そんなに難しくないですよね?

あとはマイナンバーカードの表裏をコピーしたものか、運転免許証の写しとマイナンバー通知書の写しもコピーのいずれかを添付して提出することになります。

 

書類は難しくないですが、これは寄付の都度、提出しないといけないというのが面倒かもしれません。同じ自治体に二回寄付していても、寄付の都度なので二回とも提出しないといけません。

 

あとは提出期限も気をつけましょう。寄付した年の翌年1月10日までに提出しないといけません。平成29年中に寄付したのであれば、平成30年1月10日までに自治体に出さないとこのワンストップ特例の適用は受けられませんから注意が必要です。

また、たとえば、仮にワンストップ特例を受けられなかったら控除が受けられないのかといえば、もちろん、そんなことはありません。ワンストップ特例での控除は出来ませんが、確定申告で税額の精算はできますのでどうぞご安心ください。

 

あとは、実際に質問がよくある項目です。

 

確定申告の場合、申告期限は翌年3月15日ですよね。期限を過ぎたものでも申告できるのか、というのはよくある質問です。ふるさと納税の控除だけであれば還付申告になります。還付申告であれば3月15日を過ぎても受け付けてくれます。還付申告は5年間出せます。

平成29年の確定申告の還付申告は平成29年1月1日から平成34年12月31日まで提出できます。

 

前回、今回とこの年末に大変質問の多い「ふるさと納税」についてでした。



さて、今日はふるさと納税についてです。

年末にこの質問がとても多かったです。ふるさと納税とは何なのか、限度額の計算はどうしたらいいのか、知っておくべき最低限度について解説します。

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年末近くになったこの時期、経営者の皆さんからとても質問が多いのが「いくらまでふるさと納税していいのか」というものです。

限度額計算の前に、まず知っておいていただきたいのは「ふるさと納税」というのは一体何なのか、ということです。

なぜこんなことを言うのかというと、ふるさと納税の返戻品の話が話題になりすぎていて「ふるさと納税」というのは何なのかが忘れられている感があるためです。何のために「ふるさと納税」をするのかを知っておく必要があります。

「ふるさと納税」というのは、「自治体への寄付」です。ふるさと納税という制度がある以前から、自治体への寄付というのはありました。ただ、「ふるさと納税」ができるまでは、所得税や住民税の寄付金控除の扱いでしかなかったわけです。つまり、税金は減りますが、それは寄付金控除という制度の中での話だったわけです。つまり、寄付した金額から以前は5,000円を引いた金額を寄付金控除した金額に所得税や住民税の税率を掛けた金額の税金だけが少なくなるという制度だったんです。

それを、所得税と住民税をあわせると、「寄付した金額-2,000円」の税金が少なくなるようにしたというのが「ふるさと納税」です。

 

具体的な金額に当てはめてみましょう。

 

給与収入が年間6,000,000円だったとします。給与所得控除額を引いた後の所得金額は4,260,000円となります。所得控除の金額が1,000,000円だったとします。そうすると、課税所得は3,260,000円となります。

ちなみに、これらの数字は給与所得者であれば源泉徴収票があればわかります。

 

難しいことは抜きにして、源泉徴収票から「給与収入」「課税所得金額」「所得控除額」を見つけてください。次に「さとふる」というサイトを開いてください。↴

https://www.satofull.jp/static/calculation01.php

 

このサイトに上記の3つの数字を入れると、ふるさと納税の上限が求められます。

上記の場合、83,000円と出ました。つまり、83,000円以内であれば、ふるさと納税した金額のうち2,000円を控除した金額全額が所得税か住民税が控除されるということです。

意外と簡単?ではないでしょうか。

 

繰り返しですが、 「ふるさと納税」は寄付であるということです。節税というよりかは「ふるさと納税」した金額のうち、2,000円を超える金額(2,000円の自己負担がある)の税金が減るという話だということをまずは知ってください。

その上で、限度額の計算はネット上のサイトを利用してみましょう。

 

皆さんは最低限、このくらいが理解できれば「ふるさと納税」についての理解は十分だと思います。

では、次回は「ふるさと納税ワンストップサービス」についてかいつまんで説明します。



今回は前回の個人事業税の話と対比して、法人事業税の話です。

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法人事業税の話と言っても、実はいたってシンプルです。

個人事業税のような「非課税」部分は法人事業税にはありません。

つまり、法人事業税は法人税の金額が出た場合、通常の法人と同じように計算するわけです。

 

個人事業の治療院の場合、社会保険診療にかかる部分は非課税でした。この話を前回のブログでしました。ですが、法人になると治療院の事業税が非課税になる規定はありません

 

法人の事業税が非課税になる規定は、地方税法第72条の23第1項というのが根拠になっています。

これによると、法人事業税が非課税になるのは、「医療法人」や「農業協同組合」が社会保険診療を行った場合に限定されています。

ですので、普通法人の治療院は事業税が課税されるわけです。

 

医療法人は医師(もしくは歯科医師)でないと設立できない法人です。

柔道整復師や鍼灸師は医療法人を設立できません。法人化するとしたら普通法人(つまり、株式会社や合同会社など)になります。そうすると、法人事業税は課税されてしまうわけなんです。

 

ということは、医療法人の中でやっている治療院だったら、どうかというと、これは、社会保険診療の非課税の規定が適用されます

同じ治療院でも、医療法人の分院としてやっている治療院だったら社会保険診療部分は、個人の場合にあったように法人事業税の非課税の規定が適用されるわけです。

 

医療法人だけ優遇されていて、なんだか変な感じがしますが、医療法人の一部だったら法人事業税は非課税だが、それ以外は通常通り課税される。今の税法はそうなっているんです。

 

ちなみに、薬局なんかも、普通法人でやっているケースがありますが、これも同様です。法人事業税は課税されます。

 

ということで、治療院を個人から法人にした場合、法人事業税も通常の事業と同じように課税される点は、治療院を法人なりした場合のデメリットと言えます。

 

では、法人事業税はどのように計算されるのでしょうか?

 

まず、法人事業税は、収入から経費を引いた後の所得金額がいくらかによって税率が異なります。おおむねその所得金額の5%~9.6%の税金が課税されます。

 

計算がやや複雑な部分があるので、ここでは、所得金額に対して税率を乗じるんだという理解でいいです。

ですから、たとえば、赤字の場合、所得金額がゼロ以下になるので、法人事業税はありません。

 

治療院の先生としては、細かい税額計算の方法は置いておいて、「法人になると、個人に合ったときのような事業税の非課税というのはないんだ」と理解していただければいいかなと思います。つまり、法人の場合には事業税に関しては「保険診療から自費診療中心へ移行した場合」の問題というのは、基本的には考えなくてもいい問題ということになります。

ということで、消費税から事業税まで、「保険診療中心から自費診療中心へ移行した場合」の税金の問題についてでした。



今日で8月も終わりですね。

8月というと、夏休みだったりで、休みが多い季節です。少し中だるみになっている方も多いのではないかと思います。9月からまた頑張りましょう。

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さて、治療院が保険診療中心から自費診療中心に移行する場合の税金の問題をいくつか書いていました。もう一つ、税金の問題として事業税の問題があります。治療院の事業税って、いったいどうなっているんでしょうか。

 

というより、そもそも事業税って何?と思われるのではないかと思います。

事業税といっても個人の場合は「個人事業税」、法人の場合には「法人事業税」があります。

今日は、個人事業税について、理解していきましょう。

 

個人事業税は、収入-必要経費―専従者給与」の金額が290万円以上の場合に課税されます。つまり、青色申告特別控除前の金額が290万円以上の場合に課税されます。

そして、治療院の場合、さらに社会保険診療にかかる部分は非課税になります。

つまり、自費診療部分だけで290万以上だったら事業税が課税されます。

 

具体的な数字で考えてみましょう。

 

収入  保険診療収入     800万円

自費診療収入  1,200万円

収入の合計     2,000万円

経費合計         800万円

青色事業専従者給与    100万円

青色申告特別控除      65万円

差引所得        1,035万円

 

こんな感じだったとします。

事業税を計算するときは、次のような算式で計算します。

 

収入―経費―専従者給与―一定の控除額(290万円)

 

この例ですと、2,000万円―800万円―100万円―290万円で810万円ですね。この810万円から、治療院の場合、保険診療に係る部分は非課税ですからこれも引いて計算します。

この事業税のかからない保険診療部分の金額を求めるのに、収入金額の合計2,000万円から経費の合計800万円を引いた1,200万円を自費収入と保険収入の収入金額の比で按分します。

ですので、事業税の非課税の対象になる金額は、1,200万円×800万円÷2,000万円=480万円となります。

ということで、事業税の課税対象は810万円-480万円の330万円です。

 

そして特徴的なのが税率です。

個人事業税は通常の業種は、事業税率は5%なんですが、治療院の場合には税率は3%です。

ですから、この例ですと、事業税の課税対象の330万円に3%を掛けた金額が事業税です。ということで、330万×3%の99,000円が事業税の金額となります。

 

では、事業税の課税対象になるのは、どんな収入でしょうか?

まずは「自費収入」です。その他、たとえば、もし物品販売(サポーターなど)をしていたらそういったものも入ります

あとは、自賠責保険の収入です。交通事故などの自賠責保険に力を入れている治療院も多いですが、こうしたものも「自費収入」として事業税の計算には入れて計算します。

 

逆にいえば、事業税が非課税になるのはあくまでも、保険診療部分だけです。保険診療の収入以外は「自費収入」としてカウントします。

ということで、自賠責保険の収入は消費税は非課税ですが、事業税はかかります

 

ちなみに、細かい話ですが、預金利息はそもそも個人の場合、収入計上しませんので、その点はご注意ください。(個人の場合、「利子所得」という所得区分になるため、「事業所得」の計算にはそもそも入りません)

 

また、この治療院の事業税ですが、「あんま、マッサージ又は指圧、はり、きゅう、 柔道整復その他の医業に類する事業」となっています。

つまり、同じ治療院でも、民間資格である「カイロプラクティック」とか「整体院」は普通の事業での計算になります。

ですので、カイロプラクティックや整体院の場合、税率は5%です。もちろん、こうした治療院では、社会保険診療はないですから、非課税部分もないです。

 

保険診療中心だと事業税は非課税のためかからないわけですが、自費診療中心に移行すると、事業税の問題があるというのは、顧問税理士がいても説明されない部分かもしれません。

消費税に加え、事業税の問題があることも知っておいてほしいことです。



何回かに分けて「保険診療から自費診療に移行する場合の税金の問題」について書いています。今日は、自費収入の消費税を実際に患者さんからもらうことについて書いていこうと思います。

まず、治療院の先生からの質問でよくある質問です。

「うちは自費収入などの課税売上は1000万円にならないから消費税は払わなくていいわけだけど、患者さんから消費税を取っていいの?」

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結論としては、消費税という名目で患者さんの治療費に上乗せしてもらっても問題はありません。たとえば、1000円の自費治療だったら80円の消費税ということになり、1,080円を患者さんからもらうことになりますよね。消費税を納める必要がないのにこういうもらい方をしていいのかということです。消費税法上の考え方として、消費税の名目としてもらっているかどうかいうのは考慮せず、消費税という名目でもらった金額も含めた治療の対価としてもらった金額から消費税の計算をします。そのため、消費税という名目でもらって消費税を支払わなくても問題にはなりません。

消費税という名目でもらっても、結果として治療院の自費売上などの消費税のかかる売り上げが1000万円を超えなければ、それは結果としては国には納付しないことになりますが、それは消費税法の問題です。預かっている消費税を国に納めないという、これを俗に「益税」と呼びます。

 

上記のような治療院の先生からの質問に、ある税理士から聞いたという話で、「消費税は患者さんからもらっても問題ないんですよ。だって、いろいろと払う消費税があるでしょう。だから、患者さんから消費税をもらっても問題ないんです」と説明されたと言われたことがあります。これは間違いです。払っている消費税があるから患者さんからもらっていいというのは、消費税法の理屈からしておかしな話です。

消費税というのは、最終消費者が負担する税金なので、払っている消費税というのは最終消費者だから払っているだけです。

つまり、

消費者 ⇒ 事業者 ⇒ 国

という形で、最終的な消費者から事業者が受け取って、事業者が代わりに納めるのが消費税です。もらう消費税があるというのは、上記の事業者に該当するからもらうわけで、払う消費税があるというのは、消費者の立場になっているから払っているだけです。払った消費税は、原則的には、事業者を通じて国に納められます。

立場が違うから、治療院の自費売上は消費税を受け取っていいというだけです。

ただ、消費税法上の問題で、今は売り上げが1000万円以上にならなければ消費税を納めなくていいので、上記で言えば「事業者⇒国」の部分のお金の流れがないという話です。

(同じ税理士として、この辺はきちんと説明してほしいとは思います。)

 

私が「消費税分を患者さんからもらってもいい」と言っているのは、もう一つ、別の理由があります。それは、たとえばこういうことを考えてみればわかります。

個人事業者で、平成27年は自費売上が1000万円を超えていなかったのに、平成28年は自費売上が1000万円を超えて消費税を納めなければいけなくなってしまったとします。その場合、平成30年1月から消費税の課税事業者になります。

今まで、消費税分は特に患者さんからもらっていなかったとすると、平成30年1月からは患者さんから消費税をもらわないといけなくなります。

では、平成29年12月までは1000円だったのを平成30年1月から1080円にするのかという問題があります。患者さんにとっては、1000円でよかったのが1080円支払わないといけなくなるのであれば、ひょっとしたら他の治療院に行ってしまう患者さんもいるかもしれません。

課税事業者になったからそこから患者さんから消費税分をもらうようにする、というのは理屈としては合っています。合っていますが、理屈通りにすると、治療院の経営上の心配が出てくるわけです

では、どうするかということです。

どこかから消費税の課税事業者になる可能性があるのであれば、最初から消費税分をもらってしまう、もしくは途中から値上げをして消費税分をもらってしまうということが考えられます。

また、たとえば、上記の例で、平成29年は自費売上が1000万円を超えなかったとします。そうすると、平成31年は消費税を納めなくてよくなります。

課税事業者のときは患者さんから消費税をもらい、課税事業者でなくなったのであれば患者さんから消費税はもらわないというやり方をすれば、平成30年1月から12月の自費治療は1080円だったのが、平成31年1月からはまた1000円になるわけです。

このように料金が変わってしまうのは、患者さんから見たらどうでしょうか?大変わかりづらい話ですよね?

要するに、経営上の問題や患者さんの視点から考えて、最初から消費税をもらったほうがいいのではないかということです

 

もちろん、逆も考えられます。

つまり、消費税分は最初からもらわないというやり方です。課税事業者になっても消費税をもらわずにやるということです。この場合、実質的には事業者である治療院が消費税を負担することになります。消費税分を値上げしてしまうと患者さんが離れてしまうことを懸念して消費税分はもらわないという判断です。実務上は、消費税を納める金額がいくらくらいになるのかによって、消費税分を患者さんからもらわずにやるという選択を考えることになるでしょう。

 

さらにもう一つ加えていえば、たとえば、1080円ではなく、いっそのこと1100円にしてしまうことも考えられます。消費税が10%に上がることを見込んで、先に1100円にしてしまうということです。消費税が10%に上がったとき、値上げをしない形にすれば、他の治療院がこぞって値上げする中、値上げしなければ経営上、有利に働くこともあり得ます。

 

自費治療中心に変えていくことは、消費税の課税事業者になることもあり得る話で、料金設定にも大きな影響があることです。「保険診療中心から自費診療中心」への移行にあたっては、この辺の話も考えていかないといけません。