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Category Archives: 社会保険・労働保険


さて、今日は手続きの話です。

このブログをご覧になっている方は手続きについて書かれている部分を閲覧されていることも多いようです。今日は、基礎年金番号がわからない社員の社会保険の加入手続きについて、書いていこうと思います。

まず、原則、今、年金事務所では、基礎年金番号が不明な場合、社会保険の資格取得手続きができません。これは保険証を不正に使うことを未然に防止するためで、原則として、基礎年金番号が確認できなければ社会保険の手続きは出来ないことになっています。

そういうこともあり、基礎年金番号は必ずわからないといけないわけです。

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たまにあるのですが、とくに20代とかの若い人の社会保険の手続きをするときに、「この社員は今まで年金を払ったことがなくて、年金には入っていないんですよ」なんていう方がいます。まあ、そもそも最近は30代、40代の方でも年金を払ったことがないなんて言う人もいます。

まず、日本に住んでいる人は、20歳以上であれば、必ず年金は入っています本人が保険料を払っている払っていないにかかわらず、年金には加入しているんです。年金を払っていない=年金には入っていない、と勝手に思い込んでしまっている方が実に多いのですが、年金を払っていなくても、20歳以上の人であれば必ず「基礎年金番号」を持っているはずだということです

問題なのは、こういう人の社会保険の加入手続きをする時です。

本人は、年金に入っていないと思いこんでいるので、年金手帳も持っていないことが多いです。年金手帳は20歳になると原則、住民票の所在地に送られてきます。ですので、たとえば、高校を卒業した後、東京で大学生をやっていて、住民票は変えていないのであれば、ひょっとしたら実家に届いているかもしれません。20歳の時の住民票の所在地を考えてもらってください。

ちなみに、年金手帳には、オレンジ色と青色があると思います。(少し古いものだと肌色のものをお持ちの方もいるかもしれません。)

オレンジ色は平成8年12月31日までに発行されたもので、平成9年1月1日以降に発行されたものは全て青色です。(ちなみに私の年金手帳はオレンジ色です)

生まれた年月日ということではなく、20歳以降に年金手帳を再発行したのであれば青色になります。したがって、再発行したのが平成9年1月1日以降であれば、それ以前に20歳になっている人でも青色ということはあり得ます。

さて、まず20歳になると日本に住んでいる人は必ず国民年金に加入していて、基礎年金番号を持っているんだ、ということは理解できたと思います。

でも、手元に年金手帳がない人は、20歳時点の住民票所在地に届いているかもしれないということも大丈夫ですね。

それでも、年金手帳がないという人は、「ねんきん定期便」というものが誕生日の月に送られてきます。それから、国民年金保険料の通知書も届いているものがあるかもしれません。そういった書類に基礎年金番号が書かれています。それを調べてもらってください。

さらに、それでもわからないのであれば、住民票の所在地の市区町村の役所にご本人が行って聞いてもらうしかないでしょう

日本年金機構のHPにQ&Aがあります。そこにはこの基礎年金番号がわからない場合の事務手続きについて、次のように書かれています。

Q「資格取得届を提出したいのですが、基礎年金番号がわからない者がいます。どうしたらいいですか。」

A「20歳以上の方であれば、原則、基礎年金番号をお持ちですので、年金手帳や基礎年金番号通知書で確認いただくよう従業員の方にご案内ください。年金手帳等をお持ちでないため、基礎年金番号を確認できない場合は、国民年金保険料の納付書や領収書から確認することもできます。どうしても見つからない場合(国民年金保険料の納付等で確認した場合を含む。)は、運転免許証等により本人確認のうえ年金手帳再交付申請書」を資格取得届と併せてご提出ください。また、基礎年金番号が不明の場合の年金手帳の再交付においては、職歴等の確認がご本人の基礎年金番号を特定するための重要な情報となりますので、 「年金手帳再交付申請書」には職歴等を漏れなくご記入願います。」

会社で手続きする際には、本人から運転免許証のコピーをもらって上記のような方法で手続きすることもできます。

いずれにしても、基礎年金番号がわからないと、会社さんが手続きするのが面倒になり、迷惑がかかるということは周知しておくべくかと思いますね。

このブログをご覧になっている方は下記もご覧ください。

上記は2016年の内容です。変更されていますからご注意を!

マイナンバーがあれば基礎年金番号が不明でも手続きはできます!



さて、今日は雇用保険の話です。

まず、その前に。雇用保険って65歳以上は加入できない ことはご存知でしたか?

65歳以前から雇用保険に加入していたのであれば65歳以後も継続して雇用保険に加入し続けられますが、65歳以上の人は新規に加入することは出来ません。これはご存知でしたでしょうか。

現状では、雇用保険はどうなったら加入できるのでしょうか。

週20時間以上の労働時間であって、31日以上雇用される見込みであれば、その従業員さんは雇用保険に加入することになります。

ただし、加入しようとした時の年齢が65歳以上であると加入できません。現状では、65歳以上の人は新規に雇用保険に加入はできないんです。

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新規にということは、現状ですでに加入している人が65歳以上になった場合には、そのまま加入し続けることができます。これを「高年齢雇用継続被保険者」と呼びます。保険料の負担はありません(労働者側だけでなく使用者側の負担もありません)が、雇用保険の被保険者ではあり続けることになります。退職して再就職を希望するも再就職できなかった場合、被保険者期間が1年以上あれば最大50日分、被保険者期間が1年未満だったら最大で30日分、一時金として受給できる、これが現状の制度です。

今の制度でおかしいのは、65歳前の退職した場合と、65歳以後も働き続けた場合で、辞めた時に受給できる、いわゆる失業保険の受給額が変わるということです。65歳前で辞めれば100万円受給できるものを65歳以後も働き続けて前述の高年齢雇用継続被保険者になって失業保険を受給すると30万円となってしまい、65歳前の退職か65歳以後の退職かでもらえる金額が70万円も違うなんていう試算もあります。

これでは、「65歳前に勤めていた会社はやめましょう」と言っているようなものです。

65歳以後も働き続けてほしい。こんなことから、今回、この点に改正が加わりました。

来年(平成29年)1月1日以降は、65歳以上であっても雇用保険に加入できるというものです。

65歳未満の一般の被保険者とは違い、65歳以上の場合には「高年齢被保険者」という新しい区分になります。ただ、辞めた時に受給できる失業保険は、今の「高年齢雇用継続被保険者」と同じ、一時金での受給という点は変更がありません。今回の改正の最も大きなところは、65歳以上であっても雇用保険に加入できるという点が大きな改正です。

65歳以上であっても働き続けられる環境を整えましょう、ということなんでしょうね。

 

ここでの注意点はいくつかあります。

1.雇用保険料の負担です。これは従来通りで負担はありません。現状では、4月1日時点で64歳以上の人は雇用保険の負担はありません。当面、4月1日時点で64歳以上で雇用保険に加入している人については、労使双方ともに負担はありません。

2. 実際に今、勤務している人に65歳以上の人がいる場合の取り扱いはどうするのか。65歳以上の人で雇用保険の加入条件を満たしている人(週20時間以上の労働時間で、31日以上雇用見込みのある人)については、会社は1月1日から3月31日までに届け出をしないといけません。 届け出して初めて雇用保険の被保険者になれます。

3.今は保険料の負担はありませんが、平成32年(2020年)4月以降は、今は保険料の負担義務のない4月1日時点で64歳以上の人も保険料の負担が発生します

 

おおむね、こんなような内容です。

特に介護事業所では、65歳以上の従業員さんは意外と多いものです。

とりあえずは会社負担・本人負担は発生しないので、1月以降は65歳以上であっても雇用保険に入らないといけません。従業員さんへの周知徹底と、1月以降の手続きを忘れずにするようにしましょう!

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    10月に入ります。早いものです。こうして1年が過ぎていくんですね・・・

    さて、10月から変わるもの、経営上、知っておくべきことがいくつかあります。

    大きなところでは、最低賃金が変わります。↴

    10月から最低賃金引き上げ!最低賃金のチェックをしよう!

    あとは、厚生年金の被保険者数が501名以上の事業所(特定適用事業所といいます)では、社会保険の扶養に入る基準の変更がありました。↴

    パートでも年収106万以上だったら社会保険に入らないといけない!?

    この辺の話は、以前にこのブログでも書いています。

    もう一つ、今日ご紹介するのは、どうなると社会保険に入らないといけないのかという加入基準が変更になったという話です。

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    すでに事業主宛に年金機構からお手紙が届いていると思いますのでそれでご存知の方も多いでしょう。

    従業員さんがどういう状況になったら社会保険に入らなければならないかという基準が、10月1日から少し変わります。

    今までは「1日または1週の所定労働時間及び1か月の所定労働日数がおおむね常勤者の4分の3以上」という基準でした。言ってみれば、結構、あいまいだったわけです。

    それが「1週の所定労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が4分の3以上」となりました。「おおむね」というようなあいまいな基準がなくなりました。

    今までですと、社会保険の算定の調査などの際、だいたい常勤者の4分の3以上の労働時間や労働日数と判断されると社会保険に入れないといけなかったわけですが、その人の所定労働時間及び労働日数が明確に4分の3以上の時に社会保険に加入するという判断になったわけです。

     

    具体的なケースで考えるとわかりやすいです。

    雇用契約書などで所定労働時間や労働日数がわかれば一番、はっきりしています。その雇用契約書上で、月・水・金の週3日(勤務時間は常勤者と同じ1日8時間)の勤務の方がいたとします。常勤者は月から金の週5日勤務です。わかりやすくするために、1ヶ月4週だとすると、常勤者が20日勤務なのに対して、この方は12日勤務です。そのため、4分の3にならないため、社会保険の対象外になります。

    あるいは、雇用契約書上、月から金の勤務ですが、1日5時間労働の人がいたとします。常勤者は1日8時間勤務です。この場合、1週間の労働時間は常勤者は40時間ですが、この方の労働時間は25時間となるため、4分の3未満となり、社会保険の対象外となります。

    気を付けてほしいのは、「1週間の所定労働時間及び1か月の所定労働日数が4分の3以上の場合」と言っている点です。つまり、労働時間と労働日数の両方が4分の3以上の場合が社会保険の対象だとしている点です。どちらか片方がかけていれば、対象外となります。

    事業主からは、「パートに社会保険を入られると困る」という相談がよくあります。従業員さん側からも、「社会保険に入れば手取り収入が減るから社会保険に入りたくない」というご相談をいただきます。

    対策としては、雇用契約書等で所定労働時間及び労働日数が4分の3に達しないことを明示して、社会保険の対象外となることを明確にすること が考えられます。契約書に所定労働時間及び労働日数が明示されれば、文句の言いようがないはずです。逆に、契約書がない場合、タイムカードなどで「所定労働時間・労働日数はどうなっていたのか」を判断することもあり得る話です。

    ちなみに、言っていきますと、労働契約書に4分の3未満の労働時間や労働日数を明示した契約書を締結すれば社会保険の加入を逃れられると言っているわけではありません。契約書だけ、勤務日が月・水・金の週3日で、実際には月~金まで出勤していて常勤と同じように働いているのであれば、契約書の内容が事実ではないことになってしまいます。私が言っているのは、あくまでも、実際に月・水・金が所定労働日の人でたまたま忙しい時に月~金の週5日出勤になっているような場合、社会保険に加入しなければならなくなるような事態を防ぐために、雇用契約書をきちんと交わして、所定労働時間もしくは所定労働日数のどちらかが常勤者の4分の3となっていることを明示したほうがいいと言っているにすぎません。

    また、特定適用事業所に雇用される人が社会保険に入らないといけなくなる話を以前にもご紹介いたしましたが、この特定適用事業所に雇用される人の場合には、たとえ4分の3未満であったとしても社会保険に入らないといけません。その点も要注意です。

     

    ということで、社会保険の加入基準が変わったことをきちんと押さえておきましょう、という話でした。



    「マイナンバー」の話、すっかり落ち着いたように思います。

    あまり周りで「マイナンバー」の話って出ませんよね?そんな気がします。

    ですが、「マイナンバー」対策はまさにこれからです。

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    さて、前回のブログでこの10月から導入される106万基準の話を解説しました。↴

    https://vanguardwan.com/blog/%e7%a4%be%e4%bc%9a%e4%bf%9d%e9%99%ba%e3%81%ae%e6%89%b6%e9%a4%8a%e5%9f%ba%e6%ba%96106%e4%b8%87%e3%81%a8130%e4%b8%87%e3%81%ae%e9%96%a2%e4%bf%82%e3%80%81%e3%81%8d%e3%81%a1%e3%82%93%e3%81%a8%e7%90%86

     

    この106万基準の導入はマイナンバーと密接に関係があると私は考えています。

     

    そもそも、中小企業の特に、総務経理の担当者の皆さんは私の感覚ではほとんど皆さんが勘違いしていると思います。マイナンバー制度の導入を「面倒な事務処理が一つ増えた」くらいに考えているんです。多くの中小企業の社長さんもそんな感じなのではないかと思います。

    だから、「いつまでにマイナンバーを集めたらいいのか」とか「雇用保険の書類にマイナンバーは書かないといけないのか」とか「集めたマイナンバーはどうやって保管するのか」とかという、要は、事務処理の面からの話が多いわけです。

    私は、「それも重要なんだけどなんか忘れていないですか?」と思うわけです。

    つまり、「何のために『マイナンバー制度』が導入されるのか」という側面からの話をすっかり忘れてしまっている(もしくは、あまり考えていない)と思うわけです。

    この106万基準の話を私の顧問先にもするわけですが、感度のいい経営者や総務経理の担当者は必ず「これって、マイナンバーも絡みますよね?」と聞いてきます。

    鋭い!そうなんです。

    もともとマイナンバー制度を政府が導入したがっていたのは、「税と社会保障の一体改革」の一環でした。つまり、「税金の情報と社会保険の情報を共有したらどうか」というところから始まっています。たとえば、社会保険の130万基準。この130万基準はそれほど厳格には運用されていませんでした。つまり、従業員さん本人から、「うちに妻は年収が130万を超えたので扶養から外れます」と言わない限り、扶養から外れることは原則としてなかったわけです。ですので、仮に年金事務所から扶養親族の所得に関しての調査があっても、「課税証明書」のような資料を出すことは原則としてはありませんでした。

    年金事務所としても、本人から「課税証明書」や「給与明細」のような資料の提出がなければ把握しようがなかったわけです。それが、「マイナンバー制度」の導入によって、いちいち本人から資料を出してもらわなくても年金事務所側で「この方の扶養になっているこの人は年収が130万以上だ」とわかるようになるわけです。

    さて、106万基準の対象となる企業は前回のブログでも書いた通り、「社会保険加入者が常時501名以上」の企業です。大きな会社さんが主な対象です。

    こうした大きな会社さんでは、マイナンバー対策をきちんとされているところが多いと思われます。実質的にはマイナンバーは、今年の年末調整から始まるようなものというのが、ほとんどの中小企業の認識だろうと思います。ですが、「社会保険加入者が常時501名以上」のような大企業ではすでにマイナンバー対策がしっかり取られているところが多いだろうと想像がつきます。

     

    とりあえずは、そういうマイナンバー対策がきちんと取られている大企業から106万の扶養基準の制度を導入して、試験的に社会保険の適用拡大を進めていこうということなのではないかと思うんです。

     

    将来的には、中小企業にも広く106万基準を導入して、マイナンバーを通じてその情報を税務署と年金事務所で共有し、社会保険料をより広く徴収していこう。それにマイナンバーを活用しよう。そんな意図がうかがえるわけです。

    マイナンバーの導入と106万基準の導入で健康保険・厚生年金の適用対象者を拡大する。これはみんな同じラインの上に乗っかった話なわけです。

    その辺も踏まえたうえで、106万基準の話をとらえてみてはいかがでしょうか。



    最近、お尋ねが多い話に「社会保険の扶養の基準が106万になるっていうのはどういう話ですか」というような内容の質問があります。

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    十中八九、この質問をされる方は、社会保険の扶養についての理解が十分でないように思います。また、この話はマイナンバーとも無関係ではない話だと思いますので、マイナンバーとの絡みの話は次回のこのブログで解説します。

    まず、「社会保険の扶養の基準が106万円になる」というのはご存知でしょうか。

    以下のような基準をクリアする方は社会保険の扶養から外れるというのが今年の10月1日から運用開始されます。

    社会保険加入者が常時501人以上の会社社会保険の扶養になっている方が、

    1. 週20時間以上の労働時間
    2. 雇用期間1年以上の勤務
    3. 月の給与が8.8万円以上
    4. 学生でない                                 1から4の基準をすべてクリアした人は、社会保険の扶養から外れてもらうというものです。

     

    中小企業の社長さんは「うちの会社は関係ない」と思うかもしれません。

    社会保険加入者が501人以上ではないからですね。

    ですが、関係は大いにあります。

    たとえば、今パートで働いている人で、ご主人が大きな会社さんに勤めている方もしくは公務員の方、いらっしゃいませんか?基準のラインが月8.8万円以下にしないと社会保険の扶養から外れるわけですから、「時間数を減らしたい」という話が出てくるかもしれません。そう考えると、中小企業にとっても大いに影響はあるわけです。

     

    この基準のポイントは以下の3つです。

    1. 月の給与で判断するので、年間の給与ではないこと
    2. 月の給与のうち、時間外手当や通勤手当、賞与などは除外すること
    3. 週の労働時間が常時、20時間未満もしくは、雇用契約が1年未満だと対象外であること

     

    そして、もう一つのポイントとして、従来からある年間130万という扶養の基準の話です。

    この関係はどうなのか?

    もっというと、誤解が多いようなのですが、社会保険の扶養の基準が年間130万円が106万円に変更になったわけではないということです。

    106万円というのはあくまでも、年間に仕切りなおした場合の話で、実際には「月8.8万円」となっています。月で判断するわけです。

    さらにいえば、これは2社以上で勤務していても関係ない話なわけです。合算はしないんですね。1社での勤務形態を見て、上記の基準に達しているかを判断します。

    ですので、130万の基準はまだ生きています。

    たとえば、2社以上で勤務した場合は、合算して130万円以上かどうかを判断します

    130万円以上だったら、扶養からは外れて、単独で社会保険に加入する必要があります。(勤務先の会社の社会保険の基準【正社員の4分の3以上の時間勤務】に達していなければ、国民健康保険・国民年金に単独加入することになります)

    それから、おまけですが、この辺の話って、中小企業の場合、通常、税理士の先生にされるのが普通なんだと思います。

    ですが、この106万円基準の話は、税理士の先生のよっては理解が不足している方が見受けられます。専門外なので仕方ないですが、今後はマイナンバーの話も絡みますので、この辺をしっかりフォローしてくれる方と顧問契約をしていくことは会社経営にとっても重要な話です。

     

    いずれにしても、ちょっと複雑な話ですので、新しくできた106万基準の話と従来からある130万基準の話、違いをきちんと理解するようにしましょう。



    5月はやはり忙しいですね。

    もともとゴールデンウィークがあって日数が少ないせいもあります。

    4月から新卒で入社した人は、ここからが正念場です。なにせ、ゴールデンウィーク後の次の連休は7月の海の日までないですから・・・

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    さて、今日の話は顧問先からも質問があった「社会保険の適用拡大」の話です。

    現在、社会保険の扶養に入るのって、年収いくらかご存知ですか?

    130万円ですね

    103万円が所得税の扶養に入れる範囲、100万円が住民税の非課税の範囲、そして、年収130万円未満だと、社会保険の扶養に入れる。今の基準はそうです。

    その130万円が106万円になるんです

    知ってましたか?

     

    「えー、そうなの?」「いつからそうなるの?」

    と気になりますよね。

    そうなんですが、要件がいろいろとあるのであわてないでくださいね。

     

    まず、いつからか。これは、最短の人で「平成28年10月1日から」です。

    「最短の人」というのがポイントです。年収106万円(月で割ると月額給与8.8万円)という基準が導入されるのは、まずは大企業です。大企業にお勤めの方の社会保険の扶養親族になっている場合には、今年の10月1日から対象になります。

     

    「特定適用事業所」と言って、厚生年金の被保険者数が常時500名を超える事業所がまずは対象になります。この500名の判定は、法人のマイナンバーである「法人番号」で数えます。別々のところにあっても「法人番号」でよせて500名以上かどうかを判定します。

    それから、106万円の判定には、「通勤手当」や「時間外労働」、「家族手当」「皆勤手当」なんかは入りません。いわゆるボーナス、「賞与」も対象外です。

    ですので、単純に給与が106万円(月額8.8万円)というわけでもないので注意が必要です。

    ところで、この社会保険の適用拡大の話ですが、「マイナンバー」の導入と決して無関係ではありません。むしろ、大いに関係があります。(と私は考えています)

    マイナンバーって、なぜ導入されることになったんでしょう?

     

    「税金を補足しやすくするため」

    「行政サービスを使いやすくするため」

    「年金をいくら納めたか、将来年金をいくらもらえるのかをわかりやすくするため」

     

    どれもその通りです。

    もう一つ、大事なことがあります。

    それは、「ズルをしないようにするため」です。

     

    今まで、所得があっても申告しなかったり、本当は稼いでいるのに、社会保険はなぜか扶養になっていたり、そんなことが結構あったわけです。

    特に、「税金」と「社会保険」は役所が違うため、情報の共有ができず、本来は社会保険に入るべき人が入っていなかったり、ということがまかり通っていたわけです。

    「マイナンバー」を使うことの意義はここにあります。

    つまり、「いくら稼いでいるのか」という情報と「社会保険の扶養に入れるのか」という情報が「マイナンバー」でつながれば、年金事務所が「扶養に入れるのか」を調べるのは簡単になります。

    こうした流れの中に、106万円に基準を下げ、厚生年金(社会保険)の適用を拡大して、年金を納める人を増やせば、年金の財政問題も解決するし、老後に無年金になる人も減らせる、こんな思惑があるわけです。

    「え、130万円が106万円になるの」とかいう、単発の情報に惑わされず、全体の流れの中でどういう位置づけがあって、社会保険の106万円の話が出ているのか、という視点で考えてみるのも意味があると思うわけです。

    ということで、今日は、厚生年金(社会保険)の適用拡大の話でした。



    この4月から変更したことで、会社経営に影響があることとして「雇用保険料率の変更」を以前に書きましたが、もう一つ変更したことに「健康保険の料率表の区分変更」があります。

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    3月分(4月納付分)から健康保険の料率が変更になっています。3月分なので、4月支給の給与計算で対応されていることと思います。それとは別の話で、健康保険の料率表の上限が変更されています!

    従来は47等級の1,210,000円が一番上の等級でした。つまり、これ以上の報酬をもらっていても健康保険料は1,210,000円が一番上の等級だったわけです。

    これが、4月分の健康保険料から以下のように変更になっています。

    48等級 1,235,000円~1,295,000円・・・標準報酬月額 1,270,000円  49等級 1,295,000円~1,355,000円・・・標準報酬月額 1,330,000円  50等級 1,355,000円以上         ・・・標準報酬月額 1,390,000円

    それぞれ標準報酬月額に料率を掛けた金額が健康保険の保険料になります。

    さらにいうと、この改正のポイントは、この48等級から50等級にあたる人については、原則は「保険者算定」といって、年金事務所等から送られてくる標準報酬月額の改正のお知らせに合わせて給与計算での標準報酬を改定するということです。

    つまり、自分の判断で勝手にやらないということです。あくまで、保険者側(協会かんぽの会社さんだったら協会けんぽ)が、昨年の算定基礎届とか、昨年の算定基礎届後に出された月額変更届などを元にして標準報酬月額が48等級から50等級にあたると判断した人がいた会社さんに個別に標準報酬月額を改定してくださいというお知らせを出すわけです。

    実務的には給与が1,235,000円以上の人というのは、中小企業の場合は大体が社長さんとか取締役等の役員になっている方が多いと思います。そういう人が該当しないかどうかを確認してください。そして、その変更は4月分の保険料(5月納付分の保険料)からです。ですから、実際には5月に支給する給与から改定ということが多いと思います。その点もあわせて確認するようにしましょう!



    さて、今日は実際に顧問先から質問を受けた内容についてです。

    質問の内容はこんな感じです。

    「雇用保険料が4月から変わるのはわかりましたが、うちの会社は20日締めの末日払いなんです。その場合は、3月21日~3月31日の分は、5/1000で計算して、4月1日~4月20日の分は、4/1000で計算する、ということなんですか?」

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    前回のブログでも書いた通り、一般の事業の場合、従業員さんの給与から天引きする雇用保険料率が5/1000が、平成28年4月から、4/1000に変更されます。

    「4月の給与から変更」なので、たとえば、月末締めの翌月15日払いの場合、4月分の給与の支払いは5月15日になりますから、5月15日の給与から4/1000に変更することになります。

    問題なのは、給与の締日が月末でないケースです。

    たとえば、20日締めの場合、3月分と4月分が分かれます。なので、3月分の給与(3月21日~3月31日分)は5/1000で計算し、4月分の給与(4月1日から4月20日分)は4/1000で計算することになります

    理屈はそうなります。それが正しい処理です。

    しかし・・・です。

    実務上を考えるとこの計算の仕方は大変面倒です

    今は給与のソフトを使って計算している会社も多いはずです。その場合、3月分と4月分で別々に計算しないといけません。たとえば、従業員の数が何百人・何千人もいる会社さんで、そんなことできますか?

    「3月21日~3月31日は5/1000で計算して、4月1日~4月20日は4/1000で計算すること、システム上できますよ」というのならなるべくそうしてください。それが正しいんですから。

    ですが、普通の市販されている給与ソフトを使っている会社さんでは、こんなことをわざわざやるのは大変なはずです。

    そこで、私は、「労働保険の申告書と一致していれば、20日締めの場合、3月21日から4月20日分の給与は、分けたりせずに、すべて新しいほうの4/1000で計算していいのではないですか」とご提案しています。

    今回は雇用保険料の変更があったから問題になりましたが、厳密にいえば、毎年、この問題があるはずです。つまり、労働保険の計算をするために、20日締めの場合、毎年毎年、「3月21日から3月31日の分」と「4月1日から4月20日の分」で分けて計算することになります。概算・確定保険料を算出する賃金の金額に影響があるからです。

    ということで、締日が月末でない場合には、私は4月分として支給した分は、4月分で計算し、雇用保険料は4/1000にして、3月分で計算したものは、雇用保険料は5/1000で計算する、というのでいいと思います。さらに、それを労働保険の申告書ときちんと一致させることも重要だと思います。

    ちなみに、そもそもこうした面倒な問題があるので、「給与の締日はいつにしたらいいですか」と聞かれた場合、「給与の締日は月末にしたほうがいいですよ」とご案内しています。経理処理をする際にも、たとえば、20日締めの給与の会社では、毎年、3月21日から3月31日の分は「未払費用」として処理し、前年の3月21日から3月31日の分は、前年の費用なので、今期には費用計上しない(前期の会計処理で「未払費用」で処理する)のが正しいことになります。締日が月末以外だと、経理処理的にも、雇用保険や労働保険の計算上もこうした面倒なことになってしまうんです。このことも知っておいていいことです。

    ということで、顧問先からあった雇用保険料率の変更のタイミングの話でした。



    さて、この4月になってから変更になったことの中に雇用保険料率の変更があります。

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    雇用保険料率の変更というと、「また上がったの?」と思うかもしれませんが、逆です。

    雇用保険料率が平成28年4月から下がりました!

    改正前は一般の事業の場合、従業員負担は5/1000でしたが、改正後は4/1000になります。

    会社負担の雇用保険料は、改正前8.5/1000から、改正後は7/1000になります。

    従業員負担・会社負担もあわせた負担額は、改正前は13.5/1000から、改正後は11/1000になります。

    4月支給の給与から変更になりますから給与計算の際には注意が必要です。

    ちなみに、労災保険料は平成27年と同じで、変更ありません。

    それから、雇用保険の改正予定の項目として知っておいた方がいいことが二点ほどあります。

    ① 平成29年1月1日以降、65歳以後に新たに雇用される者について、雇用保険の適用対象にする。

    ② 現状では、4月1日時点で64歳以上の者については、雇用保険料が免除されていますが、平成32年4月1日以降は雇用保険料が徴収される。

    ①については、65歳以後新たに雇用される場合、雇用保険には加入できなかったわけですが、雇用保険の要件に該当すれば、来年の1月以降は雇用保険に加入することになります。

    雇用保険料率の変更とともに、変更予定の上記の点についても知っておきましょう!



    ブログの更新がなかなかできませんでした。ちょっとこまめに更新していこうと思います。

    さて、4月になりました。新入社員もいよいよ月曜日から本格的に仕事開始ですね。

    ところで、4月からはいろいろと変わっています。電力の自由化が一番話題になっています。そして、会社の事務処理で変わったことと言えば、特に東京都の方は社会保険の書類は4月1日以降、年金事務所ではなく、事務センターへ直接、送ることが原則となりました。

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    社会保険の書類というと、入社したら「資格取得届」、退社したら「資格喪失届」、他にも、社会保険の月額変更があったら「月額変更届」、賞与の支払いがあったら「賞与支払届」・・・といったものです。

    要は、会社の事務担当者からしたらほとんどの書類が「事務センターへ直送」というわけです。

    ただ、事務センターへ直接送るわけではないものもあります。代表例が「算定基礎届」です。これは各年金事務所へ提出することになります。

    また、各年金事務所へも今まで通り、提出自体はできます。ただ、年金事務所から事務センターへ送る形になるため、多少時間がかかります。

    また、東京都内の場合「千代田・中央・上野・足立・江戸川・葛飾・池袋・杉並・品川・八王子・目黒・荒川・中野・府中・青梅」の管轄の年金事務所では、事務センターではなく、年金事務所へ提出することになっています。

    いずれにしても、マイナンバーの運用開始が社会保険の書類の場合、平成29年1月1日~と予定されていることからも、電子申請による書類提出を検討する時期かもしれません。そうすれば、そもそも「どこに郵送するのか」は考える必要はないですからね。

    ということで、4月1日から、提出先に注意、という話でした。