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10月1日からは社会保険・雇用保険などが法改正でいろいろと変わります。10月1日という日付でここまでいろいろと変わるというのも珍しいかもしれません。今日は経営にかかわるという視点から10月1日から変わるものを見ていきたいと思います。

 

〇雇用保険料率の改正

10月1日から雇用保険料率に改正があります。給与計算にも影響がありますから注意が必要です。

 

4月1日~9月30日についても改正がありましたが、労働者負担分には変更がありませんでした。

労働者負担分は、一般の事業の場合、3/1000、農林水産・清酒製造の事業・建設の事業の場合、4/1000でした。

これが、10月1日からは一般の事業の場合、5/1000、農林水産・清酒製造の事業・建設の事業の場合、6/1000に改正になります。

 

ちなみに、労働者負担分も含めた雇用保険料率は4月1日から9月30日では一般の事業は9.5/1000、農林水産・清酒製造の事業では11.5/1000、建設の事業は12.5/1000でしたが、10月1日以降は一般の事業は13.5/1000、農林水産・清酒製造の事業では15.5/1000、建設の事業は16.5/1000と変わります。

 

労働者負担分の変更があるため、給与計算に影響がありますので、10月以降に支給する給与では注意が必要です。特に給与の締め日が9月末で支給日が10月以降になるような場合です。この場合、支給しているのが10月でもあくまでも9月分の給与なので、9月分の給与(10月支払い分)は従前の雇用保険料率で、改正後の雇用保険料率で給与計算するのは10月分の給与(11月支払い分の給与)となりますので注意が必要でしょう。

 

〇最低賃金の変更

 

都道府県ごとにことなりますが、10月1日から変わります。

首都圏が一番高い時給となり、東京都は1041円が1072円に、神奈川県は1040円が1071円にそれぞれ変わります。変更するのは10月1日からですが、たとえば給与の締め日が15日締めの場合、9月16日から9月30日の時給と10月1日から10月15日の時給を変更しないといけないかというとそこまで厳密に考える必要はありません。この場合、10月16日~11月15日締めの給与から改定すればいいとされています。あわせて確認してみてください。

 

〇出生時育児休業の新設と育児休業分割取得、育休開始時期の柔軟化

育児休業制度が改正され、パパ休暇が出生時育児休業と育児休業分割取得に見直され、施行されます。新しくできる出生時育児休業の対象となるのは、産後休業をしていない労働者(日雇い労働者を除く)です。男性は産前産後休業がないので、この「出生時育児休業」の対象となるのは、原則的には男性になるはずですが、一定の場合(養子縁組している場合や、専業主婦【主夫】の場合)には女性が対象になる場合もあります。

対象期間は子の出生後8週間以内に4週間(28日)までです。休暇の取得回数分割して2回までで、分割して取得したい場合には初回申請時にまとめて申出をする必要があります。

また、1歳以降の育児休業開始時期が柔軟化され、夫婦交代での取得が可能となります。配偶者が1歳以降の育児休業を原則の育休開始日から取得する場合、もう一人は配偶者の育児休業終了予定日の翌日以前を育児休業開始日とできるというものです。原則として、この1歳以降の育児休業は、1歳到達日の翌日から1歳6ヶ月到達日まで、1歳6カ月から2歳までの育児休業は1歳6カ月に到達した日の翌日から2歳までとなります。

これら改正に合わせて、企業側は就業規則の改正等の措置をして、対応する必要があります。

 

〇雇用保険に出生時育児休業給付金が創設

上記の育児休業の改正に伴い、雇用保険の育児休業給付も改正され、新しく「出生時育児休業給付金」が創設されます。この「出生時育児休業給付金」は、雇用保険の被保険者の方が、子の出生後8週間の期間内に合計4週間分(28日)を限度として、出生時育児休業を取得した場合、一定の要件を満たすと支給を受けることができるというものです。

主な支給要件は次の通りです。

  1. 子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、当該子を養育するため出生時育児休業を取得した被保険者であること(2回まで分割取得可)。
  2. 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は就業した時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること。
  3. 休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下であること。
  4. (期間を定めて雇用される方の場合)子の出生日(出産予定日前に子が出生した場合は、出産予定日)から8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと。

 

また、出生時育児休業給付金の支給対象期間中は最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)まで就業することが可能です。休業期間が28日間より短い場合は、その日数に比例して短くなります。たとえば、14日間の休業の場合には、最大で5日(5日を超える場合は40時間)が就業可能日数となります。

 

〇育児休業期間中の社会保険料の免除要件の見直し

育児休業期間中の社会保険料の規定が10月1日から変わります。従来は月末時点に育児休業期間がかかっていれば社会保険料が免除される規定でした。そのため、月の途中から育児休業を開始し、月の途中で育児休業が終了する場合、社会保険料が免除される対象にはなりませんでした。これが10月1日以降は育児休業期間が同月中に14日以上ある場合、社会保険料が免除されることになります。

また、賞与の社会保険料についても、従来は育児休業期間に月末が含まれる月に支給された賞与に係る社会保険料は免除されていました。これが、賞与の社会保険料の場合、1か月を超える育児休業を取得したときに限り、育児休業期間に月末が含まれる月に支給された賞与の社会保険料が免除される形に規定が改正されます。

 

この論点は前回の私のブログを参照してみてください。

育児休業期間中の社会保険料免除制度が10月1日から変わります!

〇社会保険の適用拡大

社会保険の適用対象が拡大されます。

従来は事業所の規模が常時500人超の事業所について、賃金要件(月額8.8万円)、労働時間要件(週労働時間20時間以上)、勤務期間要件(1年以上継続して使用される見込み)であり、かつ学生でない場合、という要件に該当する場合、健康保険・厚生年金への加入義務が生じる形でした。

これが、事業所の規模が常時100人超に変更され、また、勤務期間要件が1年以上継続して使用される見込みというのが2か月を超えて継続して使用される見込みに改正されます。

 

また、2か月を超えて継続して雇用されるというのも、細かく要件が見直され、「2か月以内の期間を定めて使用され、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれない方」のみが社会保険の加入義務がない形となっています。したがって、たとえば2か月の雇用契約を更新していくような場合は加入義務があるということになっていますのであわせて注意が必要でしょう。

 

なお、社会保険の適用拡大は令和6年10月からは、常時100人超の事業所から常時50人超の事業所に変更となります。該当する中小企業の数が大幅に増えることが予想されますので今から確認しておく必要があります。

 

〇個人経営の士業も社会保険の適用対象

これはいわゆる士業の個人事業所の話です。

護士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士、弁理士など士業の事務所で個人事業としてやっている場合、これまでは社会保険の適用対象ではありませんでした。それが常時5人以上を雇っている士業の事務所も社会保険の適用対象となります。

 

税理士向けの新聞などを私も読んでいますと、この点について書かれていることが多いので税理士はご存じの方が多いようですが、該当する場合には注意が必要です。

 

〇安全運転管理者によるアルコールチェック義務化等

従来、緑ナンバーの自動車に課されていたアルコールチェックが、乗車定員11人以上の車を1台以上、または、その他の自動車を5台以上使用する事業所の白ナンバー自動車を使用する企業にも適用されることとなりました。運転前後のアルコールチェックでアルコール検知器を用いなければならないこととされています。該当する場合には、早急に対応が必要でしょう。

 

〇  「介護職員等ベースアップ等支援加算」がスタート

介護事業所特有のもので、処遇改善のための加算はこれによって3本立てとなります。

新設されたベースアップ等加算は、今年2~9月に実施された介護職員処遇改善支援補助金の目的を引き継ぐ施策です。既存の介護職員処遇改善加算を手厚くする位置づけで設定された介護報酬になります。

加算はこの他に、経験・技能のある介護職員にフォーカスした介護職員等特定処遇改善加算があります。ベースアップ等加算は、処遇改善加算を算定している事業所であれば申請でき、加算額の3分の2を介護職員等のベースアップ等に使用することが要件となります。

 

10月からの改正項目を列挙してみましたが、ご覧にように改正される項目が多いことがわかります。このほかにも後期高齢者のうち一定所得以上の者の窓口負担の割合が2割になったり、企業型DC加入者のiDeCo加入要件の緩和などもあります。ほかにも、職業安定法の改正などもあります。求人の際の情報を的確な表示が義務付けられるなどすることから、求人の際にも影響が少なくないでしょう。

4月1日ではなく10月1日という年度の途中での改正でこれだけ多いのも珍しいのではないかと思っています。

上記の改正項目について、ご存じなくてまだ対応していないものがあればこれからでも遅くないです。早めに対応していきましょう!



今日はこの10月1日から改正がある項目の話です。

育児休業期間中の社会保険料の取り扱いの話です。

育児休業されている方がいる会社さんは給与計算に影響がありますので必ず知っておく必要があります。

 

まずはこれまでの育児休業期間中の社会保険料の取り扱いを確認してみましょう。

これまでは月末時点で育児休業を取っているかどうかが問題でした。

ですので、たとえば3日しか育児休業を取っていなかったとしても、月末時点で育児休業を取っていれば社会保険料が控除されないことになっていました。

また、逆に、2週間くらい育児休業をした方があったとしても育児休業期間に月末がかかっていないと社会保険料は免除されない結果となってしまいました。

 

これは毎月の給与から天引きされる社会保険料だけでなく、賞与の社会保険料についても同様の取り扱いでした。育児休業期間に月末が含まれる月に支給された賞与は社会保険料が天引きされなかったわけです。

とにかく月末時点で育児休業をとっているかどうかで判断されていたというのが9月30日までの取り扱いなわけです。

 

それが、令和4年10月1日以降は、月末時点で育児休業を取っていた場合に加えて、月末時点で育児休業を取っていなくても、14日以上育児休業を取っていれば社会保険料が免除されることになりました。

 

男性の育児休業の場合、女性の場合と異なり、まだ期間が短いものが多いのが実態です。2週間・3週間程度の育児休業というのも男性の場合には多いです。私も実務に携わっているとそれは実感します。そうした場合でも、14日以上であれば社会保険料の免除の対象になるわけです。

 

また、賞与の社会保険料については「1か月を超える育児休業を取得したとき」に限って育児休業期間に月末が含まれる月に支給された社会保険料が免除されることになりました。

これはたとえば、9月10日~10月15日に育児休業を取った方がいた場合、もし9月に支給される賞与があれば社会保険料が免除されるということです。

 

今回の改正は社会保険料削減スキームというようなものを防ぐ一環のようなもののようです。給与計算の際にも育児休業を取っている方について従来と少し取り扱いが変わりますので注意が必要でしょう。また、特に男性の育児休業は期間が短くなる傾向があるので、注意が必要といえるでしょう。

 

以上、10月1日から変わる育児休業の社会保険料の話でした。



この7月1日からすでに施行されているのですが、サラリーマンとして働いていた者が退職して事業を開始した場合、事業等を行っている期間を最大3年間受給期間に算入しない特例が新設されました。脱サラして事業を始める人は必見です。今日はこの制度を見ていきましょう。

 

いわゆる失業保険(雇用保険の基本給付)を受給するには、離職した日の翌日から1年以内が受給期間となっています。病気だったり、あるいは、妊娠・出産等で30日以上仕事に就くことができない状態の場合には、ハローワークに行って一定の手続きを取ると、この1年以内という受給期間が延長される措置がありますが、原則は退職してから1年以内に受給しないといわゆる失業保険の受給権は消滅します。

病気や妊娠・出産のときのように受給期間1年という期間を延長できるという措置が、事業を始める方も取れるようになったわけです。

 

事業を始めてその事業がうまくいくのかはわかりません。これまではそうした不安定な状況であっても雇用保険は離職日の翌日から1年以内で受給できなくなるため、雇用保険を受け取るのはあきらめるのが通例だったと思います。

それが、今年の7月1日以降、事業を始めた方はとりあえずハローワークに「受給期間の延長」を出しておいて、仮にその事業を休廃業した場合、その後の再就職活動期間について、いわゆる失業給付をうけることができるようになったわけです。

 

これは、事業を始める人にとって朗報です。

私も経験上、よくわかりますが、事業を始める方にとっては事業がうまく軌道に乗るのかどうかはわかりません。大きな不安を抱えながら始めるわけです。仮に、事業を始めて3年以内でうまくいかなければ、雇用保険をもらいながら再就職活動ができるようになるわけですから、使わない手はありません。

 

脱サラして事業を始める方は、まずはハローワークで「受給期間の延長」の届け出を出しておいて事業を始めることがこれからは必須になるといえます。

 

さて、この特例を使うための要件がどうなっているかです。

  • 事業の実施期間が30日以上であること
  • 「事業を開始した日」「事業に専念し始めた日」「事業の準備に専念し始めた日」のいずれかから30日を経過した日が受給期間の末日以前であること
  • 当該事業について、就業手当・再就職手当を受給していないこと
  • 次のいずれかの事業に該当すること

  ・雇用保険被保険者資格を取得する者を雇い入れる適用事業所であること

  ・登記簿謄本、税務署への開業届、事業許可証などで事業の所在と場所が確認できる事業であること

  • 離職日の翌日以後に事業を開始したこと

 

申請期限は事業の開始から2か月以内となっています。

開業届を出す場合、同時に青色申告の届け出を出すはずです。これは2か月以内ですから、青色申告の届け出や開業届を出すのと同時に、ハローワークに受給期間の延長の届け出を出すと認識していればいいのだろうと思います。

 

手続きには以下の3つの書類が必要となります。

〇受給期間延長申請書

〇以下のいずれか一方

 ・受給資格の決定を受けていない場合 → 離職票-2

 ・受給資格の決定を受けている場合  → 受給資格者証

〇事業を開始等した事実のわかる書類

  <事業を開始した場合>

  ・法人の登記簿謄本

  ・税務署への開業届

  ・事業許可証

  <事業の準備に専念し始めた場合>

  ・金融機関との金銭消費契約

  ・賃貸借契約書 など

 

なお、提出先は、住所地管轄のハローワークとなります。

 

この届け出によって、受給期間が本来の受給期間1年間に起業から休廃業まで最大3年間まで延長が可能となります。前述の通り、忘れずに届け出した方がいいでしょう。

 

ということで、今日は退職後の雇用保険の受給期間の特例という話でした。



さて、ブログ更新が久しぶりとなりました。今日は国民健康保険の話です。
解雇や雇止めなど、本人が退職を申し出たわけでない理由で退職し、その後、市区町村の国民健康保険に加入した場合、国民健康保険が安くなるという話です。

会社を離職したかたのうち非自発的失業者(雇用保険の特定受給資格者及び特定理由離職者のかたのことをいいます。これについては後で説明します。)の国民健康保険税は申請により最大2年間軽減されます。

具体的には、雇用保険の離職票の離職理由がどうなっているかが問題となるわけです。
離職理由が次のコードになっている方が国民健康保険の軽減対象となります。

特定受給資格者(理由11,12,21,22,31,32)特定理由離職者(理由23,33,34)

特定受給資格者というのは、倒産・解雇等の事業主の都合により離職した人を言います。また、特定理由離職者というのは、雇用期間満了などにより離職した者をいいます。

この離職理由が何番になるのかというのは、「雇用保険受給資格者証」で確認します。失業したあと、会社で手続きしてもらった「離職票」をもって本人がハローワークに行きます。ハローワークで失業給付の受給手続きをした後、あらためて開催される受給説明会で渡されるのが「雇用保険受給資格者証」です。失業手当を受け取る資格(受給資格)を証明するもので、失業給付の認定日には必ず必要なものになります。
その「雇用保険受給資格者証」の「離職理由」の欄に何番と書いてあるのかが問題になるわけです。

また、この国民健康保険の軽減の特例を受けるには、離職した時点で65歳未満の方に限ります。加えて「特定受給資格者」や「高年齢受給資格者」という区分の方は対象外となりますので注意しましょう。

さて、では、国民健康保険の軽減はいつまであるのでしょうか。対象となる期間は「離職日の翌日から翌年度末まで」で、国民健康保険の加入期間に限ります。ですから、たとえば、再就職して会社の健康保険に加入した場合など、国民健康保険を脱退すると終了します。また、仮に、いったん国民健康保険を脱退した後、再度国民健康保険に加入した場合には、また改めて申請することが必要です。

そして、問題なのは国民健康保険料が実際、いくらになるかです。
国民健康保険税は、加入者全員の前年の所得により算定しますが、前年の所得のうち、離職者本人の給与所得を100分の30とみなして保険税を算定されます。
つまり、前年の所得の3割(70%マイナス)で計算されます。
前年の所得の3割で計算されるのでかなり軽減されるはずです。

また、国民健康保険料で注意が必要なのは、給与以外の所得がある場合、その所得については軽減されず、100/100で計算されます。また、国民健康保険の計算は、世帯に属する他の被保険者の所得も計算しますが、軽減対象になる方以外の保険料は、通常の計算方法となります。

この軽減制度を受けるためには、黙っていても保険料が安くなるわけではありません。市区町村の国民健康保険課の窓口へ行って手続きすることが必要となります。あくまでも申請が必要なわけです。
その手続きをするには、すでに国民健康保険に加入していたら国民健康保険証を持参するのはもちろんのこと、その他に雇用保険受給資格者証(原本)、あとはマイナンバーカードなどのマイナンバーを確認できるものも必要となってきます。これらを持参して手続きしてください。

事業主の皆さんもこれらの制度の概要くらいは知っておいた方がよろしいのかと思います。
ということで、今日は国民健康保険の軽減の話でした。



本日、10月以降の雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)の取り扱いについて、正式に発表になりました。どんな内容なのか、確認していきましょう。主に中小企業を中心に解説していきます。

10月以降は最低額が変わります

9月までは原則、1日9000円だったのが8,355円になります。

9月までと10月・11月については休業手当の9/10であることに変更はありません9/10の上限額が9000円だったのが8355円になります。この8,355円というのは、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)の1日あたりの上限額と同じです。そもそも雇用調整助成金の1日の上限額は失業保険の1日当たりの上限額と同じに設定されていましたが、コロナ禍の雇用状況の悪化を考慮し、1日当たりの上限額をいわゆる失業保険よりも多い金額に一時的に設定していました。

10月以降は少なくとも給付金ベースではコロナ前の雇用調整助成金の水準に戻るわけです。

 

また、この原則的な取り扱いに対して、例外が二つありました。一つは、地域特例で、もう一つは、業況特例です。

 

地域特例というのは、「緊急事態措置を実施すべき区域、まん延防止等重点措置を実施すべき区域において、知事による、新型インフルエンザ等対策特別措置法第18条に規定する基本的対処方針に沿った要請を受けて同法施行令第11条に定める施設における営業時間の短縮等に協力する事業主」を指します。現在は時短要請を行っている地域はないことから、対象はないことになります。

そうなると、特例に外とするか否かはもう一方の業況特例となります。

 

業況特例とは、「生産指標が、最近3か月の月平均で前年、前々年又は3年前同期比で30%以上減少している事業主」を指します。原則の雇用調整助成金は、初めてコロナ特例の雇調金等を申請する場合、生産指標が5%以上減少していることが要件となっています。そのため、売り上げの減少が5%以上30%未満であれば原則措置、30%以上となれば特例措置と考えていいでしょう。この業況特例を使う場合、売り上げが減少しているという資料を出すわけですが、これは令和4年4月以降は毎月業況を確認しています

 

この特例措置に該当する場合、給付額が原則額の場合の休業手当の9/10が10/10、つまり全額支給となります。ただし、この1日当たりの上限が9月までが15,000円だったものが10月からは12,000円となります。

 

さて、このコロナ禍に伴う雇用調整助成金ですが、今回の発表では、11月までとなっています。12月以降はコロナ禍の雇用調整助成金はなくなり、コロナ前の雇用調整助成金に戻る予定ではあります。

今後の発表を待たねばなりませんが、現状ではそうした方向となっています。

 

コロナ禍で拡充をしてきて幅広く活用された雇用調整助成金ですが、この取り扱いはいよいよ終了の方向になってきたようです。11月以降の動向も含め、今後の改正の方向を注視する必要があるようです。



今日はこの10月1日から改正される被用者保険の適用拡大の話です。現在はどういう要件の人が健康保険・厚生年金に入らないといけなくて、どう改正されるのか、確認していきたいと思います。

 

まず、現在の制度を確認していきましょう。

厚生年金保険・健康保険に加入する基準は労働時間や所定労働日数によります。

正社員でない短時間労働者であっても「1週の所定労働時間」及び「1月の所定労働日数」が、同じ事業所で働いている正社員(この法律では「通常の労働者」と呼ばれます)の所定労働時間及び所定労働日数の4分の3以上の短時間労働者は厚生年金保険・健康保険の被保険者となります。これを「4分の3基準」と呼んでいます。

この4分の3基準に加えて、平成28年10月1日以降は4分の3に満たない人であっても次の5つの要件を満たせば厚生年金・健康保険に加入することとなりました。

① 1週の所定労働時間が20時間以上であること。

② 雇用期間が継続して1年以上見込まれること。

③ 月額賃金が8.8万円以上であること。

④ 学生でないこと。

⑤ 以下のいずれかの適用事業所に使用されていること

(ⅰ)「特定適用事業所」

(ⅱ) 労使合意により事業主が適用拡大を行う旨の申出を行った特定適用事業所以外の適用事業所

(ⅲ) 国又は地方公共団体の適用事業所

 

この上記の取り扱いのポイントは会社が「特定事業所」に該当するかどうかです。特定事業所というのは、「被保険者の総数が常時500人を超える」事業所をいいます。法人事業所の場合は、同一の法人番号を有する全ての適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数が12 か月のうち、6か月以上500 人を超えることが見込まれる場合を指しています。

中小企業を想定しているわけではなく、仮に中小企業であったとしても少し人数の多い会社を想定していることがわかります。

 

さて、これが令和4年10 月1日以降どう変わるかです。

10月1日以降の要件は以下の5つになります。

① 1週の所定労働時間が20時間以上であること。

② 雇用期間が2か月超見込まれること

③月額賃金が8.8万円以上であること。

④ 学生でないこと。

⑤ 以下のいずれかの適用事業所に使用されていること

(ⅰ) 特定適用事業所

(ⅱ) 労使合意により事業主が適用拡大を行う旨の申出を行った特定適用事業所以外の適用事業所

(ⅲ) 国又は地方公共団体の適用事業所

 

このうち特定適用事業所については、令和4年10 月1日から、特定労働者の総数が常時500 人を超える企業から、常時100 人を超える企業に引き下げられることになります。

 

つまり、変更点は二つになります。

一つは「雇用期間が継続して1年以上見込まれること」という要件が「2カ月超」に変わります。そして、もう一つは、対象となる企業が常時500人超の企業から100人超の企業に範囲が拡大されます。

 

これによって新たに70万人近くが厚生年金・健康保険に加入すると試算されています。

 

そしてこの特定適用事業所の要件は、2年後の令和6年10月1日からはさらに、常時50人を超える企業にまで拡大される予定です。この改正によって、かなりの多くの中小企業がこの改正の影響を受けるものと予想されます。

 

さて、上記の5つの要件をもう少し見ていきましょう。

これは、顧問先からもご質問をいただくのですが、これはいずれか一つを満たせば要件を満たすものではなく、いずれも該当した場合です。どれか一つに該当すると社会保険に加入しないといけないと戦々恐々されている事業主もいっらっしゃいますが、そうではないです。

また、今回の改正によって、年金を受給している短時間労働者も該当するのかというご質問をいただくこともあります。つまり、それによって年金の一部が支給停止になることがあるのか、というものです。これについては、もし厚生年金・健康保険の加入要件に該当して加入することになったとすると、もらっている年金が支給停止になる可能性はあり得ます。ですので、この辺は該当しそうな方については事前にアナウンスが必要となってくる部分かと思います。

 

今回の改正は特に特定適用事業所の拡大の部分が影響が大きい部分かと思います。100人超もしくは50人超という部分で該当しそうな企業は、施行前から事前の準備が大事な部分です。怠りないようにしましょう。

ということで、今日は社会保険の適用拡大の話でした



さて、今日は8月1日に国税庁から出された事業所得と雑所得についてのパブリックコメントについてです。

パブリックコメントというのは、法令などの解釈通達などを改正する際に、広く一般に意見を求める手続きのことをいいます。

今回のパブリックコメントについては、事業所得と雑所得の区分について、次のように取り扱うことについてです。

 

事業所得と業務に係る雑所得の判定について、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定すること、その所得がその者の主たる所得でなく、かつ、その所得に係る収入金額が 300 万円を超えない場合には、特に反証がない限り、業務に係る雑所得と取り扱う

 

上記のよう事業所得と雑所得の区分についての所得税の解釈を変えるようにしたいのですがどうでしょうかと意見を広く求めているということです。意見募集期限は「8月31日まで」となっています。

さて、今回の通達改正の特徴ですが、それは副業の収入の基準として年間300万円という金額の基準を設けたことです。これで今まで事業所得と雑所得の区分が不明確だったのがある程度、金額で明確化されるということです。

ただし、「社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定すること」という「総合的な判断」が前提としてあるという話なので、従来からの事業所得と雑所得の判定基準が全くなくなるわけではないのですが、基本的には、以下の3つで判定するとしています。

  • 主たる所得でない(副業である)
  • 収入金額が300万円以下
  • (納税者による)反証がない

この3つがそろったら、事業所得ではなく雑所得(業務)と判断しますという話です。

これまでも実務上、事業所得なのか雑所得なのかというのは実務上の悩ましい問題としてありました。たとえば、サラリーマンが副業をしたとします。このサラリーマンが趣味で副業をやっていたことを事業所得として申告したとします。事業所得は赤字だったりするとそれが給与所得と通算できます。そうなると、給与所得で出ていた税金を事業所得の赤字と通算して還付できるということになります。

事業所得が赤字だとほかの所得と通算ができるため、他に所得があれば税金が減らせます。ところが、雑所得と判断されるとそこで赤字になっても他の所得とは通算ができないことになります。サラリーマンの副業が年間収入300万円以下のため雑所得と認定されると毎年、赤字を通算していたのが通算できなくなるということになるわけです。

また、事業所得が赤字の場合だけでなく、事業所得が黒字であったとしても問題が出てくることがあります。たとえば、副業をしているサラリーマンが事業所得を青色申告でやっていたとします。毎年、この副業は黒字であったものの、青色申告特別控除を使っていたとします。仮に事業所得でないと判定されるとすると、青色申告特別控除が使えなくなるという問題が生じてきます。

 

つまり、サラリーマンの副業の年間収入300万円以下だとすると、赤字であれ、黒字であれ、雑所得と認定される可能性があり、影響が出てくるわけです。

 

同じようなことが例えば庭先で野菜を作っている農家にも当てはまります。この農家はたとえば不動産所得などの主たる所得があり、庭さきでやっている農業の所得は毎年、赤字となっていたとします。この赤字の農業所得は黒字の不動産所得と通算して税金を減らしていたりするわけです。こうしたケースも庭先で野菜を売っていたのが副業とみなされれば、上記のサラリーマンの副業と同様に雑所得と認定され、損益通算できないという問題が出てくる可能性があります。

このように、実務でも、事業所得なのか雑所得なのかは区分が曖昧で、たびたび議論となっていました。そのため、今回の通達の改正はここを明確にしようとする意図があるわけです。

 

なお、この通達案の取扱いは、「令和4年分以後の所得税について適用します。」とあることから、この案のとおりとなれば早速、来年の確定申告から影響が出る話となります。改正となれば関係する人も多いでしょうから、決して影響は小さくない話です。今後の動向に注意が必要といえます。

 

以上、今日は事業所得と雑所得の話でした。



ブログの更新が久しぶりになってしまいました。

今日はメディアでも大きく取り上げられました最低賃金の話です。

 

毎年、この時期に最低賃金の話が出てきます。通常はこれを受けて各都道府県で審議会が行われ、10月から最低賃金が適用されます。

東京都最低賃金の改正については、8月5日、現行の最低賃金の時間額1,041円を31円引上げ(引上げ率2.98%)て、1,072円に改正することが適当である旨の答申が行われました。

通常、この答申通りに決定します。そのため、東京都最低賃金は1072円になることは決定といっていいでしょう。

 

この最低賃金は都道府県によって異なります。都道府県ごとの経済実態を踏まえ各都道府県をAランクからDランクまで分けます。そのランクによって賃金の上げ幅が決まります。ちなみに、Aランクは東京都のほかは神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、愛知県です。

今回はAランクとBランクの都道府県は31円引き上げで、CランクとDランクの都道府県は30円引き上げとなります。

過去に例を見ない上げ幅といえます。

 

なお、最低賃金の改正は10月1日からとなりますが、たとえば、給与の締め日が15日の場合、9月16日から9月30日と10月1日から10月15日と分ける必要はなく、9月16日から10月15日までは9月までの最低賃金で、10月16日からの給与を新しい最低賃金にすれば足りるとされています。

これは実務を考慮したもので、最低賃金にあわせて給与の改定を検討されているようでしたらこれも考慮して決定しましょう。

 

ということで、今日は最低賃金の話でした。



さて、今日は最近、聞かれることもたびたびある点です。

雇用調整助成金の特例措置はいったいいつまであるのか、という話です。

 

たびたびの延長があり、現状で雇用調整助成金はいつまであるのでしょうか?

 

今のところ、令和4年9月30日までとなっております。この9月30日というのは、雇用調整の初日が令和4年9月30日までの間にあればいいとされています。雇用調整助成金の算定期間の初日が9月30日までであれば、9月30日以降の部分があっても申請できるということです。

たとえば、給与が20日締めの会社であれば、9月21日から10月20日分も雇用調整助成金の申請が可能となります。

 

また、以前のブログにも書きましたが、今回の雇用調整助成金の要件は以下の3つです。

 1.新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
 2.最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している
 3.労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている

 

基本的な話ですが、コロナで休みの人が出たからその人について雇用調整助成金を使いたいという趣旨のご相談を結構、いただきます。ですが、それでは雇用調整助成金の今回の特例措置の要件を満たしていません。コロナで休みの人が出て、休業を余儀なくされ、休業手当を支払っていることがまずはあります。また、売上高や生産量が5%以上減少していることも要件となっています。先ほどのコロナで休みの人が出たから雇用調整助成金を使いたいという経営者の方の話もよくよく聞いてみると、昨年よりも売り上げ自体は回復していたりすることも多々あります。このような場合にはそもそも該当しないわけです。

 

支給額は令和4年3月以降については、小規模事業所(概ね20人以下の事業所)の場合、休業手当の9/10(解雇がある場合には4/5)でます。ただし、1日当たりの上限額は9000円となっています。

 

また、雇用調整助成金の特例措置というのがあり、この場合、支給額は休業手当の10/10(解雇がある場合には4/5)でます。ただし、1日の上限額は15000円となっています。

 

この雇用調整助成金の特例措置というのはどういうものでしょうか。雇用調整助成金の特例措置には「業況特例」と「地域特例」の二つがあります。それぞれ以下の要件になっています。

 

まず業況特例です。

業況特例は、次のAとBそれぞれの月平均値の生産指標(売上げ高等)を比較し、Aが30%以上減少している事業主が対象となります。

 

A:判定基礎期間の初日が属する月から遡って3か月間の生産指標

B:Aの3ヶ月間の生産指標に対して、前年同期、前々年同期または3年前同期の生産指標

 

生産指標というのは必ずしも売上高である必要はなく、顧客数等の指標でもいいとされています。これは雇用調整助成金の原則措置と同じです。

また、判定期間の初日が令和4年4月1日以降の休業等について 業況特例の申請を行う全ての事業主は、申請の都度、業況の確認を行います。そのため申請の都度、売上等の生産指標の提出が必要になります。その際、提出する生産指標は、最新の数値を用いて判断することになります。また、原則として生産指標を変更することはできません。

 

雇用調整助成金の原則措置は前年との比較であったのに対して、雇用調整助成金の特例措置は前年だけでなく前々年の同期でもよいとされています。この違いには注意が必要です。

 

次に「地域特例」です。

地域特例は緊急事態措置やまん延防止等重点措置の適用されている地域が対象となる措置です。現在はこれらの措置が適用されている地域がないため、原則的にはこの地域特例を使うことはないだろうと思います。

 

また、雇用保険加入者については、雇用調整助成金となりますが、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当については、「緊急雇用安定助成金」として支給しています。中身については同じものになりますので今一度、ご確認ください。

 

ブログを書いているこの日現在(令和4年7月21日現在)、コロナの罹患者が全国で増えているという情報があります。今のところ雇用調整助成金の特例措置の延長等の措置があるという話は出ていません。ただ、これまでも何度も延長措置がされてきたところですので、今後の動向に注意が必要でしょう。



だいぶ久しぶりのブログ更新となりました。

今日は顧問先の皆さんからのご質問から印紙の話を書いていこうと思います。

 

当院では、数回の治療分をまとめて最初に代金をいただくことがあります。その際に5万円を超える金額になることがあります。前にどこかで印紙は貼らなくていいと聞いていたことがあった気がしましたし、以前に勤務していた接骨院でも印紙を貼ったことがありません。ところが、領収書を発行したところ、ある患者さんから印紙が貼られていないという指摘を受けました。印紙は貼らないといけないのでしょうか。

 

このようなご質問をいただきました。さて、印紙は貼らないといけないのでしょうか?

 

印紙税法では、売上代金についての金銭又は有価証券の受取書(領収書)については、原則として、印紙税が課税される、つまり、印紙を貼らないといけないこととされています。ただし、ここには例外があって、その記載金額が5万円未満の受取書については、印紙税は非課税とされています。この5万円というのは領収書に記載されている金額です。消費税抜きの金額なのかというご質問をいただくことがありますが、税抜きとか税込みとかは関係なく記載されている金額を5万円以上なら印紙を貼らないといけないとされています。

 

一方で、印紙税法では、売上代金についての領収書で、その記載金額が5万円以上のものであったとしても、「営業に関しない受取書」については、印紙税は非課税とされています。

その「営業」とは、営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことをいうとされています。ただし、医師等の行為については、その職業の本来あるべき姿や、専門的技術・知識を有する個性的特徴を持つ職業であることから、印紙税法上の営業行為には該当しないと解されています。

この「医師等」の範囲には、医師のほか、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、保健師、助産師、看護師、あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、獣医師等が含まれることとされています。

要するに、国家資格者の発行する領収書は印紙を貼らなくていいということになるわけです。

 

これとよく比較されるのが、セラピストや整体師です。セラピストというのは国家資格ではなく、民間の資格です。また、整体師というのは資格というもの自体がありません。こうした一定の国家資格ではない人が発行する領収書は通常通り、印紙税は課される(印紙を貼る)対象となります。

 

また、ちょっとややこしいのですが、たとえば柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師・はり灸師が整体を行って料金をもらう場合、これはあくまでも「医師等」の行為であることから、印紙税は課されない(印紙は貼らなくていい)ということになります。

 

一定の資格があるのかないのか、ここが判断基準となります。

 

ということで、今日は柔道整復師等の治療院の印紙の話でした。