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Category Archives: 助成金・補助金


確定申告時期が重なり、ブログの更新がだいぶされていませんでした・・・

確定申告のこともたくさん書きたいのですが、国会でも、今、毎日審議されている「働き方改革」の助成金、キャリアアップ助成金の改正について、ご案内したいと思います。

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キャリアアップ助成金の改正については、現在、キャリアアップ計画書を出している事業所にはリーフレットが送られているのでご承知の方も多いはずです。

今回、改正の柱は「正規雇用に転換する」場合の話です。キャリアアップ助成金で最も該当することが多い点が改正されます。どこが変わるのか、ご存じない方はこのブログで是非、把握しておいてください。

正規雇用に転換する際に転換前6か月と正規雇用転換後6か月で給与が5%以上、上がっていることというのが要件に加わる予定です。現在、国会で審議中ですが、おそらくこの改正は施行されるものと思います。

従来は(というか「現在は」と言ったほうがいいですね)、正規雇用に転換する前と転換した後で給与の金額に変動がなくても問題はありませんでした。雇用契約で正規雇用に転換する旨が明記されていれば、正規雇用に転換したものと考えたわけです。

通常、正規雇用に転換するというと、給与が上がったり、休暇が増えたりして待遇面が良くなったりという改善があるはずです。従来は、仮に給与が転換前と転換後で変更がない場合、正規雇用に転換するとどういう点が改善されるのかを、労働局で確認されることもありました。正規雇用になると何が変わるのかを確認されるわけです。

たとえば、正規雇用に転換する前と転換する後で、時給のままだとするとこれは必ず確認されるポイントです。たとえば、就業規則などで、「全員時給で給与を支払う」となっていれば問題ないわけですが、そうではなく、月給者もいて時給者もいるような場合、時給のままで正規雇用に転換といってもこれは正規雇用に転換したといえないのではないかと言われるわけです。

さて、正規雇用に転換する前と後の給与が5%というのは何を指して5%というのでしょうか。

労働局のリーフレットの小さい文字で書いてある部分が非常に重要です。そこには、賞与があれば含みますが、時間外給与があって5%以上上がったとか、歩合給が上がって5%上がったとか、通勤手当が上がったとかというのは考慮しないと書いてあります。

時間外手当や歩合給は除いて、基本給や諸手当で5%以上上がることが要件だと書いてあります。

必ずしも基本給である必要はありません。何らかの手当でもいいです。賞与を入れて5%上がっていてもいいです。たとえば、正規雇用にしか支給されない手当を作って5%以上給与を昇給させるというのは分かりやすいですし、私は中小企業に向いている方法だと思います。ただし、賞与の場合には、就業規則などで支給要件が明確化されているものに限ります。業績によって支払わない場合があるようなものでは対象になりません。就業規則などで、基本給の2か月分とか書いてあってそれに従って支払っているようなものが5%基準の対象になる賞与です。

それから、この改正は、平成30年4月1日以降に正規雇用化する社員がいる場合に適用になる話です。平成30年3月31日までに正規雇用化する場合には、給与が5%以上上がっていなくても正規雇用化していれば該当します。正規雇用する時期によっては改正があたらないケースもありますので注意が必要です。

あとは1事業所で1年度に15人までだったのが20人まで受給できるようになった点も改正点です。ですが、中小企業にとっては、1年間に15人とか20人とかといった人数の正規雇用かというのは通常、あまりない話なのでほぼ関係のない論点です。

やはり、今回の改正のポイントは「正規雇用化する前と後で給与が5%以上上がること」という点です。私の関与先では、「正規雇用に転換するからには給与を上げたほうがいい。5%程度上げておいた方が正規雇用化したことがわかりやすく、労働局からも受け入れやすいからそうしたほうがいいですよ」とアナウンスしていました。これは、将来、このような改正があるのではないかと考えていたためでもあります。今回のこの改正は、私はある意味、当然といえるような内容だと思っています。

これから正規雇用化してキャリアアップ助成金の受給を考えている事業主さんは、もしこの改正をご存じないようでしたらこの機会に知っておきましょう。



新年、1回目のブログ更新です。ご無沙汰していました。

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さて、1回目のブログは介護事業所向きの助成金の話です。

現在、介護事業所の経営者の方でしたら、従業員に60歳以上の高齢者がいらっしゃいますでしょうか。介護事業所は働いている従業員さんも高齢の方が多くいらっしゃるいますよね?他の業種では、この助成金はあまり該当する可能性が高くないかもしれませんが、介護事業所に限っては、定年延長や定年廃止した場合に受給できるこの助成金は使える可能性が高いです。

まずは自社の就業規則で定年年齢が何歳になっているかを確認してみましょう。定年年齢後も引き続き雇用している方がいる場合、その方が1年以上雇用保険に加入しているかを確認してみてください。その両方とも該当するのであれば、この助成金に該当する可能性があります。

該当する60歳以上の方がいらっしゃる場合、「 65歳以上への定年引上げ」「 定年の定めの廃止」「希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入」のいずれかを導入した事業主に対して助成金が出るというものです

では、いくら受給できるのでしょうか。

定年引上げ等の措置の内容や年齢の引上げ幅、60歳以上の雇用保険被保険者数に応じて、下表の金額が支給されます。

定年年齢を上回る65歳以上への定年引上げ

 (横列)措置内容  (下列)対象被保険者数 65歳への 定年引上げ (5歳未満) 65歳への 定年引上げ (5歳) 66歳以上への定年引上げ (5歳未満)  66歳以上への 定年引上げ (5歳以上)
1~2人 20万円 30万円 25万円 40万円
3~9人 25万円 100万円 30万円 120万円
10人以上 30万円 120万円 35万円 145万円

定年の定めの廃止、旧定年年齢及び継続雇用年齢を上回る66歳以上の継続雇用制度の導入

 (横列)措置内容  (下列)対象被保険者数 定年の 廃止 66~69歳の継続雇用への引上げ (4歳未満) 66~69歳の継続雇用への引上げ (4歳) 70歳以上の継続雇用への引上げ (5歳未満) 70歳以上の継続雇用への引上げ (5歳以上)
1~2人  40万円 10万円 20万円 15万円 25万円
3~9人 120万円 15万円 60万円 20万円 80万円
10人以上 145万円 20万円 75万円 25万円 95万円

 

定年引上げと、継続雇用制度の導入を合わせて実施した場合の支給額はいずれか高い額のみとなります。

また、定年引上げ等実施後2カ月以内に支給申請しないといけません。申請先はハローワークではなく、 雇用保険の適用事業所の主たる所在地のある独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(高齢・障害者業務課です。 間違いないようにしましょう。

今日は、「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)」の話でした。



ブログの更新が少し空いてしまいました。

今日は助成金の話で、「生産性要件」というお話を致します。

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生産性要件」って、何かご存知でしょうか。

いろいろな助成金にこの「生産性要件」があります。該当すると、助成金が割増になるというものです。厚生労働省の生産性要件に関する記事のページです。↴

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html

 

キャリアアップ助成金の正社員化コースであれば、この「生産性要件」に該当すれば57万円の受給額が72万円になります!これはチェックせずにはいられないでしょう。

 

生産性要件というのは、「3年前と比較して生産性が6%以上改善している」という場合に当てはまります。

具体的には

営業利益+人件費+減価償却費+賃借料+租税公課の合計を雇用保険の被保険者数で割ります。その金額が3年前に比べて、6%以上改善していると割増の対象になります。

1人当たりの利益が上がっている場合に対象になるということです。

算式をみますと、該当しそうなのが「利益が増えている」場合や、「雇用保険被保険者数が減っている」場合などです。

「設備投資をして減価償却費が増えた」(減価償却費が増えた)なんていうのも該当している可能性があります。何百万とかいう設備投資を直近の年度でした場合、該当する可能性がありますから、注意してチェックしましょう。

具体的には、上記の厚労省のページに生産性要件の計算シートがあるので、該当する数字を入力してみると確認できます。

その際のポイントは以下のようなものです。

 

3年前の決算と比較する

 

たとえば、3月決算法人だったとします。直近の決算は平成29年3月期。この場合、3年前は平成26年3月期ということになります。これが上記の算式に当てはめて6%以上改善しているかどうかを確認するわけです。決算書をみながら該当する勘定科目を入力してみて改善しているかをチェックしてみましょう。

 

勘定科目でしか判断されない

 

この生産性要件は勘定科目でしか判断されません。たとえば、人件費の中に「通勤交通費」というのも含まれます。ですが、「通勤交通費」を「旅費交通費」という勘定科目にしてしまっている場合には、「通勤交通費」とそれ以外の交通費(タクシー代とか電車代とか)が混在しているため、「この中に通勤交通費が入っているんです」と言ってもダメです。勘定科目を「通勤交通費」と分けていないといけません。

直近の事業年度は、「通勤交通費」といった科目を作って経理処理しましょう。

この辺は、助成金に理解のない税理士だと処理してくれません。「通勤交通費は『通勤交通費』という勘定科目で処理してください」と伝えないといけません。

また、たとえば、住民票や謄本取得の費用は「租税公課」で処理するようにすればいいことになります。ちょっとした会計処理で助成金の申請が有利になることは知っておいていいことです。

 

1%~6%の改善でも「生産性要件」をクリアできる場合がある

生産性要件を計算してみた時、6%をわずかに上回らなかった場合というのがあります。その場合は、あきらめてはいけません。

「金融機関から一定の『事業性評価』を得ていれば、生産性要件が1%~6%であれば生産性要件を満たしたものとする」となっています。

金融機関の「事業性評価」というものについて、厚労省は次のように説明しています。

「事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性及び経営資源・強み等)を与信取引のある金融機関に照会させていただき、その回答を参考にして、割増支給の判断を行うものです。なお、『与信取引』とは、金融機関から借入を受けている場合の他に、借入残高がなくとも、借入限度額(借入の際の設定上限金額)が設定されている場合等も該当します。」

 

これは、ちょっと解説が必要でしょう。要するに、借入金のある金融機関(借入金がなければ口座のある金融機関)に「事業性評価」の書類に捺印をもらってね、と言っているわけです。具体的には、「与信取引に関する情報提供に関する承諾書」(様式3号)という書類があります。通常は事業の借入をしている金融機関に照会することになるでしょう。

こうしたこともありますから、金融機関からいくらか借入金があった方がいいとも言えます。借入金のない金融機関にこうした書類に印鑑をもらうのはやりづらいでしょうからね。

 

助成金の上乗せ支給の対象になる「生産性要件」これは、実は会計や経理処理と密接に関係がある項目なわけです。

その意味でも、税理士業務と社労士業務を一体で見ている【弊社のような】事務所に依頼されるのがお得かと思います。

 

ということで、今日は、助成金の「生産性要件」の話でした。



さて、前回に引き続き、キャリアアップ助成金の正社員化コースに絞った形でのポイントをご紹介いたします。

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キャリアアップ助成金にあたっては、労働局は出された書類を細かい点まで確認しています。実際に申請してみないとわからない点について、前回に引き続きご紹介いたします。

 

・キャリアアップ助成金を活用しようとする従業員さんの雇用保険の手続きは「有期雇用契約」「パート」などの非正規雇用の形にする

 

これは、実際に申請した時に指摘されることがあるポイントのようです。

雇用保険の資格取得時に「有期雇用契約」とか「パート」とかと言った形で資格取得の手続きをしていないと、あとから助成金の申請をした後に指摘されることがあります。

あまり知られていないことですが、実は助成金というのは都道府県によって基準がまちまちです。この資格取得時の区分が「有期雇用契約」や「パート」になっている人を正規雇用に転換するというのをチェックポイントにしている都道府県もあるようです。あとからこうした点を指摘されないためにも、キャリアアップ助成金を使う予定のある人を雇う場合には、資格取得時に最初から非正規雇用の形態である「有期雇用契約」や「パート」などとして手続きするようにしましょう。

 

・時間外労働があれば時間外労働をきちんと支払う

 

助成金と一見関係なさそうですが、時間外労働に対しての時間外手当をきちんと支払っているのか、というのはチェックポイントになっているようです。時間外労働があるのに時間外手当が支払われていないとこの助成金を受給できないケースもあるようです。

社会保険にきちんと加入していないと助成金が受給できないなど、結局、きちんと労働法規や社会保険諸法令を遵守していないと受給できないというルールになっているようです。時間外労働があれば何らかの形できちんと支払いをしましょう。

その際、中小企業の場合、たとえば「定額時間外手当」として、一定の金額を時間外手当として支払っているものとして労働契約を結ぶなどは一つの方法です。

 

・タイムカード(出勤簿)と賃金台帳をチェック!

 

助成金の受給の際にはたいてい、タイムカードのコピー(もしくは出勤簿)や賃金台帳を提出します。これらの書類の記載がきちんとなっているのかを確認しましょう。たとえば、休憩時間があるのであればそういった情報もタイムカードにも記載したほうがいいでしょう。賃金台帳も労働時間や労働日数を記載してあるのかを確認しましょう。

「給与計算は会計事務所に依頼してあるから大丈夫」といっても、たいていの会計事務所は助成金のことをよくわかってはいません。助成金のことはわかっていませんから、労働時間数や労働日数が記載されていない賃金台帳を出してきたりします。会計事務所に給与計算を依頼していて会計事務所から賃金台帳を出してもらう場合、賃金台帳に労働日数や労働時間数の記載がなければ書いておいた方が丁寧です。助成金の申請時に労働日数や労働時間数などの情報をきちんと書いてあるかどうかを確認したほうがいいでしょう。

 

・就業規則の内容もきちんと確認!

ある労働局にキャリアアップ助成金の書類を提出したところ、定年年齢の記載について質問をされたことがありました。キャリアアップ助成金の受給に際しては直接は関係しない部分です。ですが、就業規則はキャリアアップ助成金に関連する部分(社員への転換規定があることなど)だけをチェックしているわけではないことがよくわかります。育児休暇制度があるのか、正社員特有の手当てがあるのかなど、正社員への転換規定以外の部分も確認されます。キャリアアップ助成金の受給の際には、正社員への転換規定以外も改めて確認してみましょう。

 

・正社員へ転換する旨をきちんと労働契約書に記載する

まず、このキャリアアップ助成金を受給するには、きちんと労働契約書を交わしてないと受給できません。そして、その労働契約書には、正社員へ転換する場合「正規雇用への転換」を明記した契約書であるとわかりやすいです。つまり、受給につながりやすいということです。「〇月〇日からは就業規則第〇条の規定に従い、正規雇用として採用するものとする」といった一文を労働契約書に記載するということです。契約書に記載があれば、正規雇用への転換は一目瞭然ですから、こうした文面をきちんと記載したほうがいいでしょう。

 

最後に、こうしたポイントは、キャリアアップ助成金の正社員化コースを何度か経験した社労士でないとなかなかわからない部分であったりもします。助成金というのは、ローカルルールも多く、労働局によっても取り扱いが微妙に異なる部分も多いです。結構、細かい点が問題になることも多いので、そうしたポイントがわかっている社労士にやってもらったほうがスムーズに受給できます。

 

ちなみに、社労士と言っても、助成金はあまりやらない社労士は多いです。どちらかというと、助成金の事務手続きはやらない、もしくはやっていてもやっている件数がそれほど多くない社労士が多いです。

キャリアアップ助成金は1名でも雇う人がいれば受給できる助成金です。その意味で、非常に使える助成金です。しかし、受給するためにはいくつかポイントがあります。きちんと受給に繋げるためにも、キャリアアップ助成金に詳しい社労士に依頼してみてはいかがでしょうか?



「働き方改革」というのは、安倍政権の重要な政策課題です。

「働きずめで残業が当たり前」とか「正規雇用と非正規雇用の格差問題」とか「男性中心の企業社会」こういった古くからの価値観に基づいた働き方はこれからは変えなくてはいけない。これが働き方改革です。

雇用保険の助成金にもその「働き方改革」を意識した助成金が数多くあります。

今日は「働き方改革」を代表する助成金、キャリアアップ助成金の正社員化コースについて、書いていこうと思います。

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キャリアアップ助成金(正社員化コース)については、以前にも書きました。↴

https://vanguardwan.com/blog/%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%a8%e6%90%8d%e3%81%99%e3%82%8b%ef%bc%81%ef%bc%9f%e4%bd%bf%e3%81%88%e3%82%8b%e5%8a%a9%e6%88%90%e9%87%91%e3%80%8c%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%82%a2

 

今日はその以前に書いたものからもうちょっと踏み込んだ申請時の注意点についていくつか書いていこうと思います。

 

まず、このキャリアアップ助成金の正社員化コースというのは、有期雇用契約だったり、パート・アルバイトなどの非正規雇用の人材を正規雇用化すると受給できるものです。

この助成金は今、もっとも旬な助成金と言えます。まだ活用されていない事業主さんは、是非、活用してみてください。要件に該当しさえすれば、比較的難しくなく受給できる助成金です。私の関与先でも、一社で2回も3回も申請して受給している会社は数多くあります。

今までもいくつものキャリアアップ助成金の受給のお手伝いをしてきたわけですが、数多くやってきた受給手続きを通して、実務上気を付けるべきポイントは何か、いくつかの論点について書いていこうと思います。

 

・有期雇用契約の期間は6か月以上ないといけない

正規雇用化すると受給できるのがこの助成金ですが、その非正規雇用の期間は6か月以上ないとといけません。逆にいえば、正規雇用化する前に6か月以上の有期雇用契約にすれば受給の対象になるということです。よくあるのは試用期間3か月で正社員化するというようなものです。6か月以上でないと対象になりませんから、これではキャリアアップ助成金の対象にはなりません。試用期間というのを6か月以上の有期雇用契約にしないといけないわけです。

先日、社労士会の助成金の研修で、ハローワークの職員がこんなことをおっしゃっていました。

「実際、このキャリアアップ助成金を意識して、最初は6か月以上の有期雇用契約にして、その後正規雇用化するという形で採用する企業様が多いのは事実です。ハローワークとしては、あくまでも当初から正社員雇用という形にしていただくよう、各企業様にはお願いしているところですが、実際のところ、有期雇用契約から正社員になるという形で人材採用が進んでいる現状を踏まえ、黙認しているといったところです。」

企業側としては、新規に雇用するのであれば、まずは6か月以上の有期雇用契約にする。これだけで、キャリアアップ助成金の受給につながります。ハローワークとしては、最初は非正規での採用になるわけですから好ましいとは言えないでしょうが、その後正社員化につながっていくのであればこの状況は仕方ないと受け止めているといyったところです。

 

・社会保険の加入をしないといけない

今までのご相談の中で、キャリアアップ助成金の受給をする以前に、社会保険に加入していない法人からのご相談というのが実に多い現状があります。法人の場合、社長1人の会社でも社会保険に加入しないといけません。ところが、そもそも社会保険自体に会社が入っていないわけです。

「雇用保険に入っていれば助成金は受給できるんだろう」と思っている社長さんが実に多いのですが、雇用保険に入っていても社会保険に入っていないと対象になりません。特にこのキャリアアップ助成金はそうです。

また、会社自体が社会保険に入っていても、少なくとも対象となる従業員さんが正社員化した以降は社会保険に加入していないと受給の対象にはなりません。有期雇用契約の期間であっても、常勤者の4分の3以上の時間を常時働いているのであれば、社会保険に加入していないといけません。

このように、会社自体が社会保険に加入していないとか、キャリアアップ助成金の対象となる従業員の労働時間が長く、本来、社会保険に加入していないといけない時間数働いているのに社会保険に加入していない状態だと助成金の受給ができません。社会保険にきちんと加入していることが重要な条件になっているわけです。

ただ、個人事業で従業員数が5名以下のサービス業などの場合、法律上、社会保険の加入義務はありません。このような事業所では、仮に社会保険に入っていなくてもキャリアアップ助成金の受給対象にはなります。

 

・正社員化する規定を就業規則に設けないといけない

就業規則に正社員転換の規定がないといけません。これはそんなに難しい話ではありません。たとえば、「6か月以上の有期雇用契約の社員は、本人からの申し出と上長の推薦によって、正規雇用に転換する試験を受け、それに合格した場合には、正規雇用に転換することがある」といった規定を作ればいいだけです。

この際の注意点は、転換時期です。たとえば、「転換時期は4月1日とする」と就業規則に書いてしまうと、それ以外の時期の正規雇用への転換があった場合、助成金の受給の対象外になってしまいます。

そのため、「正規雇用への転換の時期は、随時とする」としておけば、いつ正規雇用に転換しても助成金の受給対象になります。ほんのちょっとしたことですが、注意が必要です。

また、従業員数が10名以下の場合、本来は就業規則の届け出義務はありません。ですが、就業規則の届け出をして、労働基準監督署の受領印のある就業規則を出したほうが話が早いです。仮に、従業員の数が10名以下で、就業規則の届け出義務のない会社の場合、従業員全員が就業規則について同意しているという書類を提出する必要があります。少し書類が煩雑になるため、従業員数10名以下の事業所についても、就業規則を出してしまったほうが手続きは楽になります。

 

とりあえず、今日は3つの注意点を書きました。引き続き、次回も「キャリアアップ助成金」の受給のための注意点について書いていこうと思います。



今日は助成金の話です。

キャリアアップ助成金の上乗せ支給で、東京都は独自に「正規雇用転換促進助成金」というのを設けています。この助成金が予算をオーバーしたため、9月29日受け付け分で終了するとのことです。

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「東京都正規雇用転換促進助成金」については、聞いたことのある方も多いと思います。

国の「キャリアアップ助成金」の上乗せとして始まったもので、キャリアアップ助成金の以下の区分に該当すると各々支給されました。

 

有期雇用契約から正規雇用への転換・・・50万円(大企業の場合には40万円)

有期雇用契約から無期雇用契約への転換・・・20万円(大企業の場合には15万円)

無期雇用契約から正規雇用への転換・・・30万円(大企業の場合には25万円)

 

さらに、上記の労働者を中小企業退職金共済に加入させた場合には、上記の金額に10万円を加算して支給することになっています。

 

これは東京都独自の助成金のため、正規雇用や無期雇用契約への転換する労働者は東京都にある事業所の労働者でないと対象にはなりません。

 

また、国の「キャリアアップ助成金」の適用を受けた後、その国の受付が完了した後2か月以内に東京都に申請をするという、ちょっと特殊な扱いをするものです。

実際には、新宿の歌舞伎町にあるハローワーク新宿と同じ建物の中にあり、そこで手続きします。

 

気をつけないといけないのは、国のキャリアアップ助成金の申請が終わっている場合、2か月以内に申請しても、9月29日を過ぎてしまうと、一切受け付けしない点です。

せっかく、国の助成金が受付されていても、9月29日を過ぎてしまうことのないように注意が必要です。

 

ついでに言えば、この助成金に限らず、東京都の助成金などは予算があり、その予算額に達すると受理されなくなるというのはこれまでにもよくありました。

補助金にしても助成金にしても、これを当てにして人材を採用するというのはリスクがあることは忘れてはいけないことだということです。

 

以上、東京都の正規雇用転換促進助成金の話でした。



本日、助成金セミナーを開催しました。

介護事業所の経営者を中心に渋谷のアットホームビジネスセンター渋谷駅前にお集まりいただきました。

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助成金というのはお金をもらうという話です。

関心のない経営者はいません。

しかし、一方で、どうやったら助成金を受給できるのか、その情報を得る方法を良く知らないということもあります。

本来は、助成金の情報は関与している会計事務所から得るべきです。しかし、ほとんどの会計事務所は経理の専門家でしかなく、経営の専門家ではありません。その辺は前回のブログでも書いた通りです。

弊社は、そうした「従来型」の経理専門の会計事務所の形態ではなく、経理・会計から人事労務管理、銀行融資、社会保険・労働保険、助成金、介護事業の場合には介護保険法情報、治療院の場合には増収・増患対策など、介護や治療院の経営に必要な情報をご提供するという「従来型」の会計事務所スタイルとは異なる形の事務所です。

今回の助成金セミナーのように、今後も定期的にとりわけ介護事業者や治療院経営者に有用な情報を発信していこうと思います。



アメリカの大統領選挙の結果には驚きましたね。

皆さん、驚いたことと思います。ドナルド・トランプ氏が次期アメリカ大統領選挙に勝利しました。

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本当はこのブログでは、アメリカの大統領選挙にヒラリー・クリントン氏が当選するのではないかと思い、その時に書くブログの内容を用意していました。

トランプさんが勝ったのですが、クリントンさんが勝ったときに書こうと思っていた内容を書こうと思います。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相、イギリスのテリーザ・メイ首相、台湾の蔡英文総統、日本でも小池百合子東京都知事など、世界各地で数多くの女性リーダーが誕生しています。

アメリカのヒラリー・クリントン氏はよく「ガラスの天井」という話をします。「ガラスの天井」というのは、企業などの組織で男性優位の気風が目に見えない形での壁となって女性の社会進出を阻んでいるということを表したもので、1980年代くらいのアメリカで使われ始めたらしいです。

クリントン氏は演説で、自らがアメリカ初の女性大統領になればこの「ガラスの天井」を打ち破ることになると言っていたわけです。

今回の結果を受けて、クリントン氏は「ガラスの天井を破ることは出来なかったが、いつの日か誰かが打ち破ってくれるだろう」とまたもやこの「ガラスの天井」の話をしています。

 

女性の社会進出が難しいというのはアメリカ以上に日本ではそうだと思います。

議員の数、企業の社長の数、企業の主要ポストに就く数・・・・

いろいろな指標を組み合わせてみても、女性の社会進出は日本は世界的に見てもかなり遅れているようで、世界144か国中111位だという調査結果もあります。

私は以前からいろいろな社長さんに「女性が働きやすい職場づくり」という話をします。女性は一般的には、きめ細かく、対応も柔らかいため、サービス業には特に向いていると思います。そうした女性労働力を会社も積極的に活用していくことは会社にとっても活性化にもつながるし、なにより職場の雰囲気が変わります。メリットは大きいと思います。

さらに、女性が活躍しやすいことに取り組んだ企業には助成金もあります。

女性活躍加速化助成金」というのがあります。この助成金を受給するには、まず、女性の積極的な採用、女性の管理職への登用、女性が働きやすい職場環境の構築(短時間育児休業制度の導入など)といった内容を決めます。その上で、その内容を「一般事業主行動計画」という書式に書き、労働局に提出します。「行動計画」に書いた期間内に目標を達成した場合に、助成金が受給できます。計画期間終了後2か月以内に労働局に支給申請が必要です。

この助成金は、目標を達成した企業に対し、30万円支給されるものです。

常時使用する労働者数が300人以下の中小企業を対象にしていることもポイントです。

女性の活躍できる会社づくりを目指せば、自ずと会社も活性化します。そのついでに、助成金も受給できるのであれば、取り組んでみる価値はあると思います。

PS:
もし、あなたの介護事業所が
実は受給できるはずだった助成金を
ミスミス見逃していたとしたら、どうしますか?

12月5日(火)、主に介護事業者(介護事業者以外も参加可能です)を対象にした、
【助成金受給のための特別セミナー】を渋谷駅近で開催決定です。

この他にも先着順で特典があるので、
人数に達する前にお申込み下さい。
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NHKの大河ドラマ「真田丸」。主人公の真田信繁(真田幸村)の義父(信繁の妻のお父さん)は、有名な戦国武将、大谷吉継です。関ヶ原の戦いで敗れ、自害するわけですが、この吉継は、ドラマなどで登場するとき、必ず頭に頭巾をかぶっています。「悪鎗」だったと古い文書には書いてあるそうです。

今の病気だと、ハンセン病(昔は「らい病」と呼ばれていました)だったのではないかと言われますが、そうではなく、何らかの皮膚病だったとの説もあり、諸説あるようです。

いずれにしても、いわゆる「障がい者」だったのではないか、と私は思っています。

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さて、今日のテーマは障がい者です。

ときどき経営者の方から質問をいただくこともあるものの中に 「障がい者を雇うと助成金が出たりするの?」というご質問があります。

そこで、障がい者を雇ったときにもらえる助成金について、今日はいくつかご紹介したいと思います。

 

障害者の関係する助成金には次のようなものがあります。

・特定求職者雇用開発助成金

・障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)

・障害者トライアル雇用奨励金

・障害者職場定着支援奨励金

・企業在籍型職場適応援助促進助成金

・発達障碍者・難治性疾患患者雇用開発助成金

・障害者職場復帰助成金

・障害者作業施設設置等助成金

・障害者職業能力開発訓練施設等助成金

 

実に10個もあります。まだあるのかもしれませんが、私の手元にあった資料だけでこれだけありました。

さて、このうち、「特定求職者雇用開発助成金」については以前にもご紹介いたしました。↴

60歳以上の人や母子家庭のお母さんを雇用すると助成金がもらえる?

正規雇用で障がい者を採用すると3年間にわたって最大で240万円受給することもできます。この助成金の特徴は、ハローワーク経由で雇い入れすることでした。ハローワークから書類が送られてくる上、申請自体もそれほど複雑ではなく、受給する際の手続きも割と簡単な助成金です。

 

この「特定求職者雇用開発助成金」ですが、平成28年4月1日からは「トライアル雇用奨励金」との併用もできるようになりました。「トライアル雇用奨励金」も以前にご紹介いたしました。↴

比較的受給しやすい助成金 トライアル雇用奨励金ってご存知ですか?

今回の改正は、3か月間のトライアル雇用で「トライアル雇用奨励金」を受給した後、特定求職者雇用開発助成金に移行して、特定求職者雇用開発助成金を続けて受給することが可能になった という改正です。

たとえば、未経験者をハローワーク経由で採用する場合で、その方が障がい者であれば、この併給のパターンに該当しますので、その点も留意点です。

また、従業員数が50名以上の会社で、今まで障がい者を雇ったことがない会社さんであれば、 「障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)」というのもあります。

従業員数が50名以上の会社では障害者を1人以上雇わないといけません。仮に障害者を雇えない場合、1か月あたり雇えなかった障害者1人当たり5万円を支払わないといけません。(常時雇用する従業員100人超の事業主のみ徴収)

その障がい者を雇えなかったことによるいわば罰金を払っていた会社が、初めて障がい者を雇う場合にもらえる助成金が「障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)」です。この助成金は「特定求職者雇用開発助成金」との併給も可能です。ファースト・ステップ奨励金が120万受給できるため、障がい者の雇い入れで特定求職者雇用開発助成金とあわせて200万円以上受給することも可能となります。

 

それから、もう一つご紹介したいのが、東京都のやっている助成金で、「東京都障害者安定雇用奨励金」というのがあります。

障がい者を正規雇用で雇い入れた場合や、雇っていた障がい者を正規雇用に転換した場合に受給できる助成金です。障がい者1人当たり120万円受給できます。

これは東京都独自の助成金です。東京都に事業所がある会社で、障がい者を雇い入れる場合には追加で東京都からこうした助成金も受給できる可能性があります。

 

いずれにしても、障がい者の雇い入れは助成金が非常に多いです。

雇い入れを考えている事業主の方は、専門家にご相談いただければと思います。



さて、前回、「業務改善助成金」というのをご紹介いたしました。この助成金は、最低賃金の引き上げに伴って、時給を上げることを検討している会社さんには朗報だという話でご紹介いたしました。

ただ、この助成金は、地域が限定されていて、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)では使えない助成金でした。

じゃあ、時給を上げても適用できる助成金がないかといえば、あります!

それが「キャリアアップ助成金」です。

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このキャリアアップ助成金というのは、非正規雇用で働く人に対して処遇改善を行った会社に出る助成金です。

この助成金にはいくつかの種類があるのですが、その中に「処遇改善コース」というのがあります。この内容は以下のようなものです。

 

  1. すべて又は一部の基本給の 賃⾦規定等を改定し、2%以上増額させた場合
  2. 正規雇用労働者との共通の 処遇制度を導⼊・適⽤した場合
  3. 週所定労働時間を25時間 未満から30時間以上に延⻑し社会保険を適用した場合

 

上記のいずれかに該当した場合、該当した人数によって、10万円~30万円(11人以上該当者がいれば1人につき3万円)受給できます。

もともと、賃金の改善が5%だったものが2%となったり、社会保険に加入した場合にも該当したり、と受給しやすいようにハードルが下がっています。

最低賃金に絡んで時給の見直しをして「キャリアアップ助成金」の受給も検討してみましょう!